就職先はAUOの秘書でした。   作:疾走する人

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感想の方からたくさんの意見をもらって、ヒロインはエレシュキガルに決定しました。

ちなみに、ギルのヒロインはエルキドゥです。

エレシュキガルが人気で驚いた。

やっぱ、引きこもり属性でコミュ症の美少女っていうのは、結構ストレートにくるものなのかね。


そうだ。冥界に住もう。

前回のあらすじ

 

俺の葬式が取りやめになる

 ↓

「護国の宰相」とかいう恥ずかしい名前で呼ばれるようになる。

 ↓

なぜか、俺の復活を祝う式典が開かれる。

 ↓

式典が、宴会に変わる。

 ↓

エレシュキガルに冥界に呼ばれる。

 ↓

やっぱかわゆい。

 ↓

働きたくない!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺がギルガメッシュに無理矢理秘書にされたり、なぜか「護国の宰相」なんて恥ずかしい名前で呼ばれるようになったりと色々あったが、俺が王宮に来てからすでに二年が経った。

 

俺がスカウトされてから半年後に、ギルガメッシュはウルクの王として即位した。

 

そのときはもう大変だったよ。

 

ギルガメッシュは、あの性格でも、半神半人だから見た目だけはいいし、俺も「護国の宰相」とかいって有名になっていたから、より良い治世を期待して、毎日意見書だのファンレターだのがたくさん送られてきた。

 

ギルガメッシュは、俺にはともかく民には優しい王でありたいらしく、毎日徹夜をして目の下に隈を作りながらも、しっかり意見書に目を通していたようだった。

 

かく言う俺も、毎日意見書を読むために休み時間を費やしていたのだが。

 

あ、ちなみに俺は、ギルガメッシュが即位する儀式の時に、ギルガメッシュに正式な宰相として任命されたため、

「あ、やっぱりチェンジで。」

等と言えるはずもなく、場の流れに流されて宰相になってしまった。

 

宰相になった後の俺の仕事は、それはもう大変だったよ。

 

ギルガメッシュもそれなりに書類仕事をしているらしいが、俺の比ではなかった。

 

俺は、ギルガメッシュの何倍もの量の書類を毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日…。

 

ハッ!

 

いかんいかん。危うくおぞましい記憶に侵食されるところだった。

 

ちなみに俺が書類仕事をこなすということは、ギルガメッシュが公約的なものの内の一つにしており、民は

「あの護国の宰相様が情報を取り扱うのならば、この国はもう安泰だな!」

等と口をそろえて言っているが、俺の気持ちも考えてほしい。

 

俺の本職はニートなのだ。

 

誇り高きニートなのだ。

 

最上位のニートなのだ。

 

こらそこ。

 

ニートは職についてないからニートなんだろ、とか言わない。

 

ニートは立派な職業です。

 

まあ、ギルガメッシュが民に大々的に発表して、民も喜んでいるんだから、断ったら絶対に厄介なことになるな。

 

と思いながら死んだ目で仕事頑張るぞ〜、と言っている俺を、ギルガメッシュが珍しく哀れなものを見るような目つきで見ていたような気がする。

 

先に言っておくが、ニートは決して哀れなものではない。

 

ニートとは、太陽の光を浴びずにも生き長らえることが可能であり、なおかつ一晩飯抜きでも生きていけるほどの超高等人種なのだ。

 

ちなみに、ギルガメッシュの仕事は、町並みの構想やら法律の構想やらといったものである。

 

羨ましい。

 

そういう仕事は、想像力がものを言う。

 

だから、想像力(妄想力)が高い俺にはピッタリの仕事なのだ。

 

俺の頭は常にハードワーキングだから、そういう仕事なら疲れないし、楽しそうだったのに。

 

「なんでギルガメッシュが楽しそうな仕事をやってるのに、俺は毎日地獄のような書類仕事に追い回されなければいけないんだよー!」

 

と中庭で叫んでいた俺を、ギルガメッシュが疲れた顔で、でも愉しそうに微笑んでいたのはいい思い出だ。

 

 

まあ、俺も一応は宰相なので、ギルガメッシュにいろんなアイデアを与えた。

 

例えば、

 

「憲法を作りたいのですが、どうしたらいいでしょう?」

 

と聞いてきたギルガメッシュにうろ覚えの日本国憲法を教えてやったり、

 

「町並みが悩みなんですよ。キレイで、なおかつ実用的な町並みとかのアイデアありますかね?」

 

と聞かれた時には平安京みたいな町並みを提唱したり、

 

「この王冠は純金製だと聞いたのですが、この王冠に銀が混じっている、という噂を聞いたことがあるんですが、どうやったら確かめられますかね?」

 

なんて質問をされたときには、アルキメデスみたいなことをやって見せたり。

 

 

俺の現代知識は大変役に立ったらしく、俺は一層高い権限を与えられていって、民も俺の事を神の生まれ変わりだと言って拝み倒す始末。

 

やめてください。

 

俺は、ニートに憧れていたただの学生の生まれ変わりなんですけど。

 

とにかく、俺の胃にかかるストレスがマッハを超えてきた。

 

ここ最近もたまにエレシュキガルは俺を冥界に呼んでくれて、彼女のオドオドとした態度と、それでいてどこか思いやりを感じる優しさのみが、今までの俺の癒やしだ。

 

でも、それでも疲れが完全に抜けたわけではなく、簡単に言うとヤバイ状態。

 

それが、現在の俺。

 

