では、どうぞ!
「兵藤さん、よろしくお願いします!」
「あぁ、こちらこそよろしく頼むよ」
俺は現在、アーサーの妹であるルフェイ・ペンドラゴンと対峙している。
兄である騎士のアーサーと違い、妹のルフェイちゃんは魔法使いなのだ。
「ルフェイちゃんは凄腕の魔法使いらしいね。アーサーが言ってたよ」
「そ、そんな!私なんかまだまだ未熟ですよ!」
謙遜するルフェイちゃんだが、褒められたのが嬉しかったのか、頬が少し赤く染まっており、少しだが嬉しそうに微笑んでいた。
やだ、何この子可愛い!
っと、いかんいかん。これから模擬戦するんだから余計なことを考えないようにしなければ。
それにしても、魔法使いか。俺がこれから変身するライダーとの相性は良いな。あれって対魔法使いに特化してるからなぁ~。
「さて、始めますか」
俺は両手の中指にそれぞれ指輪を嵌める。赤い枠で掌の形のしたベルトのバックルに右手を翳す。
《DRIVER・ON!NOW!》
すると、バックルが右手の中指に嵌められた指輪『ドライバーオンウィザードリング』に反応し、銀色のベルト『ワイズドライバー』を出現させる。
バックルの横にある『シフトレバー』を右手で操作し、中央の『パームオーサー』を左に切り替える。
《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!》
ドライバーから低い呪文のような音声が鳴り響く。俺は左手の中指に嵌めた琥珀色の指輪『チェンジウィザードリング』のカバーを下ろし、左手を拳にして軽く前に突き出す。
「変身……!」
《CHANGE!NOW!》
左手をパームオーサーに翳す、チェンジウィザードリングにベルトが反応し読み込む。
すると、目の前に琥珀色の魔法陣が出現し、俺の身体を潜る。潜り終わると、俺の姿は変化していた。
白を基調とし金のラインが描かれたフード付きのローブ、宝石のようなゴツゴツとした仮面、左右の肩から下に掛けられた複数の指輪。
万物を司る白き魔法使い【仮面ライダーワイズマン】へと変身を遂げる。
ワイズマンに変身した俺を、ルフェイは「ふぁ~!」と言う声を出しながら問い掛けてくる。
「魔法使いの仮面ライダーにも変身出来るんですか?凄いです!」
「アハハハッ、ありがとう」
まさか、これ程までに喜んでくれるとは……うん、悪くないな。
《ルパッチ・マジック・タッチゴー♪ルパッチ・マジック・タッチゴー♪》
《CONNECT! NOW!》
俺は再びシフトレバーを操作し、パームオーサーを切り替える。ベルトから待機音声が鳴り響く中、右手のドライバーオンウィザードリングを『コネクトウィザードリング』に替えて翳す。
音声と共に俺の右側に琥珀色の魔法陣が出現し、魔法陣から飛び出しているあるモノを掴み、魔法陣から抜き出す。
抜き出されたモノは、横笛と剣が一体化したワイズマンの専用武器『ハーメルケイン』である。
ハーメルケインをくるりと回して左手に持つ。
『戦闘、開始!』
「行きます!」
「見せて貰おうか、魔法使いの実力を」
△▼△▼△▼△▼△▼
先に攻撃を仕掛けたのはルフェイだった。自分の周りに三つの魔法陣を展開し、そこから濃縮された球体の魔力弾が発射される。
魔力弾は真っ直ぐワイズマンへと向かって行く。
ワイズマンは、専用武器であるハーメルケインを振るって飛んで来た魔力弾を切り裂く。
再びルフェイの周りに三つの魔法が出現し、魔力弾が放たれる。その魔力弾は先程とは違い、三つの魔法陣から無数に放たれた。狙いは勿論、ワイズマンである。
ワイズマンは、直撃しそうな攻撃をハーメルケインで切り裂き、他は横に回避したりアクロバティックな動きで全て避ける。
攻撃を回避し終えても安心は出来ない。何故なら第二波が迫っていたからだ。
流石にマズイと思ったワイズマンは、肩から下に掛けている指輪を一つ手に取り、コネクトの指輪を外して付け替える。
《YES!THUNDER!UNDERSTUND?》
パームオーサーを切り替えてベルトに翳す。右手を前に突き出すと同時に魔法陣が出現し、そこから強力な雷が放たれて、迫っていた攻撃を全て無力化した。
魔法を発動し終えたら、直ぐに指輪を別のに交換し、ベルトを操作して発動する。
《YES! BLIZZARD!UNDERSTUND?》
右手を前に突き出し、魔法陣から強力なブリザードが数メートル離れたルフェイに放たれた。
ルフェイは、冷静に自身の前に防御魔法陣を展開、ブリザードを防ぐ。
よく見ると、ルフェイが展開した魔法陣が凍っていた。ワイズマンの発動した魔法がどれだけ強力だったのかが伺える。
ワイズマンはローブをバサリと翻しながら視線をルフェイに向ける。
(魔力弾の一発一発の威力が高いな。あれだけ撃ったのにも関わらず、息が乱れてない。序の口ということか)
ワイズマンがそう内心で思っていると、ルフェイが次の行動に移っていた。
先程よりも更に多くの魔法陣を展開し、大量の魔力弾が放たれた。
同じ攻撃か?と思いながら迫る魔力弾を避ける。だが……
(なに!?)
