戦場に舞う鴉達   作:TaMaNeGi

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Mission04

 

 ――他愛無い――

 

 戦っての感想がソレ。

 正直相手の戦力はそんじょそこらのゲリラが持つには上等すぎる装備だった。

 けれど結果はご覧の有様。

 周囲にはMTとヘリだったものが散乱している。

 

「所詮はゲリラってことか。」

 

 多分どこからかの依頼だったんだろう。

 でなければコレほどの装備を揃えるのは難しいはずだ。

 この機体はクレストのパーツを多用して組まれてるからクレストに対立する組織、まぁミラージュ辺りかそれとも他の中小企業か……。

 そもそもいくら試験用ACとは言えACに代わりはない。

 普通なら部品をバラして輸送ヘリやらで空輸するほうが安全なんじゃないか?

 何か裏があるのかそれとも……。

 

「まぁそんなことはどうでもいい。」

 

 それこそ日常茶飯、とまではいかないがよくあることだ。

 輸送物資の強奪やら破壊なんてのはな。

 深く考えるのは上の仕事だ。

 戦いを生業としてる人間の考えることじゃ無いだろう。

 

「とりあえず、戻るか。」

 

  

 

 

 

 

 

 

「さすが、と言った方がいいのかな。」

 

 彼が戻ってきて機体のチェックをしていた時だった。 

 

 敵戦力は結構な数いたはずだ。

 なのにあっという間に殲滅した。

 まあ、ACだからと言ってしまえばそれだけだろうけど。

 AC相手にMTで戦えという方が酷だろう。

 

 それでも被弾が殆ど無いのは少々驚きだ。

 あっても急所は必ず外している。

 ACは人型だし構造上どうしても脆弱な部分は出てきてしまう。

 そういう所への被弾が全くない。

 

「ACを熟知してる。」

 

 自分自身元レイヴンの身だ、是程の実力者なら大凡のアタリはつく。

 何よりも彼自身僕のことを知ってるような口ぶりだった。

 それに戦闘ログを見たけれど、この戦い方を僕は何度か間近で見ている。

 そんな実力者で仕事を一緒にしたことがある人間は一人しかいない。

 

「まさか生きていたなんてね。」 

 

 ある任務を境に姿を消した一人のレイヴン。

 救済者とも異端者とも言われた男。

 

「こんなところで会うなんて何か縁でもあるのかな?」

 

 確かレイヴン試験の時も一緒だったはず。

 予想以上のスピードで敵を落とすもんだから試験官がびっくりしていたのを覚えてるよ。

 

「彼が上手くて敵の増援まで来られたときは困ったけどね。」

 

 なにはともあれ、確認する必要はありそうだ。

 

 

 

 

 

 

 ――何時ぶりだったか――

 

 少なくとも年単位で乗ってなかったのは確かだ。

 それなのに特に違和感を感じることなく動かせてしまった。

 

「そうそう忘れられるもんでも無いんだけどさ。」

 

 俺自信もう乗らないだろうなんて思ってたものだから、むしろ久々に乗って少し興奮していた。

 最も相手があんなのだったからすぐに冷めたが。

 

「ただまぁ、林檎クンはコレで正体に気づいたんじゃないかな。」

  

 まさかアイツがこんな運び屋をやってるなんて思わなかった。

 しかも副長って呼ばれ方から察するにここのNo.2みたいだし。

 世の中わかんないもんだよな。

 

 俺と同期で何度か仕事も一緒にこなした。

 無難な機体構成と腕前も中々でサポートとしてはかなり有能だったんだがな。

 なにがあったのか。

 まぁ、他人の事情に突っ込む気もさらさら無いが。

 

「っと。噂をすればなんとやら、か。」

 

 部屋の入口にアイツが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先程は助かりました。」

 

 部屋のベッドで休んでいた彼に礼を言っておく。

 すると彼も起き上がって口を開く。 

 

「いや、あのままじゃ乗ってた俺も危なかったからな。気にするな。」

 

「そうですか。それと少し質問が。」

 

「何だ?」

 

 分かってるくせに、と内心思う。

 あっちも理解してるのか苦笑いになってる。

 

「貴方の経歴についてですよ。」

 

「そのことについては、まぁ。――お前さんの思ってる通りだ。」

 

「じゃぁ、やっぱり。」  

 

 どうやらそうだったらしい。

 

「とりあえず、詮索は特にしませんよ。ただ本隊の方には報告しますけどね。」

 

「いいのか? いや、まぁ聞かないってのならそれで助かるが。 ――怪しい奴には変わりないぞ。」

 

 自嘲気味に、かつ怪訝な顔で彼が聞いてくる。

 

「僕が知る貴方はそういう人間じゃないですからね。 じゃなければあんな事しようとするはずがない。 でしょ?」

 

 それを聞いた彼は苦笑いしながら「そうかい。」とだけつぶやいた。

 

「話はこれくらいです。 報告も入れないとなんで失礼させてもらいますね。」

 

 そう言って僕は彼の部屋をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全く、あっさりと臭いセリフを言ってくれるね。

 正直そんな崇高な動機があってやった訳じゃない。

 言ってしまえば自分のため。

 

 レイヴンを始めようとしたきっかけだって単に金が儲かるからだった。

 アリーナなんて特にそうだった。

 

 やめようと思えるようなこともあった。

 けれど俺にできることがもはやコレしか無かったこと。

 チャンピオンにリベンジ宣言をされたまま戦わずじまいってのも寂しかった。

 

 ミッションで共闘して妙に気に入られちまった奴もいた。

 娘を心配する父親からの愚痴を聞きながらの酒とかも。

 

 割りと気に入ってたんだよな。

 

 それに――

 

「って、やめやめ。」 

 

 まずいまずい、感傷に浸っちまうところだった。

 そんなのは柄じゃない。

 さて――。

 

「飯食って寝るか。」 

 

 

 

 

 

 

 

 

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