魔法科高校の劣等生 その男世界最強の指輪の魔法使いにて 作:百合に挟まる男を切るエルフの剣士
「着いたぞ。ここが俺の家だ」
そう言って達也がバイクを停めた。その家のガレージにバイクを入れると家の鍵を開けなかに入る。そして巧牙は二人の後をついていき、リビングであろう場所に達也と向かい合って座った。そしてお茶を深雪に入れてもらい。話を始めた。
「さて。何処からはなそうか?次期四葉家当主候補 司葉深雪さんにそのガーディアン 司葉達也さん」
「!!」
深雪は巧牙のその言葉を聞いた瞬間驚いていたが達也は巧牙が知っていることが分かっていたのか、対して反応しなかった。深雪は全く反応しない達也に怒ったのか。
「お兄様!!」
それを達也手をあげて制する。
「落ち着け。深雪。言っただろう。”彼は知っている”と」
「ですが!!」
「落ち着けといっている。大丈夫だ。彼は信頼できる。俺を信じてくれないか?」
「‥お兄様が、そうおっしゃるのなら」
そう言って深雪は取り敢えずは落ち着いてくれた。だが、まだ巧牙の事を信頼できていないのか時々こちらを睨んでくる。しかし、巧牙と達也は気にしていたら話が進まないと思ったので、見ないふりをすることにした。
「さて、巧牙。一体どこまで知っている?」
その問いに対し、巧牙は
「どこまで知っていると言われても。達也達の秘密。後はこの世界の裏側。最後にCADの設定方法だな」
その言葉に達也は頷き自分の知っていることを話始めた。
「成る程。こちらが知っていることは、ウィザードリングの製造方法。君の秘密。後は、ファントムに関することだな。試しに二つ程作ってみたんだが」
そう言って達也はバックの中からウィザードリングを二つ取り出した。その指輪を見て巧牙はポツリと
「スゲェ。完璧だ」
そう漏らした。その巧牙の称賛に達也は笑って
「それならよかった」
そう返した。巧牙は達也の作ったウィザードリングを指にはめて少しワクワクしながら聞いた
「これ、試していいか」
達也は頷き答えた。
「それは構わないが、地下に部屋がある。そこで行おう」
「了解だ」
そう言って家の地下にある実験施設に行った。そして実験室の中心に人形を出現させ、巧牙はその前に立って右手に新しく手に入れた指輪をはめてベルトにかざす。
<バインド・プリーズ>
人形の周りに魔方陣が現れ中から鎖が飛び出した。飛び出した鎖はあっという間に人形を縛り上げていく。
「おお。バインドか。拘束系の魔法か。色々便利そうだな」
その様子を見て巧牙は感心する。横を見れば深雪は口に手を当てて驚いている。そして達也の方を向いて聞いた。達也はボソッと呟く。
「仮面ライダーか」
「あの…お兄様。仮面ライダーとはなんでしょうか?それと、あの魔法はどのように発動しているのでしょうか?」
深雪は巧牙の発動している魔法がサイオンを使わずに発動している事に気付いた。その問いが来る事を予測していたのか達也は、すぐに答えた。
「仮面ライダーとは、助けてという声が聞こえたら必ず駆け付け人々を守るヒーロー‥そう言う人達の呼び名だそうだ」
「ヒーローですか…」
「ああ、次にあの魔法についてだが…まず、俺達が魔法を使うときには微量なりともサイオンの消費があるのは知っているな」
「はい」
「あの魔法はサイオンの消費がない。というより巧牙は、サイオン自体を持ってはいないんだ」
「ですがそれでは…」
「魔法は使えないか?」
「その通りです。お兄様。なのになぜ彼は魔法が使えるのですか。」
「深雪、俺達で言う魔法とはなんだ?」
「えっと…私たちの言う魔法とはCADに記録された魔法の起動式を読み込んで、事象に付属する情報体(エイドス)の情報を書き換えて火を出したり水を操ったりする事でしょうか。古来ではこのような魔法は超能力の分類でした。それを化学などで補ったものが、今のまほだと思います。その他にも、精霊魔法等の魔法は今では古式魔法、BS魔法と呼ばれています。」
