めぐみんの誕生日   作:クワ型まりも

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スピンオフなど、読み終えてない原作箇所もあっての拙作ですが、お楽しみいただけたら嬉しいです。今作はめぐみんに焦点を当てたお話です。


めぐみんの誕生日

「あ!めぐみん!爆裂魔法にばかり興味がいっちゃってるめぐみんのことだから忘れてるかもしれないけれど、なんと今日はあなたの誕生日なのよ!」

 

  アクアが俺の寝起きとほぼ同じタイミングで屋敷に帰ってきた。どうやら朝っぱらからどこかに出かけていたらしい。

 

「今夜はとっておきの宴会芸を披露してあげるからね!楽しみにしててね!」

 

  言うが早いかすぐ玄関に向かっていくアクア。どうやらまた出かけるらしい。

  せわしないが、あいつなりにめぐみんの誕生日を祝ってやりたいみたいだ。

  気合い十分なアクアのアクティブさにか、目を丸くして少し驚いてるめぐみんに俺は朝の挨拶と今日の祝福を済ませる。

 

「ようめぐみん、おはー。誕生日おめでとう」

「あ、カズマ。もうこんにちはの時間ですが、はい、ありがとうございます」

「?なんだ?テンション低いじゃないか。せっかくの誕生日なんだ、子供らしくもっとウキウキしてるかと思ってたのに」

「なっ!?歳がひとつ上がってなお子供扱いされるとは思いませんでしたよ!」

 

  まあ普段の爆裂関連で誤解しそうになるが、元々落ち着きのあるめぐみんだ。今さら誕生日のひとつで興奮したりはしないのだろうか。

  しかし、いつもながら年齢が絡む煽りにはめっぽう弱い。これだからまだまだこいつはお子さまなのだ。

 

  めぐみんの落ち着いていた態度になんとなく筋を通し、ついでに場を盛り上げるよう善処した。

  ところが後者はさておき、前者に関してめぐみんは自身のそれの理由を呟く。

 

「いえ、嬉しいには嬉しいんです。私が生まれてきた日というだけであんなにも動き回ってくれるのですから、嬉しくないわけがありません。……ただ、その……」

 

  アクアは宴会の口実を見つけて舞い上がってるだけな気もするが……。その辺りはどうでもいいか。

  そういえばめぐみんは貧しい家の出だ。記念日だとしても家族で大々的にドンチャン騒ぎする経験に乏しいのかもしれない。つまり……。

 

「もしかして気恥ずかしいのか?」

「まあ、はい、そうです。里にいたときもみんなから祝ってもらえたりしてたのですが特別なにか催したりというのはなくて。同族ではない、パーティの仲間にこんなよくしてもらえると、なんだか、こそばゆい感じがするのです」

 

  こんな話をしていると、なんてことのない日常の歯車が噛み合っていくように思える。

  ほんの一例だが、シュワシュワ。

  めぐみんにとってのシュワシュワは『みんなと一緒になって騒げる、侘しさを吹き飛ばせるアイテム』だったりするのかもしれない。

  そういうさりげないところに、存外めぐみんの執着が見え隠れしているような。

  俺たちが普段考えているよりも小難しい内面が出てきていたような気がした。

  ……いや、気のせいだろ。家庭の経済事情よりも友達のゆんゆんを意識してそうだ。「ゆんゆんより未発達だからって子供扱いしないでください!シュワシュワくらい飲めますよ!」……こっちの理由のがしっくりくるな。

  でもめぐみんよ、ゆんゆんも酒はまだ飲めないんだぞ?その辺は理解してるのか?

