永遠に咲く一輪の初恋   作:ヨハネス

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 お久しぶりです。全く更新をせずに5ヶ月が経ってしまったこと、謝罪申し上げます。

 今後とも、拙作「永遠に咲く一輪の初恋」をよろしくお願い致します。





花"聴"風月

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し多めに雲のある夜空に、太陽の光を反射して柔らかな輝きを放つ、満月を2日ほど過ぎた月が一つ。その周辺には各々の明るさを持った星々。少なめの街灯と明るめの月光に照らされた桜の木々が、地面に黒い影を作っている。風が吹く度、影も連動して自信なさげにさわさわと小さな音を立てて揺れるさまを見て、指揮者に従う弱小吹奏楽部員みたいだな、と少し微妙な(たと)えを思いついた。

 

 昼間とは違った雰囲気に包まれるキャンパス内で、これから新一年生と、サークル勧誘を熱心に行う先輩方が合同で花見を行うことになっている。ガイダンスの時に配られた新入生の花見の案内用紙を改めて見てみたが、花見が始まるのは午後8時。終わる時間は午後10時を目途に設定しており、時間内であれば何度でも場所を移動しても構わないという内容である。また、入退場は自由で、途中で帰宅するのも可能だそうだ。一応紙の端のほうには、予め行事が始まる前に場所を確保しておくのが望ましいと書かれていた。

 

 

 

 既に仲良くなっている人とともに最初に場所取りをし、ある程度したところで一旦解散して思い思いの人との仲を深めたりするパターンの人が大多数だろう。

 

 現在は午後7時半を少しだけ過ぎた頃。今日は暖かいので、昼間と同じ格好をしていてもそれほど寒さは感じない。

 

 

  既に多くの人が設置されたブルーシートに陣取っている。中にはもう勧誘活動に熱心になって新入生を困らせている先輩もいるようだ。その女性が涙目になってるからもうやめてあげて、と心の中でだけ同情しておく。

 

 風はほとんどないが、時折若干強めに吹くので、それでお菓子やオードブルのゴミ、飲み物の缶や紙コップが飛ばされないようにだけ気を付けよう。

 

 ちなみに、この花見で飲み食いできるものは、この花見に参加しているサークルの先輩が用意しているので、全て無料である。昼間のカフェテリアで近くに座っていた男子3人のグループは『タダで飲み食いができる』と嬉々として参加を表明していたが、いったいどれほどお菓子を食べるつもりでいるのだろうか。

 

 一応先輩方もいるということで、アルコール飲料も用意されているみたいだが、俺は飲んでもノンアルコール飲料だけにしておく。お酒は20歳になってから、だ。もちろん普通に飲む新入生もいるだろうが、それはまぁ、大丈夫だろう。問題は問題にしなければ問題にはならない、ということにしておこうか。

 

 善子たちとは昼食後に一度解散し、7時半に待ち合わせをしているはずなのだが、まだ来ないみたいだ。カフェテリアでうやむやになった話をちゃんと聞きたいし、それ以外の知らない一面を知っていきたい。

 

 桜の花弁が散っていく。ピークを少し過ぎたその花々は自らの華々しさを最大限に表現しようと、地面に触れるその瞬間まで風に乗ってひらりひらりと舞い踊っていた。桜は散り際が美しいとよく言われるが、まさにその通りだと思った。

 

 散りゆく桃色の花弁からはどんな景色が見えているのだろうか、なんて到底わかるはずのないことを考えてしまうほどには暇をしているので、早く来てくれないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい! 少し遅れたわ!」

 

 

 

 2、3分ほどぼーっとした後、少し風が吹き桜の木々が揺れたタイミングで、ちょうど善子が現れた。急いできたのだろうか、かなり呼吸が乱れているようだ。

 

 

「大丈夫だ。……俺もさっき来たばっかりだから」

 

 

 

 よくドラマなどでこのように受け答えをしているので、それに従ってみる。善子の表情が少し和らいだようなので効果はあったようだ。

 

 

 

「……ところで、ほかの2人は?」

 

 

 

 花丸とルビィがまだ来ていない。てっきり3人で行動しているものだと思っていたんだがな。

 

 

 

「ああ、あの2人ならもう少しで来るはずよ。遅いから置いてきたわ」

 

「置いてきたって、お前なぁ……」

 

「大丈夫よ、すぐに来るわ」

 

 

 

 あっけらかんといった様子で、桜を見上げながら善子は言う。ポケットからオレンジ色のハンカチを取り出し、汗を拭っている。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……やっと着いたずら……」

 

「はぁ……花丸ちゃん、大丈夫?」

 

 

 

