大嘘つきの大神憑き《アミニスト》   作:メルカバー

2 / 2
本編開始です。書きなれていないので飛んでも設定や矛盾が生まれることがありますがご容赦ください<m(__)m>それでは、どうぞ。


嘘その1 世界の嘘と少女の真実

「おーい、どこ行ったんだよぉ!」

そういいながら走るのは、真の友人、晃である。重そうなリュックを背負いながら自分を置いていった真の元へと全速力で走っていた。

「ちくしょー、あいつ覚えてろよ!俺の荷物を載せてから行ったっていいじゃんかよー」

そう愚痴りながらも内心、晃は喜んでいた。初めて会った時の真はまるで歩く死体のような状態になったいた。両親をいっぺんに無くし、天涯孤独の身になってしまったのでは当然である。

(でも、今はそれが嘘のように明るくなったなぁ。ま、よかったよかった。)

そんなことを考えていると突然、街中では決して聞かないとてつもなく大きな爆発音が遠くで聞こえた。

「なんだなんだ?交通事故でもあったのか?いや、待てよ...」

爆発音は高校の方から聞こえていた。それはつまり、

「真が危ねぇ!無事でいてくれよ!」

そういうと晃は、走るペースを上げ、学校へと向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「一体何なんだよこれ?...」

真は、そうつぶやいた。目の前で起こる普通に生きていれば絶対にお目にかからないような光景を見ながら。

「一体なんなんだよあいつらは?警察は?なんで誰も気づかないんだ?」

目の前ではあの髪の長い少女が戦っていた。無限にいるのではないかと思うほど大量のバケモノを相手に一歩も引かず、徒手空拳で。

「おい!早くどこかに隠れろ!そっちにいっちまうぞ!」

バケモノを強烈な()()で蹴りつぶしながら、少女は怒鳴った。我に返った真は近くのビルの柱の影に隠れた。柱越しに、壮絶な戦いを見守る。

「オラオラァ!その程度でこの()()が倒せるとでも思ってるのか!チビどもが!」

少女は、そう答えながら4匹のバケモノを同時にさばいている。一匹目に強烈な右ストレートをくらわしたかと思うと、次の瞬間には2匹目、3匹目がいつの間にか塵になっていた。しかし、バケモノも単調に攻撃するのは分が悪いと踏んだのか少女から距離を取り始めた。

「お?ようやく本気(マジ)になり始めたかあいつら。」

バケモノ達は少女から十分距離をとると一つに合体し始めた。無数にある足がそれぞれ絡まりあい一つの大きなバケモノとなる。その姿はまるで大きな角の生えたタコのようにも見えた。

「ギゃぎぁグャ!ギャぎグギゃ!」

何と言っているかは全くわからないが、とても怒った様子のバケモノは、角の先に何やら力を溜め始めたようだった。集まったエネルギーは、まるで太陽のようにオレンジ色の大きな塊になるとバケモノの角から発射された。

「!危な...」

「チェストぉぉぉぉぉ!」

少女はなぜか鹿児島弁で掛け声を入れると飛んできたエネルギー弾をアッパーカットではじき返した。エネルギー弾はそのままバケモノへ飛んでいき、そしてドカン!と、とてつもない音を出しながら大爆発した。正確には、エネルギー弾がバケモノを消し飛ばし、後ろにあったトラックにぶつかって、大爆発したからなのだが。

「嘘だろ...?」

真がそう呟きながら呆然としていると

「はっはっは!どーだ!これがこのロキ様の力だ!カッコいいだろ!?」

スーパーヒーローのオープニングよろしく爆発を背にしながら、颯爽と少女が真の方へ向かってきた。

「お前...いったい何者なんだ?」

 

 

「俺か?俺は北欧神が一柱、ロキ様だ!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「それで?もう一度聞かせてくれ。お前は一体何者なんだ?」

