そう、チャリは聖剣より強いのさ!
そして、今回はフリード・セルゼンの代わりとなるエクソシストが登場します。まぁ、登場するのはエクスカリバー編だけですけどね!
では、どうぞ!
「お茶どうぞ」
「ありがとう一誠くん!」
「すまない、頂くよ」
イリナとの再会を果たした俺は、外で話すのもあれだったので、二人を部屋に招き入れた。
俺は招き入れた二人にお茶を出して向き合うように座る。
「それじゃあ、改めて自己紹介をしよっか!と言っても、一誠くんは私の事を覚えてたから良いとして。私の隣に居るのがゼノヴィアよ!」
「ゼノヴィアだ。今はイリナと行動を共にしている。よろしく頼む」
「俺は兵藤一誠。イリナの幼馴染だ。よろしく、ゼノヴィアさん。イリナも」
「うん!」
「あぁ」
俺達は互いに自己紹介を終える。
幼馴染である紫藤イリナは、幼稚園時代によく一緒に遊んでいたことがある。
でも、イリナのご両親の都合で小学校に上がる前に海外に行ってしまったのだ。
そう考えると、イリナとは約十年振りの再会になるのか。月日が経つのは早いもんだなぁ~。
幼稚園時代のイリナは、今と違い髪も短くて俺の男友達と一緒にヒーローごっこや鬼ごっこ等をして遊んでた為か、最初は同じ男だと思ってた時期があったな。
後々、イリナ本人から『私は女の子だよ』と告白されたんだったかな?あまりの驚愕の出来事だったので覚えている。
今では、昔とは比べ物にならない程の美少女になっちゃって。
イリナの隣に居るゼノヴィアさん、彼女はクール系美少女だな。邪魔にならない程度の長さの髪に、落ち着いた雰囲気の持ち主。イリナとは見事に正反対だな。
まぁ、ヴァーリの方が可愛いと思うけどね。
俺が内心考えていると、イリナが話し掛けてくる。
「一誠くん……その……一誠くんのご両親の事なんだけど」
「あぁ、知ってるんだ」
「うん、まさか引っ越してるとは思わなかったから、一誠くんが前に住んでた家に向かったんだ。そしたら、家には誰も住んでないし、近所の人に聞いたらご両親が事故で亡くなって、一誠くんがここのアパートに引っ越したって聞いて」
「あぁ、それで合ってるよ。俺が中学二年生の頃に交通事故で……な。心配しなくとも、俺はこの通り元気だよ。いつまでも悲しんでたら、シャキッとしろ!って死んだ父さんと母さんに怒られちゃうからな」
「そっか。一誠くんが元気で私も安心したよ」
そう言って、イリナは俺に微笑み掛ける。
その後、俺達三人は昔話を交えて談笑した。ゼノヴィアさんに昔のイリナがどうだったかとか、二人の海外での生活はどうとか等。
気付けば夕方になっており、二人は宿泊先であるホテルに帰っていった。二人が帰る際に、イリナから「夜は出歩るいちゃ駄目だよ!」と言われた。
二人が帰った事だし、一度整理してみようか。
イリナとゼノヴィアさん、二人は教会から派遣されたエクソシストだ。野暮用があって来たと言っていたが、恐らくコカビエルの聖剣強奪の件だろうし。
何より、ゼノヴィアさんが傍らに置いていた布が巻かれた長方体の物。あれから、ヴァーリチームのメンバーであるアーサーが持っていた聖剣特有のオーラを微かに感じた。
ヴァーリからの情報だと、コカビエルが強奪した聖剣は三本。
アーサーが所持している
残りは教会が保管している
の三本で、計七本あることになる。
元々は一本だったエクスカリバーが、三大勢力による戦争中に折れてしまい、折れた聖剣を錬金術師が修復した結果、七本に分かれたそうだ。
「まぁ、なんで天使勢力がエクスカリバーを所持しているのかが疑問だけど……ん?」
俺が考えに耽っていると、町全域に放った内の一体であるタカカンドロイドが窓の外からコンコンと叩いていた。どうやら何か発見したようだ。
タカちゃんにコカビエルか?と聞いたら首を横に振られた。どうやら、発見したのはコカビエルではなくはぐれ悪魔らしい。
久し振りに出たな、あの廃工場以来か。頼むから悪魔勢力もその辺の対応をちゃんとして欲しい。
「さて、確認しに行くか」
部屋を出て、赤い薔薇を模したロックシードを取り出して解錠する。それを空中に放り投げると、巨大化してバイクに変形する。ロックビークルのサクラハリケーンと同型である薔薇を模したバイク『ローズアタッカー』である。
俺はローズアタッカーに乗り、タカカンドロイドの後を追う。
到着した場所は、木々に覆われた廃墟になった古い洋館。俺は少し離れた場所からその洋館を観察している。理由は……
「ちょっ、ゼノヴィア!そいつを殺しちゃ駄目だからね!」
「分かっている。捕縛して残りのエクスカリバーの在処を聞き出す!」
「ふっ、そう簡単に捕まりませんよ?」
イリナとゼノヴィアさん、神父服を着た男が得物である剣を振るって戦っている。
しかも、三人の剣から聖剣のオーラを感じる。恐らく、あれがエクスカリバーなのだろう。となると、あの神父服の男はコカビエルの仲間か?