  結論、 飲酒年齢と発育の因果関係は認められない。だがこれは内心に留めておく。

  そんな益体も無いことを思い浮かべていると後ろから聞き慣れた声が届いた。

 

 

「そうか、最近アクアがなにか大掛かりな準備をしていると思ったら、今日はめぐみんの誕生日だったか」

 

  振り返り声の主を確認。ダクネスだ。

 

「おうダクネス、おはよう」

「カズマ、おはようの時間じゃないぞ。貴様は生活習慣をいい加減改めるべきだと思うんだが?」

「めぐみんとおんなじこと言ってるな」

 

  悲しき元ニートの性なのだ。諦めるしかないのだ。

 

「と、そんなことはどうでもいい。めぐみん、誕生日おめでとう」

「ありがとうございます」

「言い訳になってしまうが、近ごろは家の事務作業でごたついていてな。今日という日をうっかり失念していた。なにかプレゼントになるものを買っておくべきだった、すまない」

「いえ、気持ちだけでも十分嬉しいですよ。ありがとうございます、ダクネス」

「むぅ、そう言われるとますます……そうだ、晩御飯は奮発しよう!食材は私に任せてくれ。カズマにそれを調理してもらって、贅沢にパーっといこうじゃないか!」

「ふふっ、それではお言葉に甘えますね。お夕飯、楽しみにしてます」

「おい、さりげなく俺の労力に期待するなよ、別に今日くらい構わんが」

「お前もめぐみんへの日頃の感謝をなにか形にしたいだろう?その一手段を私は提供してやったのだ」

 

  まあ、確かに俺もめぐみんにはいつもお世話に……お世話、に?

 

「俺、むしろお世話しまくってないか?いやめぐみんに限った話じゃないが、なあ?あれ、めぐみんが俺に感謝の気持ちを伝えるべきじゃないか?」

「爆裂散歩に関してのみ、いつも手間かけさせてます。どうもありがとう」

「関してのみってなんだよ!?俺がいつもどれだけ問題児どもの世話に苦心してると思ってんだ!」

「ま、まあまあ落ち着けカズマ。でもそうだな、いい機会だ。明日にでもお前のことはしっかり労ってやる。特別に掃除当番も代わってやろう。だが今日はめぐみんの顔を立ててやらないか?」

 

  どうだ?とダクネス。どうもこうも元々そのつもりだったのだが、ごねてたら明日の仕事がひとつ減った。

  ダクネスはなんだかんだで面倒見のいいパーティのお姉さんポジションに近いのだ。なんか仕事を押し付けることにちょっと罪悪感も出てきた。

  そんなダクネスにあてられて、俺も今日はめぐみんに少しくらい優しくしてやろうと考えた。

  よし、年に一度だ。子供のわがままも甘んじて受けてやる気概で過ごそう。

  それから、これはもともと渡すつもりだったので手っ取り早く済ませる。

 

「しょーがねぇなぁ。ほらめぐみん、これやる」

「そういえばさきほどから手に提げてましたね。……もしかして?」

「プレゼントだよ。誕生日に貰えるのは子供の特権なんだぞ」

「一言余計なんですが!」

「ほう、カズマがこういった行事に積極的なのは意外だな」

 

  うっさい、たまたま気分で付き合ってやる気になっただけだ。勘違いしないでもらおう。

  そのような旨の言葉を紡ごうと口を開いたとき、

 

「でも、ありがとうございます。とても、とっても嬉しいですよ」

 

 プレゼントを両腕で軽く抱きしめて微笑むめぐみんとその言葉で、頭に並んだ文字列が口から出て行くのをやめた。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

「開けてみてもいいですか?」

 

  どうぞと首を縦に振ると、めぐみんは割れ物に触るかのようにゆっくりと袋を開けていく。

  その仕草はまるで唯一無二の宝物を、少しでも傷つけまいと慎重に取り出すかのように見えて、その一挙手一投足がいじらしく感じられてしまう。

 

「これは……」

「……ふむ、カズマにしてはまとも、というか普通なものを選んだものだ。もっとこう……はっちゃけたものが飛び出てくるかと思ったが」

「おい、俺はこれでもパーティメンバーのなかで一番常識人なつもりだぞ?」

「つもりだろう?」

 

  外野からの茶々が入ってやかましいことこの上ないが、これで一応プレゼントのお披露目は終了だ。まあ、実用的なものだから嫌がられたり、埃を被ったりすることはないだろう。

  ……ただ、ひとつ、たったひとつ。大したことでもないのだが、懸念があるといえばある。

 

「これは……エプロン、ですか」

 

