ラブライブ!サンシャイン!!~9人の輝きの向こう側~ 作:にっしんぬ
堅い想いはダイヤモンドのように
「ただいまー」
「お帰り、望。帰ってきて早々だけど
おつかい、頼まれてくれない?」
「んー、いいけどなにすればいいの?」
鞠莉が留学に行って時が経ち
俺たちは2年生に進級して、しばらくが経った
「ちょっとこれを黒澤さんのところまで
持っていって欲しいの、頼める?」
「黒澤…うん、わかった」
この沼津、内浦で黒澤という名字は
ひとつしかない。
そして、その黒澤さんちの長女
つまりダイヤとは、とある理由で喧嘩中である
「まだダイヤちゃんと仲直りしてないの?
いい加減、早く仲直りしなさい」
「…分かってるよ、とりあえず行ってくる」
◇◆◇◆
「仲直り…って言ってもなー。
向こうが話す気がないんじゃ、どうしようも…」
と考えてるうちに黒澤家にたどり着く
ピンポーン
「はーい!」
「あ、高嶺です」
「はいはい!ルビィ!ちょっと手が話せないから
お願いしていいかしら!」
「あ、はーい」
しばらく待ってるとドアが開く
「ピギッ!ど、どうも…」
「こんにちはルビィちゃん、はいこれうちから」
「あ、ありがとうございます」
玄関先まで来てくれたのは
ダイヤの妹であるルビィちゃん
極度の人見知りで初めて会ったときは
目の前で急に大泣きされるものだから
ダイヤが鬼のような形相で駆け寄ってきて
こっぴどく叱られたのを覚えている
だが、慣れもあって今はこうして
普通?に話すことが出来ている…と思いたい
「あ、あの…」
「ん?どうした?」
ドアから覗きこむように話しかけられる
まだまだ普通に話せるようになるのは
時間がかかるようだ
「お母さんがよかったら上がって…だそうです」
「あー、気持ちは嬉しいけど…」
そう、気持ちは嬉しいがダイヤのことがある
うっかり鉢合わせしようものなら…と思うと
「お姉ちゃんは稽古中でしばらくは
帰ってこないので、その…」
「その…?」
「望さんと、スクールアイドルの話したくて
お姉ちゃんがスクールアイドルのこと
嫌いになってから話せる人がほとんどいなくて」
<ダイヤがスクールアイドルを嫌いになった>
これがダイヤと俺が仲違いをしてる原因である
「そうか、じゃあ話そう!」
「は、はいっ!」
◆◇◆◇◆
「スクールアイドルといえば、やっぱ
μ'sだよなー」
「そうですねー、やっぱルビィは花陽ちゃんですね」
「俺はやっぱ、ことりちゃんだな」
2人でμ'sが特集されてる雑誌を広げる
スクールアイドルの話になるとこうやって
ちゃんと話が出来るようになる
同じ趣味を持つってすごくいいことだと思う
「やっぱことりちゃんと花陽ちゃんと言えば…」
「こんなところでなにをしてますの」
聞き覚えのある声
しかし、明らかに怒気の籠った声
「お、お姉ちゃん…」
「よう、ダイヤ。稽古は終わりか?」
「あなたには関係のないことですわ
なぜ、あなたが私の家で、スクールアイドルの
話をしてらっしゃるのですか」
「ダイヤには関係ないだろ?おつかいついでだよ
どっかの頭の硬度が10みたいな誰かさんが
なんの理由も言わずに今まで好きだった
スクールアイドルを嫌いになるから
ルビィちゃんの話し相手になってるんだよ」
そうダイヤは特に理由も言わず突然
スクールアイドルを嫌いになったのだ
理由は身内であるルビィちゃんも知らないらしい
しかし<スクールアイドルを嫌いになった>
ぐらいで喧嘩なんて起きるわけもない
原因はその先で…
「その様子じゃ、またルビィちゃんに
スクールアイドル嫌いを押し付けてるんだろ
前にも言ったけど、止めろって言ったよな」
「望さんには関係のないことですわ!」
そう、その<スクールアイドル嫌い>を
他人に押し付けてるのである
前回も同じようにルビィちゃんと話してた際
同じような話をし、それが原因で
ダイヤと喧嘩し、今の状態に至るわけだが
「あ、あのっ!」
2人の喧騒をルビィちゃんが止める
人見知りだけど、名門生まれなだけあって
芯はしっかりしてる。
「けっ、喧嘩はよくないです
お姉ちゃんも望さんも、ルビィの好きな
スクールアイドルのことで喧嘩しないでください!」
ごもっともである
「ごめんね、ルビィちゃん。
今日は帰るわ、また今度話そう」
「もう来ないでいただきたいのですが」
「そりゃ無理でしょ、おつかいは断れないし」
「あなたに会うと、私の決意が鈍るのですわ!」
「だったらなおさら無理だな。俺には俺の意地がある」
そんな薄っぺらい決意なんて捨ててしまえばいい
だがこうなったダイヤは名は体を表すかのように
ダイヤモンドのように堅い
「とりあえず、今日は帰るわ
また今度ね、ルビィちゃん」
「あっ、はい…」
こればっかりはどうしようもないんだ
ごめんね、ルビィちゃん
◆◇◆◇◆◇
別に押し付けてるわけではありませんわ
別に私の前でスクールアイドルの話題を
あげなければ大して問題はありませんわ
ただ…
「他にどうすればいいのかわからないんですの」
涙が溢れそうになる
ですがこれは私が決めたこと
泣くのはいけませんわ
「お姉ちゃん?」
「ルビィ…」
いけませんわ、こんなみっともない姿
見せるわけには…
「出ていきなさい」
「ピギッ!ご、ごめんなさい」
ごめんなさい、ルビィにまで
つらい想いをさせてしまって
…そういう意味では望さんが言うように
押し付けてるというのはあながち
間違っては無いのかもしれませんわね…
内浦に残された者の想い ダイヤ編です
タイトルちょっと悩みましたね
それに伴って、今まで書いたやつの
タイトルを修正しました