ラグナレクストーリー:湘南   作:ヨツバ

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こんにちは。息抜き作品で投稿しました。
物語の内容は史上最強の弟子ケンイチと辻堂さんの純愛ロードのクロス作品です。
時系列としてはラグナレク編ですね。私が勝手にラグナレク視点で新白連合と戦っている間に朝宮龍斗が湘南に訪れていた話になります。
なので主人公は朝宮龍斗です。

残念ながらケンイチの出番はありません。もしかしたらちょこっと出るくらいかもです。


湘南へ

ラグナレク本部。珍しく幹部である『八拳豪』のメンバー全員が集合していた。

第一拳豪オーディーン。第二拳豪バーサーカー。第三拳豪フレイヤ。第四拳豪ロキ。

第五拳豪ジークフリート。第六拳豪ハーミット。第七拳豪トール。第八拳豪バルキリー。

これはまさに錚々たるメンバーだ。並みの不良なんて息もできないだろう。

 

「これは珍しい。八拳豪が全員集合とはな」

「ちょっと前に集合しただろうロキ。キサラが八拳豪入りした時にな」

「それは置いといてだフレイヤ。取りあえず近状報告でもしますか。俺が指揮っていいかいチーフ?」

「構わん」

「んじゃあ始めるか。ってトール、椅子に座れ!!」

「ワシは実践相撲の稽古中じゃあ!!」

「それも構わん。早く始めろ」

「チーフがそう言ってんだ。はじめようじゃないか」

「ったく仕方ねえな」

 

ロキが今のラグナレクの状況を説明する。現在進行形でラグナレクのメンバーは急増中で、ここら一帯の不良は全てラグナレクに吸収されているか潰されている。

なので敵対チームは他の県か町にでも行かなければいないだろう。そもそもラグナレクはただの不良チームでは無い。『武闘派不良集団』なのだ。

 

「バルキリーの昇格によりラグナレクはさらに強大になった。これからもより一層ラグナレクは強化しねえとな」

「まだ強化すんのかい?」

「ああ。お前の八拳豪入りした時に聞かされただろ。俺らラグナレクの最大の敵であるYOMIと戦うためにな」

「YOMIか…」

 

YOMI。実態は分からないがラグナレクにとって最大の敵チームである。しかし分からないのはオーディーンとハーミット以外の者だけだ。

 

(もし戦うことになったらまだ戦力不足…いや、実力不足といったところだな。修業がまだ足りない)

 

オーディーンこと朝宮龍斗は八拳豪のメンバー全員の実力を見定める。彼ら全員とも才能がある。才能の原石とはまさに彼らのことを言うのだろう。

鍛え上げれば化けることが可能な人材たちだ。だからこそ拳聖こと緒方一神斎に人材の宝庫とも言わすほどである。

 

「んでだ。ラグナレクを更に進出させるために徐々に戦力を拡大している。そして新たな人材もスカウトしようとも思ってる」

「新たな人材?」

「ああ。中には俺らのように才能あるやつがいるかもしれねえ。スカウトしないともったいねえだろ」

「まあ確かに人材が多いにこしたことは無い」

「ほれ、チーフも言っている」

(才能ある者か。そういえば『ティターン』に居たな、彼女もいずれ拳聖様に選ばれるだろう)

 

朝宮龍斗は今まで出会った人物で才能ある者を思い出す。

 

「俺がいくつか気になるチームをピックアップしてある。許可があれば今すぐにでもスカウトしにくか、邪魔だったら潰しにいくぜ」

「ああ。許可する」

 

ここで朝宮龍斗は何を思ったのか、自分もスカウトに行ってみようかと考えてしまう。やはりティターンでのことを思い出したからだろうか。

 

「これは珍しい。チーフ自らとは」

「どれでも良い。資料をくれ」

「じゃあコレをお願いしますよっと。誰かつけるか?」

「必要ない。1人で十分だ」

 

資料には3チームの名前が書かれていた。『江乃死魔』、『皆殺し』、『辻堂軍団』。これら総じて『三大天』。

 

(場所は湘南か。少し遠いな…ところでこの『皆殺し』ってチーム名なのか?)