  俺からの誕生日プレゼントは、オレンジ色のエプロンだ。

  腰元のポケットに味噌汁、焼きそばなど以前みんなにご馳走した日本料理のアップリケ。

  それらの中心に爆裂魔法をイメージした赤い刺繍を施した。極めて普通のエプロンだ。

 

「聞いて驚けめぐみん。この爆裂印のエプロンは、なんと耐火性に優れた代物でな?万一火の扱いにしくっても、炸裂魔法くらいの火力ならものともしない超高級品だぞ!」

 

  もっとも、めぐみんが料理で下手することはあまりないだろうが。それでも俺はこのアイデアが浮かんだとき、我ながら名案に思えて居ても立っても居られず、財布も忘れておっとり刀で屋敷を飛び出したくらいだ。

  当のめぐみんはとても嬉しそうにしているが、満面の笑みと表現するには少し複雑な面持ち。

 

「……なるほど。待て、読めた。今回は脳筋と評される私にもカズマの思惑が読めたぞ」

「!?」

 

  いやいや、まさか。この展開は想定外すぎるぞ。あのダクネスがこんだけのやり取りで俺の心中を察するに至るとは。

 

「ぐうたらの代名詞な貴様がわざわざイベントに参加し、プレゼントしたそのエプロンにはなにか含まれた意味があるに違いない!」

 

  脳筋の代名詞ことダクネスの俺へのイメージについては、今度しっかりと詰問してやろう。

 

「ふふん!すなわちカズマ!お前はこれを渡すことで、めぐみんの料理の意欲を高め、あわよくば自分の料理当番の日数を減らす!さらに料理の機会が増えためぐみんは手間を考えて調理に便利な炸裂魔法に手を伸ばすかもしれない!日常面でも戦闘面でもめぐみんの使い勝手がよくなる、一石二鳥な展開だ!そんな考えだ!違うか!?」

「うんそうだな。そうです」

「雑!?」

 

  ダクネスの知力活性が垣間見えるが、おざなりな対応で沈める。このお嬢様に知力なんか求めてないのだ。

  とりあえずステータスに『常識力』って項目があったら無理矢理にでも全スキルポイントを注がせてやりたい。

  ただ、考えることを覚えたダクネスを少し褒めてやりたい気にはなった。

  なんて声をかけてやるか悩んでいると、エプロンを矯めつ眇めつしていためぐみんが口を開いた。

 

「いいですね。料理と爆裂魔法のアップリケ、やっぱりカズマは器用ですね」

 

  ダクネスは放置して品評を続けていためぐみんから嬉しいお言葉。本人に存外気に入ってもらえたようで、渡した側としても気持ちがいい。

 

「ただ……」

 

  と言って続けるめぐみんの顔は不満げというわけではなく、純粋な疑問を主張したいのだといった風だ。

  今の言葉の出だしから浮かびがちなネガティブイメージを、しかしめぐみんが「はやまるな、そうではない」と否定しているようだ。もしそうやって俺に気を使ってるんだとしたら、随分器用な顔の作りである。言葉いらずの便利なコミュニケーションだ。

 

「いや……自分で言うのもなんですが、あの、わたしのイメージカラーって赤だと思ってるんですが。爆裂魔法的にも、紅魔族的にも」

 

  言われてみれば確かにそうだ、と隣のダクネスが頷いている。これに関してはもちろん俺も同意見。

 

「そーだな。アクアは水から青色、ダクネスは家柄から貴色って、それぞれイメージカラーがあるよな」

「おいカズマ。私の黄色はただの好みなんだが、家柄とどう関係があるのだ?」

「貴色の『き』は貴族のきだろ?」

「違わいっ!!」

 

  スパン、とダクネスの手刀がツッコミを名目に俺の頭に振り下ろされる。痛え!