かなり体と精神が参まいってきているらしく、最近の俺は、顔色が悪すぎて死人と勘違いされたほどだ。

 

勘違いした奴は、

「まあ、あの方は一度ならず何度も冥界に行ってらっしゃるから、死人に見えたのも当然か。」

等と勘違いしていたが、その言葉で、俺は現在俺がどれくらいひどい状態なのかを自覚してしまった。

 

そうして俺は、どうすべきか考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて。

 

ようやく結論に至った。

 

「そうだ。京都に行こう。」

 

「京都って何処ですか。」

 

真顔でギルガメッシュが質問してきたから、俺はギルガメッシュに今の自分の状態を詳しく伝えた。

 

ギルガメッシュは珍しくすまなげな顔になって、俺に聞いてきた。

 

「それではライガは、休息を取りたい、と言いたいのですね?」

 

「ああ、そのとおりだ。」

 

俺が答えると、周りの大臣たちが反論して来た。

 

「ライガ殿がいなくなられたら、この国の力は大きく落ちてしまいますぞ!」

 

「そうじゃそうじゃ!」

 

だが、ギルガメッシュの鶴の一声で、彼らは静まった。

 

「ではみなさんは、このままライガを無理矢理ここに置いておいて、ライガがこの国に嫌気がさしてこの国を抜けることは考えておられないのですか?」

 

そう語るギルガメッシュの顔はいつになく真剣で、俺に対する思いやりが少しだけ滲み出ているような気がした。

 

「ですが、ライガ様を何処で休ませるとおっしゃるのです!我が国には、そんな場所は存在しないはずでありますが!」

 

「ッ…。それは…。」

 

答えに詰まったギルガメッシュに、俺は言った。

 

「俺が行く場所ならあるぞ?」

 

「なんですと!」

 

「まさか、女にでもふけられるのではあるまいな!」

 

老人たちが騒ぎ立てるが、俺はあえて言った。

 

「おう。女のところに世話になるつもりだ。」

 

「なんと!国政を女で揺らがすおつもりか!」

 

「そのようなものは、宰相等と名乗る価値なし!」

 

先に言っておくが、老人達の言葉が、家臣の総意ではない。

 

俺の部下たちは、日頃から俺がブラック企業な従業員以上に働いているのを知っているし、他の家臣たちも俺が休むのには賛成してくれたりする。

 

だからこそ、彼らの期待に報いる為に、俺は言わねばなるまい。

 

彼女に受け入れてもらえるかはわからんけど。

 

これで拒否られたら、俺死んじゃうわ。

 

恥ずかしさと悲しさで死んじゃうわ。

 

まあいい。

 

どうにでもなれ。

 

とある伝説的なニートが残した言葉(残してません)を胸に、俺は言い切った。

 

「おう。女だぞ?俺、冥界の女神のエレシュキガルに養ってもらうわ。」

 

ごめんよ、エレシュキガル。

 

養ってもらうとか、もろクズの発想じゃねーか。

 

だが、周りは養うと言う言葉よりも、エレシュキガルの名前に対して驚いているようだ。

 

あのギルガメッシュでさえも、目を開いて驚いている。

 

「な…、なら、仕方ないでしょう。

賢い彼のことです。おそらくとっくに話をつけている事でしょう。

もしここで逆らえば、それは冥界の女神に喧嘩を売ったことになってしまいますから、ここは一旦諦めましょう。」

 

俺が休息を取ることに反対していた奴のうちの一人が言う。

 

その声に釣られて、みんなが「そうだな…。」「なら仕方ないか…。」なんて事を言っている。

 

ここでもし、

「まあ、別に約束を取り付けたわけでもないから、強制力なんてないんですよね☆」

等と言おうものなら、この場の全員にボコボコにされてからもっと激しい書類仕事が待っている気がする。

 

ボロを出さないうちに帰ろうとして、俺に現在家がないことに気づく。

 

仕方ないので、エレシュキガルが気づいてくれることを祈って、叫ぶ。

 

「おーい、エレシュキガルー!冥界に引っ越したいから、連れてってくれー!」

 

シーンと周りが静まる。

 

十秒が経つ。

 

なにも起こらない。

 

しまった。ボロを出さないようにした事が、逆にボロを出している気がする。

 

二十秒経って、周囲の目が胡散臭いものを見るような目つきに変わり始めた瞬間に、俺の足元に漆黒の穴が空いた。

 

周りは驚いている。

 

まさか、ホントに冥界と地上を行き来できるとは思わなかったんだろう。

 

「ギルガメッシュー!あと三年経ったら戻ってきてやるよー!」

 

と叫んでから、俺は穴に落ちていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

穴から出たところには、顔をほんのり赤くした俺の癒やしが待っていた。

 

エレシュキガルは、俺の顔を見ると、顔をもっと赤くしながら頭を下げた。

 

「そ…、その…、これから三年間ですが…、その…、不束か者ですか…、よ、よろしくお願いします…。」

 

「おう!よろしく、エレシュキガル!」

 

ナムタルのオッサンが、微笑ましそうなものを見る目でエレシュキガルを見ていた。

 

わかるよ。その気持ち。

 

エレシュキガルは、なんだか心を暖かくする魅力があるもんな。

 

 

そんなこんなで、俺の冥界生活が始まる!

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

…若干、というかほとんどヒモだが、そこには突っ込まない。いいね?

 

 




一日に二回投稿。

結構時間を食ってしまった。

まあいいか。(適当)
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