「その通りだ。簡単に言えば、あの指輪が起動式が書き込まれたCAD。そしてあのベルトがその書き込まれた起動式を読み取る物だ。ただし、使う物はサイオンではなく魔力。そして、俺達のように物事の情報を書き換えて物事を起こすのではなく、本当にその物事を起こしている。」
「それはつまり」
「ああ。あれは、この世界の魔法ではない。別世界の魔法だ。そしてあの魔法の魔力を生成しているのが…」
「「ファントム」」
「まぁ、ファントムでは無くとも、生まれつき持っている人は居るがな」
達也の話に被せるように巧牙が話しやって来る。それを見た深雪が聞いた。
「お兄様。ファントムとは何でしょうか?」
その質問には達也は巧牙を指差して
「巧牙に聞いてくれ。ファントムに関することはあいつの方が詳しい」
「良いぜ。深雪。聞きたいことは?」
「まず、ファントムとは何ですか?」
「ええっと、達也。ファントムの画像はあったりするか?あったら深雪に見せてほしいんだが」
「いいだろう」
そう言って達也はホログラフィーのモニターにファントム達の画像を映していく。
「これが、ファントムだ」
深雪は息をのむ。そこには様々な怪物が並んでいた。
「これが、ファントム…」
「そう。これが、ファントム。絶望した人間だ」
「人…間…。これが…こんな…化け物達が…人」
「元‥だけどな」
「何があれば人間がこんな化け物になるのですか」
「言っただろう。絶望したからだと」
「絶…望…。人は絶望しただけでああなると?」
「そうだ。人は誰しも必ず希望が心の支えがある。友人や恋人、家族だったり地位や名誉だったり思い出の場所だったりな。その中でもゲート…サイオンではなく俺と同じ様な魔力を持った人間が心の支えがなくなって、絶望してしまうとファントムとなる。元の人間だった頃の記憶を無くして完全なファントムとして生まれ変わる。同然、ファントムの殻であった人は死ぬ。これが、ファントムとはなんだという質問の答えだ」
「だったら、そのゲートって言う人を一ヶ所に集めて守ればいいじゃないですか」
それに対し、巧牙は笑いながら答える。
「それができれば苦労はしないんだがなー」
「どう言うことです?」
「俺は誰がゲートなのか分からないんだわ。分かるのはファントムの中の極一部なんだよ」
「だったら、私達はゲートが襲われないと動くことができないんですか?」
「そう言うこと!」
「貴方はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
あまりに軽い巧牙の答えに深雪は思わず激昂して巧牙の胸ぐらを掴み叫ぶ。
「深雪!!」
達也の制止の声も深雪には届かない。
「そんな軽く考えて誰かが絶望してもいいんですか!その考えで人が一人死ぬかもしれないんですよ!あなたは仮にもヒーローなんですか!!」
その問い詰めに巧牙はポツリと
「分かってんだよ」
「えっ」
「そんなこと…そんなことお前に言われるまでもなく俺が一番よく分かってんだよ!!」
「ッツ!」
「そんなの俺はファントムと倒す力があるのにその為に戦闘訓練もした。でも、ふたを開ければ誰かが襲われるまでどうすることもできない…俺は無力なんだよ…」
「そんなことありません!!」
そう言って入ってきたのは先程別れたほのかと雫だった。
「巧牙さんは誰かが襲われたとしても必ず助ける筈です。そんな人が無力な筈がありません」
ほのかのその言葉に多少は元気付けられたのか少し明るい顔をして
「ありがとな。でも、お前らどうしてここに?」
「俺が呼んだんだ」
巧牙の質問に答えたのは達也だった。
「巧牙の正体は出来るだけ隠しておきたいからな。その魔法が研究者にバレるとめんどくさいことになりかねん。正体を知っている二人には秘密にしてもらう。構わないな」
