リアルの方が多忙でして、これからも、亀更新だと思います。
しかも、内容は薄い......
《キリト目線》
「買いすぎだろ、アリス……」
「女子の買い物は多いとアスナが言ってましたよ」
そういった後、アスナのことを思い出したからか、不機嫌気味にアリスが早足で進む。
「はぁ~」とため息をつきつつ俺はアリスの後を追う。
現実世界も落ちつたころ、パーティーをしようという話になった。
それで、仕事が大変なエギルやクラインの代わりに俺が買出しに行くことになったのだが―――
「それにしても、多いって。絶対私物も入ってるでしょ」
「あまり小言が多いと嫌われますよ?」
明らかにパーティーに必要なさそうなものも大量にあって、歩くのが大変である。
荷物を持つのが俺一人なのは明らかに不公平である。
「もうすぐですよ。早く早く」
「君ってそんな性格じゃないよね? てか、せかさないで。あせって落としかけるから」
そう返したが、実は俺も早足になっている。
まあ、早くこの両手にある荷物から解放されたいからなのだが。
早足になっているためか、意外と早く家に近づいていく。
「お、やっとかな?」
「……それは私といるのがいやだということですか?」
「違うって。この荷物から解放されるのがやっとかなってことだよ」
疑うような視線を向けてくるが、突然笑い出すと、走り始めた。
「先に家に行っておきますね~」
「うわ! 卑怯だぞ!!」
そんなこと言ってとまってくれるような人じゃないことを知っているので、あきらめて荷物を落とさないように徐々にスピードを上げていく。
最終的に小走り状態になり、アリスに少し遅れて、家に到着する。
「ただいま~ 帰ってきたぞ~」
だが、返す声はない。
いつもならリズベットあたりが「遅い!」とか言ってくるのだが……
リビングに入ると庭にある椅子にリズとシノンが座っているのが見えた。
近くにはアリスもいる。
俺は庭に下りると近づいて文句を言う。
「おーい。買出しに行ってきたのは俺なんだから、おかえりの一言でも言ってくれよ」
「あ、キリト。帰ってきてたの? おかえり」
「あのなあ。それは最初に言ってくれよ」
「静かに。今からいいところなんだから」
何を見ているのだろうか。
この二人に聞いても教えてくれなさそうなので、なぜか椅子に座らず、立ったままで固まっているアリスに話しかける。
「何を見ているんだ......?」
返事はない。
いや、とても小さな声で返したみたいだ。
「キ、キリト......」
「お、おう。どうした?」
「あれって......」
まるで幽霊でもいるように指している指は震えている。
それにつられて、俺もそちらを見る。
「は? 嘘だろ......?」
ありえない。
その言葉が真っ先に浮かんで来た。
だって、そこに居たのは────
「お前......なのか、ユージオ......」
死んだはずの親友、ユージオが、そこにいた。
何故か、アスナと対峙していて、お互い武器を構えている。
すると、ユージオが、アスナに話しかける。
「すみません、地上戦でお願いしてもいいですか? 僕、羽ないんで」
「了解。じゃ、始めるわよ」
アスナがウィンドウを操作している。
このやりとりと、その操作を見て、デュエルをしようとしていることが、分かった。
なぜ、ユージオがここにいるのかという、最大の疑問が解決していないが、ユージオが、戦いの最中なのだ。
肝心の本人に聞かないと何もわからない。
そのため、俺はデュエルが終わるまで待つことにする。
それに、ユージオが、どれくらい強くなったのか、気にならないと言えば嘘になるし。
デュエル申請が終わったのか、アスナは再び武器を構えた。
ココからでも、デュエルウィンドウが、見える。
3、2、1────
START!!!!
《三人称視点》
「シッ────!!!!」
先に動いたのは、アスナだった。
無音の気迫と共に、剣を繰り出す。
その速度は凄まじく、残像が見えるほどだった。
しかし、
「────!?」
「......」
顔色一つ変えずに、ユージオが、弾く。
アスナは驚いた。
アンダーワールドで、その剣技は鍛えられており、間違いなく、ALO内では過去最高の速度の突きだったはずだ。
それをいとも簡単に弾いて見せたユージオの技量はアスナの想像をはるかに上回るものだった。
(なら、これならどう!?)
アスナは細剣四連撃ソードスキル、《カドラプル・ペイン》を放つ。
アンダーワールド人は連続技に弱い。
アスナの負けたくないという気持ちが思わず連続技を放ってしまった。
通常のアンダーワールド人なら、驚愕の表情をうかべ、避けようとするだろう。
だが、ユージオは避けようとはしなかった。
「秘奥義か......」
一言つぶやくと、剣を水平に構える。
刀身が深い青色に彩られる。
右から左へ水平切り。
下から上への垂直切り上げ、切り下ろし。
そして、一回転して左から右へ水平切りをして、元の位置へ。
ユージオが放った斬撃はアスナの技をすべて的確に迎撃してみせた。
「そ、そのソードスキルは......」
「......アインクラッド流剣術、《ホリゾンタル・スクエア》」
アスナは一瞬時間が止まったような気がした。
四連撃ソードスキル、《ホリゾンタル・スクエア》に驚いたのではない。
「今、アインクラッド......って言った?」
思わず呟いてしまったその一言に、はじめてユージオの顔が感情を示す。
それは、やっと思いどおりになったという安堵の笑みだった。
「......やはり、知っているんですね」
ユージオは確信した。
猫耳の少女の呟き。
アインクラッド流剣術と思われる連続技。
そして、アスナの反応。
この世界の、人たちはアインクラッド流剣術......いや、アインクラッドについて、何かを知っている。
それを知りたい。
そこで、まず、戦闘の中断を提案することにする。
「すいません。お互い知りたいことも多いでしょうし、ここは、一旦中止にしませんか?」
「え、ええ......。 そうね、取り敢えず、家のテーブルで、話し合いましょう」
どうやら乗ってくれたようだ。
オススメされた所へ行こうと思い、向きを変えたところ、黒衣の少年がアスナに話しかける。
「アスナ!!!! これは、いったいどういう事だ!?」
「えっ!? キリト君!? 違うの、これは......」
「あ......そういう事じゃなくてだな......」
両方とも困ったような顔をしていた。
だが、ユージオはそれに気づかないほど驚いていた。
「キリト......?」
その言葉に、反応した、少年がこちらを向く。
その顔はユージオの知っているキリトではなかったが、そこに浮かぶ表情は懐かしいものだった。
「あぁ。久しぶりだな。ユージオ」
その声を聞いた瞬間
ユージオの頬を一筋の涙が流れた。