 

「あの、漫才ならお夕飯にいくらでも付き合いますから……あとダクネス、その台詞はわたしが既に特許取得してるのであとで使用料いただきますがよろしいですね?」

「よろしいわけないだろ!?そんなとこばかりカズマの影響受けないでくれ!」

 

  こすいことならなんでも俺のせいにするダクネスのその癖も、たぶんアクアからの悪影響だな。

 

「ん」

 

  そんなことよりわたしの疑問に答えてください、とめぐみん。

  ……これが先の懸念、『色』である。

  心の中で弁明しとくが、まず赤が売り切れてたわけではない。この理由に関してめぐみんが思いあたるようなら心外である。

  なので、自身にとって心外にあたらない程度のでっち上げでとりあえずこの場は凌ぎ切ることにする。

 

「……あー、そのな?ほら、めぐみんって爆裂魔法に熱が入りすぎて、たまにな?たまーにだが、その……面倒なときがあって……」

「はいっ!?」

「まあ、そうだな」

 

  わからんでもない、とダクネス。

 

「『頭のおかしな爆裂娘』って通り名が定着してきたこの頃、めぐみんの爆裂魔法への意欲がちょっとでも和らいでくれないかなーって意味を込めて色は赤を淡くしたオレンジにしてみました」

「よぅし!そこまで言われたら心外じゃないか!いいでしょう!これからカズマには爆裂魔法のなんたるかを語り尽くしその魅力に気づいてもらいましょう!あ、こら!逃げてはいけませんよカズマ!ちょっ、ダクネス!カズマの腕抑えててください!」

「私は夕飯の食材を買ってくる!面倒は御免だ!」

 

  俺にとって心外じゃなくても、めぐみんにとっては心外だったらしい。

 

 

 ☆☆☆

 

 

「いつかカズマには、自分から望んでこのエプロンを赤色に染めたくなるよう爆裂調教しますからね」

「お前のなかで俺は将来染物屋にでもなってるのか」

 

  さきほどからの流れがいつものなんてことないやり取り、すなわち冗談であることはめぐみんもわかっているだろう。

  長い付き合いだ。仲間を象徴するものを、あるいは仲間の夢の形を貶めるなんて、本気でしようはずもない。

  俺はソファで拗ねてるめぐみんへ距離を縮めることもせず、他愛ないことを話すかのように絨毯で寝転がりながら口を開く。

 

「ところでめぐみん、さっきの理由。オレンジ色のやつ、あれ冗談だ」

 

  俺の言葉を聞いためぐみんに驚いた様子はない。

 

「そりゃわかってますよ……もし本当なら爆裂印はおかしいですから。爆裂魔法を助長する一要因になってしまいます」

 

  やれやれ、と呆れたような顔をしているめぐみん。

  確かにそれは矛盾している。でもお前も自分からこの冗談に乗っかった癖に、その反応はどうかと思うんだが。

 

 

「理由なんだがちょっと言えない、すまんな」

「……いえ、構いませんよ。プレゼント、嬉しかったです。まあ、日頃の感謝を表し、礼節を持って今日という日にわたしを崇めるのなら、今回は特別に見逃してあげましょう」

 

  ………。

 

「……ずいぶんと、態度がでかくなったもんだよなぁ」

 

  俺が起きたときと比べてやたら悪い方向に勢いのついてきためぐみんに俺はつい一言こぼす。

  しかし俺の返しなど予想できていたのか、待ってましたとばかりに顔をニヤつかせてめぐみんは、

 

「それはもちろん、今日がわたしの誕生日だからですよ」

 

 今日だけの特権を主張した。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

  なぜか、ほんとになぜか帰ってきたアクアについてきたバニルが、ほんとになぜか余計なことをしてくれた。

 

「フハハハ!悪魔と一文字違いの名を密かに気にしていたことのある駄女神よ!見通す悪魔が忠告しよう!汝、それとついでにそこのポンコツクルセイダー、貴様らはこの部屋にしばらく留まり続けるが吉!」

「ハン!誰がマジキチ悪魔の戯れ言なんかに耳貸すもんですか!ちょっとダクネス!ついてきなさい!今から最高級の殺悪魔剤を調達しに行くわよ!」

「おいアクア引っ張るな!というかこれからめぐみんの誕生日会だぞ!?」

「その誕生日会にこんな空気悪くする悪魔がいちゃかなわないでしょ!?あいつをぶっ潰して綺麗な会を開くの!!」

 

  騒がしいにもほどがある。ほんとこいつら混ぜるな危険だよな。特に鼓膜が。

 

「それでバニルはなにしにここに?まさかとは思うがめぐみんを祝いにきたのか?」

「まあそんなところだ」

「まあそうだよな……ってうそぉ!?」

 

  今年1番驚いたかもしれない。まさかこいつが人間の慣習に付き合う趣味を持っていたとは!

