これにて、さらばです。
懐かしい人から手紙が届いた。
メールもあるのに、昔ながらの古風な紙の手紙。
色々と考えただろうが、真っ白な封筒に真っ白な便箋。
そこに書かれた文字は、可愛い女の子のもので。
前略、テラさん、ルリさん、お元気ですか。
私こと吹雪は、今日も元気です。
早いもので御二人と別れてから、もう五年が過ぎていました。
挨拶もなく消えてしまって、皆が怒っていますけど、テラさんらしいなと納得しました。
あれから、少しずつ艦娘が消えて行っています。
役目を終えた彼女達は、やがてまた世界へと溶けていくのでしょう。
とはいえ、元八丈島鎮守府所属の艦娘は一人として消えることなく、今日も元気に『高天原』を駆って自由気ままに生きています。
時々、高野総長から『自重という言葉は、知らないらしい。さすが、テラの艦娘達だ』と怒られますが。
たぶん、私達もそのうち消えてしまうのかもしれません。
けど、悲観している子は一人もいませんよ。
今日で終わることになっても、テラさんとルリさんの『駒』であった私達は、精一杯に私たちらしく元気に楽しく生きています。
私達の人生ですから、絶対に落ち込まずに、前だけ向いて笑顔で進んでいきますから。
だから、私達は今日も元気です。
どうか御二人もずっと元気でいてください。
でも、いつか絶対にそちらに行こうと皆が考えていますから、会った時は覚悟してくださいね。
あの時、ルリさんが大淀さんに言ってくれた言葉を、最後に送り返したいと思います。
いつか、『
追伸、青葉さんが私達の最近の様子を写真にして、アルバムに纏めてくれました。
ついでなので送ります。
アルバムの名前ですが、皆で話し合って決めました。
メモリーとか、思い出とかではなく、ちょっとシャレてみました。
いかがですか?
「テラさん、手紙は誰からですか?」
「ルリちゃん、吹雪達からだよ。元気にやっているってさ」
「それはそれは、あの子たちはテラさんの忠実な『駒』ですから。遠く離れていても、元気に楽しく自分らしくでしょうね」
「そう書いてあるよ。アルバム送ってきてくれた、最近の活動様子だって」
「報告も怠らないのはいいことです。それで、アルバムにタイトルでもつけていますか?」
「ご明察、あの子たちが考えたんだって。ちょっとシャレているでしょ?」
「ああ、本当ですね」
ルリが持ち上げたアルバムの表紙には、踊るような文字でこう書いてあった。
『艦隊これくしょん』
『完』。
読んでいただき、ありがとうございます。
これにて、テラとルリの鎮守府生活終了となります。
でも、設定を変えてのもう一回は、あるかもです。
その時は、またお付き合いしていただけると、嬉しく思います。
では、さらばです。