東方香靈記   作:114

2 / 27
第2話「幸せな時間」

8月24日

真夏の太陽の元、暑さで遠くの山々が揺れる景色の中、大空を箒に跨って飛ぶ少女がひとり

 

彼女の名前は霧雨魔理沙、人間であり、魔法使いでもある、博麗霊夢と共に数々の異変を解決してきた少女である

 

 

 

魔理沙「うん、今日も暑いぜ」

 

 

 

真っ黒なとんがり帽子

真っ黒なベスト

真っ黒なスカート

真っ白な幅腰

真っ白なブラウス

真っ白な前掛け

 

着ている服装の色は白黒だが、その少女の髪と瞳は上品な輝きの金色である

 

 

 

魔理沙「私が行かないと寂しがるからな〜…霊夢は…」

 

 

 

箒に跨った少女はそんな独り言をくっくっと楽しそうに呟きながら博麗神社に向かう

 

 

 

ーーーーーーーー

 

博麗神社

 

鳥居を抜けると神社にしては広い敷地内にぽつんと佇む本堂があり、山の頂上付近という立地のためか真夏なのに蝉の声はあまりなく、静かな神社である

 

博麗神社に降りた魔理沙

 

相変わらず参拝客のいない神社

相変わらず空っぽであろう賽銭箱

相変わらず苔生えてそうな手水舎

 

 

魔理沙(さてさて…私のお姫様はどこかなっと…)

 

 

そんな事を考えながら魔理沙は神社正面から縁側のある方へ向かう

 

 

 

魔理沙「ん?」

 

 

 

縁側の雨戸が閉まってる…

 

 

魔理沙(いやいや、こんなクソ暑い真昼間から締め切りですか霊夢さん)

 

 

魔理沙「…んー寝てるのか?」

 

 

 

腕を組んで首を捻って考える

 

 

 

魔理沙(よし、ちょっと声かけてみるか)

 

 

魔理沙「おーい、霊夢ー」

 

 

 

大声ではなく普通に話しかけるような声で雨戸に向かって声をかける

 

 

魔理沙(返事がなきゃこのまま帰るけど…)

 

 

 

……………ガタガタ……ガラッ

 

15秒くらい待って雨戸が1枚開いた

 

いつもの巫女服

いつもの紅いリボン

いつもの見知った顔がそこにいた

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

霊夢「…なによ、魔理沙じゃない…どうしたの?」

 

 

機嫌が悪いわけでも眠そうなわけでも無い、いたってフツーの霊夢がそこにいる

 

 

 

魔理沙「よっ!いたのか霊夢…雨戸なんか締め切ってどうしたんだ?」

 

 

霊夢「いや……寝てたから…」

 

 

 

いや、嘘つけよお前全然寝起きって感じじゃなかったろ…

 

私は開いた雨戸の中をチラリと見て霊夢に言う

 

 

魔理沙「あー…なんだ、起こしちゃったか?悪かったな」

 

 

霊夢「別に…で、なにかあったの?」

 

 

 

よし、気持ちを切り替えて…

 

魔理沙「夏ももうすぐ終わるし、宴会やろうぜ!妖夢とか早苗も呼んで!」

 

 

 

霊夢「……今日?」

 

 

 

ん?霊夢さんの表情の雲行きが…

 

 

 

魔理沙「あ…ああ、今夜あたりに…いや、明日でも…」

 

 

 

なにちょっとどもってるんだよ私!

 

 

 

霊夢「……ごめん、今夜は無理」

 

 

 

そんな顔しながら断るなよ…

 

 

 

魔理沙「じ、じゃあ明日は…」

 

霊夢「明日も…無理、ごめん…」

 

 

 

あー…うん、まぁ…

 

魔理沙「なにか悩み事でもあるのか?霊夢」

 

 

 

霊夢「え?」

 

 

意外な一言だったらしい、霊夢が少し驚く

 

 

 

魔理沙「あ、いや、なんか元気ないっていうか…悩み事なら私に相談してくれよ!」

 

 

 

友達なんだから…

 

霊夢は少し俯きながら…消えそうな笑顔で

 

 

 

霊夢「…大丈夫、ありがとう…魔理沙」

 

 

 

そんな顔するなって…

 

そんな作り笑顔なんて…

 

 

 

魔理沙「そっ…か…まぁ、その日の気分ってのもあるしな!また誘うさ!」

 

 

 

空元気な私って気づかれてないかな…

 

 

 

霊夢「ありがとう、ごめんね」

 

 

 

そう言って霊夢は雨戸を静かに閉めた

 

雨戸の前で独り佇む私…

 

 

 

魔理沙「ふぅ…」

 

 

 

アリスのとこにでも行って憂さ晴らしでもしてくるか…

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

魔理沙は箒に跨って博麗神社を飛び立つ

 

 

その博麗神社の屋根にオレンジのチャイナ服を着た少女が一人

飛んでいく魔理沙をじっと見つめている

 

少女「…マリサ…あいつが…霧雨魔理沙…」

 

 

少女は小さくなる魔理沙を彼女の姿が見えなくなるまでずっと見ていた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。