 花丸とルビィが善子より3分ほど遅れてやってきた。見た限り、頑張って走ってきたようだ。月明かりに照らされた頬が上気して、周囲に広がる桜のようにほんのりと桃色になっている。

 

 

 

「大丈夫……。善子ちゃんは相変わらず走るの速いずら……」

 

「あんたたちが遅いだけよ。いくら受験期で体が鈍ったからって私にこれだけ差をつけられているようじゃまだまだね」

 

 

 

 腕を組み、片目だけで2人のことを見ながら得意げに善子が言う。彼女が身に着けているイルカの形のネックレスが、音を立てずに少しだけ揺れた。

 

 

 

「でも、善子ちゃんが先についててくれたおかげでりゅうくんを待たせる時間が少なくなったならよかったよ」

 

 

 

 若葉の香りのする春の柔らかな風を何度か吸い込み、ある程度呼吸が整ったところで、ルビィが言う。確かに、善子が先に来てくれたおかげで2人が遅れてくるということも分かったというのはある。

 

「まあでも、遅れてごめんね?」

 

「いや、いいよ。全然気にしてないから。そんなことよりこれからある花見を楽しむことにしよう」

 

 

 

 これは本心だ。俺はこんな小さいことは気にしない主義だし、いちいち目くじらを立てていたらきりがないからな。

 

 少し明るめの輝きを放つ月が雲によって隠された。周囲が少しだけ暗くなり、木々が地面に落とす影の色が、若干薄くなったような気がした。

 

 

 

「とりあえず、人も結構来始めたし、俺たちも場所を確保しよう。ゆっくり話もしたいからな」

 

 

 

 3人を促し、場所の確保へと意識を向けさせる。先程よりも人の数が増えているように見える。少し急がなければならないかもな。

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 第四話/花"聴"風月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ❂ ❃ ❅ ❆ ❈ ❉ ❊ ❋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、国立東京浜松大学への皆さんのご入学を祝して、乾杯!!」

 

【乾杯!!!】

 

 

 

 8時を少し過ぎて、花見がスタートした。缶に入ったジュースやチューハイやビールなど、思い思いの飲み物を片手に、皆缶をぶつけ合う。なんとかいい感じの場所をとることができ、4人で腰を下ろすことに成功した。飲み物や食べ物は決められたスペースに並べられている中から自由に持ってくるというシステムで、一人当たりの分量は決められていないが常識の範囲内で、ということだった。

 

 それぞれ、花丸が緑茶、ルビィが馴染み深い乳酸菌飲料、善子がノンアルコールカクテル、俺がジンジャーエールを飲む。ちなみに、食べ物に目がないという花丸は、しっかりと羊羹を取ってきていた。なぜ羊羹が準備されているのか甚だ疑問ではあるが。

 

 

 

「えっと、それで昼間カフェテリアで話してたことについてなんだけど……」

 

「おう、そうだな。時間はあるしゆっくりでいいから」

 

 

 

 飲み物で喉を少し潤した後、早速善子が切り出した。正直いつこの話を始めようかと思っていたので、いきなりすぎて若干面食らったくらいだ。月光に照らされて透き通るような美しさを醸し出す善子の青みがかった黒髪が、さらさらと風に揺れるのが見えた。ちょうど今日の夜空と同じ色をしているな、と今更ながらに気が付いた。ずっと見ていると吸い込まれるのではないかという錯覚さえしてくる。

 

 

 

「んー、何から話そうか」

 

「とりあえず、浦女について触れてからの方がいいと思うずら」

 

 

 

 3人が顔を見合わせながら話す。先ほどまでよりも一層表情が穏やかなものに見える気がする。周囲の楽しそうな話し声や風にそよぐ木々が奏でる音の中、俺はジンジャーエールを一口飲んで、無言で話の続きを待った。

 

 

 

「まず、私達の出身高校は2つあるの。一つは"沼津市立港湾高校(ぬまづしりつこうわんこうこう)"」

 

「これはルビィたちが2年生になってから通い始めた高校ね」

 

「2年生になってから……?」

 

 

 

 どういうことだ。今さっき花丸が"浦女"と言っていた気がするが……。まさか、3人そろって転校でもしたっていうのか?