「はい!大丈夫です」
「私も構わない」
「お前ら…ありがとな」
巧牙はそう言ってほのかを見るすると違和感を覚える。
「うん?」
そう言って巧牙はほのかに近づいていく。そしてほのかの目の前に立つとほのかをじっくりと眺めだす。
「あっあの~巧牙さん?」
見つめられているほのかはどんどん赤くなっていくが巧牙はその事にも気づかない。そしてほのかに更に近づいていきほのかの顔を両手で押さえてほのかの瞳をじっと見つめる。見つめられているほのかはもう真っ赤で湯気がでるのでわないかと思うくらいである。巧牙はほのかを離して呼んだ。
「雫。ちょっと来てくれ」
巧牙の近くに行った雫はほのかと同じ目に遭う。無表情な雫の顔にもほんのり朱がさしてくる。
「巧牙?」
「これだぁぁぁぁぁ」
巧牙は雫を離して飛び上がる。
「どうかしたのか?」
達也の質問に巧牙は興奮しながら答える。
「ああ!っとその前に、達也。この世界の人は全員の瞳にドラゴンの紋章がある。なんて言わないよな」
「そんなことはないと思うが…」
達也の言葉に軽くガッツポーズしながらほのかに向かって
「今日からほのかの家に泊まっていいか?」
「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
バシーーーン
それは、誰かが巧牙の頭を思いっきりハリセンで叩いた音だった。
「イッテェェェェェェェェ」
「急になにいってんですか?」
深雪だった。女性の家にいきなり泊まり込もうとしている変態を何処からか取り出したハリセンで思いっきり叩いたのだった。そしてもう一度ハリセンで叩こうとしたが振り上げた手は達也によって止められた。
「待て、深雪。」
「どうして止めるんですか!!」
「巧牙、何かあったんだな」
こんなときでも冷静な達也の言葉に巧牙は頷き
「ああ。ほのかの瞳にドラゴンの紋章があった。恐らくゲートの証明なんじゃないかな」
そう答えたその時、
ピリリリリリリリリ
巧牙の携帯電話が着信音をならした。携帯電話が鳴った事に巧牙は首をかしげて
「うん?俺の携帯には、ほのかと雫と達也と深雪以外の登録はないはずなんだが」
その言葉に雫は
「ボッチ?」
「やかましいわ。色々あんだよ」
そう言いつつ携帯の通話ボタンを押す。
「もしもし…」
「ワシが電話したらすぐ出んかい」
「神様!?」
「「「えっ!?」」」
驚いている三人にも気づかず
「テメェ、俺を穴に落としたあとよくもやってくれたなぁ。まさかクウガからの怪人、ラスボス抜きだったけど全員相手にさせられるとは思わなかったぞ…おい!」
「戦闘訓練だよぉ。おかげで力ついたでしょ」
「まぁな。国家戦略級魔導士相手にしても余裕で勝てるぞ」
「「「!?」」」
「まぁ、それも俺のあのとき使えた指輪が全部あったらの話だがな」
「まぁそれはそうと、巧牙。君のプレゼントが少なすぎるってお偉いさんに怒られてのう。ドラゴンの…あの指輪の力を持っている人間の覚醒間近の者を分かるようにしたから」
「ってことは…」
「うん。四人のゲートは誰かわかるようになったってことかのう」
「四人だけか。その一人がほのかってことか」
「そう言うこと。アドバイスしてあげるとその子が次に狙われるゲートだから。しっかり守ってあげなよ」
「当たり前だ」
「それじゃあワシは切るとするかの」
「ああ。じゃあな」
「じゃあね。それと高校にはお前の親友がいるぞ」
「ちょっおい!どういうことだよ!」
「いったらわかるぞい」
そう言って神様は通話を切った。巧牙はため息をつき
「はぁ。ずいぶんフレンドリーな神様め。しかし、俺の親友ってどういうことだ?いやいやまずはほのかの安全を最優先にしないと」
そう言って携帯の通話を切るのだった。