ゼロとのヒーローアカデミア   作:トマト嫌い8マン

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はい、というわけで初登校エピソードですね

いやぁいきなり体力測定とかビビりますわ


入学早々ピンチです

「お前たちのクラスを担任することになった、相澤消太だ」

 

寝袋から出て来た男が教卓に立ち自己紹介する。これで自分たちの先生だというのだから驚きだ。雄英の教師は全員がプロのヒーロー。一見小汚いこの男も、その一人ということだ。

 

「それじゃあお前ら、早速だが、体操着に着替えて校庭に集合な」

 

「「「「「「「は?」」」」」」」

 

 

と、相澤の鶴の一声的なアレで、十分後、1-Aの生徒20人は校庭に集まっていた。青をベースに、白文字でUAと大きく書かれているジャージは、それだけでもヒーロースーツのようにも見える。

 

「あの、入学式とか、ホームルームとかはしないんですか?」

「しないな」

 

生徒からのもっともな質問を、しかし相澤はバッサリ切り捨てる。

 

「ヒーローにそんな悠長に行事をやる時間なんてないな。元々雄英の校風は自由さが売り。それは生徒も先生もだ。というわけで、俺の自由により、これから君らには体力測定をしてもらう」

 

 

((((((自由すぎる……))))))

 

いきなりクラス全員の考えが一致している中、相澤は一人ちゃっちゃと準備をしている。

 

「あ、そうだ。体力測定って言っても、未だにやってる個性使用禁止のあれじゃない。君らにはむしろ個性を十全に発揮してもらう」

「それは、どう言うことですの?」

 

長い髪をまとめた女子生徒が手を挙げ問いかける。ちらりと相澤が生徒達をみて、爆豪に目を止める。

 

「確か一般入試一位は爆豪だったな。ハンドボール投げ、中学の時幾つだった?」

「?67メートル」

「よし、なら個性使ってやってみろ」

 

なにやら測定装置が取り付けられたボールを手渡され、爆豪が位置に着く。ボールを手に、大きく振りかぶって、

 

「死ねぇぇぇえ!!」

 

と、殺る気満々な掛け声と共にボールを投げる。その瞬間、爆豪の手のひらのあたりから、爆発が起こる。爆風を受けたボールは遥か上空まで飛んでいく。相澤が手元のスマホで記録を見せる。

 

『703.2m』

 

「まっ、こんな感じだ。君らの個性の特性、その活用・応用。それらを合わせて行う、合理的な体力測定だ。これで君らの伸びしろや可能性にもそれなりの予想ができるしな」

 

相澤の言葉を、生徒達はほとんど聞いていないに等しかった。自身の個性を思いっきり使っていい。そんな体力測定なんて初めての経験だったのだから。盛り上がっている生徒達をみて、相澤がため息をつく。

 

「なに浮かれてるんだ。まさか面白そうだとか、楽しそうだとか思ってないだろうな。さっきのお友達ごっこといい、ヒーロー科を甘くみていそうだな」

 

明らかに先ほどよりも低いトーンで話す相澤に、思わず生徒達も口を閉じる。ニヤリと相澤の口が歪んだ笑みになる。

 

「よし。ならこうしよう。君らの体力測定、その記録を元にランキングを作る。つまり、君らで競い合ってもらうとしよう。そして、最下位の者は見込み無しとみなし、除籍処分とする」

 

 

 

 

突然告げられたその宣告に、生徒達の肝が冷える。

 

今目の前の先生はなんと言った?

 

除籍処分?

 

まさかそんなことが

 

「この学校では、生徒の扱いは教師に一任されている。つまり、処分も俺たちの自由にしていいということだ。甘ったれるなよ。ここでは常に大きな壁を君らに与え、それを乗り越えることを期待する。乗り越えられないものがヒーローになったところで、なんの役にも立たない。そうならないためにも、しっかりと取り組んでくれたまえ」

 

長い髪で隠されていた顔が、初めてちゃんと見えるようになる。相澤は笑顔だった。それも、心底楽しそうな。それが逆に、生徒達には怖く見えた。

 

「ようこそ、雄英高校へ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

各自で体力測定の準備をする中、出久は一人、内心パニックになっていた。

 

(どうしよう……まだワン・フォー・オールを使いこなせてないのに……)

 

現状の出久の身体では、ワン・フォー・オールを使いこなすことが、まだできないでいたのだ。使うことはできる。しかし、それはほとんど切り札のようなものとしてだ。

 

まだコントロールが0と100のどちらかしかできない。だが、100%のワン・フォー・オールを使えば、身体が砕けてしまうのだ。ゼロと一体化し、肉体がわずかに強化されているものの、それでも足りない。

 

(落ち着け……早い段階で使えば、間違いなく他の競技がダメになる。ということは後半の競技だけ。どれが後半になるのか、それによって、大きく変わってくる)

『おい。一人でピーピーうるせぇぞ。というか、心配ないだろ、お前なら』

(でも、個性を使いこなせないのに他の人よりもいい成績を残すには、何か考えないと)

『まぁ、力の量の調整はまだ難しそうだな。だから、調整するのは量じゃねぇ。場所だ』

(場所?)