 

 

 

「そう。マル達は高校1年生の時と、2、3年生の時とで通ってた高校が違うんだ」

 

「そうなのか。差し支えなければ、理由を聞いてもいいか?」

 

 

 

 何かしらの事情があったのかもしれない。こういうのは大抵デリケートな問題だから気を付けなければ。空の月が薄い雲に隠され、周囲が再び若干暗くなった。

 

 

 

「もちろんよ。この話をしなければ意味がないんだから」

 

「むしろどんどんお話ししたいくらいだよ」

 

 

 

 善子も花丸も、声には出さなかったが、ルビィも、薄く笑みを浮かべている。どうやら心配いらなかったようだ。杞憂に終わってくれてよかった。

 

 俺たちの近くにある、並べられたブルーシートの間の通路を先輩らしき女性3人組が歩いて通っていく。真ん中の人は酒を飲んでいるのか既にテンションが高く、両端の2人の背中をバシバシと叩いて笑っている。酔うとテンションが上がるタイプの人なんだな、と心の中で思った。ほどほどにしてほしいものである。

 

 

 

「私たちがもともと通ってたのが"(うら)星女学院高校(ほしじょがくいんこうこう)"よ。ざっくり説明しちゃうと、廃校になっちゃったの」

 

「廃校……?」

 

「そう、廃校」

 

「どうして?」

 

 

 

 表情を変えることなく話し続ける。テレビでよく生徒数が少ない学校の特集が組まれたりしているが、その"浦の星女学院"もそうだったのだろうか。正直なところ、身の回りでは聞きなれないフレーズなので困惑を隠せない。

 

 

 

「少子化による生徒数の著しい減少に伴う統廃合措置って感じずら」

 

「学校の場所も市街地からは離れてるし、それに山の上にあるから、わざわざ通おうとする人がいなくなっていったみたい。海が遠くまで見渡せるし、裏山では蜜柑が取れて、晴れてる日は富士山だってきれいに見えるのに」

 

 

 

 話を聞く限り、自然がいっぱいでとてもいい学校だと思うんだがな。それでもやはり、高校生は田舎よりも都会のほうがいいのだろうか。花に囲まれて育ってきた俺としては自然に囲まれた学校生活は素晴らしいと思うが。

 

 

 

「でもね、ただ廃校になったわけじゃないのよ」

 

「ルビィ達は統廃合の決定に最後まで抗ったの」

 

「抗ったっていうと、署名活動とかか?」

 

 

 

 大勢の人の意見を集めるには、やはり一番効果的なのは署名活動だろう。繁華街にでれば通行人は大勢いるわけだからな。

 

 

 

「いや、違うわ。確かに署名活動もあったけど、主な行動はそうじゃない」

 

「あれ、違うのか」

 

 

 

 となると、何がある? ほかの有効な手段は俺には思いつかないが。

 

 

 

「ええ。そして、ここから絡んでくるのが、昼間話題に出た、リリーを含めた"Aqours(アクア)"のメンバー、そして、浦女の人たちよ」

 

 

 

 3人はそれぞれの飲み物を一口飲んで、話を続行しようとする仕草を見せる。そして、遠くを見るような、過去のことを思い出すような、時間を手動で手繰り寄せているような、不思議な懐かしさを感じさせてくれる表情になる。隠されていた月が顔を出し、その表情を照らし出す。その様子はとても幻想的で、俺は思わず息をのんだ。

 

 

 

「あくあ?」

 

「そう、Aqours。私たちが2年前に所属してたスクールアイドルグループの名前よ」

 

「スクールアイドルとして、学校の名前を広めるために……」

 

「マル達だけの、"輝き"を探すために……」

 

「そして、奇跡を起こすために、私達は活動してたのよ」

 

「そう、だったのか」

 

 

 

 スクールアイドル、か。俺は全く興味がなかったが、高校の頃にクラスメイトが話しているのは聞いたことがあるので、常識の範疇(はんちゅう)ではあるがある程度は知っている。いまや大型コンテンツなので、知名度としては甲子園と比べても遜色ないだろう。確か俺が通っていた高校のもあったはずだな。予選を勝ち上がれば全国大会に駒を進めることができると言って頑張っていた気がする。惜しくも地区予選で敗退してしまったようだが。

 

 

 

「でも、私達は学校を廃校から守ることができなかった。あと一歩、及ばなかったの。奇跡は、起こせなかった」

 

「学校説明会への参加希望者数が100人を超えなければ行けなかったのに、希望者は98人で終わってしまったずら」

 

「そんな……たった、2人のためにか……」

 

 

 

 現実というものはいつだって非情である。奇跡は起こそうと思って簡単に起こせるものではない。簡単に起きないから"奇跡"なんだ。安売りされるものではないのだろう。

 

 しかし、悲しそうな表情をしているであろう俺とは対照的に、3人の表情は明るいものだった。それこそ、夜空に輝く月の光よりも眩いほどに。風に飛ばされていく桜の花弁が9枚ほど、俺の視界の片隅に映った。

 

 

 

「たった2人。されど2人。ルビィ達はとっても悔しい思いをした。せっかくラブライブの決勝大会に進んだのに学校が無くなってしまうから」

 

