長谷川千雨は喫茶店に足を運ぶ   作:Mamama

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おかしいな、話が全然進んでいない・・・。そんな6話目です。

※時系列としては4話→6話です。
※ちょっと中途半端な終わり方ですが、例によって書いている内に文章量が加速的に増えた結果です。ご了承ください。
※恋愛?のタグが生かせる時がようやく来ました。今までのは全部前振りみたいなものです。

以上の注意事項に留意し、本編をご覧ください。


6話

 夕焼けの空が目に染みそうだ。寮に向かう帰り道にそんなことを思った。ゆっくりと大地を踏みしめるように歩く。俯いて風を突っ切るような速足とは見えてくる景色が随分と違って見える。

それは変わった看板だとか新しくオープンしたコンビニとか、そんな小さなものだけれども、いつも見ているはずの風景とはほんの少しだけ違う新鮮なものを感じる。

気の持ちようと歩くスピードを変えるだけで世界なんて変わってしまうものなんだ、と当たり前の事を今更ながら実感した。

 

自分の部屋に着くのと太陽が地平線へと沈んでいくほぼ同時だった。陽が沈む、陽が落ちる、 陽が沈む、太陽が地平線の下に沈む、陽が落ちる、日が沈む、落日する、日が落ちる、太陽が沈む。たった一つの事柄にぱっと思いつくだけでこれだけの表現が存在する。

 

それが何故かなんて知識のない私には分からないけれど、きっと昔の人は太陽が沈んでいく様子になにか特別なものを見出したんじゃないだろうか。もしそうなら昔の人の気持ちは今の私にも理解できる。寮の廊下から僅かに見える太陽の頭。空と雲は茜色に染まって、そんな黄昏時の空と麻帆良の西洋建築物とのコントラストが不明確になる。太陽と麻帆良が一緒になって溶けていく、そんな印象派の絵画を見ている気分。

 

断末魔のような最後の残光。光は消え、ここからは夜の世界。太陽が沈む短い時間に世界は劇的に変化した。世界が変わるようにという表現があるが、まさしくこの事を指すのだろう。

 

おそらく大体の人が夜より朝昼を好むように、私も夜が好きではない。もちろん嫌いというわけでもないけれど、街灯の明かりだけを頼りに外に出るような真似はしたくない。暗中模索なんて真似は半年以前には嫌というほど経験した。

 

夜は本来の私が姿を取り戻す時間だ。マスターに遠慮のない、朗らかな長谷川千雨はいない。聡美がいればまた違ったんだろうけど、彼女は大学の研究室だ。

一人は寂しい、なんて贅沢なことを聡美と友人関係になってから考えるようになった。一人が気楽だった時代が懐かしくもあり、なぜ一人で平気だったんだろうという疑問を抱かせる。

 

入口付近の電気のスイッチを押すと、シーリング照明が無遠慮に光りを灯す。私しかいない部屋は喫茶店と違ってもの寂しさしか感じさせない。私と聡美の私物が少ないこともそれに一役買っているだろう。

 

手提げバッグをそのあたりに適当に放り投げ、ベッドに直行。着替えることもなくそのままダイブを敢行する。飛び込んだうつ伏せの状態から身を捩るように仰向けの状態へシフト。そこでようやく一息ついた。

ぼんやりと天井を見つめる。何の変哲のないモノトーンが広がっているだけだが、その殺風景さは考えをまとめるにはちょうどいい。

 

私、長谷川千雨にとってマスターがどういった立ち位置の人間なのか?と聞かれると、それは中々に返答に困る質問だ。

友人と呼ぶには些か苦しい。それほど深い仲ではないし、年齢も離れている。

相談相手、というのもしっくりこない。そんな事務的な付き合いではない、と私は思っている。

様々な位置を巡りめぐって、結局は『喫茶店のマスター』へと回帰する。

喫茶店のマスターと常連客、それ以上でも以下でもない関係。

 

