牙狼 VANISHNIG LINEを見てきました。なんだよあれ、最高じゃないですか。なんて言うか、こう、凄い(致命的な語彙力)
という訳で(何が)、第三話です。久々の投稿で相変わらずの駄文なんで、ポテチ片手にどうぞ。
何事も無く、入学式は終わりを迎えた。
新入生答辞の言葉のところどころに、トゲが見え隠れいていたが、何事も無く終わった。
おおかた、他の新入生は答辞の内容などどうでも良く、答辞の言葉を紡いだ“彼女“の方が気になっていたのだろう。
「たいそう綺麗な女だったじゃないか」
「さぁな。こっちは答辞に集中してたんでね」
ザルバもこう言う程には綺麗だったらしい。
最も、守牙は答辞の方ばかり気にしていた為に彼女の事はよく見ていなかったが…
「確か、司波 深雪…だったか」
“司波 深雪“。それが彼女の名前だ。言葉だけでなく、その容姿でも男女問わず惹き付けた新入生代表。
彼女の答辞は、強い選民主義を持つ他の“一科生“が聞いたら文句だけでなく、色々と飛んできそうな発言ばかりだった。
(中々、面白い奴だったな)
守牙は、一人そう思った。
──────────
「どうした?そんな辛気臭い顔しやがって」
声のした方に顔を向ける。そこには一人の男子が立っていた。
だが、守牙にとって彼は他人という存在では無かった。
「そりゃあんな感じじゃ俺もこうなるさ」
「ははっ、それもそうか」
「それで?俺に用でもあったか?レオ」
“西条 レオンハルト“、通称レオ。守牙の友人の一人だ。そして、<魔戒法師>でもある。
二人の出会いは、今から二年ほど前となる。その頃はまだまだ未熟であった二人だが、今となってはお互い大切な相棒とも言える存在となっていた。
「いんや別に、ただ見かけたから声をかけただけさ」
「あぁそう…それで、お前は何組だった?」
「E組さ。どうせ、お前はA組なんだろ?」
「…なんで分かった」
「そりゃお前、制服見たら分かるだろ?」
その言葉を聞き、守牙はレオと自分の制服を見比べる。基本的なデザインや、色が違う訳では無い。だが、胸のエムブレムが違っていた。
守牙のエムブレムには、花紋が。一方のレオにはそれが無かった。
それが、一科生と二科生との決定的な違いとなっていた。
「ま、お前なら確実に一科生だとは思っていたけどな」
「確実じゃないさ。魔法に関する事なら、俺はこの学校の中で一番駄目だからな」
守牙からしてみれば、“この学校に入学する事自体“考えてもいなかったのであり、彼の持っている知識や技術は、試験直前に母から叩き込まれたもの。その為、一科生でいる事自体ある意味おかしいのである。
「まぁ、なるようになるだろ」
「お前なら、何とかしちまいそうだな」
プッ、とお互い同時のタイミングで吹き出す。
少なくともこの学校にはレオ含め、何人か知り合いもいる。
入ったからにはやる、少なくとも三年はここにいる事になるのだから。
「それじゃあな、俺はホームルームに行くよ」
「そうか、また明日な」
「おう!またな」
そう言って、二人は分かれた。
またすぐに会えると分かってはいるが、それでもどこか寂しいと感じてしまう。
「さて、帰るか」
「あぁ、指輪のふりも退屈だったからな」
「ふりじゃ無くても、お前は指輪だろ?」
この後の、ホームルームの参加は自由となっている。別に参加する理由も特に無い為、守牙はそのまま帰ろうとした。
その刹那、守牙の視界に光が飛び込んできた。
気にしなくても良かったのかもしれない。そんな光は、昔から“視えていた“のだから。
だけど、その光はいつも“視る“光とは違っていた。
その二筋の光は、まるで己を隠すようにして、霧のように彼等の身体を覆っていた。
だからこそ感じる。だからこそ感じてしまう。その霧に隠れている本質に。
(なんだ、あれ。普通のと違う?)
一度瞬きをし、改めて光の発生元を見る。その光は、二人の男女から放たれていた。
共に、似たような波長の光。恐らく、何かしらの血縁関係を持っているのか、それとも単に似ているだけなのか。
「あの女だな、さっき答辞とやらを述べていたのは」
「…何だと?」
守牙は、ザルバの言葉を聞き返す。それもそうだろう、ザルバはこう言ったのだ。
“先ほど答辞の言葉を紡いだのは、あの少女だと“
もう何も“視えない“筈なのに、その二人からは尚も光が波紋のように広がっていた。
まるで、真冬に降り積もった雪のように、その花は冷たい光る。
その本筋を、花弁で隠すように…
次回、深雪─Bloom─
その花は…妖しく冷たく、咲きほこる