 

第一拳豪オーディーンこと朝宮龍斗。湘南に向かう。

 

 

・・・・・・・

 

 

湘南。神奈川県の相模湾沿岸地方にある場所。観光資源が豊富で観光集客力が高い地域でイメージ的には海や若者などを連想させる。

そして今、最も熱いイメージが『不良』である。補足するが湘南が不良の地域というわけでは無い。今の時期、湘南が何故か不良のスポットになっているだけだ。

それは今までの湘南の歴史の中で不良が今の時期で争いをしてきた。今回は『三大天』という不良チームが覇権を争っているらしい。

 

「ここが湘南か。賑わっている…そして暑いな」

 

『三大天』という3つの不良チームが覇権を争っている割には湘南は平和そうで賑わっている。朝宮龍斗は自動販売機で冷たいジュースを買って喉を潤す。

周囲をもう一度見ると不良らしき者はいない。いるのは元気な一般人だけだ。

 

(ここにはいないか。まあ不良なんて居そうで居ないものだな。だが大体不良のいそうな場所は把握できる)

 

巨大組織である武闘派不良集団ラグナレクをまとめるリーダーである朝宮龍斗は不良の行動くらい読める。

己の勘を頼りに歩きだす。だが有名な不良チームならば誰かに聞けば分かるかもしれない。勘で探すより人に聞いた方が早いだろう。

 

(適当に誰かに聞いてみるか)

 

誰に聞いてみるかと考え、周囲の人を見渡す。すると1人の学生を見つける。そこらの大人に聞くより学生の方が不良の情報を知っているかもしれない。

学生は学生で独自の情報を持っている。ならば、と思って意を決める。初対面なのだから作り笑顔で近づく。

 

「ちょっと、そこの君。良いかな?」

「はい、何でしょう?」

 

黒髪の学生に話しかける。

 

「すまないな。実は聞きたいことがあるんだ。『三大天』という不良チームたちを知っているか?」

「三大天。もしかして辻堂さんたちのこと…」

 

朝宮龍斗は「ビンゴ」と心の中で呟く。さっそく目当てのチームの情報を知っている奴に出会うのだから自分の幸運は高いようだ。

 

「自分は長谷大と言います」

「これは自己紹介が遅れた。僕は朝宮龍斗だ」

「三大天のことですが、自分もあまり詳しくありませんけど…辻堂さん、腰越さん、片瀬さんたちのことですね」

 

長谷大は丁寧に教えてくれた。流石にチームの規模などの情報は分からないようだが、大体何処にいるか、何処の学園の学生かは教えてくれた。

ある程度情報があれば十分だ。ロキが得た情報も照らし合わせれば更に十分すぎる。

 

(しかしこの長谷大という男は何かまだ隠しているな。説明している中で何かところどころ隠している節がある)

 

朝宮龍斗の考えは正解である。長谷大は三大天たちと関わりがありすぎるのだ。彼もまた三大天、特に辻堂愛を知ろうとする朝宮龍斗に怪しさを思っている。

 

(この人も不良なのかな。もしかして辻堂さんたちを潰しに来た他の地域からきた人?)

「教えてくれてありがとう。今日は暑いね。教えてくれたお礼だ。ジュースを奢るよ」

 

ゴトン。

自動販売機からジュースを買って取り出す。そして長谷大に渡す。この行動や雰囲気から不良とは思えない丁寧さだ。

だから長谷大はつい聞いてしまった。彼が不良であるかどうかを。

 

「あの、貴方は不良ですか?」

「え?」

「だって三大天、辻堂さんたちのことを聞いて来たから」

 

彼は「辻堂さんたち」と呼びなれた感じで名前を言った。やはり予想した通り長谷大は三大天に多少は関わりがあるのかもしれない。

 

「…僕は不良じゃないよ」

 

朝宮龍斗は不良では無く、武術家だ。武闘派不良集団のリーダーではあるが。

不良かと言われれば否定する。彼は力を求める生粋の武人だ。不良と間違われるのは不快になる。

 

(本当、武人なのに不良チームのリーダーって可笑しいな。最も人材探しのためのチームだけどな)

「そうでしたかスミマセン」

「いや、構わないよ。不良の情報を知りたい奴を不良と思っても仕方ないし」

「本当にスミマセン。実は辻堂さんとはクラスメイトでして、よく他の地域から不良が来て勝負を仕掛けてくるんですよ。しかも授業中や登校中に」

「なるほど」

 

クラスメイト。それならある程度、情報を知っていてもおかしくない。それでもクラスメイトにしては関わりは深そうな気がする。

長谷大が三大天と関わりがあるのは単純にそのような流れに巻き込まれたからと言う他ない。最も長谷大の決意で関わったというのもある。

 

「それにしても朝から学園に乗り込みとか凄いな」

「それに関しては迷惑ですよ。しかも人質まで取って…でも辻堂さんが助けてくれましたけどね」

「ふーん。そうなんだ」

 