だからこそ気楽でいられたし、喫茶店は居心地の良い場所でいられた。

しかし日溜まりに微睡む猫のような居心地に、同時に不安感に襲われる。

全ての物事には終わりがある。私とマスターをつないでいるのは喫茶店というただ一つのものであり、例えばこの喫茶店が潰れてしまうとそれだけで、私とマスターの縁は切れてしまう。

 

――――嫌だ。

考える間もなく反射的にそう思った。

ああ嫌だ。それだけは絶対に認められない、認めてはならない。

 

だからこそ、私はマスターと別の繋がりが欲しい。喫茶店のマスターと常連客ではなく、まったく別の強固な絆を。それは例えば――

 

『もしかして、その人のこと好きなんですか?』

 

『・・・どうなんだろうな』

 

 唐突に聡美との会話を思い出す。私の言葉ははぐらかしたわけでもなんでもなく、本当に分からないんだ。

自分のことは自分が一番よくわかっているなんて大嘘も大嘘。自分の事を分かっているんだったら、私はこんなに苦しんでいない。頭の中はぐるぐると螺旋を描き、混沌と化している。様々な考えが頭の中を駆け巡っては消えていき、頭に幻痛を生み出していく。

 

 

分からないんだ。私はどうしたいのか、私はどうありたいのか、私はなにがしたいのか。

まるでマスターと出会う半年前に逆戻りしてしまったように、分からないことだらけだ。

けれどただ一つだけ、確信していることがある。偽ってはいけないものがある。

 

 

 

 

高校に進学して、大学を卒業して、私はどんなことをしているのだろうか。

そんなことは考えたって分からない。半年でも分からなかったんだから、何年も未来の事に目を向けるなんて今の私にはできそうにない。けれど、ただ一つだけ。

 

――――そのことも踏まえて私の将来を考えてみよう。

答えは、割りと簡単に出た。

 

あの人と、ずっと一緒にいたいなぁ・・・。

 

具体性の欠片もなく、将来の職に思いを馳せるわけでもなく、なぜそんなことを思ってしまったのかなんて自分でも理由は分からないけれど。唐突にごく当然のように、そんな思いが心の表面に現れた。

それだけは、私の偽りざる気持ち。

 

 

 

 

 

 

 

 くぅ、という自分の腹の音に私は我に返った。壁掛け時計を見ると午後8時を回るところだった。お腹は減るけれど、何かを食べたいという欲求は湧かなかった。けれど明日は学校だ、なんでもいいから腹に詰めようとのっそり立ち上がる。

 

キッチンの棚を漁るも、目当てのブロック型の栄養食品のストックは底を尽いていた。最近はあまり食べなかったからつい買うのを忘れてしまっていたようだ。冷蔵庫の中も確認するが、そのまま食べられる冷凍食品の類ははなかった。食材そのものは揃っているが、いまいち料理をする気分にもなれない。電子ジャーの中も空っぽだ。

 

諦め半分、キッチンの収納スペースを開いていく。そこで食品ではないが懐かしいものを発見した。

 

「インスタントコーヒーかよ・・・」

 

 今では無用の長物になりさがったが、喫茶店に通うまでは時々お世話になっていた代物だ。ラベルを確認すると賞味期限は今月末。半分以上は残っているコーヒー粉は消費するには量的にも味的にも厳しいだろう。ボトルキャップを開けてみると意外と香りは良い。興味が湧いたのと暇つぶしを兼ねて、インスタントコーヒーを飲んでみることにする。コーヒーだって少しは腹の足しにはなるだろう。

 

今回のコーヒーは安っぽさに拘っていれてみようと思う。お湯を沸かすのは銅ポットではなく電気ケトル。使う水も水道水だ。コーヒー粉を適当にスプーンですくい、マグカップに入れていく。そこにお湯を入れてかき混ぜれば完成。実に簡単だ。便利というのはいいものだが、時々恐ろしく感じるのは私だけだろうか。

 

おそるおそる黒々とした液体の匂いを嗅いでみる。渋みが強いような気もするが、まあ許容範囲。

マグカップを揺らし一口。味を楽しむというよりも薬を飲むような感じだ。

 

