空に憧れた男の娘 作:ねぎみそ
モチベーションが上がって執筆してしまいました。
(後悔はしていない)
誤字訂正 ありがとうございます!助かります!
それでは本編是非ご覧ください。
千冬side
「魅力的な女性・・・か。」
いままで誰にも言われなかったせいか心がむず痒いな。それにしてもあいつ、撫でてやったら口開けて固まって・・・可愛いやつめ。
「ところであいつは何が好きなんだろう・・・。」
別にあいつのことが今回の件で気になったわけではない・・・と思う。どうせ食わせてやるなら好きな物を食わせてやりたいだけだ。あいつ本人はあの様子だし・・・しょうがない。
ポケットから携帯電話を取り出し、電話帳の中にある天災兎へとコールする。すると一回もならないうちに相手が出た。
「ちーちゃん!まさかちーちゃんから電話をかけてくれる日が来るなんて・・・束さんうれしいよ!どんな愛の言葉を―」
「そんなことはどうでもいいんだ。お前楼夜の好きな食べ物、わかるか?」
「ひっどいな~。ろーちゃんの好きな食べ物?はっ、もしかしてちーちゃん、ろーちゃんのことが気になってるの!?」
「いや、そうではない・・・と思う。ただあいつの夕食を作ってやることになってな。知らないならいいんだ。」
「ろーちゃんも罪作りな男の娘だな~。あのちーちゃんを落とすなんて。」
束の奴ここぞとばかりにいじってきやがって・・・。私はあいつにやっぱり心を惹かれているのか?いや、でも会ったばかりでそんなわけは。だいたい、あいつはあんな女しかも幼女みたいな見た目をしているんだぞ?可愛いではないか・・・って何を言っているんだ私は。そうじゃないだろ、あんな男らしくない者に私が惚れるわけが・・・。でもなぜだ、あいつのことを考えると胸が苦しくなる。胸やけか?
「・・・ここまでいじって怒らないとは。ちーちゃん、束さんはちーちゃんが重症だと見た。」
「ええい、黙れ!話が逸れ過ぎだ。あいつの好きな食べ物を聞いている。早く答えろ。」
「うーん、確かろーちゃんはオムライスが好きだったはずだよ~。卵は半熟でね。ちーちゃん、ここで胃袋をつかんでおけばこの先―。」
そうか、オムライスか。好きな食べ物まで可愛いとは・・・ずるいぞあいつは。でもよかった、オムライスは私の得意料理だ。ここで胃袋をつか―。いや、胃袋をつかんで何になる。私はただうまいものを・・・。自分に言い聞かせていても無理があるな。そうか、私はあいつに恋をしたのだな。そうなれば早い話だ、今夜一気に勝負をつけさせてもらう。
千冬はスーツのシャツを一気に腕までまくりフライパンをコンロの上に準備する。そしてにんにく・人参・玉ねぎ・ピーマンなどをみじん切りにし、フライパンの上にオリーブオイルを垂らし炒めていく。そしてそこにあらかじめ炊いておいた米とケチャップ、ほ〇だしを適用加えしばらく加熱する。いったん火を止めアルミホイルでふたを作り蒸らす。
次に別のフライパンを用意し、オリーブオイルをなじませた後中火で加熱する。その間にレタスを準備し水洗いしておく。皿に先ほど蒸らしておいたケチャップライスをよそい、その横に飾るようにレタスを置いていく。そして最後に卵と牛乳を混ぜたものをフライパンに一気に注ぎ、箸でかき混ぜていく。ある程度火が通ったらケチャップライスの上に着陸させ、ケチャップで仕上げをする。
「・・・できたな。良い出来のはずだ。」
ふたつの皿を持って机の方に向かう。向かう途中に見えた楼夜はまだ固まったままだった。それに我慢できず千冬は吹きだしてしまう。
ぶふっwwwまだあいつは固まったままなのかw今なら何をしても気づかれない気がするぞ。・・・しかし、遊んでいるとせっかくの半熟卵が固まってしまう。もったいないが起こすか。
オムライスを手ばやにテーブルの上に置き、そばにスプーンも置く。コップに水も注いでコースターの上に置く。そして未だ固まったままの楼夜のもとへ足を進めていく。
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楼夜side
「・・・い・・・お・・い・・・おいっ!」
「ひゃいっ!」
「やっと気づいたか、オムライスを作ってある。卵が固まる前に食べてしまえ。」
「・・・はい。」
あれ?僕は何をしてたんだっけ・・・。確か・・・っ///それで固まったんだったな。それにしてもオムライスか~♪やったー実は大好物なんだよね。でも千冬さんって料理とかできるのかな・・・。なんか普段の姿からは想像できないけど。一応覚悟はしておくか。