「そんなときにね、浦女の人たちが言ってくれたの。『学校が無くなるんだとしても、この学校の名前を、ラブライブの歴史に刻んできてほしい。そんな名前の学校があったんだっていうことを、残してきてほしい』って」

 

「私達Aqours9人だけではその考えには至れなかった。浦女のみんながいてくれたから、私達はまた、ラブライブに向けて練習に真剣に取り組むことができたのよ」

 

「結果、Aqoursはラブライブで優勝できた。私達だけじゃない。浦女の人達や、学校がある内浦地域の人達、そのみんなで勝ち取った優勝だった」

 

 

 

 嬉しそうに、懐かしそうに、そして何より楽しそうに、浦の星女学院時代のことについて話してくれる。きっと、今ここで話していなくとも、もっとたくさんの苦悩や葛藤、底知れぬ絶望や悲しみがあったことだろう。もしかしたら、今でもそれらの気持ちは捨てきれていないのかもしれない。

 

 でも、その過去があったからこそ、今こうして俺に向けて話をしてくれているのだろう。さっきも言っていた。『むしろ話したいくらいだ』と。3人には、いや、Aqoursのメンバーには、きっと後悔はないのだろう。全力で駆け抜けた先で、こうして笑っているのだろう。

 

 

 

「……すごいな」

 

 

 

 小さな声で呟く。その俺のたった4文字の言葉を聞いて、首をかしげてしまった。ふっと呼吸を一つ入れてから、続きを話す。

 

 

 

「きっと俺なんかには想像もつかないような苦労をしてきたんだなって思った。そんな経験をしていながら、笑って今や未来に目を向けて、こんなに楽しそうに話してくれてる。俺がどんなに言葉を尽くしても言い表せないくらいすごいことだと思う」

 

 

 

 同い年なのに、俺とは全く違う世界を見てきた3人がとても眩しく感じられる。3人は、Aqoursのメンバーは、俺が何も知らずに高校生活を過ごしていた間に、自分たちだけではなく学校のためや地域のために頑張っていた。俺の高校時代の記憶には、そんな地域や学校の為になるような活動を行ったという記憶はない。

 

 首をかしげていた3人だが、やがて、なにか腑に落ちたような、わずかな微笑みをたたえる。そして、3人で顔を見合して笑い出した。

 

 

 

「こんな反応をする人は初めて見たわ」

 

「えっ……?」

 

 

 

 困惑顔の俺を見てより楽しそうな表情になる。この3人の誰かがつけている香水だろうか。いつか嗅いだことのある気がする、あの白や紫の花のような甘い香りが鼻腔をくすぐった。

 

 

 

「統合先や他の所でこの話をするとね、みんな私たちに同情してくるのよ」

 

「時には泣き出してしまう人もいた。マル達が悲しい思いをしたんだねって」

 

「ルビィ達はね、同情されたいわけじゃないの。確かに、学校のことを思って泣いてくれたりするのは嬉しい。でも、ルビィ達はただ、"浦の星女学院"っていう学校が内浦にはあったんだよ、っていうことをみんなに知ってもらいたいの」

 

 

 

 先ほどとは違って微笑みなどはなく、まっすぐに俺を見つめて言う。その言葉に偽りなどはなく、純粋に、心からそう思っているということが伝わってきた。

 

 

 

「やっぱり3人はすごいよ。そんなに誇りに思われてる"浦の星女学院"に、機会があったら俺も行ってみたくなった」

 

 

 

 元浦女の生徒、そして内浦地区の住民からそこまで思われている場所なら、一度行ってみたい。そこに行って、Aqoursが全力で駆け抜けた青春の残滓(ざんし)を感じてみたい。廃校になっているとはいえ、女子高に男が入っていくのは少々(はばか)られるが。

 

 

 

「もっちろん! 今度一緒にいくずら!」

 

「私達としても、ゴールデンウィークくらいには一度帰省したいからね。その時にアンタも来ればいいわ。幸い、宿に関しては何にも問題はないからね。アンタはゴールデンウィークに帰省はするの?」

 

「帰省はしないつもりでいる。交通費が馬鹿にならないしな。でも、ゴールデンウィークなのに宿に問題がないってどういうことだ?」

 

「それは来てからのお楽しみだよ。ね~?」

 

 

 

 何やら策のようなものがあるらしく、3人で楽しそうに顔を見合わせて笑っている。心配がいらないのならそれに越したことはないが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あっ、そういえば、Aqoursがスクールアイドルとして活動してた時の映像みたいなのってないのか? さっきの話を聞いてたらそっちも割と気になってきたんだが」

 

 

 