味の感想は・・・うん、これはない。

賞味期限が間近であることと単純にコーヒー粉の量が多すぎたということもあるだろうが、只管苦いだけだ。深みもコクもあったもんじゃない。お湯に大量のカフェインをぶち込んだだけの代物。確かに目は覚めるかもしれないが、目覚まし以上のものにはならないだろう。

結論。不味い。

 

頑張って飲もうと思ったが、3口ほど飲んだところで挫折する。マスターのコーヒーに慣れきった舌にとってこれは耐えがたい苦行だ。余りの不味さに何故か笑いさえ込み上げてきた。

 

「ぷっ・・・くくく・・・!」

 

 口を手で防ぐが堪えきれず、噴出してしまった。声が次第に大きくなり、最終的には爆笑レベルへ。カフェインが心の中の暗鬱としたものを吹き飛ばしてくれたようだ。心が落ち着き、思考がクリアになる。

 

下手な考え休むに似たりという言葉がある。どんなに考えたって分からないことなんていくらでもある。私は自分がただの女子中学生であることを忘れていたらしい。

分からないことがあるなら、誰かに教えてもらえばいい。

知らないなら、知ればいい。

 

時間は有限で私達は常に選択を迫られている。だからこれも私に突き付けられた選択肢の1つなのだろう。

そこでどんな選択をするか、それは大した問題ではない。後になってその選択肢は良いものであったと言えるようになればいいのだから。

 

思い立ったが吉日、鉄は熱いうちに打て。

そんな諺があるように、たまには向こう見ずな行動だって悪くはない。

気恥ずかしさがないわけでもないが、リスクなしでリターンを得ようなんて然うは問屋が卸さないのだ。

聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥なんて言葉もある。つくづく先人は偉大だと思い知らされる瞬間だ。

――――さて、今日はそんな偉大なる先人の言葉に従って若者らしく何も考えず突貫しようか。

 

向かう先は玄関。ドアを開くと外はすっかり暗くなっており、廊下の蛍光灯が通路を照らしていた。目指す場所はとあるクラスメイトが暮らす部屋だ。正直な話、親しい間柄というわけではないが、彼女ならば私の気持ちも理解できるだろうし、なんだかんだで真摯に相談に乗ってくれそうだ。少なくとも性格から考えると無碍にはしないでくれるだろう。

 

なんか私、女子中学生っぽいことしてるな。

歩きながらそんな感想を抱き、再び笑みがこぼれた。

 

 目的の部屋の前へ到着する。もしかしたら大浴場の方に行ってるかもしれないという不安はあったが、部屋の中から僅かに話し声らしきものが零れているのでその心配はなくなった。私は深呼吸を数回繰り返し、心臓を落ち着かせドアチャイムを押す。ピンポーン、という何だか間抜けに聞こえる音を合図に誰かがぱたぱたとした足取りで玄関に向かってくる。

 

「はーい、誰ですかー・・・って千雨ちゃん?どないしたん、こんな時間に」

 

 玄関扉からひょっこりと顔を覗かせたのは同じクラスメイトの近衛木乃香。黒髪ロングヘアーの和風美少女だ。近衛も意外と世話好きな一面があるから、彼女に頼るという手もないことはないが、今日用があるのは彼女のルームメイトの方。

 

「悪いな近衛、こんな時間に。迷惑だったか?」

 

「ううん、そんなことないけど。千雨ちゃんが来るなんて珍しいなぁ」

 

 とりあえず上がっていく?という近衛の誘いを丁重に断る。ここに住んでいるのが2人だけなら一考の余地があったが、ここにはあの子供教師も住んでいる。下手をしたら話が肥大化して教室内で公開処刑なんてことがありえそうだ。ここは子供教師が出てこないうちにさっさと用件を済ませるとしよう。

 

「ちょっと相談っていうか、聞きたいことがあってな。神楽坂を呼んでくれないか?私の部屋に招きたいんだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 神楽坂は私直々の指名に驚いたようだったが、特に文句を言うことなく快諾してくれた。3-Aは非常識でぶっ飛んでいて騒がしいくせに、基本的に気のいい連中が揃っている。だからこそなんだかんだで嫌うことはできないんだろう。

