岩隠れとも停戦協定が結ばれ、残すは砂隠れと小国のみとなった。
もうひと踏ん張りで第三次忍界大戦も終わる。
4代目土影にはオオノキの息子、黄ツチが就任した。
「なんか…久しぶりに花探しに出るね。」
『最近忙しかったしね。
まぁ、英雄って言われて歩いてるだけで殺気を向けられる事も無くなったし良かったやよ。』
「そうだね。」
6歳の誕生日を明日に控え、今日から2日間の休日を与えられていた。
「孫と穆王も出てきて良いよ。」
『ぇ…良いのか?』
「人も居ないしね。岩隠れでは出れないでしょ?行ってらっしゃい。」
『ウキキーッ!
ヒャッハー!森だぜやっほーい!』
私が言った途端に木々を飛び移り、森の中を駆けずり回り始めた孫を見ながら、穆王が呆れたような顔を浮かべる。
『あ…孫!もう…すいません。』
「良いの、穆王はどこか行きたい所ある?
さすがにまだ街中で堂々と出られる情勢でも無いけど、まとまった休みがあれば人がいない所だったら外で遊べるよ。」
『いいえ、こうして一緒に歩くだけで幸せです。
今までは精神世界で閉じこもるのみでしたから…。』
「そっか…いつか、里でみんな一緒に歩けるくらい尾獣と人間が仲良く出来たらいいね。」
意外ともふもふとした顔を撫でながら、将来の夢を口にする。
その為には尾獣全員と友達にならなければいけない。
花畑にたどり着き、腰を下ろす。
『桃水晶のトウカって言われてる割に節操ない色だな。』
いつの間にやら近づいてきていた孫がボソっと呟く。
「あぁ、色を指定してなかったら桃水晶になるよ。
戦闘でわざわざ色指定なんてしないから桃水晶って言われ始めたんだと思うよ。」
『綺麗ですね〜戦いに使うだけでなく、芸術にも使える…晶遁って良いですね。』
穆王の目がキラキラしている。
こういうの、好きそうだもんな…と思いつつ、水晶であるものを作っていく。
「出来た。
犀犬、穆王、孫悟空のミニチュア人形。
こうしてみると…みんな可愛いよね。」
両手に乗るくらいのミニチュアを作り、本人達の前に置く。
色もしっかりと似せてある。
『ウキキーッ!
すげぇ、めっちゃ似てるじゃねぇか!
誰だ、晶遁は危険って言ったの…こんなに綺麗なモン生み出せるんだから、さすがトウカだ!』
『うわぁ…凄い…!』
『よう似てるやよ。』
「ありがとう。
また今度、尾獣全員を作れたらいいな。」
帰宅した私はフィギュアを玄関先に飾る。
その後、磯撫のフィギュアも増える事になるのは想像に難く無いだろう。