 浦の星女学院とAqoursについての話が一区切りついたところで、何となく思ったことを口に出してみた。しかしなぜだか、この場所だけ季節が3か月ほど遡ったように感じるほど、場の空気が凍り付いた気がした。試しに、手に持っていたジンジャーエールを一口飲んでみる。やはり予想通りぬるくなり始めている。どうやら冷え込んでしまったのはこの場の雰囲気のみのようだ。

 

 何か触れたはいけないものに触れてしまったのだろうか。いや、確実に触れたのだろう。

 

 見たところ怒っているわけではなさそうなので一安心であるが、それでもやはり、どこか申し訳なさを感じてしまう。目に見えてわかるほど動揺しているらしい。花丸は目をそらし、ルビィはうつむき、善子は飲み物を一気に飲み干してしまった。そして、おもむろに立ち上がる。

 

 

 

「わ、私は新しい飲み物をとってくるわね!」

 

「あー! 善子ちゃんずるいずら!」

 

「さっき、恥ずかしくても、もし聞かれたら全部話そうって約束したよね?」

 

「に、逃げてなんてないわよ! あとヨハネよ!! どっちにしろ、私は飲み物をとってくるから!!」

 

 

 

 飲み物が置いてある場所まで小走りで行ってしまった。3人とも、スクールアイドルとして歌って踊っていた映像を改めて見たり見られたりするのが恥ずかしいようだ。別段恥ずかしがることでもないような気がするが、こればかりは本人たちにしか知りえない微妙な感情があるのだろうか。もしかしたら、小学校の頃の学芸会の映像を改めて見せられた時の恥ずかしさと類似したものがあるのかもしれない。そう考えるならば納得だ。

 

 

 

「逃げ足も速いんだから……」

 

「仕方ないずら。だって、善子ちゃんだもの。というか、動揺しすぎてまた堕天してしまってたずら」

 

 

 

 飲み物を選んでいる善子を横目で遠くに見つつ、呆れたようにため息をつく。しかし怒っているわけではなく、むしろ楽しそうである。なんとも仲のいい3人組だ。

 

  

 

 

 

「……Aqoursとして活動してる時の映像って言ってたよね?」

 

 

 

 ルビィが静かに口を開く。ルビィの持っている緑茶のアルミ缶が、ぺきんと弱々しい音を立てるのが聞こえた。

 

 

 

「私達Aqoursは優勝グループだから、多分まだラブライブの運営公式のホームページに動画が残ってるんじゃないかなぁ。どれくらい残ってるかはわからないけど、少なくとも決勝大会の時の映像は絶対にあると思う」 

 

「運営のホームページか。分かった。家に帰ったら探してみることにするよ。さすがにここで探されるのは嫌だろ?」

 

「う、うん……」

 

「気遣いに感謝、ずら」

 

 

 

 家に帰ったら見てみよう。スクールアイドルがどのようなパフォーマンスをするのかは全くと言っていいほど知らないからな。まさかここにきてスクールアイドルに自分が興味を示すとは思わなかったが。

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま。ほら、みんなの分も持ってきたわよ」

 

 

 

 話が終わったところで善子が帰ってきた。両手には、先ほどまで善子が飲んでいたノンアルコール飲料の味違いらしきものと、サイダー、オレンジジュース、紅茶が抱えられている。

 

 

 

「わざわざ俺たちの分まで持ってきてくれたのか。ありがとう」

 

「礼には及ばないわ。ほら、逃げたわけじゃなかったでしょ?」

 

「うーん、まぁ、そういうことにしておいてあげるずら」 

 

「なによ、人がせっかく気を利かせてあげたっていうのに!」 

 

「ありがとう、善子ちゃん」

 

 

 

 これ見よがしにため息をついた後、善子はそれぞれに飲み物を分配する。ルビィが紅茶、花丸がオレンジジュース、俺がサイダー、そして善子はノンアル飲料だ。

 

 

 聞きたいことは全部聞けた。3人も話したいことは全部話したようだ。細かいことはおそらく話し切れていないのだろうが、それは追々聞いていけばいいことだ。 

 

 わずかばかりの静寂。いや、正確にはこの4人の空間に会話が無くなっただけだ。少し周りに耳を傾けてみる。それぞれ数人ずつのグループは大いに盛り上がり、思い思いの話に花を咲かせている。周囲には桜の木。どこもかしこも花ばかりだな、と誰に言うでもなく心の中でだけツッコミを入れてみたりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……少し、竜の話も聞きたいわね」

 

 

 

 善子が、持ってきた飲み物のプルタブを開けながら、ふと思い出したように話し出す。確かに、3人の高校時代の話を聞いて俺の話をしないのは不公平だな。何が不公平なのかは知らないが。とは言うものの。

 

 

 

「話すことといってもそんなにないぞ? 3人みたいに何かを頑張ってきたとか、地域の為に役に立ってきたとか、そういうのは全くない」

 