「だーかーら!北欧の神が一柱、ロキ様だって言ってるだろ!信じろよ!」

「いや、それはさっきから何度も聞いてる...わかってるよ。」

真とロキと名乗る少女は、通りから外れた路地にいた。先程起きた爆発で人が集まり始め、消防が駆けつけてきたからだ。まさかこの少女がやったとは信じないとは思うが、何かあって警察にでも捕まったらと思うと、人目につかないところに移動した方がいいと考え路地へと移動した、というのがここまでの経緯である。

「それで?俺が一体なんだって?|ドール?だったっけか。それだっていうのか?」

「ああ、お前は俺たちみたいな神にとっての地上での貴重な依り代(ドール)なんだ。」

「そのドールってのがいまいちわからないんだけど。一体それはなんだ?」

「説明すると少し長くなるが...つまりな...」

ロキが言うには依り代(ドール)とは神が地上で活動し続けるには必要な人間のことを指すのだという。神は本来、この世ではない世界、《神界》に存在する。しかし、神が直々に人間の元、《人間界》に降りると、体が人間たちの思念に押されて、最後には押しつぶされて消滅してしまう。そのため、思念から身を守るために防護服の代わりのように人間の中に入らなければいけないのだという。

「でもそれなら俺でなくてもいいだろ?もっとほかの...」

「それはできねぇ。なぜなら神を認識できてなおかつ、ドール自身の同意が得られないと人間に乗り移ることができねぇんだよ。」

曰く、ドールとは古代のシャーマンのようなものらしい。神を認識し、神を認め、神を住まわせる。その条件がそろって初めて、神はドールという()()()に入ることができるのだ。

「参ったぜ。もう3日間もドールを見つけられなくてよぉ。まったくあの爺ども、帰ったら簀巻きにしてボコボコにした上で冥界に叩き落してやる。」

「そりゃ災難だったな。でも...」

真は、口籠った。これを言わなきゃいけないけど、直接口に出すのは憚られる。

「なんだ?さっさと言え。殴んねえから。」

「ああ、その...女の体で3」ヒュン

グーパンが頭の横を掠めた。危ない。

「殴んないんじゃなかったのか!?」

「俺を女と呼ぶな。読んだら次は命はないと思え。」

怖い。怖いです、ロキさん。真は、戦々恐々としながらもこう続けた。

「で?なんで北欧の神様のロキが俺に憑きたいんだ?」

ロキといえば漫画やゲームなどでよく耳にする。神々一のトリックスターで悪だくみなら宇宙一の存在であると言われている。光の神バルドルを策略の末殺害し、神々から罰を受けたロキは北欧神話の最終戦争、ラグナロクにおいて神々を裏切り最後には最後を告げる神ヘイムダルによって殺された。そんな神がどうして日本の、それも東京のど真ん中にいるのか?真は、興味をそそられた。機嫌が少しは治ったのかロキはにやにやした顔で、こう言ってきた。

「へぇ。お前って、意外とあっさりとしてんのな。もっとこう、おどおど?したりするもんだと思ってたぜ。」

「そりゃ俺だって驚いてる、でもな、俺がいないとお前はいなくなっちまうんだろ?俺は誰かがいなくなるのはもう嫌だ。」

そう、あの日の自分のように。

一人ぼっちで世界に取り残されるのは嫌だ。

だから、

 

「俺がお前を助ける。俺の体、好きに使え!」

 

「...ハハハハハ!こりゃあいい!最高のドールを手に入れたみたいだな!俺も運がいい!」

ロキは一度目をつむり至極まじめな顔で、こう言い放った。

 

 

「このままだと世界は破滅に向かう。それも人間どものせいで。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あいつ、どこいったんだ...!」

そのころ晃は、爆発のあった通りで真を探していた。なんでも止めていたトラックにどこからか火が引火し爆発したらしい。近くにいた人が割れたガラスの破片などで怪我をした人はいるらしいが、幸い重傷は出なかったらしい。しかし、

「え?真の名前がない?」

駆けつけた消防隊に真について尋ねると、「その人は運ばれていないらしいですよ?名簿に名前もないようですから。」と女性隊員が答えた。それはつまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということだ。