 

「悪いな、親しくもないのにいきなり部屋に呼んじまって、はいお茶」

 

 神楽坂をダイニングテーブルの席につかせ、冷蔵庫の麦茶を注いだコップを神楽坂に差し出す。コーヒーを淹れようかとも思ったけれど、神楽坂の好みも分からないから止めておく。

 

「気にしないでいいわよ、ちょっと驚いただけだから。でも聞きたいことって何?」

 

 単刀直入に聞いてくる神楽坂のさばさばとした性格はたまに羨ましくなる。姉御肌というのは神楽坂のような奴を指すのだろう。なんだかんだであの子供教師の世話もきっちり焼いているようだし。

 

「ああ、なんていうかちょっと聞きづらいことなんだけどさ――――」

 

「うん」

 

 のどが渇いていたのか、神楽坂はコップを急角度に傾け、

 

「高畑先生のどこに惚れたんだ?」

 

「ぐふぉ!!」

 

 女子中学生が出してはいけない声と共に麦茶を盛大に咽た。予想外すぎる私の質問の意図がよくわかっていないのか、放心したようにぼけっとした表情を保っている。口の端から零れる麦茶のせいでいつもより2割ほどバカっぽく見えた。

 

おそらく神楽坂の頭の中では私の言葉が何度もリフレインされているんだろう。数秒後、意味を理解し頬を真っ赤に染めた神楽坂は混乱のせいか、狂ったビデオテープ映像のような奇声を発した。ここまでは完全に予想できた反応。

 

「ちちち千雨ちゃん!?い、いいいいいいま何て言った!?」

 

 身を乗り出し、私の肩を掴む。無意識なんだろうが、マウンテンゴリラを彷彿させるとんでもない握力のせいで肩がもげそうだ。

 

「まあ落ち着いてくれよ。ほら、麦茶も溢してるし」

 

「え!?・・・あ、ごめん」

 

 神楽坂は直情的なタイプだから一度感情が高ぶってしまうと、普通だと中々元には戻らない。戻すためには何でもいいからワンクッションが必要だ。要するに、冷静になるための切っ掛けを作ると案外戻り安い。マスターの薀蓄話の一つだが、なかなかどうして侮れない。

 

予め用意しておいたハンドタオルを神楽坂に渡す。神楽坂が顔を拭いている間に私は台拭きで零れた麦茶を軽く拭いておく。気持ちを落ち着かせるように顔で拭うと神楽坂も落ち着いてきたらしい。私に使い終わったハンドタオルを手渡す神楽坂の瞳にはちゃんと理性が戻っていた。顔は相変わらず熟れた林檎のように真っ赤だが。

 

「慌てすぎだって。いつもクラスで弄られてるだろ?」

 

「パルとか朝倉に弄られるのはある程度耐性がついてるけど、千雨ちゃんの口からそんな言葉が出るとは思わなかったのよ・・・」

 

 神楽坂は疲れたように、テーブルの上で腕を組み顎を乗せる。いきなり私と聡美の部屋に呼ばれて緊張した顔つきだったが、先ほどのやり取りでそんなものは吹き飛んでしまったらしい。悪い悪い、と謝る私に胡乱気な視線を寄越す。

 

「大体なんで今、そんなこと言わなくちゃいけないのよ」

 

 まったくその通り。いきなりクラスメイトの部屋に呼び出されたかと思えば、片思い中の男について語れだなんて、ただの悪質な罰ゲームだ。

 

「あー・・・気になったから、じゃ駄目か?」

 

 神楽坂は何故高畑を好きになったのだろうか。頼りがいのあるイケメンが選考基準であれば、そんなものは麻帆良を探せばいくらだっているだろう。自分の倍ほど生きている高畑を選ぶ必然性なんてどこにもない。

だから神楽坂が何故高畑を選んだのか、そこには明確な理由があるはずで。

その明確な理由は一体なんなのか、私と神楽坂の違いはどこにあるのかを知りたい。

 

そんな諸々の思いを混ぜた『気になったから』だったが、神楽坂としてはそんな言葉一つで納得できるものではない。

 