 

 

 悲しいがこれは事実だ。()いて言うなら実家の花屋の手伝いで花の名前と花言葉を言えるようになったくらいか。しかもこれはかなり嫌々やっていたことだが。

 

 

 

「じゃあ、将来の夢とか、何かないの? 一応大学生なんだし、何かしらのビジョンとかがあったりするのかなって思ったんだけど……」

 

 

 

 将来の夢、か。小説家になりたいという明確なものは持っているが、正直な話、あまり人に言いたくはないんだよな……。しかし、3人の話を聞いてしまった以上俺も話さなければならないな。

 

 

 

「笑わないか?」

 

「別に、笑わないわよ。中学高校と堕天使キャラで通した私が言うんだから信頼していいわよ」

 

 

 

 自虐を混ぜつつ善子が言う。そして、先ほど開けた缶の飲料をグイっと一口飲む。なぜか少しだけ顔をしかめたように見えたのは気のせいだろうか。

 

 それに気づいているのかいないのかはわからないが、ルビィが続けて尋ねてくる。

 

 

 

「そんなに恥ずかしいことなの?」

 

「恥ずかしいというか……」

 

 

 

 現実的ではない。これに尽きる。今現在小説家として第一線で活躍しているのはほんの一握りである。たいていの場合は"現実を見ろ"と言われるのがオチだ。夢くらい見たって別にいいではないかと思うが、そうもいかないのが"現実"なのである。

 

 

 

「まあいいや。俺はずっと昔から、小説家になりたいと思ってる。いろんな人の本を読んで、知識を蓄えて、表現を学んで。あと、本格的に文学についてのいろんなことを学びたいから文学部を志望した」

 

 

 

 なるようになれ、と半ば開き直って言い放った。まともに自分の将来の夢を声に出していったのは小学生の時の作文以来かもしれない。

 

 まぁ、その時に文章を褒められたことが嬉しくて小説家を志すようになったのだが。今思えば、志すようになったきっかけなんてそんなものなんだな。

 

 

 

「小説家……?」

 

 

 

 本好きな花丸の様子がおかしい。まだあまり知らないが、あの並木道での会話の時に見せた花丸の食いつきっぷりから察するに花丸は相当な読書家だ。だからこそ小説家になることの厳しさを知っているはずだ。もしや花丸の怒りのツボを押してしまったか?

 

 

 

「あ、あの……花丸……さん?」

 

 

 

 恐る恐る名前を呼ぶ。うつむいたままの花丸の表情は、栗色の前髪に隠れて確かめることはできない。俺が持っているサイダーの缶が小さな音を立ててへこむのが分かった。

 

 善子とルビィは、『またか』とでもいうような表情をしていた。やはり俺は、ここで怒られてしまうのだろうか。

 

 月が再び雲に隠され、周囲が暗くなる。今夜は晴れてはいるが、やはり雲が多いな。

 

 

 

「おんなじずら」

 

「へっ?」

 

 

 

 素っ頓狂な反応をしてしまった。"おんなじ"とはどういうことだ。

 

 そして花丸は"バッ"と効果音が付きそうな勢いで顔をあげてこちらを見つめてくる。その様子に驚いてしまったのは言うまでもない。

 

 

 

「おんなじずらー! りゅうくんとおんなじずらー!! 大学でもいた!! マルの話し相手になってくれる人がいたー!!!」

 

 

 

 俺の予想とは裏腹に、花丸はとても嬉しそうだった。"おんなじ"というのはもしかして、『将来の夢が小説家』であることが同じという意味か。

 

 

 

「花丸も小説家を目指してたのか! そうだったのか!」

 

 

 

 無意識のうちに緊張していたらしく、全身の筋肉から力が抜けていくのを感じる。その反動なのか、俺のテンションも少しばかり上がってしまったようだ。まぁ、あまりの勢いに気圧されて変なレスポンスしかできなかったが。

 

 

 

「花丸はね、同じ夢を持っている人を見つけるとこんな感じになっちゃうのよ。高校の頃だって統合先の子に同じ夢の人を見つけて3時間話し通したんだから」

 

「いくら小説家志望といっても花丸ちゃんほどの読書家は滅多にいないから、相手の人が途中で目を回しちゃうくらいだったもんね」

 

「え、ええ……」

 

 

 

 今の反応を見ただけで分かったが、花丸は同じ趣味の人との会話で、話始めると止まらなくなるタイプだ。この勢いで3時間も話し通されたら軽くトラウマものだろう。物腰穏やかそうに見えて、かなり舌が回るらしい。花丸の新たな一面を知ることができた。

 

 

 

