東方妖精録   作:きりたんぽ

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久しぶりに書きましたー。
九話です。どぞー。


第九話『瀟洒なメイド、そして妖精』

 あれから3日が経った。

 この3日間だが、コレといったことは特になかった。強いて言えば新しいく天体魔法を覚えたこと、それに伴ってスペルカードを1枚作ったことくらい。

 ちなみに万屋業は今のところうまくいっている。と言っても、内容は畑作業の手伝いだったり赤ん坊の面倒を見たりと、けっこう地味なものが多かったが……生活がかかってるしそんなことも言ってられない。

 ついでに言うと、営業時間は午前10時から午後5時までということになった、てな感じ。

 

 

 

 現在オレは里のはずれで新魔法の修行をしている。重力魔法だ。

 重力の向きや強弱を変えることができる。こんな能力なだけあってオレの周辺には小さなクレーターがいくつか出来ている。

 

 

「ふぅ……なかなか上手くいかないな。」

 

 

 さっきから強弱の調整を試しているのだがどうも上手くいかない。少し力を抜くと弱くなり、力を入れると強すぎになってしまう。初期段階に比べれば幾分かマシになった方なんだが……

 

 

「おっと、そろそろ時間か……戻んねぇt「貴方が噂の万屋さんですか?」——ッ!?」

 

 

 突然耳元で聞こえた女の声に反応したオレは咄嗟に裏拳を振るって牽制する。が、そこに声の主の姿はなく攻撃が当たることはなかった。

 

 

(幻聴……? んなわけねーか。確かに気配を感じたんだがな……)

 

「ふふっ……素晴らしい反射神経をお持ちですね。」

 

 

 また女の声だ。今度は左後方にある木の枝の上から聞こえた。

 振り返るとそこには、青白のメイド服を身に纏った銀髪の女性がオレを見下ろしていた。

 

 オレは警戒心を保ったまま女性に尋ねる。

 

 

「アンタ……何者だ?」

 

「そう睨まないで下さい。(わたくし)は貴方様にご依頼があって来たのです。」

 

「依頼? ——って、だからアンタは誰かって聞いてんだが?」

 

「私は十六夜(いざよい)咲夜(さくや)紅魔館(こうまかん)にてメイド長を務めています、以後お見知り置きを。」

 

 

 紅魔館……吸血鬼が住む屋敷だとかなんとか。吸血鬼がオレなんかに何の用なのだろう?

 

 

「とりあえず場所を変えようか。話はそっからだ。」

 

 

 ——

 

 —

 

「ほれ、茶。」

 

 

 話を聞くためにオレは咲夜さんを連れて家に帰ってきた。

 

 

「ありがとございます。その警戒心も解いてくれるともっと嬉しいのですが……」

 

「あぁー…あんな登場をされたからな。ま、善処するよ。——じゃあ話聞こうか。」

 

 

 椅子に座り話を聞く姿勢をとる。

 

 

「今回の依頼の内容ですが、貴女様には妹様のお遊び相手になって頂きたいのです。」

 

「妹……? 吸血鬼のか?」

 

「はい、紅魔館の主であるレミリア・スカーレットお嬢様、その実妹のフランドール様です。本来は私の責務なのですが、他の仕事もあって時間がとれず……」

 

「ふーん、そゆことか。まいいや、その依頼受けるよ。」

 

「……っ」

 

 

 依頼を受諾すると咲夜さんはほんの一瞬表情を曇らせた。

 

 

「ん? どうかしたか?」

 

「いえ、なんでもありません。それでは早速行きましょうか。少々距離がありますので。」

 

「……そうだな、案内頼む。」

 

 

 はぁ……今回の依頼はとんでもない事になりそうだなぁ。

 

 

 ——

 

 —

 

「なぁ咲夜さん。そういやアンタって人間なのか?」

 

 

 現在オレ達は紅魔館に向かって幻想郷の空を飛行中だ。

 

 

「はい、人間ですが……それがどうかしましたか?」

 

「いや、ただ気になっただけだ。幻想郷の人間は妖怪とほとんど見分けつかねぇから。」

 

「そうですか。もし私が妖怪だったらどうしましたか?」

 

 

 咲夜さんは笑みを浮かべながら聞いてくる。

 そんなこと聞いて何になるんだか。

 

 

「何もしねぇよ。オレはそうゆう下らない差別はしない主義の人間でな。」

 

「……心がお広いのですね。」

 

「普通だよ。オレにとっちゃな。」

 

 

 

 それから少し移動すると途端に霧が濃くなってきた。

 

 

「んー、視界が悪いな。何も見えねぇ。」

 

「この辺りは霧の湖と呼ばれる地帯です。ここを越えれば紅魔館までもうすぐです。」

 

 

 そんなことを話していると地上の方から弾幕が突如オレたち2人を目掛けて飛んで来た。

 が、冷静に弾幕の軌道を見極め難なく躱す。

 

 

「何だいきなり?」

 

「やいそこの人間!このチルノ様に無断で湖を通ろうなんて良い度胸じゃない!」

 

「チ、チルノちゃん……いきなり攻撃なんかしちゃ駄目だよ……」

 

 

 耳に響くような高い声とともに2人の少女が霧の中から姿を現した。

 しかしその2人が人間ではないことが背中の羽からすぐにわかった。

 

 

「あの2人……妖怪か?」

 

「いえ。彼女たちは妖精と呼ばれる妖怪とは異なる種族です。」

 

 

 …………は?

 

 

「…………は?」

 

「どうかしましたか?」

 

「……今、妖精って言ったか?」

 

「? はい、言いましたけど……」

 

 

 それを聞くとオレは無言のままチルノと呼ばれていた少女の前に降り立った。

 

 

「な、何よ……!」

 

 

 そして両手で少女の肩を掴んだ。

 何故か手が凍りついていくがそんなのもお構いなしだ。

 

 

 

「お前!尻尾生えてるか!?」

 

 

 

「「「は?」」」

 

 

 唐突な質問に状況をのみ込めない3人は気の抜けた声を出すばかりだ。

 

 

「尻尾はあるのか!? どうなんだ!なぁ!?」

 

「ちょ…!体ぐわんぐわん揺らさないで……!大ちゃん助けて……!」

 

「え? ……えっ?」

 

 

 もう1人の少女は状況についていけず困惑している様だ。

 

 

「お前はどんなトコに住んでる? 普段は何を食ってる? どのようにして生まれた? 寿命はどれくらいだ? 闘えるのか? 他にどんな奴がいる!?」

 

 

 オレは怒涛の質問で問いかける。

 体を揺らされているチルノが声を上げる。

 

 

 

「いい加減に……しろぉぉ!!!」

 

 

 すると手を凍らせていた氷が急速に広がり始めた。

 そしてとうとう全身が凍りついてしまった。

 

 

「はぁ…はぁ……頭がぐらぐらするぅ〜……」

 

「チルノちゃんやりすぎだよ……」

 

「だってコイツが悪いんだからいーじゃん。」

 

 

 今までの様子を見ていた咲夜さんは頰に手を当ててボソッと呟く。

 

 

「これは…どうしたものかしら……?」

 

 




3日間の出来事がすこし雑だったかな笑
妖精が出てきましたけど特に何もありませんよ。
次回はいつになるか…。
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