不良が襲撃なんて珍しくも無い。ラグナレクでは当たり前だ。品性が無いのはいただけないが。

不良にも話が分かる者と分からない者がいる。ラグナレクには多種多様の不良がいるので致し方ない。

 

「そう言えば不良でも無いのに何で三大天のことを?」

 

この質問を聞かれるのは当たり前かもしれない。だだ、返す言葉は既に決まっている。

 

「実は観光でこの湘南で訪れていてね。そしたら三大天なんて不良チームが幅を利かせているらしいから気を付けようとね」

「ああ、なるほど」

 

納得がいったのか手をポンと叩く。

 

「辻堂さんは不良だけど良い人だよ。こっちから喧嘩をふっかけなければ」

「ハハハ、しないよ」

「片瀬さん…江乃死魔っていうチームだけど数の多いチームだから情報とか聞きまわっていると狙われるかもしれないから気をつけて」

「数が多い。何人くらいか分かる?」

「確か100人以上はいるって噂です」

 

100人と聞かれて少し関心する。100人もまとめるリーダーならカリスマがあるのだろう。

 

「最後に腰越さんだけど『皆殺し』って呼ばれれて、結構気難しい人だから気を付けて」

「そうなのか?」

「はい。機嫌が悪い時に話しかけるとマズイです。なのであまり関わらない方が良いですよ」

「ふむ」

「でも悪い人じゃないですよ」

「どっちだよ。でもまあ、分かった。ありがとう」

 

お礼を言って朝宮龍斗は長谷大と別れる。

 

「…朝宮龍斗さんか」

 

ポツリと呟くのであった。

 

 

・・・・・・・

 

 

湘南の海が見える通りを歩きながら周囲を見る。長谷大に観光をするなんて言ったが良いかもしれない。

三大天をスカウトがてら観光でもしようと考えるのであった。

 

(ラグナレクもだいぶまとまってきたからな。最近もバルキリーも加わって上々だ。少しの観光くらい良いだろう)

 

ラグナレクの現状は未だに拡大中。そんな中で最近の出来事と言えばバルキリーこと南條キサラの部隊で『技の3人衆』の武田一基の脱会リンチがあるのを思い出す。

彼は左腕が動かないが才能ある人物だ。もし左腕が復活すれば八拳豪入りできたかもしれない。

 

(勿体ないな。それとロキの奴が最近妙な動きをしているが、気に掛けるものでもなさそうだ)

 

テクテクと歩いていると堤防の上で青髪の女学生が寝ているのを発見する。なんとも持ちよさそうに寝ている。

 

(…あの女は才能があるな。でも一般人なら関係無い。また勿体ないな。いや、三大天のスカウトが終われば新たにスカウトしてみるか)

 

素通りする。目指すは七里学園。そこに『江乃死魔』の片瀬恋奈と『皆殺し』の腰越マキがいる。ならばそこで聞き込みすれば更に居場所が分かるかもしれない。

 

(まずはどんな奴らか会わないとな。スカウトはそれからだ)

 

暑いので冷たいジュース飲みながら七里学園に向けて歩く。

 

 

・・・・・・・

 

 

朝宮龍斗は商店街のカフェで一息ついていた。七里学園での聞き込みをしてみたが収穫はゼロ。どうやら不在であったようだ。

最初の段階で良い情報得た反動なのか分からないが、その後は会えそうで会えない。もしかしたら『江乃死魔』の兵とは出会ったかもしれないが向こうから言わなければ分からないだろう。

しかし、出会っていたならば朝宮龍斗が「三大天のことを聞きまわっている」という情報が広まるだろう。白い服にメガネ、青みがかった髪。これだけの目印もあれば大丈夫だ。

 

「ねえねえ、あの人カッコよくない?」

「うんイイカモ」

 

カフェで一息ついていたら女学生から自分のことに関して言われている。だが全然気にしない。

彼が興味があるのは強き者だけだ。自分の噂などどうでもよい。

 

(…カフェで一息もつけないか)

 

無駄な注目を浴びるつもりはない。今日はもう帰ろうと思い、会計を済ませる。

 

「おい、あいつ」

「ああ。やっちまうか」

(何か分からないが変な因縁でもつけられたな。これだから不良は…まあ相手が江乃死魔ならちょうど良い)

 

何故か因縁を吹っ掛けられた朝宮龍斗。後ろからバレバレの尾行をしてくる不良を寧ろ人気の少ない場所へと案内する。

 

