大嘘つきの大神憑き《アミニスト》   作:メルカバー

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オリジナル作品初投稿となります。拙い文章ですがよろしくお願いします。


嘘その0 嘘の憑き始めは唐突に

冬も間近に迫った11月の肌寒い朝。大神真(おおがみまこと)は自室で目を覚ました。

まだ完全には目覚めていない中、真はのそのそとベッドから起き上がりベッド脇のデジタル時計に目をやった。

(今日は...月曜日か...学校だな...)

完全に覚醒しきっていない頭でそんなことを考えると、クローゼットから制服を出して着替え始めた。

真は東京の私立高校に通う2年生だ。有名な進学校...ではなく、かといって不良の溜まり場のような学校でもない。いたって普通の私立高校である。

(今日は、課題の提出日だったな。えーっと...)

紺を基調としたブレザーに着替えた真は、荷物をまとめ始めた。()()の英語提出ノート、()()の古典提出ノートを通学用のバックに入れた後、バックを玄関先まで持っていき、置いた。

(さてと、次は...朝食だな。)

真は、部屋に備え付けの簡易キッチンへと向かった。両親を数年前に無くしてからというもの、毎日自分の朝食は自分で作っている。手慣れた手つきで目玉焼きとサラダを調理して、テーブルへと運ぶ。

「それじゃあ、いただきます。」

テレビを見ながら、トーストに載せた目玉焼きを頬張る。ありきたりなニュースが今日も流れている。ある大統領がまた暴言で波紋を呼んでいること、人気アイドルが不倫騒動で活動を休止すること、隣の区で起きた連続殺人事件の犯人が捕まっていないこと、行方不明者が東京都内で頻繁に出ていること。暗くて陰湿な内容ばかりである。

「最近は物騒になったなぁ。夜のバイトの時は気を付けないと。」

自分以外誰もいない部屋でそんな独り言をつぶやきながら、時計に目をやると、

「...!ヤバイ、あと30分で学校始まる!」

時刻は午前7時半。HRが始まるまでは時間があるが、このアパートから学校まで自転車でも20分近くかかる。真の学校は時間にだけは厳しく、2回遅刻しただけで反省文を原稿用紙2枚半も欠かされるのだ。急いで使っていた食器を流しに置き、荷物を持って外に出る。

「行ってきます!」

誰もいない部屋に向かってそう一言告げてから、真は玄関のドアを閉めた。

 

 

 

 

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「うーっす。お前が遅刻なんて珍しいじゃねーかマコト。」

「そういうアキラだって遅刻寸前だろ?ほら、早くしないと遅刻するぞ?」

「無茶言うな!お前はチャリだからいいものを、こっちは走りなんだぜ!」

そういいながら走っているのは金髪交じりが特徴の少年、真の唯一の親友であり、悪友でもある新崎晃(にいさきあきら)である。

真は、両親を事故で亡くしてからというもの、親がいないことや生活費のためのバイトを理由に同級生からイジメを受けていた。しかし、晃だけはそれまでと同じように真と接したばかりか、イジメていたクラスメートに怒ってくれたのだ。晃も父親を事故で無くしており、同じ境遇の真を機にかけてくれたのだ。その後も夕飯に誘ったり、一緒に遊びに出かけたりと真のことを支えている、なくてはならない大親友(ダチ)である。

「こっちだって、ケンジ達の課題を持っていかないと後でまた...あ。」

「お前...またバカケンの課題をやらされたのか?なんで俺に言わなかったんだよ。」

「だって、晃にまた迷惑をかけるのは...」

黒巖健次(くろいわけんじ)、通称バカケンは大企業の社長を父に持ち、母は学校の副理事長をやっているという典型的な金持ちのボンボンである。小学校のころから生活にあまり余裕のない真のことをバカにしてイジメてきた張本人である。いつもなにかしら高級品を学校に持ち込んでは、クラスメートの前で見せびらかし、お付きのチンピラに褒めさせ、気に入らない奴はチンピラを使って袋叩きにするという、正直なぜ他の生徒に人気なのかわからないやつだ。

「水臭いこと言うなよ!俺たち親友だろ?なんでも頼れよ。」

「でも...」

「お前、バイト大変なんだろ?少しは休まないと体がもたないぜ?」

「...うん。サンキューな!今度は頼らせてもらうよ。」

そう答えた真は、自転車のペダルにさらに力を込めた。

「でも、それと今の状況は関係ないだろ?それじゃあ、お先に!」

「あ!おい待てよ!」

 

 

 

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晃を後ろに置いていきながら真は学校へ向かう交差点を渡ろうとした。その時、

(ん?あれは...?)

真の目に入ってきたのは目立つ格好をした一人の少女だった。背格好は中学3年ほど、しかし着ている服はおよそ制服とは言えない複雑な模様の入った布のローブである。そして、何より真の目を引いたのは

(髪、長っ。)

少女の足元まで届くほどもある長い髪の毛だった。そのあまりにも長い髪の毛は腰のあたりで一度留められていたが、長すぎて余った部分が地面を擦りそうである。そんな状態であるにもかかわらず、髪の色は汚れ一つない銀白色である。

(外国人かな?最近ここら辺にも多く住んでるし。)

そんな少女を遠巻きに見ていると、突然、少女がこちらを向いた。それも、なぜかとてつもなく怖い顔で。

(?俺なんかしたか?)

 

それは一瞬の出来事だった。

 

少女が目の前から突然消え、次の瞬間には真の目の前まで迫っていた。

「えっ...ちょ!」

少女は右腕を大きく後ろに引き、とてつもない速度でパンチを繰り出した。それは真の顔のちょうど横を逸れ、

「ぎギぎィ!」

真の背後にいた()()に直撃した。

「チッ...邪魔だな。」

「えっ?はっ?なにそれ。えっ。」

突然の出来事に身を固くしながら突っ立っていると、少女は真の方を向いて、

「???お前、もしかして俺が見えているのか?」

少女はまるで今の攻撃が真に見えていなかったかのように、目をパチクリさせながら言った。

「いや、見えるも何もはっきりと目に移ってたぞ?今のパンチ。」

それを聞くと、突然少女は喜んだ顔で

「マジか!やっと見つけたぞ!俺の、俺だけの依り代(ドール)!」

「へ?どーる?なにそれ。新しいお菓子か何か?」

「説明は後だ!今はとにかく、どっかに隠れてろ!」

そう言い残すと、少女はまた姿を消した。

「どこ行ったんだ...アイ」

ツ、と言いながら後ろを振り向くとそこには、

 

 

大嘘みたいな非日常(たくさんの足を生やした黒いバケモノ)()()()()を待っていた。

 

 

 

 




嘘予告!
たこ焼き屋を始めた真はある少女と出会った!飛び散るソース!舞う青のり!中に入っているのは本当にタコなのか?あと、少女は関係あるのか?
次回「たこ焼きは冷めるとすぐふやけるよね!」お楽しみに!



本予告
少女と出会った真。他人には見えない少女に依り代《ドール》と謎のバケモノについて説明を受けるが、その内容は衝撃的なものだった。
次回「嘘その1 世界の嘘と少女の真実」

次回は火曜日の朝0時30投稿予定です。投稿ペースは不定期ですのであしからず。
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