ゼロとのヒーローアカデミア   作:トマト嫌い8マン

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長く間開けたから、ヒロアカ少し見直してみました
いやぁ、中々どこで初変身させるか、悩むなぁ……


学校生活、スタート

指の痛みに耐えながら拳を握っている出久。爆発的な威力は指先に集中させていたとはいえ凄まじく、人差し指は少しの間、完全に使い物にならなさそうだ。

 

「おい……そりゃあ、どういうわけだ……あぁ?」

 

低く、唸るかのような声。声の主は信じられないものを見たような驚愕と、激しい怒りのような激情に満ちた表情をしている。

 

一歩、また一歩と爆豪が出久の方へと歩く。

 

「てめぇ……説明しやがれ、デク……今まで俺を、見下してやがったのか!」

 

駆け出しながら、爆豪が手のひらで小さな爆発を起こす。思わず怯む出久に向かって、爆豪が手を伸ばす。

 

ガシリとその手首が掴まれる。眼前に迫った爆豪の腕を、出久の腕が止めている。

 

(何だ?急に雰囲気が)

 

「あぁん?」

「見下してなんかねぇよ。変な言いがかりつけんな」

 

キッと強い眼光が爆豪を見据える。

 

(まただ……この力、この口調、この雰囲気……どう考えてもデクじゃねぇ……なんだ?)

 

「それにしても……なるほどな。かなりやりそうだ。個性も戦闘向きではあるし……面白ぇ」

(ちょっと、ゼロさん!ダメですって!)

 

 

 

「その辺にしとけよ、お前ら」

 

鋭い声に爆豪と出久の体が思わず跳ねる。振り向くと、髪を逆だたせながら、相澤が二人を睨んでいる。

 

「何度も俺に個性使わせるな。俺はドライアイなんだ」

 

((((『個性強いのに勿体無い!』))))

 

言葉に出さずとも、ゼロとその他のメンバーの意見が一致した瞬間だった。

 

出久が握っていた爆豪の手を離す。抑えられていた所をさすりながら、爆豪が出久を観察する。先ほどまでの気迫が消え、自分のよく知るややおどおどしている出久に間違いない。

 

(元のデクに戻ってやがる。なんだってんだ?)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

体力測定の結果……

 

最下位 緑谷出久

 

最後の最後に好成績を叩き出して見せたものの、他のメンバーほどの応用力を見せることができなかった。一般的な体力測定からすれば好成績なのだが、いかんせん、他が様々な種目で個性を有効に活用出来ていたことあって、結果最下位となってしまった。

 

最下位は除籍処分。相澤の言葉が思い出される。思わず目を瞑り、腫れ上がった指のある手で拳を作る。不思議とその時痛みはなかったことに、出久は気づけずにいた。

 

 

「ちなみに除籍処分ってのは嘘だ」

 

「「「「「はい?」」」」」

 

「君らの限界と伸び代を知るための合理的虚偽だ」

 

ニヤリと笑いながら告げる相澤に、クラスのほぼ全員の目が点になる。

 

「「「「「えぇぇぇぇぇぇっ〜!?」」」」」

 

校庭に響き渡る叫び声。声をあげなかったのは爆豪、轟、そして八百万の3人だけだった。

 

「あんなの嘘に決まってますわ。ちょっと考えればわかりますよ」

 

少し呆れた様子の八百万。気づかなかった〜と周りがショックを受ける中、

 

『合理的虚偽……な。上手い言い訳しやがって』

(えっ?ど、どういうことですか?)

『除籍処分が嘘ってのが嘘だってことだよ。見ててわかる。あいつは本気だった』

(で、でもじゃあどうして?)

『「見込みがないとみなして除籍」ってあいつ言ってただろ?つまり、お前は見込みがあるって言われてるんだよ』

(見込みが、ある……)

『こういうところも、こいつが先生に選ばれたわけなのかもしれないな』

 

生徒を正しく評価する力、そして甘やかすのではなく適切な課題を与える力。それがこの男、相澤消太には備わっている、そうゼロは感じた。親父や師匠と、どうにも系統が似ていそうである。

 

 

 

 

「今日はこれで解散とする。緑谷、お前はリカバリーガールのところでさっきの怪我、治してもらってこい。以上だ、速やかに帰れよ」

 

制服に着替え、教室に戻ってすぐ相澤は用件だけを伝え、さっさと何処かへ行ってしまう。学生たちは帰り支度を始める。

 

「早くリカバリーガールのとこに行って怪我を治してもらわないと……って、あれ?」

『どうした?』

 