「そりゃあ高畑先生の魅力についてなら1時間は話せるけど。それなら別に今日じゃなくてもいいんじゃない?1週間もあればどうせまた弄られることになるわよ」

 

 不貞腐れたように神楽坂はそう言うが、神楽坂本人の口から語られるからこそ価値があるのだ。3-Aはその場のノリで生きているような連中だが、弁えるところは弁えている。神楽坂が本当に嫌がっているようだったら弄るのを止める程度の分別は、あいつ等は持っている。

 

つまり教室で語られるものは表面上のものだけだ。私が知りたいのはもっと深く踏み込んだ部分。無茶苦茶なことを要求していると自分でも理解しているが、今日を逃したらもう永久に一歩を踏み出せなくなりそうだった。

 

「なんでいきなり急に・・・ハッ!?もしかして千雨ちゃんも高畑先生の事が!?」

 

「いや、それは違う」

 

 昼ドラのようなドロドロの三角関係などご免だ。神楽坂がヤンデレと化したら冗談抜きで私は殺されるんじゃなかろうか。学校に警察を呼ぶような展開なんて嫌すぎるので、そこはキッチリと否定しておく。

 

「別にふざけてるわけじゃねえんだ。私も結構悩んでさ。もしかしたら神楽坂の話が私の悩みを解決するための鍵になるかもしれないって思って。・・・気を悪くしたなら謝る。でも私も真剣なんだ」

 

「いやそんな頭を下げられると私も困るんだけど。・・・ああもう、分かったわよ!話すわよ!話すから頭上げて!私がすごい悪者みたいじゃない!」

 

 最終奥義『情に訴える』が功を奏し言質を取ることに成功する。もちろん申し訳ないという気持ちは本当にあったから、真摯な態度で頭を下げた。

 

「悪いな神楽坂、恩にきる」

 

「このくらいいいわよ、いつもの焼き増しみたいなものだし。あ、でも一個条件付けてもいい?」

 

「条件?」

 

「うん、だって私だけ喋るなんて不公平じゃない。だから私の話が終わったら、千雨ちゃんがいきなりこんな話を聞きたがった理由を教えて。これが条件」

 

 バカレッドの癖に強かな真似をしてくれる。神楽坂が全てのカードを握っている以上、私の神楽坂の条件を呑むしかない。それはちょっと、と悪あがきするが、最終的にため息をついて了承するはめになった。見下していたわけではないが、バカレッド相手に手玉に取られるというのは中々衝撃的だ。

 

「その前に新しい飲み物でも持ってくるよ。・・・そういえば、神楽坂ってコーヒー飲めるか?」

 

 神楽坂のイメージ的に飲めそうになかったが、聞いてみると飲めるらしい。新聞配達のバイトに行く道すがら、自動販売機で眠気覚ましのコーヒーをたまに買うのだとか。

 

エスプレッソでも作りたい気分だが、生憎エスプレッソマシンもマキネッタも持ち合わせていない。だから今日は深煎りのイタリアンローストでもご馳走しよう。

深い苦味は神楽坂の話にいい感じにアクセントを加えてくれそうだ。

 

 




 正月の番組でよく『富士山の頂上からご来光を』みたいなものがよくありますよね。でも別に富士山に限定しなくたって他の低い山に登ればいいし、太陽なんて一個しかないんですから家で見ようが富士山の頂上で見ようが、本質的にまったく同じものです。

にも関わらずあれほど感動できるのは、途中の悪路であったり、天候不順であったりとか、そういった障害を乗り越えてきたからだと思います。つまり気の持ちようです。
『長谷川千雨は喫茶店に足を運ぶ』ではそういった人間特有の微妙な部分を描写したくて頑張っています。物語も佳境ですが、是非最後までお付き合いください。

話は変わりますが、感想で『珈琲時間』という漫画を薦められたので買ってみました。地味ですが、余韻を味わうのにいい作品だと思います。本屋で見かけた際には手に取ってみてはどうでしょうか。

感想、意見お待ちしています。

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