子供好きの聖杯戦争   作:名無之助

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第一話

熊に襲われ格闘し、命を落とした挙句、ギルガメシュ叙事詩より遥か昔に転生してしまった俺は、取り敢えず、村の子供たちを楽しませるために、昔に書いていた黒歴史な小説を思い返しながら、それを子供たちに話し、また、粘土板に思い出した小説を書き出していた。

 

そして、それがすごく恥ずかしい事なのでは?と気づいた俺は、全てを書き出し終わったばかりの粘土板を、地面に埋めた。

 

いや、村人に変な目で見られたけど、これ見られるよりマシだし。

 

この時、ちょっと表紙?を作って見たが、それも埋めた。

 

恥ずかしいから。

 

でも、村人に書いてる時見つかりかけたのは焦ったわ…幼女で無かったら口封じしてるところだ。

 

やっと埋め終わって一息つく。

 

そして願う、誰も、見つけないでね?……と

 

 

ーーーー

 

 

 

現代において、最も古い英雄譚として知られていたギルガメシュ叙事詩だが、その認識は、百年程前にイギリスの考古学者による発掘で発見されたモノによって覆された。

 

いや、それ以前から、ギルガメッシュよりも古い英雄の存在は指摘されていた。

 

ギルガメッシュを始め、多くの英雄譚に出てくる英雄達は、その多くが、それを裏付けるように、何らかの形でそれを示していた。

 

それを、証明したのが、発見された何枚もの粘土板であった。

 

粘土板には、ギルガメッシュよりも古い英雄譚が描かれていたのである。

 

著者は彼の戦いを間近で見ていた一人の青年とされ、最初の粘土板には、一人の人間と、獣、龍が描かれており、一文が添えられていた。

 

【これは、人々の記憶、歴史の記憶、世界の記憶、神々の記憶、数多の記憶より消され、その存在した事実をも忘却されし英雄の記録、我が記憶より消え去るその前に記す。願わくば、後世の世で、真なる英雄となるものに、この書が渡らん事を切に願う】

 

そして、考古学者により、粘土板に記された物語は、瞬く間に世界に発表された。

 

あるところに、一人の人間と、巨大な白き獣がいた。

 

人間は名をヤマーテ 白き龍は ハク と言う。

 

ヤマーテは、白き獣 ハクと共に旅をしていた。

 

ある時、銀色の獣が天より降りてきた。

 

銀色の獣は、刺々しい迄の神々しさを放ち、そして、辺りのものを破壊し、暴れた。

 

ヤマーテと白き獣は、三日三晩戦い続け、銀色に獣に勝利する。

 

されど、白き獣 ハクは傷つき、遂に力尽きてしまう。

 

白き獣 ハクは、最後に自らの牙で剣を鍛え、死後も共に戦いたいとヤマーテに伝えた。

 

ヤマーテは、白き獣 ハクの牙で一本の剣を鍛え、爪と皮を用い鎧を作った。そして生涯、その剣と鎧を手放すことはなかった。

 

そしてヤマーテは、その後も旅を続け、ある時は闇の洞窟にて地を這う黒き魔物と戦い、またある時は、白き龍と出会い、白き龍と共に、空を覆う闇の軍勢と死闘を繰り広げた。

 

最後の戦いでは、大地を覆う闇の軍勢、空を覆う邪悪な軍団と対峙、白き龍の軍団と共に十日の間激闘を繰り広げ、白き龍とその軍団は傷つき、力尽きてしまう。

 

そして、遂に闇と邪を統べる王を名乗る邪神、サテンと、英雄 ヤマーテの戦いが始まる、

 

山は砕け、空は裂け、大地は割れ、海は大きく荒れた。

 

戦いは三日三晩もの間続き、英雄ヤマーテは遂に邪神 サテンを倒すことに成功する。

 

 

しかし、英雄ヤマーテは、邪神サテンとの戦いにより受けた傷により、倒れた、だが剣はしっかりと手に握られていた。

 

それを見ていた邪神サテンは最後の力で、英雄ヤマーテに呪いをかけた。

 

【貴様ハ全テノモノカラ忘レ去ラレ、存在スラ消エ失テモラウ、我ノ怨ミ思イ知レ】

 

邪神ハ最後にそう言い残し、消滅した。

 

英雄ヤマーテは、邪神の呪いにより、忘れ去られ、存在すら人々の中から消されてしまったのだ。

 

人々は、この物語を【忘却の英雄譚】と呼んだ。

 

 

ーー

 

日本国 冬木市

 

ある古ぼけた屋敷の地下室で、老人と、白髪の青年が、魔術を行使し、何かを召喚しようとしていた。

 

青年はある少女を救うために、聖杯戦争と言うものに参加するために、嘗ての英雄を召喚しようとしていた。

 

バーサーカーとして…。

 

 

 「――――――告げる」

 

 「――――告げる。

  汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

  聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

 「誓いを此処に。

  我は常世総ての善と成る者、

  我は常世総ての悪を敷く者。

 

  されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。

 

  汝三大の言霊を纏う七天、

  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

魔法陣が明るく光り、光を放つほどの純白の鎧を着た男がそこには立っていた。

 

「…貴様は一体何も……」

 

「………不快だ」

 

男は、そう呟くと、腰から剣を抜き、臓硯が何か反応を示す前に瞬時に斬撃を飛ばし、臓硯の首を刈り取った。

 

 

しかし、臓硯がこの程度で死ぬわけがない。

 

「無駄なことを、その程度で……む?…ば、バカな……なぜ、何故だ!?アグ…焼け…る……な……に………を…ーーー」

 

突然苦しみ出した臓硯が、倒れ、次に崩れ去る。

 

俺は信じられない光景を目にし、しばらく呆然としていた。

 

其れこそ、自分を苦しめていた蟲が体内から消滅している事に気付かない程の衝撃だった。

 

 

そして、彼は俺に名を名乗ったのだが、そちらの方に、俺はさらに大きく衝撃を受けるのだった…。

 

「我が名は、ヤマーテ…白き獣、白き龍と共に戦いし者也」

 

「………………うそ……だろ?」

 

この後、暫くして波乱の聖杯戦争が幕を開けた。

 

 

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