 

「単純なご馳走でもあるが、これは未来への先行投資。恩は今のうちに売っておかねばな」

 

  うん?なに言ってんだこいつは?

 

「誕生日プレゼントは純粋に嬉しくもその色合いの理由をそれなりに気にしてる爆裂娘よ」

「な、なんですか?別に理由はそこまで気にしてませんよ」

「そうかそうか、まあいい。我輩からの誕生日プレゼントは……」

 

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 

  あのゴミムシがめぐみんに送ったプレゼントは、『佐藤カズマの内心』とでも言えばいいだろうか。

  あのカスはエプロンがなぜオレンジ色なのかを暴露しやがった。

  ちなみに去り際に、

 

「いつか将来、今日という日の我輩に感謝するときがくるだろう!うむ!悪感情たいへんに美味である!それではごちそうさまでした!」

 

 とか宣っていた。爆ぜろ。

 

 

  アクアもダクネスもいないリビングに俺とめぐみんの2人だけが佇む。

 

 

「聞いてるこっちまで恥ずかしくなりましたが、褒め言葉として受け取っておきましょうかね」

 

  俺が今日、めぐみんへの誕生日プレゼントとして渡したエプロンは、本人のイメージカラーとは少しだけ外れたオレンジ色だった。

 

「優しい人、ですか。……ふふっ、カズマの評するわたしは、それなりにしっかりやっているということでしょうかね?ね?」

「聞くだけ野暮だぞ」

「まったく、こんなときまで捻くれなくてもいいじゃないですか。もう割れた情報なんですから答えなくても一緒ですよ?」

「じゃあ聞かないでくれよ!」

 

  俺がオレンジ色を選んだ理由に、特に深い意味はない。俺の思うめぐみんは、感覚だが赤よりは穏やかなのだ。

  赤を柔らかくしたらオレンジかなって、そう思って決めたのだ。つまり、赤より優しいめぐみん色がこのエプロンに表れている。

  俺は冒険を通してめぐみんの優しさに触れてきた。例えば。

 

「俺が冬なんちゃらとかいう似非モンスターにやられたとき。あのときなんかも、まあめぐみんのイタズラのせいでうやむやになったが、一番近くで泣いててくれてたしな」

「言葉の節々に憎しみと苛立ちが見え隠れしてますね。でもあのイタズラに関してはカズマが悪かったですよ……」

「ああすまんね!悪かったね!悪かったからそのしょんぼりした顔やめてくれ!」

 

  閑話休題。色選びはこんな具合で、特に深い意味はない。直感みたいなものだ。

  が、俺にとって重い意味はあると考えている。

 

「しかし今の話を終えてしまってはもう色を染めようとは思えませんね」

「染めることに関してはマジだったのかよ……個人の好みにとやかく言うつもりはないが、オレンジも多分似合うと思うぞ。お前、見てくれだけはいいからな、なんでも似合う」

「む、なんだか複雑な心境です。褒められてるのか貶されてるのか…って、カズマさっきわたしのこと優しいって言ってくれてたじゃないですか!見てくれだけじゃないじゃないですか!」

 

 

  ところでバニルが将来がなんだかんだと厨二的な発言をしていたが、あれは忘れておく。

  深い意味はなかったのだと、とりあえず今は解釈しておく。これから先の将来なんて、別にすぐ考えなくてもいいしな。

  今日に限っては面倒ごとはこれでおしまい。これから始まるパーティーに心を踊らせ、それを理由にこの火照った顔を少しでも誤魔化せることができたらありがたい。

 

 

 

  なあ、お前もそうだろ?めぐみん。

 

 

 

 

 




この話の元を描いたのがもう半年くらい前になるので、原作最新刊などどキャラの関係性がズレているかもしれません。ご了承ください。
矛盾点、誤字等がございましたらお手数ですがご指摘お願いします。
ここまでお読みくださってありがとうございます。
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