響かない声 完結   作:レイハントン

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こんにちは。

報告を兼ねて投稿しました。さて、今回は親との仲直り回を考えております。少しどころか、かなり複雑な方法で解決していくわけです。

最後に重大発表がありますので、最後まで読んでみてください!


Episode ひと夏の恋い編
1.見失った道


 正直あんな体験をしたのは初めてだし、どうして良いかわからなかったけど……俺は心のままに動いた。全てが終わった時には………いつも通りに戻る。まるで何もなかったように。

 

 

 

 

 最初に言っておく。彼女を責めないでほしい。

 

 

 

 

 

Episode ひと夏の恋い

 

 

 

1.見失った道

 

 

 

 

 

 

 

 アメリカに引っ越してから2度目の夏休みのある日の朝。朝ご飯のシリアルを食べながら、俺は少しばかり。いや、かなりイライラしていた。理由は至極簡単。クソ親父がまた勝手な事を言い出したのである。その勝手な事にどれだけ振り回されたことか。引っ越しの事だって、入院してた時の事だって許したわけじゃねぇし。

 

 これ以上クソ親父の文句を言い出したらキリがないからここまでにしておいてやるけど、理由がクソなんだよ。

 

「次のライブ日本でやるから、お前ら着いてこい」

 

 ほらな? 自分のライブくらい1人でやってこいよポンコツ。なにがお前ら着いてこいだ。俺はお前の命令で動くほどバカじゃないんでね。

 

「僕はいいよ」

 

 雅史は普通に承諾。日本に帰れるならと思ってるんだろう。確かに日本に帰れるならいいけど、有咲達に会えるわけじゃない。そんなの帰る意味なんてないな。どうせまた荷物持ちかなんかだろし。

 

「俺がはいそうですかなんて言うと思ってるか?」

 

「じゃあ一週間1人で居るのか?」

 

「そうだな。そっちの方が精々する」

 

 クソ親父と一緒に旅行なんて死んでもごめんだね。だったら1人で家でゴロゴロしてる方が10の10乗マシだ。勝手に行ってこいよ。

 

 いつもこの気まずい雰囲気を和ませるのがうちのお母さん。

 

「せっかく家族旅行出来るんだし、騙されたと思って行かない?」

 

「その言葉には異議がある。騙されたと思ってとか言うけど、騙されたくはない」

 

「屁理屈ばかり。まだまだ子供だな」

 

「うっせ。何でもかんでも自分たち中心で決める利己的な人に言われたくない」

 

 こうして喧嘩で始まって喧嘩で終わる神山家の朝は過ぎてゆく。まあそれも仕方ないことだ。向こうがああやって喧嘩を売ってくるんだもの買うしかなじゃん。いつもいつも人の気持ちも考えないで勝手に物事決めてさ。

 

「喧嘩ばっかりするならわたしは行かないわよ?」

 

「なんでそうなるー」

 

「そうだよ。お母さんはいつも頑張ってるんだから、たまには息抜きしないと」

 

「どうして、さっきまで喧嘩してた2人が同じ意見を出せるの?」

 

 確かに。お母さんを思う気持ちが一緒なのは認めるけど、それ以外は認めん。

 

「とにかく。恵も一緒に行くの! わかった?」

 

「……………わーったよ」

 

 もし結婚したとしたら、将来は尻に敷かれるタイプかな……俺。

 

 

 

 

 

 

 

 今の季節は夏の朝方。クソ親父の付き添い+家族旅行という名目で日本の京都に来ている。久しぶりの日本はやっぱり落ち着く。アメリカと違ってあまりうるさくないし、空気がキレイだ。ビルが多く立ち並ぶ場所に住んでるから日本の京都と比べるとな。

 

 唐突だが、夏=恋という考えは俺にはなかった。ここ1年は恋なんてしなかったからだ。恋に興味は特になかったし、そういう仲になる相手もいなかった。まるで恋というのを忘れてしまったようだ。なぜこんな話をしたかと言うと、飛行機の中で見た恋愛映画のせいだ。他に意味はない。

 

 俺が居る旅館の部屋は結構いい感じだ。真ん中に脚の低いテーブル。そのテーブルを挟むように置かれた座椅子が1つずつ。テレビもあって外の景色も最高で文句のつけどころはない。

 

 だけど………気を使わない相手と一緒か1人だったら、もっとリラックス出来たのかも。

 

「さっきからつまらなそうにしてるけど、私と居るのがそんなに嫌?」

 

 旅館の部屋の窓際で外を眺めていると、テレビを見ていた白鷺千聖さんが声をかけてきた。言葉からは嫌な感じはしないものの、1人で外をずっと眺めていれば嫌な気持ちにもなるだろう。それはわかってる。わかってるけど………。

 

「別にそういうわけじゃないですよ」

 

「そうは感じられないけど?」

 