(数は5人か。店には2人で、途中で3人加わったようだな)

 

闘わなくても分かる。相手はただの雑魚にすぎない不良だ。正直に言うと戦うのも面倒だが相手が『江乃死魔』ならちょうど良い。

 

「おい。ボクに何か用か?」

 

人気の無い場所に到着してバレバレの尾行をしてくる不良たちに声をかける。

 

「っへへ、なーに。お前が金持ってそうでな」

「そして女にモテてんのが気に入らねえ!!」

「そうか」

 

なんとも頭が痛くなる理由で、因縁を吹っ掛けられた方としてはたまったものではない。

これが一般人なら理不尽すぎるだろう。しかし彼にとってはどうでもよいのだ。相手が『江乃死魔』かどうかが重要である。

 

「お前らは?」

「俺たちは湘南で天下を取りに来た『デッドボーン』だ!!」

 

ハズレであった。これには朝宮龍斗も一瞬で興味を失ってしまう。ため息すら吐いてしまう。

 

「何ため息吐いてんだああああ!!」

「おとなしく金だせやああああ!!」

「五月蠅い雑魚どもが」

「あん、何だって?」

「五月蠅い雑魚って言ったんだ。聞こえもしないか?」

「死刑決定だあああああ!!」

 

不良たちが凶器を持って一斉に襲い掛かってくる。

 

「ふん」

 

制空圏発動。

彼の制空圏に入って来た全ての不良たちは何が起こった分からずに殴り飛ばされた。

 

「あ、あが…痛てえ」

「な、何が起こったんだ!?」

 

ジャリっと音を立てて倒れた不良に近づく。

 

「ひいいっ!?」

「さっさと消えろ雑魚ども!!」

 

鋭い気当たり、殺気を不良たちにぶつける。すると勝手に吹き飛んだ。

これは超能力でもなんでもない。不良たちが朝宮龍斗の気当たりに押し負けて勝手に、無意識に自分から後退したのだ。

 

「ハズレか。今日はもう帰るかな」

 

定期券を取り出して駅へと向かう。また湘南へと来ることを思いながら。

 

 

・・・・・・・

 

 

ドサッと不良たちが倒れる。

 

「いっちょあがりだってーの!!」

「シシシ。こいつらも大したことないね。こんなんで湘南を取りに来たとか笑うしかないシ」

「5人っすね。これでまたメンバーが集まりましたね恋奈様」

「ええ、これで江乃死魔はまた大きくなったわ。このまま江乃死魔はもっと大きくなる」

 

彼女たちは『江乃死魔』の主要メンバー。

リーダーの片瀬恋奈を筆頭に幹部の一条宝冠、田中花子、乾梓である。今は『江乃死魔』の戦力拡大のために様々な不良チームを潰して吸収しているのだ。

既にメンバーは3桁は越しているチームとなっている。これをまとめる片瀬恋奈はカリスマに優れているだろう。

 

「それにしてもこいつらぶっ飛ばす前からボロボロだったけどどっかとヤリあったんすかね?」

「そうなのよね。おい、てめえらどっかのチーム潰しあったのか?」

「じ、実はさっき白い服にメガネをかけた男にやられたんだ」

「白い服に眼鏡?」

 

ハテナマークを浮かべる彼女たち。流石に白い服に眼鏡なんて探せばどこにでも居そうだ。

 

「あ、もしかしてソレってあれじゃないすか?」

「あれ?」

「さっき部下から連絡があったじゃないですか。白い服を着た青みかかった髪の眼鏡男がうちらや辻堂、皆殺しを探し回ってるって」

「ああ、それか」

 

『江乃死魔』は大人数から構成されているチームだ。湘南で三大天の情報を聞きまわっていれば、その情報はすぐにでも回る。

朝宮龍斗の考えはまさに的中していた。

 

「へえ。たった1人で5人をね。だがそんなんじゃ驚くことはないわね」

「そっすね。まあちょっとはできるって感じくらいっすねー」

「れんにゃ。そいつを探すの?」

「お、それなら任せてくれよ」

「面白そうだから探すわ。もし不良なら戦力強化としてチームに勧誘する」

 

ニヤリと口元が歪む。

 

「湘南の天辺にいくのはアタシよ」

 

湘南はまだ静かであった。




読んでくれてありがとうございました。
息抜き作品なんで続きがあるか分かりません。なので期待しないでください。
気分が乗れば書いて投稿していきます

では、期待しないで待っていてください
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