今作は、魔法科高校の魔戒騎士のリメイクとなっております。
もしかしたら、前作よりも色々と駄目になっているのかもしれませんが、それでも構わないという方はゆっくり読んでいって下さい。
一歩─prologue─
かつて、<超能力>と呼ばれていた先天的な能力。いつしかそれが、<魔法>と言う名で体系化され、強力な魔法技能師は国の力と見なされるようになって、一世紀近く経った。
だが、人の心から闇が、陰我が消える事は無かった。そしてまた、それを断ち切る者達の存在も消える事は無かった。その者達を<魔戒騎士>と呼ぶ。
そして今、<魔戒騎士>の中でも最高位のである<黄金騎士>の称号を受け継いだ、1人の少年の物語が始まろうとしていた…
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目覚まし時計の電子音が部屋に響く。相変わらずうるさいな、と思いながらそれを止める。時刻は午前6時前、いつもより遅い目覚めだ。
ふぅ、と息をつく。やはり、いつもと違う時間に起きたおかげか、目が思いの外覚めていて助かる。
寝巻きから、いつもの服…といけない、いけない。
「…そういや、今日は〈学校〉の入学式か」
そう、今日は俺の入学式の日だった。長年(と言っても17年程度だが)そういう所との関わりが少なかったせいか、どうも慣れない。この辺は、妹でも見習うとしよう。
俺はいつもの服ではなく、<学校>の制服に腕を通した。買ってからまだ、何回かしか腕を通していないが…これでいいな。
「いつもより、遅い目覚めだな。守牙」
「母さんがゆっくり寝ろとうるさくてな…まぁ、いつもよりは目覚めが良いから悪くは無いがな」
あいつが、俺に話しかけてくる。まぁ、あいつは人ではないが…
彼の名は“ザルバ“、俺の大切な友であり、相棒だ。
「さて、今日も1日宜しくな…と」
そう言いつつ、ザルバを指に嵌める。
「あんまり俺を、乱暴に使うなよ?」
「当たり前だろ?」
指から微かな振動が、伝わってくる。俺は、この少しくすぐったい感覚が好きだった。ザルバが喋る度に、初めて指に嵌めた時の興奮を思い出す。
ザルバとは、小さい頃から一緒だった。まぁ、あいつを初めて嵌めたのは、俺の爺さんが死んでからの事だが。
さて、と。いつもより早く起きた事は良いのだが…入学式まで何をしてようか。鍛錬をしようにも、この真新しい制服を汚すのは嫌だからな。
…地図でも見よう、少なくともあの<学校>で俺は3年過ごすのだ。覚えて損は無いだろう。
それに、考えたくも無いが…あそこで戦う事も、いつかはあるのかもしれない。
俺は端末を起動し、<学校>の地図を眺めていた。
───
「兄さん?起きてますか?」
妹の声が聞こえた。どうやら、家族も皆起きているようだ。
時計に目をやって見ると7時丁度を表示していた。思ったよりも早く、時間が経っていた。
「あぁ、起きてるよ」
端末を机の上に置き、俺は部屋を出た。部屋の外では、妹が待っていた。
「おはようございます、兄さん」
「おはよう、“水波“」
「それに、ザルバさんもおはようございます」
「よう、嬢ちゃん。いつもご苦労な事だな」
「いえ、もう日課ですから、大丈夫ですよ」
彼女の名は“道外 水波“。俺の大切な家族、妹だ。歳は俺の2つ下の15歳。外面的にも、内面的にも、母さんと似ている。
妹が呼びに来たと言うことは、もうすぐ朝食の時間と言うことだろう。
「さぁ、朝ごはんですよ。お母さんもお父さんも起きてますよ」
「分かってるよ。いつもありがとな」
───
「あら、似合ってるじゃない」
「どれどれ…うん、似合ってるね」
リビングに着くと、母さんと父さんが話しかけてくる。
「俺としては、いつもの方が落ち着くんだけどな。おはよう。母さん、父さん」
「えぇ、おはよう」
「おはよう、守牙」
俺の母さん、“道外 穂波“。そして、俺の父さん、“道外 優牙“。妹含め、皆大切な家族だ。
「はぁ、入学式か…」
「あら?何か不安な事でもあるの?」
「いや、なんと言うか…あれが手元に無いのが落ち着かない」
あれ。俺の魂とも言える存在、<魔戒剣>。小さい頃からそれを握り、それを振り、ここまできた。
これが手元に無いと…どうも落ち着かない。愛着、とでも言うのだろうか。爺さんから、託されたこの剣。
それに、いつ戦いが始まるかも、どこで起こるのかも分からない。それが、不安で仕方がない。
「はぁ…そう言うと思ったよ」
「父さん?」
「その制服。どこか違和感でも感じないか?」
違和感…?そういえば、左側が少し感覚が違う。何かが付いてるのか?
「<魔戒剣>の鞘を付けられるようにしといたよ。まぁ、その場しのぎの簡単なやつだけど」
「本当かよ!ありがとう、父さん」
自然と口角が上がっていくのが自分でも分かる。俺が笑みを浮かべたのを見たのか、父さんも優しい笑みを浮かべる。
父さんに感謝しなくては。俺のこんな我が儘に構ってくれるなんて。
「早速付けてくる!」
「あ、ちょっと!まだ朝ご飯が…」
母さんの静止も聞かず、俺は部屋へと駆け戻っていった。
この後は、ちゃんと朝ご飯を食べた。流石に食べないのは、良くないからな。
もっとも、その時の会話が俺への注意が殆どを占めていたが…
「じゃあ、行ってきます」
「うん、いってらしゃい。」
「頑張ってこいよ?守牙」
「いってらしゃい、兄さん」
こうして俺は、家族に見送られながら<学校>へと出発した。
その<学校>の名は、“国立魔法大学付属第一高校“。日本でも数少ない、<魔法技能師>を育成する為に設立された国策際高等学校。
俺は、そこで魔法の技術を学ぶ。初めは、母さんに言われるがままに受験したが、まさか合格するとは思わなかった。小さい頃から勉学よりも、<魔戒騎士>になる為にずっと剣を振っていた。<黄金騎士>になる為に、爺さんを超える為に。
だが、入学した以上は頑張らなくちゃいけない。何事も適当にやるのは駄目だと、教わって来ている。
不意に、空を見上げた。雲一つない、晴れ渡った空。どこまでも澄みきった空。
「…爺さん。俺、爺さんを超えるだけの魔戒騎士になれるのかな」
「なれるかなじゃないだろ?」
…あぁ、そうだ。かな、とかじゃない。超えるんだ、絶対に。爺さんのようにじゃない、爺さんを超える。それが、爺さんとの約束だから。
「…そうだな、ザルバ」
「分かってるじゃねぇか」
「当たり前だ。俺は爺さんを超える、超えてみせる」
「でも、学生としても頑張んなきゃな」
そう、俺はこれから第一高校の学生となるのだ。まずは、学生として頑張らなくちゃいけない。
そう改めて決意した俺は、再び第一高校への歩みを進める。
第一高校での出会いが、この後の俺の道を、未来を決める事になるとは。この時の俺はまだ、知らなかった。
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これは、1人の魔戒騎士の物語。その名は、“道外 守牙“。
新たなる黄金騎士の伝説の始まり。
1人の<未来繋ぐ者>の物語。
さぁ、新たなる黄金騎士の物語に刮目しろ!
遂にこの<魔法科高校>に入学した守牙だが、さてさてここからどのような物語が始まっていくのか。そして、どんな出会いがあるのか。
次回、入学─encounter─
物語の幕が上がっていく…