古代エジプトに暗黒の女王として君臨していました 作:とんたん
いや、自分のモチベの為にね。書きたい事我慢して、コツコツ計画立ててやっている他の作者様しゅごい。
オリジナルマスターでやっていきます。
日をあけたのに、また短いごめんね。
遺跡発掘
俺の名前は、ハリー・ラザフォード
アメリカのM州AシティにあるM大学で考古学科の准教授をしている、29歳の考古学者だ。
最近、エジプトで初期王朝時代の頃と思われる遺跡が出土した。その遺跡の調査が俺達のチームにまわってきた。
大抵の場合、出土したばかりの遺跡っていうのは現地の魔術協会に属している魔術組織がめぼしい所を粗方さらっていってしまうが、今回はうちの教授が上手い事やったらしい。
俺としては、とても嬉しい。未だに手垢のついていない遺跡の調査なんざ久々だからな。
だが、うちの教授であるヘンリー・アーミテイジJrが関わると、いつもインディージョーンズじみた事件に巻き込まれるんだよなぁ。
大抵、外道の魔術師が出てきて、何かしらのはた迷惑な研究をしているんだ。
今回もそんな気がしてならない、もうあんな連中の相手をしたくない。
前回、マチュピチュの古代遺跡の調査した時なんて、やけに魚臭い連中が神を呼ぶための儀式を行おうとしていた。堅気の方々を生贄にしようとしてやがった、その時は物理的に阻止させて貰った。
毎回そんなかんじの事件に遭うんだぜ?警戒もするってもんだ。
だがな、最近妙に開き直って……
自分の中で、『そんな事より遺跡調査しようぜ!』とか『ヒャッハー!新鮮な古代遺跡だぁー』って叫んでいやがる。
…………なんだ、答えなんて最初から決まっていたんじゃないか!俺よ。
そして今、ヒエラティック・テキスト解読のプロと助手のアラン、ジェーンの二人を連れて現地の調査をおこなっていた。
壁画を見るだけで興奮して、脳からなにかヤバイ物質が分泌してるんじゃないかと疑うくらいだ。
壁画には、何故か顔の無い女性が描かれているものが多く、装飾品や衣服から女性のファラオかと思われる。
その中でも特に気になるのは、女王の背後に黒く輝く太陽と、その対面に黄金に輝く隼の頭を持った獣が地に落ちその周囲の人々が嘆いている絵だ。
まず、黒い太陽が何を指示しているのかは今のところ不明だ。だが、黄金に輝く隼の頭を持った獣は推察できる。
ラー、ホルス、それかその二柱が集合したラー・ホルアクティの神威を宿した化身だろう。ラー、ホルスの特徴である隼の頭、そして黄金で表現しているだろう太陽。この事から、まずこの推察はそう間違ったものではないだろう。
そうなると、ますます解らない。ラーにしろホルスにしろエジプト神話では主神格にあたる神だ。そんな神の化身であろうこの獣が地に落とされる、それが意味するものは……
自然現象のことなら日蝕の事を表現しているのは想像できる……だが、そう考えるとおかしい、というより不自然な事がある。
エジプト神話において日蝕はアポピスの仕業とされる。
ラーやホルスが隼だとしたら、アポピスは蛇として描かれる。この壁画に隼は描かれているが、蛇やそれを連想させる物が無い、だから日蝕の事を描いてると考えるのは不自然なのだ。
そしてもう一つ考えられるのは、黒い太陽と顔の無い女王は異教の神でかつてラー、ホルスを崇める者達と戦い勝利したのではないか?
ヒエラティック・テキストの解読が、これほどまでに待ち遠しく感じるとは思ってもみなかった。下手をしたら、エジプトの歴史や神話が変わるか新たに追加されるかもしれないのだから。
「准教授、アランが隠し部屋を発見しました」
「なに!?」
ジェーンの言葉に驚いて、思わず尻餅をついてしまった、痛ぇ。
「こちらです、驚きますよ」
「これ以上、俺を驚かすのかい?」
「ええ、きっと」
隠し部屋は、石室で壁面は勿論、床、天井に所せましと石板が埋め込まれており、一つ一つ異なるレリーフにされていた。
そのレリーフの柄というか絵がまた、ありえなかった。
どう考えても、描かれたものの時代、土地、民族、宗教が全く異なるのだ。剣をかまえた鎧の騎士、ドラゴン、エルフ、修道女、日本の鎧武者までいる始末だ。
「ハハハ、何だこれは。どう学術的な考えをすればいいんだ……」
何処の部分化はあえて言及しませんが、元ネタはデモベの外伝小説です。