しかし、楼夜のその覚悟は杞憂に終わる。楼夜が見たのはテーブルの上にあるレストランで出てもおかしくないレベルいや、それ以上の見た目をしたオムライスだった。それに引き寄せられるように楼夜は椅子に座る。そして「いただきます・・・」とつぶやいてスプーンを手に持ち半熟卵へと突き立てる。すると少し反発したがするっとスプーンがライスへと通る。そして程よいケチャップ色をしたライスと卵を絡め口に運んでいく。
「・・・っ!!!お、おいしい~!!!」
「ふふっ、当たり前だ。」
そこから楼夜は休む暇もなく千冬の作ったオムライスを口に運んでいく。その姿はドングリを頬にため込むリスに似ていたとかどうとか・・・。完食し、けふっと可愛いゲップをして一息ついた楼花は疑問に思っていたことを千冬に聞いた。
「ところで千冬さんはいつから料理をし始めたんですか?てっきり一夏君が家事全般をしていると思ったんですが・・・少なくとも代表の時は一夏君に任せてましたよね?」
「あぁ、確かに代表の時からしばらくは一夏に任せていたさ。しかしな・・・」
やっぱり任せてたんだ...当時一夏君は何歳だ?相当幼いはずだ。しかし、そんな幼い一夏君に家事をやらせていた千冬さんが今は家事を出来るということは何かあったんだな・・・。それにあの千冬さんの悲しそうな表情。一夏君側の変化か。
千冬が悲しげに瞳を落とし、しばらく沈黙を保った後口を開いた。
「あれは私がここの職員として働き始めてすぐだった。そのころはまだ一夏に家事を任せていた為、寮で生活をせずに家に帰っていたんだ。」
若かりし頃の千冬さん...今も充分若いから想像つかないな。でも考えられるとすれば今よりも尖った性格の千冬さんか・・・。想像したくないな・・・。
「そんなある日だった。いつも通り一夏の準備してくれた夕食を食べたんだがな・・・。変な味がしたんだ。妙だと思いながら完食してしばらくするとほんのり眠くなってきた。多分あいつは私の夕食に睡眠薬でも盛ったんだろう。あいにく私は薬関係が効きにくい体質で効果があまりなかったようだがな。」
どういうことだ。束さんからは織斑家は父母がおらず家族は姉弟二人だと聞いた。そんなたった一人の家族に薬を盛っただと?全く理解が出来ない。
「な、何か間違いなどでは?それか、もしかしたら千冬さんに休んで欲しくて薬を盛ったとか・・・。」
「私も最初はそう思っていたさ。たった一人の家族だ、疑えという方が難しい。しかしな、あいつはそれからも睡眠薬を盛り続けた。次第に量を増やしながらな。そしてその頃から私の下着の数も合わなくなっていった。そしてその時気がついたさ。あぁ、こいつは私を襲うために薬を盛ったんだな、と。」
「え、それってつまりは・・・。」
「そうさ、私を犯そうとしていたんだ。」
あまりの衝撃に頭が回らなくなる。実の姉それもたった一人の家族が自分に頼っていることをいい事に下着を盗んだり、睡眠薬を盛ったりして犯そうとしていただと?
「そ、そんなことって有り得るんですか・・・。」
「あぁ、これが現実だ。本当ならば有り得ないはずのことが起きる。事実は小説より奇なりとはよく言ったものだ。」
千冬の部屋にどよんとした空気が流れる。そんな空気を断ち切るために千冬がわざと明るい声で話を振った。
「そうだ、オムライスは美味かったか?私としてはかなり自信があるんだが。」
「・・・はい、とても美味しかったです。・・・ごちそうさまでした。」
「む、それはよかった。・・・それにしてもこんな空気にする気は無かったんだがな・・・すまない。そうだ、お前の荷物が部屋に届いているはずだ。確認しに行くといい。それとルームメートだがそんなこともあって男の一夏ではない。入る際には気をつけろ。」
そう言って千冬が楼花に鍵を渡す。それには【206】と書かれていた。
「はい、ありがとうございます。こちらこそ踏み入ったことを聞いてしまいすいません。オムライス本当に美味しかったのでまた食べさせて貰ってもいいですか?」
「あ、ああ!いつでも来い!」
すると楼夜は精一杯の笑顔で返事をして部屋を出ていった。その後部屋には可愛いと連呼するだけのおもちゃになった鼻血で紅く染まった教師がいたとかどうとか・・・。
なんと執筆している間に評価に色が・・・。
しかも赤いだと!?(驚きを隠せない)
これもみなさんのおかげです。ありがとうございます!感謝の極み。
話数を重ねるにつれてどんどん一夏が悪人になっていますが、これもこの小説の仕様です。女の子を中途半端に何人もの誑かした者はこうなるのです。
ご覧いただきありがとうございました!
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