ネイナ・フラミスだよ。よろしく」
担任の蘭豹の横で武偵校の制服を着て立っている昨日、彼女(仮)になってネイナが居た。
「アスカの隣が空いとるから、そこに座れや」
俺の横にある空いている席に向かうネイナに教室にいる生徒たち視線を向ける。
「話はこれだけや」
そう言って蘭豹は教室を出ていく。そして、それを合図にネイナに質問する生徒たちが群がった。
「何処の学科なの?」
「情報科だよ」
「ランクは?」
「Sランク」
野次馬はSランクの生徒が入ってきたことで盛り上がった。
次の質問に回答が出た瞬間、盛り上がっていた雰囲気は一瞬で違うものに変わった。
「彼氏いるの?」
「彼氏じゃないけど、10年片想いの人に昨日告白したよ」
この回答には、女子たちはキャー、と叫び、男子だは膝をついてあ~、と嘆いているやつもいる。
まさか、武偵校にまで来るとは思ってなかった。多分ヒューゴがアドバイスしたんだろうな。
机に突っ伏しならネイナの告白になんて答えようかと考えていると、ドン!と武藤が机を叩いて目の前に居た。
「どういうことだアスカ!?」
「なにが」
「フラミスさんの告白相手がお前って!」
「ごめんね、アスカ喋っちゃった」
アハハ、と笑いながら謝るが悪い思っている様子は一切ない。
はぁー、とため息を漏らして武藤の質問に正直に答える。
「文字どおりそのままの意味だろ。ネイナが俺に告白して、俺がまだ返事してなくて」
「マジかー!」
「キンジ次はお前か!」
「返事する前に抱いたってキャー」
こうして、今日は他クラスにも俺とネイナの噂が流れ、男子陣から嫉妬の視線を受けながら過ごした。
そして、修羅場は学校ではなく。放課後の男子寮の部屋の中で起こった。
寮に帰ってきた部屋を開けると机を挟んで理子とネイナが向かい合って座っている。
なんでいるんだ、てか、どうやって入った!?
「お二人さん。用事を聞こうか」
「理子はただ遊びにきただけだよ」
「私はまだ、荷物が届いてないからアスカの部屋に止めてもらおうと思ってさ」
大きなカバンをかかげながら話すネイナ。
それが、どうやったらこんな修羅場になる。
手に持っていたカバンを置いて台所でマイ湯呑みに緑茶と理子とネイナように紅茶をマグカップに入れて持っていき、机に置くと二人は無言で同時に紅茶を口に運ぶ。
「アスカ、ネイナと付き合っているってホントか」
「昨日告白されてまだ返事をしてない」
「理子はアスカの弟子ってほんとなの」
弟子、確かに立場的には弟子でも間違ってないか。
「正式に弟子ってわけでもないけど、戦い方を教えたのは俺だな」
そういえば、イ・ウーでは俺の名前で保護してるな。
「アスカ。ちょっと理子とお話したいから隣の部屋に行っててよ」
「そうだね。アーくんはちょっとアッチ行っててくれるかな」
……従って移動したほうが良さそうだな。
「わかった。話が終わったら呼んでくれ」
隣の部屋で読書してるから終わったら声かけてくれ」
俺は隣に部屋に入りドアをしめて二人の会話が聞こえないように音楽を聞きながら理子に薦められたラノベを開いた。
@@@
「じゃあ、理子。早速だけど話をしようか」
ネイナは紅茶を一口啜りながら理子と会話を始めた。
「私はね。アスカが好きだよ。10年前に別れてた時は好きだって自覚はなかった。会うまでの長い時間色々考えて最終的にはアスカが好きなんだって分かって。それで昨日告白した。一番じゃなくてもいいからずっと一緒に居たいって」
ハッキリと気持ちを口に出して理子に話したネイナはこれで十分、と言いたそうな顔をしてまた紅茶を口に運んだ。
「……理子は、理子とアスカのいる組織があって」
「イ・ウーのことは調べて知ってるから大丈夫だよ」
「そっか。イ・ウーではアスカの所有物ってことで、理子の事を狙ってる敵から守られてるの。だから、一人前。初代アリュセーヌ・リュパンを超えたら気持ちを伝えようと思うの、自分の自分の身を守れる位強くならないと。アスカに自分の気持ちを伝えることはできない。でも、一人前になったらちゃんと伝えるつもりなの」
心の秘めてきた事を口にした理子は紅茶を飲み干す。対してネイナは理子の言葉を噛み締めるようにじっとしている。
「わかった。理子は一人前になったらアスカに気持ちを伝える。私はもう伝えてるから。彼女じゃなくても奴隷でも玩具でもいいからって。歪んでるとは思ってるそれでも一緒に居たいから、理子になんと言われてもこれは曲げないよ」
「ネ、ネイネイ。奴隷って!?玩具って!?えっと、そういうこと」
「そういうこと」
理子は顔を真っ赤にしながらわー、と叫んでソファに置いてあったクッションに顔を埋めた。
理子のリアクションをよそに隣の部屋に移動してもらっていたアスカを呼び戻す。
片手にラノベを持って戻ってきたアスカ。
「話はまとま、理子どうした?」
クッションに顔を埋めて足をバタバタしている。
「気にしなくて大丈夫だよ」
「そうか、ご飯作るけど食べてくよな」
「たへる」
今だに顔をクッションから離さない理子はそのままの状態で返事をする。
多分、食べるってことだいんだろう。
「食べてくよ。それに荷物が届くまでは此処に泊まるから」
冷蔵庫を漁って野菜を取り出していた手が止まった。
……なんて言った。泊まるのか、バレずに男子寮出られるかな。まあ、強襲科でも色々聞かれたし今さらか。
諦めて料理に取りかかるアスカだった。