東方香靈記   作:114

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歴史上の人達を自分の作った物語に出すっていうのはオリジナルキャラクター扱いになるんですかね?

…アレンジ設定?歴史改変?

難しいですね


第16話「プリティー連合」

 

8月23日

 

守矢神社

 

真夏の日が照りつける山の上

博麗神社より一回り大きい守矢神社の中にある居間にて少女達は丸テーブルを囲んでいた

 

 

色白の肌に長い金髪、薄紫色の太極図の刺繍をあしらった前掛け付きの法衣のようなものを着た、幻想郷を作り出した賢者の1人、八雲紫

 

その隣に背中に大きな中連縄を付け、青いセミロングの髪に白の肌着の上から赤い貫頭衣を着た背の高い女性、守矢神社より八坂神奈子

 

その隣に白袖にカエルが刺繍された青い前掛けのような狩衣に大きな2つの目玉が付いたブリムの広い農園用な帽子を被った背の低い幼子のような金髪少女、同じく守矢神社の洩矢諏訪子

 

 

次いで赤十字の付いた看護帽に綺麗な長い銀髪を後ろで三つ編みにし、赤と青のツーカラーの半袖のワンピースの様な服を着た月の頭脳、永遠亭から八意永琳

 

その隣にはツノの様な二本上に立てた金色の髪、ヘッドフォンの様な耳あてをし、袖のない道着に紫色の前えりを黒い横帯で締めた静かな佇まいの少女、聖徳王、神霊廟の豊聡耳神子

 

その隣に人里から白上沢慧音、紅魔館よりレミリア・スカーレット、命蓮寺の聖白蓮と丸いテーブルを囲う様に座っている

 

 

 

神奈子「…で、幻想郷の各勢力を呼んで何の話だい?八雲紫?」

 

 

 

神奈子がめんどくさそうに紫に問いかける

 

 

 

紫「ええ、今日集まってもらった理由は…」

 

 

慧音「…理由は?」

 

 

 

紫「…霊夢が行方不明になったのよ」

 

 

 

一同驚く

 

 

 

神子「…行方不明?」

 

 

 

紫「今朝…博麗神社に顔を出したら書き置きが残されていたわ」

 

 

 

そう言って紫はテーブルの下から一枚の紙を取り出しテーブルの上に置く

 

 

諏訪子がその紙を取り読み上げる

 

 

諏訪子「『暫く留守にします。必ず戻ります』…だってさ」

 

 

慧音「…たったそれだけ…?」

 

 

レミリア「…ただ遊びに出かけたんじゃないの?」

 

 

 

紫はレミリアと慧音に顔を向け真剣な顔で話し始める

 

紫「私も最初はそう思ったわ…悪いと思いつつつも、ちょっとした好奇心で霊夢の霊力を幻想郷内で探してみたの…」

 

 

レミリア(プライバシー…)

 

紫は少し俯きつつ

 

 

 

紫「…無いのよ…幻想郷のどこにも…霊夢の霊力の反応が…」

 

 

聖「まさか…外の世界に?」

 

 

 

紫「…わからないわ…もしかしたら外の世界と幻想郷との間にあるもう1つの空間かもしれない…」

 

 

神奈子「もう1つの空間?」

 

 

永琳「…並行世界?」

 

 

一同が永琳の言葉を聞き、紫を見る

 

 

 

紫「…可能性は無いとは言い切れないわね」

 

 

 

慧音「…そんな事が…」

 

 

紫「それでついでに言うと、霊夢がいなくなった事で博麗大結界が少し不安定になりつつあるの」

 

 

永琳「不安定?」

 

 

紫は頷き

 

 

 

紫「博麗大結界の源は私の妖力と博麗の霊力との微妙なバランスで出来てるわ。その博麗の霊力が無くなったことによって結界は不安定に、結界が不安定になった事によって外の世界の外来人や妖怪などが幻想郷に入ってくる可能性があるの」

 

 

レミリア「…ふぅん」

 

 

 

神子「…それで、八雲紫…貴女が私達を呼んだ理由とは?」

 

 

紫は全員の顔を見回して

 

 

 

紫「…幻想郷のため、協力が欲しいの」

 

 

レミリアは思わず吹き出す

 

 

 

レミリア「ふっ…かつて幻想郷に異変を起こした私達に協力?…気は確か?」

 

 

慧音(私は異変起こしてないけど…)

 

 

紫「ええ、確かに貴女達はかつて異変を起こしたかつての幻想郷の敵…でも今はもう違うでしょう?」

 

 

 

レミリア「…」

 

 

