異世界は狙撃銃とともに。   作:細◯の兄貴、見ているかい?

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まず、ミスミドまで行くまで頑張る予定。
無限の救世主(メサイア)の方はチョット待って…執筆時間的にこっちのほうがやりやすい。


追いはぎ?

目覚めると空が見えた。

 雲がゆっくりと流れ、どこからか鳥のさえずりが聞こえてくる。

 起き上がる。痛みはない。立ち上がり、周りを見渡すと山々や草原が広がり、どこか田舎の風景といった感じだった。

....雄二の足元には、この世界の服とおぼしき物がある。

ここが異世界か。

大きな木が遠くに見える。その近くに見えるのは道だろうか。

 

「とりあえず道なりに進めば人に会えるか?」

 

 そう判断し、目の前の大きな木を目指して歩き出す。やがて道が見えてきた。これは確かに道だ。

 

「さて、どっちに向かうか、だが…」

 

 大きな木の根元で右手に行くか左手に行くか悩む。ううむ、右手に行けば一時間で、左手に行けば八時間で町に着く、とかだと困る…と思案していると、突然内ポケットのスマホが鳴った。

 取り出して見ると、「着信 神様」の文字。

 

「もしもし?」

『おお、繋がった、繋がった。無事着いたようじゃな』

 

 スピーカー部を耳に当てると神様の声が聞こえてきた。さっき別れたばかりなのに、なんか懐かしさを感じる。

 

『言い忘れとったが君のスマホな、マップとか方位とかもそっちの世界仕様に変えてある。活用してくれ』

「そうですか..... 助かりましたよ。ちょうど道に迷っていたもので」

......一応、何とかなるがな......

『やっぱりか。君を送るに町中にしてもよかったんじゃが、騒ぎになると面倒かと思ってな。人目のないところにしたんじゃが、それはそれでどこに行けばいいか途方に暮れるわな』

.....まぁ、そうだろうな...

「ええ、まあ」

 

 苦笑しながら答える。確かに雄二には行く当てがない。故郷も知り合いもないのだから。

 

『マップで確認しながら進めば問題なく町に着くじゃろう。では頑張ってな』

「了解。では」

 

 電話を切るとスマホの画面を操作し、マップのアプリを起動する。自分を中心にして地図が表示された。傍らに道が伸びている。これが足下のこの道だろう。縮尺を変えていくと道の先、西の方に町がある。えっと…リフレット? リフレットの町か。

 

「...向かうとするか...」

 

 雄二はこの世界の服に着替えコンパスアプリで方位を確かめ西へ歩き始めた。

 

 

 

 

雄二はやがてリフレットの町に着いた。

 町の門番らしき兵士に挨拶と軽い質問をされ、早々に入ることを許される。

服屋とおぼしき店には糸と針のロゴマークの看板があったが、その下の文字を見て、ちょっとまずいことに気が付いた。

 

「読めない……」

 

 看板の文字が読めない。これはかなりまずくないだろうか。話はできるが文字が読めないとは…。まあ、会話はできるのだから誰かに教えてもらうことは可能だろうが…。勉強しないとな。

雄二は前の世界の服を売ることにした。

.....あまり、目立つわけには行かんからな......

 

服を売ろうとすると

 

「お帰りなさいませ、オーナー」

 

 店員たちの言葉に雄二はちょっと驚く。

「うむ......それは....!?」

雄二がカウンターで今、まさに売ろうする服を見て言う。

 

「......君こっち来てくれ!!!」

 

 

 

 

 店主(ザナックさん)は雄二を急かすように試着室(カーテンで仕切られた部屋ではなく本当の小部屋)へと押し込んだ。そして、何着かの服を持ってくる。着替えるため、上着を脱いで、その下には前の世界の灰色のTシャツを着ていたのだが、それを見てザナックさんの目の色がまた変わった。

 

「!? き、君、その下の服も売ってくれんかね!」

 

追い剥ぎか……

 

 

 

 結局、ザナックさんには身ぐるみ全部売る羽目になってしまった。靴下から靴まで全てだ。トランクスまで売ってくれと言われた時は正直げんなりした。気持ちはわからないでもないけど、俺の気持ちもわかって欲しい…。俺に男色家の毛はない……

 

 代わりに用意してもらった服や靴は、動きやすく丈夫そうで、自分的には文句はなかった。派手でもなくシックな感じでなかなかである。これなら目立つこともないだろう。

 

「それでいくらで君の服を売ってもらえるかね。むろん、金に糸目はつけんが、希望額はあるかい?」

「.....じゃあ、金貨十枚で..」

雄二は店内にある商品が目の前のカウンターで売られているのを聞き耳をたてて見て少々吹っ掛けて希望を言う。

「…。よし、じゃあ金貨十枚ということで」

 

 金貨十枚がどれだけの価値なのかさっぱりわからない俺としては頷くしかない。

 

「では、それで」

「そうかね! ではこれを」

 

 ジャラッと金貨十枚を渡される。大きさは五百円玉ぐらいでなにかライオンのようなレリーフが彫ってあった。これが自分の全財産なわけだ。大切に使うとしよう。

 

「ところでこの町に宿屋のようなところはありませんかね。陽が暮れる前に寝場所を確保しておきたいのですが」

 

にこやかに、親父に仕込まれた交渉術で尋ねる。

 

「宿屋なら前の道を右手に真っ直ぐ行けば一軒あるよ。『銀月』って看板が出てるからすぐわかる」

 

 看板があっても読めないんですけど…。まあ人に聞いて進めばわかるだろう。言葉は通じるのだから。

 

………言葉が通じなかったことで……死にかけたことを考えれば……

 

「わかりました。ではこれで」

「ああ。また珍しい服を手に入れたら持ってきてくれたまえ」

 

 ザナックさんに別れの挨拶をして、外に出る。陽はまだ高い。内ポケットからスマホを取り出し、電源を入れると午後二時前だった。

 

「…これって時間合ってるのか…?」

 

 まあ、太陽の位置からしてそんなに大きくズレてはいないと思うが。

 ふと、思い立ってマップアプリを起動する。すると町中の地図が表示され、現在地や店などの名前まで表示されていた。これなら迷うことはない。宿屋『銀月』もちゃんと表示されている。それにしても……。

 ザナックさんの店を振り返る。

 

「この看板…『ファッションキングザナック』って…書いてあったのか…」

 

 ちょっとザナックさんのネーミングセンスを残念に感じながら、雄二

は宿屋へと歩き始めた。

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