 

「心配させやがって!あったら一度ぶん殴ってやる!」

そう言いながらも心の底では真のことを心配している晃であったがしかし、

「キミ、ちょっといいかナ?」

「なんだよ!俺は今友達探しで忙し」

声をかけられると同時に聞こえたドスッという音と共に晃の意識はそこで途切れた。

「キミには少し人質になってもらおうカ?()()()()()?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「世界が破滅にだって?冗談だろ?」

「いいや、大マジだ。今回ばかりは俺も嘘はつけねぇ。最悪自分の元にも害が及ぶからな。」

一方、こちらは今だ状況説明中の真とロキ。いきなり話が大きくなったことに驚いている真にロキは続ける。

「最近、何かと暗い話題が多いだろ?」

「?何の話だ?」

「いいから聞け、今このトウキョウを中心に何かが起ころうとしている。」

「だからその何かってなんだよ!」

「聞けっつってるだろこのタコ!」

間髪入れずに拳が飛んできた。痛い。

「お前...さっきと...同じ感覚で...」

「おお、すまん。だが仕方ねえだろ。そうでもしねぇと黙って聞きそうもなかったし。いいか?何が起こるかは俺より上の神様連中にはわからん。だがそいつらによるとこのままだと、ほぼ100%の確率でトウキョウを中心に世界中が吹っ飛ぶほどの()()()()が起こる。」

「はんてんじしょうってなんだ?」

「ほら、話したろ人間界の思念について。あれには陽と陰の属性があってな。陽で思念が集まる分にはまだいいんだ。ただ、陰の思念、負の感情ってやつが一か所に集まりすぎると...」

ドーン!

「うわ!」

「ハハハびっくりしたろ?」

「びっくりしたどころじゃない!そんなことが起こるのか?この東京を中心に?」

「ああ、本来繋がるはずのない妖精界、神界、挙句には魔界なんかと繋がっちまうともう手が付けられん。爆発なんか目じゃない事態になっちまう。」

本来、妖精界はともかく、神界や魔界は人間界とは何の関わりもない。それが一つになるのは是が非でも避けたい。だから神たちは事態を収拾させるために神界一の知恵を持つロキを遣わせた、という訳らしい。

「それじゃあ、あのバケモノどもは?タコみたいだったけど。」

「あいつらは思喰(オモクイ)って言ってな。陰の思念、まぁ簡単に言うと悲しいだの憎いだのっていう負の感情を食べる奴らなんだが...」

やれやれといった表情でロキは続けた。

「ほんとはあんなデカくねえんだよ。多分、この地域の陰の思念が強すぎて突然変異かなんかでも起こしたんだろう。」

「起こしたんだろうって...いい加減な奴め。」

「もともとそういうキャラだしな、俺。」

どうやら地上に降りてきても本来の性格は変わっていないらしい。大体のあらましを聞いた真は、ここから早急に移動しようと思い、こうロキに質問した。

「それで?俺は何をしたらいい?」

「お!いいねぇ。その前向きな態度。いつもなら毛嫌いするんだが今回ばかりはありがたい。と言いたいところだが...。」

ロキは急に真剣な表情で真の方を見た。何かあったのだろうか?

 

「お腹すいた。なんか食わせろ。」

 

 

 

 




嘘予告
マクドナルドならぬマコトナルドを開店した真。ハンバーガー大好きロキさんは大喜び!しかし、厨房には思喰が大量発生!どうする!?真店長(しんてんちょう)!それはそれとして筆者の夕飯はマックでした。
次回「厨房での死闘!業者応答せず!」お楽しみに!

本予告
ロキの栄養補給に立ち寄ったハンバーガーショップで襲撃を受ける二人。襲撃者は意外な人物だった!そして明らかになるロキの能力。果たして二人は無事に危機を脱せるのか?そして、晃を連れ去った人物とは?
次回「嘘つき男とほんとの力」

次回も厨二病全開で行きますのでよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。