紫「貴女達の心はかつての貴女達とは違うはず…」

 

 

レミリアは目を閉じて腕を組む

 

 

 

神奈子「…協力の内容は?」

 

 

紫「…博麗の巫女…霊夢がいなくなった事によって他の妖怪達は暴れるでしょう…そうならないよう幻想郷の見回りをしてほしいの」

 

 

 

諏訪子「わざわざ人里行って人間守れって事?」

 

 

紫「いいえ、見回りの範囲は貴女達の拠点近辺で構わないわ」

 

 

紫「要は…霊夢がいなくても普段通りの幻想郷の状態にしておいて欲しいのよ」

 

 

 

神子「そういう事ですか…」

 

 

レミリア「…で?外来人とかの対応はどうすればいいの?」

 

 

紫「…」

 

レミリアは口元を吊り上げながら

 

レミリア「外から来た人間は幻想郷のルール上、殺しても何しても大して問題無いんでしょう?外来人まで守る義理は無いわよ?」

 

 

聖「…その外来人の方と話さなければ分かりませんが、もし攻撃的な人ならこちらもそれ相応の対応をするつもりです」

 

 

 

神子「流石破壊僧は恐ろしいですね…脳みそまで筋が詰まってるのでしょうか?」

 

 

聖と神子が笑顔で睨み合う

 

 

 

紫「…貴女達の好きにして構わないわ…」

 

 

一同更に驚く

 

八雲紫といえば人間と妖怪との共存を誰よりも重視している妖怪、例え外来人であろうとも好きにして構わないなんて言葉が出るとは皆思わなかった

 

 

 

永琳「…意外ね…貴女なら『人間なら何が何でも守る』みたいなこと言うと思ったのに…」

 

 

 

紫は1つ息を吐き

 

 

 

紫「一人二人なら私で対応するけど…今回はそんな少数の外来人が来るとは思えないのよ…だから、貴女達の判断にお任せするわ」

 

 

 

レミリア「くくく…面白い…我が紅魔館に来た者…見込みがあればそれなりの待遇を与えてやろう…しかし見込みのないものは血祭にしてその肉塊を博麗神社に飾ってやるわ」

 

 

 

ーーーーーーーー少女達会合中

 

 

 

紫「話をまとめるわね」

 

 

紫「1つ、霊夢の代わりに各勢力にて幻想郷の見回り(各勢力近辺)2つ、博麗大結界が不安定のため外来人が増える可能性がある、3つ、霊夢の捜索は境界を跨ぐものなので私八雲のみで捜索、4つ、生きている外来人は31日に私が隙間にて元の世界へ戻す…質問は?」

 

 

神奈子「3つ目の霊夢の捜索ってのはなんであんただけでやるんだい?」

 

 

 

紫「手っ取り早く探すなら霊夢の霊力から探した方が早いのよ…それは多分私くらいしか出来ないわ」

 

 

 

レミリア「4つ目の31日にってのは?」

 

 

紫「それまでには確実に霊夢を見つけるわ、霊夢を見つけた後に外来人の対処をする。もし外来人を保護したならこう伝えておいて…」

 

 

紫「『何日かすれば幻想郷を管理している者が現れるのでしばらく待っていてほしい』…と」

 

 

諏訪子「そういえばこの話って幻想郷中に知れても良いわけ?」

 

 

紫「余計な話が噂になろうと新聞になろうと構わないわ…此処にいる貴女達で最低限のことさえ分かっていれば大丈夫よ。」

 

 

紫「…他には?」

 

 

一同気持ちよく納得した感じでは無かったが、冷静装いながらも若干焦りを感じる紫の空気を感じたのか、誰も無駄な事を言おうとはしなかった

 

 

紫「また、何かあれば藍や橙に伝えといて…あの2人は常に博麗神社には居てもらうから」

 

 

紫が面々を見回した後に

 

 

紫「じゃあ、これで会合を終わるわね…」

 

 

「ちょっっとまったぁー!!」

 

 

一同「「!?」」

 

 

部屋の襖を開け入って来たのは緑色の長い髪をカエルのポイントが付いたカチューシャと蛇の髪留めを付け、白を基調とした脇の部分がない巫女装束に青い袴を履いた守矢神社の風祝の少女、東風谷早苗だった

 

 

早苗「紫さん!まだ決めてない事…ありますよね!?」

 

 

紫「ち、近い近い…」

 

 

キメ顔で紫に詰め寄る早苗

 

 

神奈子「早苗…落ち着きなよ…」

 

 