「俺はいつもこんな感じなんですよ」

 

「無愛想なのね」

 

 それを相手が居る所で堂々言うんですかあなたは。つうか、誰だってあんたみたいな世間一般的に美人、可愛いと呼ばれる人と同じ部屋に居れば、居心地悪いでしょ。別に文句言ってる……な。

 

「そんなにお父さんが気に入らない?」

 

「はい」

 

「どうして?」

 

「あなたに話す義理はないです」

 

 クソ親父と白鷺さんが所属するバンド、pastel*paletteのメンバーは仲が良いらしく、今回白鷺さんが主演する映画の役者としてクソ親父に声がかかった。でもクソ親父に演技なんて出来るのか? そんなの見たことも聞いたこともない。

 

 さらに面倒な事に泊まる部屋がスタッフさんの予約ミスで1つ減った。で、クソ親父は他の役者の人と。お母さんは雅史と一緒の部屋。わがままを言って1人にしてもらったのが仇となって、俺と白鷺さんが一緒の部屋になった。

 

 話を戻すと、さっきからあんな感じの話ばっかりだ。仲良くなろうとしてるのか、ただ話かけてきてるだけなのかは知らないけど気を使わなくていいのに。もう、面倒だから言っておこう。

 

「別に気を使わなくて良いですよ。白鷺さんのやりたい事をやってください」

 

「あなたと仲良くなるのが私のやりたい事だったら?」

 

「からかわないでください」

 

 この人と居ると疲れるな………。こっちとしては、ほおっておいてくた方がマシなんすけどね。って言ってもこの人は構ってくるんだろうな。そんなのやってる暇があるなら、セリフの1つでも覚えた方が良いと思うけど。あっ…俺が邪魔か。

 

「外出ますね」

 

「そう」

 

 意外とあっさり外に出れた事に少し驚いたが、こっちとしては好都合だ。でも京都って………行くとこはいくらでもあるけどー。なんか気分が乗らない。今頃、お母さんと雅史は楽しんでいるだろう。そうなると部屋に残っているのはクソ親父ということになる。

 

 あー胸クソ悪りー。適当に時間を潰すか。

 

 

 

 

 

 この時、少したりともあんなことになるとは思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

───────☆

 

 初めて会ったけど、思ったより無愛想な人ね。本当に哲夫さんが言ってた息子さんなのかしら。なんか思ってた人とかなり違う。哲夫さんみたいに明るくて、よく喋る方だと思ってたけど、違ったみたいね。……でもそれは私の勝手なイメージ。彼には彼の考えがあるもの。

 

 それと、やっぱりギターはどこにでも持ってくるのね。そこは哲夫さんと同じみたい。………どんな音を奏でるのかしら。少し聞いてみたい気もするけど………弾いてくれる気はしないわね。

 

 彼の荷物が置いてある壁に立てかけてあるギターケースを見ながらそんな事を思った。・・・・今はほおって起きましょう。

 

 そう決めてテーブルに置かれた台本を手に取ってセリフを声に出して覚え始める。

 

 

 

 

 

 

 私はまだ彼の本当の思いや優しさに全く気付いて………気付こうとしていなかった。神山恵という人間にこれから先、短い間だけ振り回されるとは誰も予想がつくはずもない。

 

 

 

───────☆

 

 結局あんまり時間は潰せなかったものの、部屋に戻るとすでに白鷺さんの姿はなかった。どうやら、撮影にでも行ったのだろう。帰って来るのは夜とかクソ親父が言ってたな。

 

「………やっと1人になれた」

 

 窓際で寝転がり天上を見上げてボソッと言った。

 

 なんか最近……目標的な事を持てない。前までは日本に帰りたいって思いが強かったけと、一時的に帰ってきたという事が大きいのか、急に喪失感が出てきた。何に対してもやる気も興味も起きない。こんな事じゃダメだってわかってる。白鷺さん相手にキツい態度をとることだってダメなのはわかる。でも……なにかに当たらないと気が済まない。

 

 そう思ったらいてもたってもいられなくなった。持ってきたギターケースからギターを取り出して周りに音が漏れないようにセットして行き場のない怒りを発散するように力強く弾き始める。

 

 この1年で自分でもわかる程、俺は変わってしまったと思う。事あるごとに親父の名前を出されるのが嫌だった。心配をかけたくないお母さんにどうしても心配をかけてしまうのが嫌だ。雅史にも変な気を使わせてしまって申し訳ない。

 

 こんなポンコツな自分を許せるわけはなかった。人間、口では大丈夫と言っても体には出るらしいからな。まぁ……俺も大丈夫ではない。次会うときまでにはなんとかしないと。

 

「なんか弾くか」

 

 スマホを操作してなにも見ないで弾ける曲がないか探し始めた。と言っても最近はあんまりギターに触れてなかったから、弾けるレパートリーは増えてない。下にゆっくりフリックしながら曲名を眺めていると、ふと目に入った曲が1つ。