応急的に包帯を巻いていた指を不思議そうに出久が見つめる。試しにグーパーと手を握っては開きを繰り返す。首を傾げながらもう片方の手で包帯の巻かれた指をつまみグニグニと弄ってみる。

 

『何やってんだ?』

「……痛くない」

『は?』

 

包帯を解いて見てみると、すでに腫れは引き、怪我の後はどこにもない。

 

「回復してる……でもなんで?……もしかしてゼロさんが?」

『いや……俺は何もしてないぞ。少なくとも今回はな』

「えっ、じゃあなんで?」

 

頭にはてなマークを浮かべる出久。しかしいくら考えても突然の回復に説明がつけられない。

 

『……もしかしたら……いや、まだわからないか』

「なんですか?」

『いや、こっちの話だ。気にするな』

 

結局ゼロにも原因がわからず、その問題についてはまた今度詳しく検討することにした。というよりも考えを中断せざるを得なかった。

 

ポンッと肩に置かれる手。振り返るとそこには眼鏡をかけた男子生徒、飯田天哉が立っている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あっ、飯田くん」

「緑谷君、早くリカバリーガールの所に行かなくていいのか?」

「えっ、あっ、うん。もう治っちゃってるから」

「何っ?もう治ったのか?」

 

そう言いながらつい自分の回復した手を見せてしまったことを、出久は後悔した。この回復能力、どう見てもさっきのバンドボール投げの時のとは別種の個性。複数の個性を持っている人なんて、聞いたことがない。

 

不審がられるか、と内心出久が冷や汗を流していると、

 

「そうか!君の個性は超パワーだと思っていたが、正確には違うな?パワーをあげることと、あの時も見せた回復力、ひょっとして、肉体活性か?」

「えっ!?あ、そ、そんな感じ、かな〜?」

 

何やら一人で納得した様子の飯田に、ホッと胸をなでおろす出久だった。

 

 

「あ、二人とも駅まで?待って〜!」

 

暫く飯田と話しながら校門へと向かっていると、後ろから声がかけられる。息を切らせながら走ってくるのは、誰を隠そうあの時の女の子。

 

「君は確か、無限女子!」

 

飯田が妙な呼び方をしたが、それは体力測定の結果に由来している。彼女の個性は触れたものの重力をなくすこと。その個性を使い、ハンドボール投げの時に、驚異の∞という記録を叩き出したのだ。

 

「あ、私、麗日お茶子です!よろしくね」

 

名前の通り、麗らかな雰囲気の女の子。にっこり笑顔に、積極的に声をかける感じ。かなりのコミュ力の持ち主である。

 

「えーと、飯田君に、緑谷デク君!……だったよね?」

「えっ?」

「ほら、体力測定の時に、爆豪って人がそう呼んでたし」

 

そう言えば下の名前はまだお互いに知らなかったことを思い出す。自己紹介も何もなしに体力測定が始まり、相澤先生も苗字でしか呼んでいなかった。しかしまさか、爆豪のつけたあだ名を名前と認識されるとは……

 

「あ、えーと。本名は出久で、その、デクってのはかっちゃん……その爆豪くんがバカにしてつけたあだ名で……」

「蔑称か」

「あ、ごめんね!」

 

ろくに目を合わせることもできずに、しどろもどろになりながらゴニョゴニョ説明する出久。脳内でゼロがため息するのを聞き流しながら、出久がお茶子の方をなんとか向く。

 

「あ、でも……私はデクって響き、なんか頑張れ!って感じがして、好きだな」

「デクです!」

 

即答だった。

 

「浅いぞ、緑谷君!蔑称じゃなかったのか!?」

「いや、その、コペルニクス的転回というか、なんというか……」

「?」

 

初日からこんなにワイワイ騒ぐ、そんなことができるなんて、考えてもいなかった。

 

体力測定の結果はビリ。クラス最下位からのスタート。

 

まだまだみんなには及ばない、そういうことなのだ。

 

でも、ここからがスタートライン。

 

常に眼の前に立ちはだかる壁を乗り越えていく。それがここ、雄英での学び。

 

(必ず、乗り越えていきます。でも、今は、友達ができたことを、喜んでもいいですよね?)

 

学校の初日を無事に終え、決意を新たにする出久。駅に向かう3人は、今後への期待と希望に溢れていた。




今の所、変身する気配はなし……早く大きくさせた〜い

はい、まぁまたぼちぼち投稿できたらしますね
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