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朝宮龍斗の目の前には青髪の不良女性を筆頭に何人も不良が集まっていた。この不良たちは辻堂軍団だ。
腰越マキの次は辻堂軍団の頭である辻堂愛を探していたがちょうど関係者である軍団が現れてくれて助かる。
これならリーダーである辻堂愛がどこにいるか分かるはずだ。
「これはこれは辻堂軍団の皆さん。まさかこうも大勢で迎えてくれるとは」
「てめーが最近うちらを嗅ぎまわってる奴か。何が目的だ。愛さんか、愛さんか、愛さんかぁ!!!!」
確かに辻堂愛をスカウトしたいから来たわけだが、青髪の女性の謎の迫力が微妙に怖いが気にしないことにした。
彼女は葛西久美子。辻堂軍団のナンバー2とも言える存在であり、辻堂愛を猛進的に尊敬している舎弟だ。妄信的では無く猛進的だ。
辻堂愛に関して言えば彼女は話が通じない時があるので注意である。だが朝宮龍斗は気にもしない。
「てめーは何者だ!!」
「そうだな。自己紹介をするか。ラグナレクのオーディーンだ。よろしく」
普通に自己紹介をする。ごく普通に。
「らぐなれく? おい知ってっか?」
「いや、しらへんな」
「ああ。どこのチームだ?」
「オーディーンって名前はカッコイイな」
自己紹介をしたら様々な反応が入ってくるが、特にラグナレクを知らないというのが多い。
腰越マキの時もそうだったが知名度はやはり湘南までくると低いのかもしれない。だがラグナレクは十分に人材を集めている。
特に『八拳豪』はラグナレクの中でも最高の人材だ。全員がマスタークラスになる可能性を持った人物たち。
(まあ十分だが、才能ある者がいると欲が出る。腰越は合格だ。辻堂はどうだろうな)
「おい聞いてんのか!!」
「聞いているよ。で、辻堂愛はいるかな?」
「てめーに合わせるつもりはねえ。コソコソと嗅ぎまわってねえで堂々と来やがれ!!」
「こそこそしないで辻堂軍団を探していたんだが」
「う…」
「まあこそこそ情報を集めていたって噂はなかったすね。堂々とうちらのことを探してたみたいっす」
「え、と。と、ともかく。てめーみたいな怪しい奴に愛さんを会わせるかよ!!!!」
何故か会話がおかしいと思う。原因は葛西久美子の言葉のキャッチボールだろう。そもそもまともな言葉というボールを投げていないので仕方ない。
そういうわけか彼女の苦手としているのが頭に良い人や常識人が当てはまる。
「…取りあえずこちらの話くらい聞いてくれないだろうか?」
「いいだろう!!」
「単純にスカウトしに来ただけだ」
「スカウトだと!?」
全員が予想外だという反応をしている。
「てめー馬鹿か。愛さんがオレらを置いて他のチームに行くわけねーだろ!!」
「何なら辻堂軍団全員を傘下にしても良いが?」
「なんだと!?」
すごい剣幕で睨んでくる葛西久美子や他の不良たち。それはそうだろう。
彼女たちは辻堂愛を尊敬し、集まった軍団だ。それを他のチームの傘下に入るなんてことはない。逆ならいざ知らず、そもそも『三大天』の一角が名も知らないチームに下るなんてことはないだろう。
「調子にのってんな。今の言葉は宣戦布告として捉えて良いよな?」
辻堂軍団の不良たちの目がギラリとする。やはり『三大天』の一角となれば傘下に入れイコール敵対になるらしい。
湘南で一番天下に近いチームなら尚更だろう。
「争いに来たつもりはないんだがな。そもそもこちらそちらのリーダーと会話したいんだが?」
「愛さんならそんなスカウト蹴るに決まってんだろーが!!」
「だが本人の承諾無しに決められないだろう?」
「ぐぬぬ…ああ言えばこう言う」
「それはそっちだ」
正論なので葛西久美子は言葉に詰まる。
「クミはん。いいからぶっ飛ばしちゃいましょうよ」
「そーそー。こういう奴は力で黙らせるのが一番ですわ。不良なら尚更」
「そうだな。シメて二度と馬鹿気たことを言わせねえようにしてやるぜ。おらー!!」
辻堂愛と会話がしたかっただけなのだが何故か辻堂軍団と戦うはめになった。話を聞かない不良は困る。
「はあ…」
ため息しか出ない。片手で顔を覆うが目は辻堂軍団を見通す。数を数えて十数名で辻堂軍団の一部だろうと推測。
どう潰すかはすぐに頭に浮かぶ。掛かる時間は2分もかからないだろう。
「仕方ない。お前たちを潰せば嫌でもリーダーは出て来るだろう」
眼光を鋭く、拳を握る。ここから起こる争いは一方的にしかならないだろう。朝宮龍斗の一方的な戦いに。