早苗「どんな形にせよ幻想郷の力のある各勢力が手を組むんです!ここはチーム名を付けて結束を強めましょう!」

 

 

慧音「…結束て…」

 

 

諏訪子「…早苗〜…みんな早苗の勢いに退いてるよ〜」

 

 

諏訪子が早苗をジト目で見る

 

 

早苗「No!!皆さん…!妖怪でも神様でも女の子なんですよ!?…みんなで力を合わせて悪と戦う…!立派なロマンじゃあありませんか!?」

 

 

レミリアは右手でテーブルに頬杖をつきながら

 

 

レミリア「悪って…貴女話聞いて…」

 

 

早苗「レミリアさぁん!」

 

 

早苗はレミリアの両肩をガシッと掴む

 

 

早苗「かつて戦った敵だった人達とと共通の敵に立ち向かう…!こんな胸が熱くなる展開ありますか!?この平和な幻想郷でありますか!?」

 

 

レミリアは早苗の目の中で熱い熱い炎が燃えているのが見えた

 

 

レミリア「わ…」

 

 

レミリアは畳に両手両膝をつく

 

 

レミリア「私が…間違っていたわ…かつての好敵手達との共闘…そのロマンを忘れるなんて…」

 

 

慧音「…え?…ええ?」

 

 

慧音は隣の神子の方を向く

 

 

慧音「聖徳王…貴女からも…え?」

 

 

慧音が見たのは神子の眼から流れ落ちる涙だった

 

 

神子「…なんて…事だ…一千年近く眠っていたせいか…心の灯火さえ消えかけていた…」

 

 

慧音「…」

 

 

慧音は聖の方を見て

 

 

慧音「白蓮和尚!」

 

 

聖「ありがとう…ございます…早苗さん…」

 

 

聖も涙を流して合掌していた

 

 

慧音(わ…私が間違っているのか…?)

 

 

項垂れる慧音の右肩に優しく手が乗る

 

 

早苗「慧音さん…大丈夫です…まだ、まだ貴女のロマンへの魂は消え去っていません…さぁ、手を取って」

 

 

早苗は女神のような表情で慧音に手を差し伸べる

 

こうして早苗、レミリア、神子、聖、慧音の5人で盛り上がる

 

 

 

永琳「…面白そうだし…良いんじゃないかしら?」

 

 

紫「…なんでも良いけど…そのチーム名はなんてつけるつもり?」

 

 

 

早苗「そりゃあもちろん…」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

少女達論争後

 

 

紫「じゃ、プリティー連合って事で良いかしら…?」

 

 

紫、永琳、神奈子はなんて事ない顔で、それ以外の少女達は少し疲れた様子で賛成の意味を込め手を挙げた

 

 

レミリア(なんで十六夜連合じゃないのよ…)

慧音(浪漫連合…)

聖(…命蓮連合)

神子(しょうとく…)

諏訪子(ケロ連合…スマートなネーミングだと思ったのに…)

 

 

早苗「か…完璧です…」

 

 

神奈子はお茶をぐいっと飲んで紫に問う

 

 

神奈子「ところでこの話って天狗や天界、地底の連中には話したのかい?」

 

 

紫「地底と天狗…天魔には話は通してあるわ…天界には言う必要ないでしょ」

 

 

永琳「そういえば今日はここに亡霊のお嬢様居ないけど…」

 

 

紫「…」

 

 

紫は少し顔をヒクつかせてボソッと一言

 

 

 

紫「…呼ぶの忘れてた…」

 

 

 

こうして幻想郷の各勢力の連合、プリティー連合が結成された

 

後に連合名を知った天魔はこう言う

 

 

「…そんなふざけた連合名聞いておらん!」

 

 

…と

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

会合が終わり面々が紫のスキマ能力によってもと場所へ戻っていった

 

神奈子、諏訪子、早苗だけになった会合場所となった守矢神社の居間

 

 

 

神奈子「あー疲れた…あんだけの面子呼ぶから何事かと思ったけど…」

 

 

神奈子はテーブルにうつ伏せる

 

 

早苗「なんか思ったより問題無さそうですよね」

 

 

諏訪子「…うーん…どうなんだろうね」

 

 

早苗「え?」

 

 

諏訪子「…まぁいいや…早苗ー!そうめん食べよー!」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

寺子屋

 

子供達のテストの採点をしてる最中に紫に攫われたため、机の上はテスト採点中ままだった

 

 

慧音「やはりあのスキマ空間はなんともいえない不気味さがあるなぁ…」

 

 

小傘「こんにちはー」

 

 