 善子がぶつぶつと何かを言っている花丸に手刀を食らわせて大人しくさせてから、手に持っている飲み物をグイっとあおる。なんか飲むペースが上がってないか……? 心なしか顔が赤いような気もするが、この心許ない明るさの中では正確に判別することが難しい。

 

 

 

「私は前に先生になりたいって話したわよね? 私はいいから、次はルビィが話しなさいよ」

 

 

 

 どことなく高圧的な物言いに感じるが、善子がルビィに催促する。確かに、あの並木道で善子が将来は母親と同じように先生になりたいと言っていたな。

 ルビィは、一瞬だけ少し微妙な表情を作る。

 

 

 やはりこの歳になると、将来の夢を話すのってなぜか妙に恥ずかしくなるんだよな、とルビィも様子を見て思った。特に、俺や花丸のような、"なれるのか分からなすぎる"職業であれば尚更だ。

 

 ルビィはその表情をすぐに崩し、柔らかく微笑みながら話し始める。

 

 

 

「ルビィは、服飾関係の仕事に就きたいかな。裁縫とか得意だし、Aqoursでは曜ちゃんと一緒に衣装を考えたり、作ったりしてたから」

 

「服飾か。なんかルビィに似合う気がするな、それ」

 

「ルビィちゃんの裁縫の技術はすごいずら! トートバッグを作ってくれたこともあるんだよ!」

 

「へぇ、そうなのか。夢が叶うといいな」

 

「ありがとう!」

 

 

 

 その"曜ちゃん"という人もAqoursの一員だったのか。どういう人なのか気になる。きっととてもいい人なんだろうな。まぁそれはともかく。ルビィは確かに、今着ている服も似合っているし、ファッションセンスは十分にあると思う。人にとやかく言えるほど、俺はセンスに自信があるわけではないが。

 

 

 

「あ、あとね……」

 

「ん?」

 

 

 

 ルビィが先ほどよりも恥ずかしそうに付け足す。なんだろうか。

 

 

 

「もし服飾関係の仕事に就けなくても、し、小説家になった花丸ちゃんの、アシスタントをやりたいなって……」

 

 

 

 ルビィは花丸が小説家になれるということを本気で信じているのだろう。だからこそこうやって話しているんだ。気恥ずかしさを感じてしまっているのか、声は小さいが。

 

 

 

「ルビィちゃん……ありがとう!!」

 

「ちょ、ちょっと痛いよ花丸ちゃん」

 

 

 

 嬉しさのあまりルビィの手を握ってブンブンと振り回す花丸。ルビィの細い腕じゃ折れてしまいそうだから、さすがにやめて差し上げよう。

 

 

 

「ねぇところで、善子ちゃんが全然喋ってないみたいけど……」

 

 

 

 花丸に振り回された手首をさすりながら、ルビィが思い出したように話す。そういえば善子が静かすぎるな。2人の話をずっと聞いていたから忘れていたが。

 

 

 

「って、あれ? 善子ちゃーん? おーい?」

 

「……んぁ?」

 

 

 

 花丸が善子に話しかけてみても反応が薄い。心ここに在らずというか、なんというか。

 

 

 

「どうしたんだ? 今の話になんかこうなるような要素なんてあったか?」

 

 

 

 正直思い当たる節はない。しかし善子はぼんやりとしながら、止まりかけの振り子のように体をゆっくりと左右に揺らしている。その様子を見ている花丸もルビィも、何が起きているのか分かっていないようだ。

 

 空を覆っていた雲が流れていく。周囲が明るくなり、善子の顔がはっきりと見えるようになった。

 

 

「えっ……?」

 

「ちょっとどうしたのこれ!?」

 

 

 

 明るくなった状態でよく見てみると、いや、よく見なくても、善子の顔が真っ赤になっていた。やはり先ほど赤く見えたのは間違いではなかったらしい。それにしても、なぜこんなことになっているのか。風邪でも引いたのか?

 

 

 

「なぁにぃ~? この堕天使ヨハネにぃ、なんか文句でもあるわけぇ?」

 

「おいおい大丈夫かよ……」

 

 

 

 ふにゃふにゃと揺れるその姿のように、言動も間延びしており、微妙に呂律が回ってない状態である。透き通るような白い肌が桜の花弁の桃色よりも濃くなり、目元もすっかり赤くなっていて、完全に酔っている。それに、また堕天してしまっているようだ。酔っている状態とはいえ、本当に堕天使キャラを卒業できているのだろうか。本当は、自分の家では堕天使キャラを前面に押し出してしまっているのではないだろうか。

 

 

 

「……ああ、これが原因ずらね」

 

 

 

 そう言って花丸が見せてきたのは善子が持っていた缶だ。ノンアルコール飲料だったはずだが、まさか。

 

