最も新しき神話の傍観者   作:わんこカフェ

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ダラちゃん本気出す?


神々の黄昏

神々の楽園(アルカディア)と呼ばれる星が、次元ができてどのくらいになるだろうか?ある世界軸の最も力を持った一柱の神が全平行世界、を含む数多の世界に一斉に呼び掛けた。

「このままでは、あらゆる世界において、生命の信仰心が弱まり、神がいずれ滅びてしまうだろう。到底そんな事など認められない。滅びを避けるために、我々だけの楽園を作ろうじゃないか、またいずれ来る神の時代の為にそこで力を蓄えようではないか。」

...と。

その声に賛同した異なる世界の数千にも及ぶ神々はあるひとつの世界軸を新たに創造し、そこに住んでいる神々の活動に必要不可欠なエネルギーに満ち満ちた巨大な星を形成した。

これが神々の楽園(アルカディア)の始まりである。

 

だが、その星は窮地に立たされていた。原因は神々の数が減った事に因るエネルギー不足であった。

通常、神は己を信仰してくれている、あらゆる生命体の信仰心を活動エネルギーとしているが、当然、神しか生命が存在していない(黄金リンゴはある。)のでは、信仰によるエネルギー回収は出来ない。

そこで、星の創始者達が考え出したのが、神造のエネルギー増幅装置である。これに、それぞれの神がエネルギーを注げば、注入されたのと、同じ種類のエネルギーが3倍程になって戻ってくる、という何とも当時最高の力を持った神々が協力して作ったに相応しい能力だった....................

が、時がたち、ある弱点が露呈していた。

それは、その機械が優秀過ぎるが故に数億年たち神々達が世代交代すると同時に、その製造方法を知る者が居なくなってしまったのである。神にあるまじき失態なのだが、その当時は誰も想像してなかったのである。

 

 

 

 

 

 

まさか、機械が段々劣化していっていると、使えなくなる数百年前に漸く気付き、代案が思い付かず、あわてふためいている姿など...

誰が予想していたか...

 

 

 

 

 

 

そんな中で、朗報とも言うべき、2つの情報があった。

一つ目が、当時技術開発を担当していた、鍛神らが、1000年弱でエネルギー補給装置の仕組みを解明し複製できるとしたためである。

そして、2つ目。これをもたらしたのは、上位の死神に仕える、7体の悪魔の内の一人で、基本的にダラダラしていて、特に印象に残っていなかった、怠惰の悪魔であった。

その案とは、外界から魂を一つ連れてきて、エネルギーを増幅させる生物を作れば良いと。意外かも知れないが、事エネルギーなどの複雑怪奇な仕組みの物に関しては、それ専用の力を持つ生物を産み出したほうがずっと簡単だし、ローコストですんだ。

 

だが、当時の神々は失念していた。先達達が何故、生命の創造のほうがずっと簡単でローコストなのに、機械で代用することにしたのか。自尊心と慢心に満ち溢れた当時の神々には気付く余地もなかった。

 

飼い犬に手を噛まれる。

 

これからの神々の状況を説明するのに、これ程ピッタリな言葉も早々ないだろう。

 

 

―・―・―・―・―・―・―・―・―

 

ふと眼が覚める。確か、私はあの胡散臭い悪魔との取引で、モンハンの世界にダラアマデュラとして転生させられるはずだった。

だが、目の前の光景は明らかにモンハンの自然溢れるそれではなかった。実際に私はダラアマデュラにはなったのだろう。体は感覚で蛇に近いそれだし、目の前の人びとが小さく見えた。

だが、同時に目の前のそれが、モンスターの本能か、一対一でも、確実に勝てないと確信させる物だろう。神か悪魔か、どのように呼ばれる物か知らないが、今の自分よりは上位の存在だろう。

そう状況を分析していた私にある術式が干渉してきたのが解った。少し解析してみるとそれは自らの生命エネルギーを吸いとる術式と逆らえない様にする術式だった。

あぁ、成る程。私はこいつらに利用されようとしているのか、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...断じて許せない!そこまで殺して欲しいのならよろしい。

ならば、戦争だ。自ら仕込んだ毒で、そうとは気付かず、無様に滅んでいくがいい。

 

 

 

 

 

退屈は最も辛い拷問だと言うが、龍の中に入った少女の魂にとっては、非常に短い物だった。

 

 

そして、ついにその日は来てしまった。突如自分の体に発症した謎のエネルギーに蝕まれ、その力が半分程しか発揮できなくなったのである。そして、神がエネルギー確保に数千年前から飼っていた、隷属の術式にかかって絶対に逆らえないはずの龍が、その枷を外し、襲いかかって来たのである。真の姿を現したと思われるその龍は異様に大きく、神が数十集まった所で、歯が立たないのを悟らせるには十分であった。

だが、いまこの星に存在する神は2000に達していた。それだけの神が一同に会せば、さしもの龍も敗北を免れなかっただろう。

そこで、龍が取った作戦はシンプルにして、寡兵の取る最良の作戦である、各個撃破だった。

 

神と龍の戦いは数十年に及び、生き残った200程を除き、全滅した。

 

これが、今から数億年前の史実にして、神々の時代の終わり、神々の黄昏の始まりとなった出来事である。

 

その戦いの余波で吹き飛んだ次元の数は億に届き、また、新たに創造された宇宙の数は数億を越えた。




はい、一話で地球に降り立ったのは分身でした。本体は恐らく、レイアちゃん、ルーツちゃん、ボレアス、バルカン、ジェストなど主要メンバーが本気を全員出して、エクセリアのもと協力して、漸く五分といった感じです。はい、ラスボス確定。

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