「たーだいま―――!お~待たせ~~!」
そう言いながらドアを開けて、部屋入った次の瞬間、どよめいた。
「あらぁ?メソちゃ~~~ん?」
シュナさんが、楽しそーうな声を上げた。
?!?
あ!!
絶対、この花のことだ・・・!
うううぅぅ・・・、恥ずかしい・・・。
「いいね!!似合う!似合う!!」
とスズナの声が響く。
「ほほう・・・」
マコノフさんは、むしろ感心したような声を漏らした。
「洒落たことするなぁ―。からすさん」
マコノフさんは、本当に感心しているみたいだ。
「かぁわいくなっちゃって――」
そう私に言った後、シュナさんはからすさんに向き直った。
「いらっしゃい!お久しぶりね」
「ご無沙汰してます」
からすさんは、ちょっと慌ててお辞儀した。
「さあ、こっち!こっち! また会えるのを楽しみにしてたよー!」
マコノフさんが嬉しそうに、奥のテーブルにからすさんを手招きした。
テーブルには、シュナさんのニャトーロマーネも、スズナの熱帯イチゴ酒も、マコノフさんの黄金芋酒も、そして、私が置いたからすさんのレウスウィスキーと、私のハップルアップルシードルも勿論用意されていた。
私はからすさんから氷を受け取って、すぐさま一袋をスズナに渡した。
実は下戸のスズナ。
早めに氷で割って、氷を溶かしておいて、ちょっと薄くなっている位が丁度いいのだ。
スズナは、自分のグラスに氷をたっぷりと入れ、シュナさんが樽から出してくれたであろう熱帯イチゴ酒を氷の上から少し注ぐと、袋の中の氷水を追加した。
その後、木製のアイスペールに残りの氷を入れてくれたら、山盛りになってしまった。
私は、樽ジョッキに黄金芋酒を半分ほど注いで、氷が溶けた冷たい水を、氷袋から8分目位まで注いだ。
「お。ありがとう」
と、マコノフさん。
「いいえぇ」
応える私。
そうして、氷袋の水を切って、キッチンの大きな保冷庫の中で一番冷える場所に入れた。
テーブルに戻って、マコノフさんの隣に座ったからすさんのグラスに、山盛りのアイスペールからたっぷり氷を入れて、レウスウィスキーを注ぐ。
「・・・ありがとう!」
何だかとても嬉しそうに、からすさんは笑顔を見せた。
「? うん。どういたしまして」
私は、若干戸惑いながらも、笑顔で応える。
シュナさんのグラスには、スズナが、少し冷やしたニャトーロマーネを注いでいた。
自分のグラスにもシュナさんが保冷庫の一番下から出してくれたと思われるハップルアップルシードルを静かに注いだ。
うん、よく冷えていそう。
シュナさんが、棚からマタタビ酒を出すと、オトモたちは目を
「ぷぷっ。ちょっと!みんな、マタタビ酒に反応しすぎ!!」
私は、つい吹き出した。
「ほーんと、あんたたち、マタタビ好きよねぇ~」
スズナが呆れ気味に口にした。
「はい、ほら。仲良く分けるのよ。今日はこれ以上、出さないからね!」
シュナさんはそう言って差し出す。
まだグラスを持っていなかったミツが、自分たちの体の半分近くはあろうかという大瓶を受け取った。
目をキラキラさせて、グラスに注ぎ合っている。
「お。全員分揃ったか? よし!じゃぁ・・・。からすさんとミツくんのご来訪を祝して・・・」
「え!?」
「っぷ!・・・ご来訪って・・・」
マコノフさんの言葉に驚いて困惑するからすさんと、またしても吹き出した私。
「何で笑うんだよ。合ってるだろ?」
ちょっと不満そうなマコノフさん。
「うん。うん。合ってる、合ってる。ぷぷ」
まだちょっとくすくす笑いが止まらないまま、私は答える。
「じゃ、気を取り直して・・・。かんぱ――い!」
マコノフさんの音頭に合わせて、一斉にグラスを掲げる。
「カンパ―――イ!!」
みんなとグラスを掲げ合った後、隣のからすさんとグラスを掲げ合う。
にっこり微笑むと、からすさんも楽しそうな笑顔を見せた。
オトモたちから、冷やかしのような歓声が上がる。
「はい!ほら、そこ!みんなの前でイチャつかない!」
シュナさんから、ツッコミが入る。
「な!イチャついてないよっ!!!」
私が頬を熱くしながら反論するも、逆にみんなの爆笑を誘っただけだった。
「もうっ」
若干憤慨しながら、私はすとんと椅子に座る。
「メソちゃん!かわいいわよ!」
そこへ、更にシュナさんの
「シュナさん!!」
私が叫ぶのと、全員の笑い声がさらに弾けるのは同時だった。