ソードアート・オンライン 仮想世界を超えて   作:乙巳

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一話

《ユージオ視点》

 

「ここは、どこだろう......?」

 

僕は、知らない場所で、目が覚めた。

体を起こし、辺りを見回してみる。

程よい長さに切られた芝生。

大きな木の間から零れてる日光が、気持ちいい。

思わず、二度寝をしたくなるような場所であった。

しかし、

 

「この花、見たことがないな......」

 

キリトの影響で、たまに、学院の図書室で花の図鑑を眺めていた僕にも見たことのない花が、たくさん咲いていた。

その、花の図鑑は、北の国の花だけでなく、西や東や南の国の花も載せられていた。

しかし、ここに咲いているのは、図鑑にすら載っていなかった花。

それは、僕をひどく不安にさせた。

知らない場所。知らない花。

知らないことだらけである。

取り敢えず、今、自分を取り巻く環境について、仮説を立てつつ、整理することにする。

 

仮説1.僕の知らない土地。この花たちは新種の花である。

 

仮説2.異世界。

 

央都にいたころ、仮説2のような、本が流行っていた。

キリトもよく、学院を抜け出して、買いに行き、僕も読ませてもらっていた。

まさか、その状況が今、起きている可能性がある、なんて当時は思いもしなかったが。

 

「取り敢えず、動こう。ここにずっといても何も分からないし」

 

そう思い、立ち上がると、「グゥ」とお腹がなった。

起きてから、ずっと考え事をしていたせいか、自分が空腹であることに、気づかなかったらしい。

 

「なら、よけいに、ここから動かないとね」

 

どこかの街に出てくれるよう祈りつつ、森を歩く。

 

「こうして、見てみると本当に不思議なところだな......」

 

先程、花について話したが、鳥や動物についても、一通りは調べてある。

歩いている間にも、変わった鳥や見たことのない動物などが、ウロウロしていてこんな状況じゃなければ、楽しめたのにと思う。

15分くらい歩いただろうか。

湖のほとりにでた。

その側には小さな木造の家がある。

 

「助かったー。これで、なんとかなるかな?」

 

思わず、そう呟いてしまうほどに、僕は安心していた。

迷わずに、その家まで、小走りで近づき、ドアをノックする。

 

「すみません。誰か、いませんか?」

 

「はーい」

 

幸いな事に、住民は居たようだ。

すぐに、ドアは開き、中から水色の髪の少女が、こちらをみる。

 

「えっと、どちら様でしょうか?」

 

「すみません。道に迷ってしまって......ここが、どこか教えていただけないでしょうか?」

 

「あ、それは大変でしたね。えっと、家に入ります?」

 

「......いいんですか?」

 

「どうぞ」

 

「......御言葉に甘えて。失礼します」

 

少女に許可をもらったので入ることにする。

家の中は思ったより広く、自然を感じ、昔の生活を、思い出させた。

突然の郷愁に堪えていると、少女がはなしかけてくる。

 

「こちらへ、どうぞ」

 

少女に促され、部屋に入る。

どうやら、ここにいるのは少女と僕だけではないらしい。

ピンク色の髪をした少女と、猫みたいな耳をつけた少女が椅子に座っていた。

 

「アスナ〜、そのイケメンは誰?」

 

ピンク色の髪の少女が、アスナという名前の水色の髪の少女に話しかける。

 

「道に迷ったんだって。なんか、初心者っぽかったから、教えてあげようかなーって」

 

「そっかー、えっと、どれどれ?」

 

ピンク色の髪の少女が、こちらを値踏みするような目で見てくる。

なんというか、少し恥ずかしい。

こちらの、羞恥心を感じたのか、少女は見るのをやめて、口を開く。

 

「あたしの目からだと、初心者って感じしないのよねー。装備している鎧も高性能品みたいだし、特に、腰にかかっている剣。それ、多分、レジェンダリーくらいの価値があるわよ」

 

少女の言葉の、最後が僕には理解出来なかったが、他の人たちには、分かるようだ。

顔色を変えて、こちらを見て来る。

 

「えっ!?、リズ!? 流石に冗談でしょ?」

 

「エクスキャリバーが、運営にある2本のうちの片手直剣のレジェンダリーなんでしょ? なら、違うわよ」

 

「そういうことではなくて! 性能が、レジェンダリークラスってこと!」

 

「道もわからないような人がそんな武器を持っていると思う? それに、そんなに強力な武器ならとっくに噂になっているでしょ」

 

アスナが、ピンク色の髪の少女に信じられないと言っている。

だが、その武器を見抜く目は信じているのだろう。

現に、それを知った方法を聞いていないし、それに信じていないと、あんな反応はしない。

......じゃなくて、今の状況を聞かないといけないんだった。

二人はに、口論に近い話し合いを始めたので、最初に驚いてからは黙っている猫耳の少女に話しかける。

 

「すいません。ここってどこなんですか?」

 

「新生アインクラッドの第22層よ」

 

「え? アインクラッド?」

 

「うん」

 

いやいやいや

何を言っているのだろうか?

アインクラッド? それは場所ではなく、剣術のはず。

というか、何故、彼女がそれを知っているのだろうか?

理解が追いつかない状態に僕は混乱する。

そんな僕の状態に気づかないのか、猫耳の少女は質問してくる。

 

「あなたは、どこから来たの?」

どう答えるべきか、悩んでいると、これは、チャンスでもあるということに気づいた。

という訳で、少し、カマをかけてみる。

 

「えっと、ノーランガルス北帝国です」

 

「のーらんがるすきたていこく?」

 

うん。どうやら、ダメだったようだ。

アインクラッドという言葉を知っていたから、もしかしたらと思ったのだが......

心の中で、ため息をついていると、アスナが、こちらを見て、驚いたような顔をする。

 

「ノーランガルスって、まさか、果ての山脈がある......?」

 

アスナの言葉を聞いたとたん、僕は絶句した。

なぜ、彼女がそれを知っているのだろうか?

 

「しっているんですか......?」

 

「え、ええ。ダークテリトリーと人界を分ける大きな山脈でしょ?」

 

間違いない。

ここは、異世界ではない。

なら、ここはどこなのだろうか?

1人悩んでいると、アスナがほかの二人になにやら、説明している。

 

「この人、アンダーワールド人だと思う」

 

「本当!? でも、確証はないでしょ?」

 

「うん。だから、今からデュエルしようと思うの」

 

「なるほど、確かにアンダーワールド人は連続技に弱いものね」

 

「そういうこと」

 

結論が出たのか、こちらを向いて、アスナが喋りかけてくる。

 

「あ......えっと、勝負しない?」

 

「分かりました」

 

なぜ、ここで勝負をするのか疑問ではあるが勝負と聞いて、受けないわけがない。

僕が即答すると、彼女は嬉しそうにする。

 

「ホント!? なら、向こうの庭でやりましょ!」

 

「は、はい......」

 

やけに、テンションが高いみたいだが、まあいい。

キリトから受け継いだアインクラッド流剣術の真髄をここでみせてやる......みたいな心持ちで挑むことにする。

相手の力は未知数。

正直、勝てるかどうか不安ではあるが、精一杯頑張るとしよう。

彼女の後を追いかけて、僕は庭に出た。

 

 

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