縁側から声がして向かう

外にいたのは紫色の傘をさし、足に擦り傷を負った小傘がいた

 

 

 

慧音「…やぁ小傘…またいじめられたのか?」

 

 

小傘「あ、ううん…転んだんだ…」

 

 

 

慧音は小傘の足をじっと見て思う

 

慧(…見回りか…そうだ、妹紅にも話しといてやるか)

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

紅魔館に戻ってきたレミリア

 

 

 

咲夜「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

 

レミリア「はぁ…なんであんなテンション上がってたのかしら…」

 

 

 

大部屋の窓際の椅子に座るレミリア

 

レミリア(何が外来人よ…無礼な人間なら八つ裂きにしてやるわよ)

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

命蓮寺、本堂

 

縁をリボンで結んだ黒い裂け目が縦に広がり、聖が黒い空間から出てくる

 

 

聖「ふぅ…」

 

 

本堂から廊下へ移る襖が開いていたため、たまたま廊下を歩いていたナズーリンと目が合う。

 

聖は口元に人差し指を持っていきナズーリンに笑顔で『ナイショ』ポーズをとる

 

 

ナズーリン(…スキマ妖怪の所にでも行ってたのか…)

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

八雲紫の屋敷

 

こちらも丸テーブルに紫は頬杖をついていた

 

 

紫「あー…疲れた…やっぱあの面子濃いわー…」

 

 

「どうぞ、紫様」

 

 

紫の横にお茶の入った湯呑みを置く少女

 

紫と似た黄金色の短い髪、それと同じ色の9本の尻尾、白い装束に青く長い前掛けを付け、先端が一本ずつ左右に分かれたナイトキャップを被った八雲紫の式、八雲藍である

 

 

紫「あら、ありがとう、藍」

 

 

藍は数歩下がり、紫の背をじっと見ている

 

 

紫「じゃあ、後はよろしくね。藍」

 

 

藍は頭を少し下げ

 

 

藍「はい…ですが…紫様」

 

 

紫は振り返らずに答える

 

 

 

紫「なーに?」

 

 

藍「…どうして…皆にあんな嘘を?」

 

 

紫「…時にはつかなければいけない嘘もあるものよ…それに全部が全部嘘ではないわ」

 

 

藍「…」

 

 

紫は藍の方を見て

 

 

 

紫「ついでに私のついた嘘に…しばらく付き合ってもらえるかしら、藍?」

 

 

藍「…私は紫様の式ですから」

 

 

紫はニコッと笑って

 

 

 

紫「ありがとう、藍」

 

 

 

そう言ってお茶を一口飲んでから立ち上がる紫

 

 

 

紫「じゃあ…そろそろ霊夢達の所へ行ってくるわね」

 

 

藍「後はお任せを」

 

 

紫は藍に少し微笑んでからスキマ空間でその場から消える

 

 

 

藍「…さて…これから大変だな…」

 

 

そうぼやく藍の顔は嬉しそうだった

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

此処は冥界の池の近くにある大屋敷

 

亡霊少女、西行寺幽々子の屋敷、白玉楼である

 

 

その屋敷のとある部屋、剣術指南兼庭師の魂魄妖夢の自室である

 

 

「…ちょちょちょちょっ!何やってるんですかぁー!」

 

 

布団から飛び起きる少女、綺麗な銀髪にまん丸なおかっぱ頭に少し流し気味の前髪、寝間着である浴衣を着た半人半霊の魂魄妖夢その人だった

 

 

妖夢「何してるんですか!?幽々子様!」

 

 

そう呼ばれもう1人少女が妖夢の布団からのそのそと出てくる

 

桜のような桃色のセミロングの髪、ポヤポヤとした可愛らしい顔の亡霊少女、同じく寝間着の浴衣を着た西行寺幽々子である

 

 

幽々子「あら、起きちゃったのね、妖夢」

 

 

妖夢「いや、起きちゃったのね、じゃないですよ!」

 

 

幽々子「妖夢があんまり気持ちよさそうに寝てたからちょっと夜這いを…」

 

 

妖夢「ファーッ!?失礼ながら馬鹿ですか!?大体幽々子様は白玉楼の主人としての…」

 

 

幽々子「妖夢も怒り方が妖忌に似てきたわねぇ」

 

 

妖夢「聞いてますか!?」

 

 

幽々子「効かないわ〜」

 

 

今日も白玉楼は平和です。

 

 

幽々子「!?」

 

妖夢「?…どうかしましたか?幽々子様」

 

幽々子「…なんか…ハブられてるような気がするわ」

 

 

…白玉楼は今日も平和です

 

 

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