TVver恋姫†無双~神鬼とよばれた異常者が来た~ 作:白魔の巫女
「霧先殿の真名はなんというのですか?」
突然関羽が聞いてきた。神羅は首をかしげながら言った。
「真名?そんなものはないが神羅こそが名だからな・・・忌々しいがこれからは霧先秋羅とでも名乗っておくか」
「え?」
少し嫌そうな顔をしてから言うと驚いたように言った。
「姓は霧、名は先、字は秋羅、真名は神羅これからそう名乗る」
「分かりました。では神羅殿と呼んでもいいですか?」
「別にいいよ」
簡単に答えた。すると関羽は神羅を見て言った。
「姓は関、名を羽、字を雲長、真名は愛紗です。貴方に我が真名を預けます」
「ならもうそろそろ敬語をよせよ」
ため息をつきながら神羅は愛紗に言った。
数週間一緒に旅をして行くなかでお互いに少しわかったことがあった。愛紗は神羅は子供に優しい事もわかった。神羅は愛紗がお人好しだということがわかった。
「墓だな」
二人は村がみえる辺りまで来たところで墓を見つけた。花が備わってるだけの墓であった。そこに老婆が通りかかった。二人を見ると老婆は立ち止まった。
「最近この辺りで山賊がでてのう、身ぐるみを剥がされ殺された人も何人もいてのう。その花はせめてものて向けじゃ」
「成る程な」
「そうだったのですか」
「お役人様がしっかりしとったら物騒な事は起こらんじゃたろうに。いやな世の中になったもんだねぇ」
二人は手を合わせて拝んだ。神羅は墓を少し見つめて言った。
「お前らの無念ははらしといてやる。だから安らかに眠れ」
そう言って振り返りため息をついて歩き出して村に入った。
「ひぃ、出た」
「何!?賊か?ってうわぁ」
村をしばらく進むとそんな声を聞くと愛紗は振り返ると目の前に鶏がいた。驚きの声をあげた。
「どけどけ~鈴々山賊団のお通りなのだ~~」
鶏のあとを追いかけるように『鈴』と文字がある旗があり、豚の上に乗った少女がいた。赤い短髪の少女だ。その後ろから子供達がいた。
「子供か?」
「きゃっ」
愛紗は避けようとして尻餅をついた。神羅は何事もなかったように尻餅をついた愛紗に手を差し出した。愛紗はそれに捕まった。
「驚いたな」
「……とてもそうには見えなかったが?」
「気のせいだ」
平然としている神羅に愛紗はジト目で神羅を見ていた。鈴々山賊団は村を去っていった。
「それより、なんだったんだ?」
「嵐のように去っていったな」
「フッハハ、それはさいなんだったねぇ」
「笑い事ではない」
飯屋に入ったところで女将に話すと笑っていた。
「なんだったのだ?鈴々山賊団とか名乗っていたが」
「名前通り、"鈴々"って子が大将の悪ガキ集団さねぇ。ま、やっていることは畑荒らしたり、牛にイタズラしたりって事だけどねぇ。そういやぁ、この前なんか庄屋様の家の塀にバッカデッカイ庄屋様の似顔絵を落書きしとったけどアレは傑作だったねぇ」
「それにしても親や何をしてるんだ。山賊気取りの悪ガキをほって置くなんて」
「あの子、親は居ないんだよ。」
「えっ」
「成る程な、親ねぇ」
(俺は親に良い思いではないが、松陽先生みたいなもんか?)
神羅はそれを聞いて遠い目をしていた。神羅の親は五歳の時に死んだ。とある事によって
「何でも小さい頃に押し行って来た賊に両親を。その後、この村の近くの山小屋に住んでいた母方のじいさんに引き取られたんだけどね。そのじいさんも亡くなって、今は・・・一人」
「・・・」
「あの子だって、根はいい子なんだよ。今はただ羽目を外しているだけ、手下の子供達の親も大目に見ってやっているのよ」
(松陽先生、あの少女に拳骨でもくれてやるか?昔のあんたのように)
神羅は懐かしいかのように少し笑った。愛紗は鈴々の事情を知り黙ってしまった。関羽は重苦しく言った。
「ところで・・女将・・実は折り入って頼みがあるのだが」
「あー、俺もだ」
二人はこの店で働く代わりに馬小屋で宿めてもらうことにした。