「やべえ見失った......」
Undyneを追いかけて超急いで走ったけど彼女途中で水に飛び込んで泳いで行っちまった......。
全身鎧を着ているとは思えねー身のこなしだった。やっぱUndyneは超COOLだぜ。
あーでもどうしよう。このままだと次にアイツは......。うーん......でもオレにできることってないもんなぁ......。この先に起こることを話したって信じてもらえねーだろーしさー......そもそも知ったところでどーなるってワケでもねーし。
うだうだ考えながら歩いてたらポツリと頭に水滴が落ちてきた。ちょっと先に上の方の壁が迫り出してて屋根みたいになってるところがある。オレとアイツが次に会う場所だ。とりあえずあそこに行くか。
こういう上から水滴がたくさん落ちてくることを外では″雨″って呼ぶらしい。外には天井がなくて空ってヤツがあって、空はコロコロ様子が変わるんだって。星空とか雨とかはその一つらしい。わけわかんねー。
オトナ達は憧れを滲ませて外のことを語る。だからオレ達子供も外に憧れる。でも一体何がそんなに良いのか正直よく分かってねーけど。まあ、どこまでも広がるって言う空ってヤツは見てみたいけどさ。あ! 後″太陽″! 暖かくってまんまるで眩しいヤツ! ソイツも見てみたいなー。
......オレも外に興味がないワケじゃない。でもアイツが割を食わなきゃ出れないなら別にいいや。
誰かに死ぬほど苦労して欲しいなんて思うのはいけないことだからな。
人間は悪いヤツで、オレ達の敵で、やっつけなきゃいけないんだって思ってたけど......アイツはそんなに悪いヤツには見えなかった。
だからオレはもう外に行きたいなんて......アイツに死んで欲しいなんて願えない。願いたくもない。
地下世界も退屈だけどそんなに悪い所じゃねーしな!
水たまりを踏みつける音と水滴......雨が傘を叩く音が聞こえる。アイツが来たみたいだ。結局いいアイデアは浮かばなかったな......
あーもう考えるのムリ! なるようにしかならねーな。せめて記憶の通りに肩を貸してアイツの行く道を助けよう。
「よう、傘もってんの?」
オレが声をかけたらアイツは傘を少し上げて隠れていた顔を見せた。良かった、ひどい怪我はしてないみたいだ。
「ああ、きみか。また会ったね。入って行く?」
「やりぃ! ありがとな!」
柔らかな表情でそう言うソイツの言葉に甘えて肩を並べて同じ傘の下に入る。尻尾振り回さねーように気をつけなきゃな。
「よぉし! 行こうぜ!」
「OK」
歩調を合わせて2人で歩きはじめる。お互いが傘に収まるように気を使ってることが伝わってきてなんだかくすぐったい気持ちになる。
コイツがひどい目に遭うのはやっぱり嫌だ。
どうすればいいんだろう?
オレにできることはあるだろうか?