避けた筈の魔力弾が急に方向を変えて、ワイズマンの方に戻ってきたのだ。
(ホーミングか!)
それを切っ掛けに、他の魔力弾も急に方向が変わり。右、左、上からと攻撃が迫る。
それでも、ワイズマンはハーメルケインで凪ぎ払い、持ち前の身体能力で回避し、魔法で防ぐ。
だが、ルフェイの攻撃は止まらない。更に魔法陣を増やして攻撃する。放たれた魔力弾が分裂していき、あり得ない量の魔力弾の雨がワイズマンに降り注がれようとしている。
ワイズマンは、左に持っていたハーメルケインを横に倒して両手に持ち替え、それを仮面の口の部分に当てる。
すると、ハーメルケインから綺麗で幻想的な音色が奏でられる。ハーメルケインから琥珀色の波動が放たれ、降り注がれそうになっていた魔力弾は全て霧散していった。
「そんな!?」
流石のルフェイもこれは予想外だったようで、その顔は驚愕に染まっていた。
「そろそろ、フィナーレだ」
ハーメルケインを再び左手に持ち直し、新たな指輪に付け替える。
《TELEPORT! NOW!》
ワイズマンの足下に白い円形の魔法陣が出現し、呑み込むようにワイズマンの体が消える。
「ど、どこに……!」
狼狽えるルフェイ。そんなルフェイの後ろに先程の白い魔法陣が出現してそこからワイズマンが現れ、ハーメルケインを突き出す。
それに気付いたルフェイは、防御魔法陣を展開して防ごうとする。だが……
「えっ?」
ハーメルケインの刀身は、防御魔法陣に防がれる所か、すり抜けてきたのだ。これには理由がある。ワイズマンの専用武器であるハーメルケインの刃は、魔力や魔法で構成されているモノであるなら、問答無用で切り裂いてしまう効果を持っているのだ。
例え、空間を切り裂く斬撃でかすり傷すら付かない超装甲だろうと、それが魔法で構成されているのなら容易く切り刻めるのだ。
ハーメルケインは、ルフェイの眉間に当たる寸前で止まっている。
これにより、勝敗は決した。それと同時にアナウンスが鳴り響く。
『戦闘、終了!』
「ま、参りました」
ハーメルケインを下ろすと、ワイズマンの身体を魔法陣が潜り抜ける。潜り終わると、変身が解除されており、元の一誠に戻っていた。
「大丈夫ルフェイちゃん?怪我はない?」
「はい!大丈夫です!」
「そう。良かった」
怪我が無いことに安堵をつく一誠。そこからは、出口までルフェイと先程使った魔法に付いて話し合った。
そして、模擬戦ルームの外で他のメンバーが集まっていて、ヴァーリが戻ってきた一誠に向けて言葉を掛ける。
「一誠くん、最後の戦闘訓練になるけど、大丈夫?」
「大丈夫だよ。さぁ、始めようぜ」
そう言って笑う一誠。
今代の『白龍皇』と『ダークライダー』の戦闘が始まる。
いや~、ルフェイの戦闘シーンは悩みました。
ワイズマンって格好いいですよね!原作でも、笛木の戦闘能力も合わさってかなり無双してましたよね。
残念なことに、今回はワイズマンの代名詞と言ってもいい魔法であるExplosionは使用していません。別の機会に使いたいと思います!
感想お待ちしてます!
次回 兵藤一誠のダークライダー戦記
第12話 戦闘訓練5 白龍皇VS永遠の名を持つ戦士
次回もお楽しみに!