『まっ、そのあとは自分で考えてみな。壁は自力で乗り越えるためにあるからな』

 

 

ゼロのアドバイスらしきものを受けたものの、まだよくわからない様子の出久。首を傾げ考えるも、時は待ってくれず、体力測定が始まった。

 

 

 

足の速いもの、力の強いもの、跳躍に活かせるもの。実に様々な個性の持ち主が、頭を捻り、自身の個性を最大限活用し、記録を出そうとしている。中でも推薦組の二人、八百万と轟の二人は強力な個性故、ほとんどの競技で好記録を出している。

 

一方、出久はというと

 

(ほぉ……ただの考えなしの自爆野郎かとも思ったが、基礎能力は平均のそれを大きく上回っているな。個性による大記録程ではないが……)

 

(んだよありゃ……無個性のデクがんな記録出せるわけねぇ……あの時といい、なんだこいつ?何しやがったんだ……)

 

(なるほど。確かにゼロと一つになってから能力が上がってるみたいだ……私が鍛え終わった時よりも、緑谷少年の基礎能力値が一回り以上高い。だが、あくまで一般人と比べて上回っているというだけだ。相澤くんが担任では、最悪……)

 

 

(みんな一つは大記録を出している。残された競技の中で、ワン・フォー・オールが使えそうなのは……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『焦ってるな……まぁ無理もないか。個性ってのは、本当に色々と応用が効くな』

 

例えば爆風で空を飛んだり、例えば物の重力をなくして無限にものを飛ばしたり、それぞれの競技に対応したものを創り出したり。様々な方法で、周りの人たちが驚く記録を出す中、出久はどれも平均を一回り上回る程度。よくいえばオールラウンダー。悪くいえば器用貧乏な結果となっている。

 

『残った競技は、ハンドボール投げだけ、か』

 

果たして自分のヒントに出久は気付けるのだろうか。相棒の挑戦を、ゼロは見守ることにした。

 

 

一投目。

後がないとわかっている出久は、腕が砕けることを承知でボールを投げようとした。が、

 

(あれっ!?個性が、使えなかった?)

 

「個性を消した」

 

その声に出久が振り返ると、目を赤く光らせ、髪が逆立っている相澤が、彼を見ていた。首元にはゴーグル、そしてまるで拘束具のように動く布。

 

「そうか、あの人は……抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!」

『個性を消す個性か……なるほど。そりゃ先生に選ばれるわけだ』

 

出久を拘束し、イレイザーヘッド、相澤が近づく。

 

「見た所、個性を制御できてないんだろ。また身体ぶっ壊して誰かに助けてもらうつもりか?」

「そんなつもりじゃ!」

「どういうつもりだろうが、結果そうなるってことだ。お前にできるのは、一人を救って木偶の坊に成り下がることだけ。お前じゃ、ヒーローにはなれない」

 

黙り込んだ出久を見て、相澤が拘束を解く。

 

「個性は戻した。二回目をさっさと済ませろ」

 

『なかなか厳しい先生だな。ま、完全に間違ったことを言ってるわけでもないしな。で、お前はどうする?』

(どうするって言っても……)

『このままいけば、選択肢は二つだ。個性使って玉砕するか、或いは普通にやって最下位になるか。どっちにしても、あの先生からしたら見込みゼロってことになるだろうな』

(なら、どうしたら……)

『どうするも何も、一つしかねえだろ?』

(えっ?)

『作り出してみろよ。第三の選択肢を』

 

「第三の、選択肢……」

「ん?」

 

ポツリと出久が呟くのを聞いた相澤が目を細める。考え事に夢中になっている出久は、その視線に気づかない。

 

(考えろ。普通にやるのじゃダメだ。とてもヒーローらしい成績が出せるはずない。だからと言って、ワン・フォー・オールを使うと腕が……そういえば、ゼロさんが確か場所がどうこうって……いや、待てよ。腕に力を集めて振るうからそうなるわけで、普段はそうならない。つまり、力を集約させる場所のスイッチを切り替えることができるってことは……)

 

「……これだ」

 

覚悟を決めた様子の出久。ボールを握り、大きく振りかぶる。

 

(今の僕には、まだ他のみんなのように与えられた力を使いこなせていない。でも、だからこそ、他のみんなよりもずっと頑張らないといけないんだ!)

 

ワン・フォー・オールを発動する出久。相澤が目を凝らすも、先ほどと違い、腕全体には力が伝わっていない。

 

(力の量を調整できないなら、)

 

ボールが手元を離れる直前、出久の人差し指に血管が浮かび上がるように、力が集約される。出久の見つけた第三の道。

 

(その場所を、絞ればいい!)

 

SMAASH!(スマッシュ‼︎!)

 

勢いよく飛ばされるボール。先ほどとは比べ物にならないほどのパワーとスピードで飛ばされ、小さな衝撃波のようなものが広がる。

 

相澤が手元の記録を確認し、クラスのみんなにも見せる。

 

『777.7m』

 

「777!?」

「やっとヒーローらしい記録が出た!」

「指が腫れ上がってるぞ。入試の時といい、変わった個性だな」

 

(な、んだ……今の馬鹿げた記録は!?あいつは、無個性のはず……)

 

みんなが驚く中、出久が腫れ上がった人差し指ごと拳を握る。痛みはある、けれども耐えられないほどじゃない。目に涙を浮かべながら、出久は憧れのヒーローのように、笑顔を浮かべる。

 

「先生……まだ、僕は動けます!」

「こいつ……」

 

相澤の顔が再び笑みになる。期待以上の成果に対し、喜んでいるようだ。

 

(心配してきて見たけど……なんだよ少年)

『やってのけたな、出久』

 

『(かっこいいじゃないか)ねぇか』




ちなみにここで地味にウルトラシリーズネタをぶっ込んで見ました
歌的な意味で

わかるかな〜?笑

すっげえくだらないですけどね
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