 缶をじっくり見てみると"アルコール分 3%"と表記されていた。量は350ミリリットルだが、しっかりと飲み干されていた。

 

 

 

「ノンアルコールと間違えて普通の酒を飲んだのか。ならこうなったのも納得だな……」

 

「でも、アルコールが入ってる飲み物って、普通の飲み物とは別の場所に置かれてるんじゃなかった?」

 

「そのはずなんだけど……もしかしたら、混ざっちゃってたのかもしれないずらね」

 

「事故ってことだねぇ……。やっぱり運が悪いっていうかなんていうか」

 

「たまたま紛れちゃったのを選んじゃうあたりが、どうしようもなく善子ちゃんって感じでさすがずら」

 

 

 

 ゆらゆらと揺れている善子を横目に、原因の特定をする。そう考えると辻褄が合うな。今回は不慮の事故で酒を飲んでしまったが、3パーセントでここまでやられるものなんだな。まさかそれほどまでに弱いとは思わなかった。

 それにしても、善子は運が悪いようだな。それも相当なレベルみたいだ。確かに、今朝大学の校門前で何もないところで転びそうになっていたりしていた気がする。俺と同じ、大小さまざまな不運に見舞われがちなタイプなのかもな。これからもう少し話をする中で、より深く知っていこう。

 

 

 

「よっと! ……とっと。んぁぁごめんなさい」

 

 

 

 善子がなぜか急に立ち上がったが、うまくバランスが取れずに、まるで歌舞伎のような動きをしながら、なんとか体制を立て直す。しかしそれでも足元は心許なく、花丸の所へと倒れこむような形になってしまった。首元のイルカのネックレスが激しく動いて、まるで荒れ狂う海を泳いでるみたいだな、と場違いなことを考えた。

 

 

 

「よいしょっと。うん、大丈夫ずらよー。って、善子ちゃん!?」

 

「…………」

 

「嘘だろ……」

 

「あ、あはは……」

 

 

 

 花丸のもとに倒れこんだ善子は、そのまま静かに寝息を立て始めていた。この状況に脳が追い付かない。先ほどまで普通に活動していたはずなのに、さすがに寝落ちするのが早すぎやしないか。

 困惑する俺達を気に留めるはずもなく、善子は真っ赤な顔のまま幸せそうに寝息を立てている。大きなリンゴが寝ているようだ。

 花丸とルビィは苦笑いをしながら善子の体勢を楽なものへと変えてあげていた。三人の中で善子が末っ子のような気がしてくる。というか、もはやそうとしか見えなくなってきた。

 

 強く風が吹く。木々が揺らされ、お菓子のゴミや空き缶が音を立てて飛ばされたり、花見の参加者の驚いたような声が、会場内に響く。桜の花弁も多く飛ばされていた。こんな風にさらされたら、桜の季節が短命に終わってしまうような、そんな思いに駆られてしまう。

 

 残っていたサイダーを流し込み、ふっと一息つく。まだ冷たいその液体が、体を中から冷やしてくれている感覚が全身を駆け巡る。

 

 

 

「ねぇねぇりゅうくん。ちょっとお願いがあるずら」

 

「ん?」

 

 

 

 なにか嫌な予感がする。普段から運が悪い俺は、よく貧乏くじを引くことが多い。だからなんとなく分かる。

 

 

 

「善子ちゃんを、家まで運ぶのを手伝ってほしいずら。もちろん家までの案内はするから」

 

「善子ちゃんってこれでもルビィ達の中では一番身長が大きいから、二人で運ぶのは骨が折れちゃうから、お願い!」

 

「まじか……」

 

 

 

 予感は的中したらしい。二人の言いたいことは分かる。骨が折れる、という言葉が文字通りのなってしまったら困るからな。まぁ、善子がそこまで重いとは思えないが。

 

 

 

「というわけで、お願いします、ずら!」

 

 

 

 花丸がいい笑顔でお願いをしてくる。ここで断るほど薄情ではないが、それにしてもいろいろと唐突すぎる気がするのは俺の勘違いではないだろう。全く、大学生になってもこの貧乏くじ体質は変わることはないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 相も変わらず、風は吹いている。木々が音を立てて揺れ花弁が宙を舞い、地面に落ちていたものも再び舞い上がる。視界を構成する色彩が桃色に染め上げられていくような錯覚に陥る。月光に照らされた花弁は、昼間とはまた違った表情を俺達に見せつつ、小規模な花吹雪となって渦巻いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勘弁してくれ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな俺の小さな呟きは、桃色の花弁とともに、まるで冬に置いていかれた儚い雪のように、風に流されて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 お読みいただき、ありがとうございました。

 文量がかなり多めになってしまいました。




 次回以降も、よろしくお願い致します。
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