 

「前へススメ………懐かしいな」

 

 去年辺りに動画を上げるサイト、YOUTUBE(ようちゅーぶ)に投稿されてたのを聴いてから、この曲が好きになった。この曲を作った時にあいつらがどういう気持ちだったかはわからないけど、ある人の手紙から生まれた曲。そう説明されていて、嬉しかった。

 

「ホント……全部がどうでも良くなるよ……」

 

 結局ギターを弾かずに前へススメをずっと聴いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 あれから勉強、睡眠で時間を潰していつの間にか夕方になっていた。今の今まで寝ていたからか、いまいち頭が回らない。けど、イラつきは全くと良いほどなくなっていた。確かに親父はクソで自己中だけど、旅行を計画してたみたいだし今回は許そう。…………にしても。

 

「体が痛てーな」

 

 背中をさすりながら、上半身を起こした。畳の上で寝たせいか背中が痛い。これが普段からふんわりした布団で寝ている代償か。これは辛い。

 

 ふと外を見ると、綺麗な夕焼けが見えた。夏で日が伸びてるからか、普通の家庭なら夕飯時の時間でもまだ明るい。

 

「そう言えば、有咲と最後に話した時もこんな感じだったな」

 

 昔の思い出に浸っていると、ドアが開く音が聞こえた。視線を向けると、疲れた様子で戻ってきた白鷺さん。朝から夕方までとはいえ、ご苦労なこって。

 

「お疲れ様です。終わるの結構早いんですね」

 

「今日は早く終わっただけよ。明日どうかしらね」

 

 結構疲れてるんだな。朝と違って声の感じが違うというか、なんというか・・・・よくわからん。でもあんまり話かけない方が良いってのはわかる。とりあえず黙っとこ。

 

 黙っておくのは決まりだが、ただぼーっとしてるわけにもいかない。自分の鞄をあさって数学の参考書とノートを取り出して、勉強を始めた。

 

 来年には日本の大学を受験しようと思ってるんだ。帰って来るって約束したし。

 

「なにかあった?」

 

「はい?」

 

 意外にも白鷺さんから話かけてきた。

 

「特になにも………」

 

「本当? 朝とは別人のようにも思えるけど」

 

「気のせいですよ」

 

 それ以上は追求してこなかったが、変な人と思われてないかと少し不安になった。話はそこで一旦終わり、再び参考書に目を落とし

問題を解く。

 

 んー。やっぱ証明問題は苦手だな。って言っても苦手な人は多いのではないだろうか。俺も習った当初はホントにわけわからなかった。今は前よりはマシかなってくらいだけど。

 

「数学の証明かしら?」

 

「うわっ?! 痛っ!」

 

 話かけられ顔を上げると、目の前には白鷺さんが座って居た。あと数センチ顔を近づければキスが出来てしまうような距離。思わずびっくりして後頭部を壁に激突させた。ジーンとした痛みがする場所を左手で抑えていると、当の本人はクスクス笑っていた。ほとんどあんたのせいなんですよ。

 

「いきなり目の前にこないでくださいよ」

 

「あら? 嫌だったの?」

 

「嫌では……でも、良いってわけでもないです」

 

「それって嫌だってことよね」

 

 あー! もうなんなのこの人。絶対からかってるだろ。年下だからってなめやがって。白鷺さんみたいなタイプはホント苦手だ。人の恥ずかしい所を突いてくるというかなんというか。とりあえず苦手だ。

 

 2人で居る時は勉強は手につかないことはわかった。参考書を手にとって鞄にしまい部屋を出ようとドアの方に向かっていく。

 

「どこに行くの?」

 

「トイレですけど、なにか?」

 

 さすがにからかい所がないと思っていたが、「そう」と言って白鷺さんが立ち上がると、俺の事をじっと見ながら歩いてくる。

 

 えっ? ………嘘だろ?

 

 不適な笑みを浮かべて前に立つ彼女から距離をとるように一歩後ろに下がる。

 

「あなたって面白いのね」

 

 この日見た彼女の笑顔の中で一番輝いていた。別の意味で………。

 




まさかの展開に困惑する主人公。いったいどうなってしまうのやら。

高評価くださったアラタクさんありがとうございます!

いや~。毎回最新話を投稿する度にアラタクさんといろはすさんから感想をくれるので、投稿して感想来なかったらどうしようという思いはないですね。毎回助かっています!!

さて、ここからは重大発表!

今週の日曜日に仮面ライダーとのクロス作品が投稿されます! 日曜日まではどのライダーかは秘密ですが。言っても短編なので10話くらいで終わる予定です。

大ヒント 平成2期の仮面ライダー(サブライダー含めて)の誰かですぞー。 

これからも作者が書く小説をよろしくお願いします!
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