「仕方ない、直接聞くか」
俺はピンクのレバーが取り付けられた蛍光色が強い緑のバックル『ゲーマドライバー』を取り出し、下腹部に装着する。
そして、服のポケットから『MIGHTY ACTION X』とラベルに書かれた紫色のグリップが付いたゲームカセット『プロトマイティアクションXガシャット』を右手に持ち、起動スイッチを押す。
《 MIGHTY ACTION X!》
ガシャットから音声が鳴り響くと、特殊な空間『ゲームエリア』が展開される。俺の背後には紫色のゲーム画面が出現し、そこから幾つもの茶色のブロックがゲームエリア内に散らばる。
右手を前に出し、ガシャットを半回転させて、ドライバーの中央よりのスロットに装填する。
「……変身」
《ガシャット!》
《レッツゲーム! メッチャゲーム! ムッチャゲーム! ワッチャネーム!?》
ガシャットをスロットに装填すると、キャラが描かれた複数のパネルが俺の回りに出現し、目の前にきたパネルを左手でタッチする。タッチすると『Select!』という文字が浮かび上がり、他のパネルが弾け飛び、タッチしたパネルが俺を包み込む。
《アイム ア カメンライダー!》
次の瞬間、俺の体はギザギサ頭でずんぐりとしたゆるキャラのような姿【仮面ライダーゲンム アクションゲーマーレベル1】に変身した。
「……グレード2」
《ガッチャーン! LEVEL UP!》
静かに告げ、ドライバーのレバーを展開する。
《マイティジャンプ! マイティキック!》
ドライバーから紫色のディスプレイが放出され、体を通り抜ける。すると、レベル1のボディが分離し、大きさは元の等身大に戻る。
《マイティーアクショーン! エックス!》
黒のアンダースーツには複数の紫のラインが走り、背中には瞳がないレベル1の頭部が装着され、ギザギサの黒い頭部、胸部装甲にはコントローラーのボタンを模した管理モジュール『エクスコントローラー』が配置され、自身の残存体力を表示する『ライダーゲージ』が表示されている。
自らをゲームマスターと名乗り、終には神となった黒き
「コンティニューしてでもクリアする!」
俺はコンティニュー出来ないけどな。
レベルアップした俺は、グリップナックルと呼ばれる物に紫色のパッド型武器と合体した『ガシャコンバグヴァイザー』を右手に持ち、洋館で戦闘を行っている三人の元へ歩き始める。
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何故、ホテルに向かった筈のイリナとゼノヴィアが廃墟になった洋館で強奪されたエクスカリバーの内の一本である天閃の聖剣を持ったはぐれエクソシストと戦っているのか。
単に、道に迷っただけなのだ。
事の発端は、ホテルに向かう最中にイリナの「こっちに行けば近道になるよ!」という発言が切欠である。
ゼノヴィアは駒王町の土地勘を完璧に把握していない為、最初は断ったのだ。
だが、イリナが「絶対に大丈夫だよ!」としつこく言ってきたので諦めたのである。約十年前とは言え、イリナは駒王町に住んでいた。なので信じて付いて行ったのだが、案の定、道に迷った。
住宅街から離れていて、気が付けば木々が生い茂る場所に居たのだ。
「ハァ~、やはり道に迷ったか」
「ちょっと!なによその溜息!」
「溜息も出るさ。あれだけ自信満々に言っていた結果がこれなのだから」
「うっ!?」
イリナはゼノヴィアの溜息に文句を言おうとしたが、彼女に痛いところを突かれた為、何も言えなくなった。
「仕方ない。早くここから抜け出してホテルに向かおう。明日はこの町の管理者であるリアス・グレモリーと会うことになっているんだ。ホテルに帰って明日の為に早く休みたいんだ」
「わ、分かってるわよ」
そう、ゼノヴィア達は明日にこの町の管理者であるリアス・グレモリーと会う約束があるのだ。教会から聖剣エクスカリバーがコカビエルによって強奪され、この町に潜伏していることと、今回の件には関わらないで欲しいということをだ。
二人は来た道を引き返そうとした時、二人の耳に叫び声が聞こえたのだ。
「ッ!イリナ!」
「分かってる!」
二人は急いで声のした方向に走る。暫くすると、古い洋館が二人の視界に入った。見た所、もう何年も使われていない廃墟された洋館のようだ。その証拠に洋館の屋根はボロボロで、窓ガラスも一部皹が入っていたり、割れたりしている。
二人はその洋館を見て、あることに気付く。玄関と思われる扉が開いていることと、その奥から微かに血の臭いがすることに。
イリナは、懐から長い紐を取り出した。その紐は意思を持ったかのように動き出し、形を変えて一本の日本刀と化した。これこそ、紫藤イリナの持つ擬態の聖剣の能力。形を自由自在に変えられるのだ。
ゼノヴィアは、長方体に巻かれていた布を外し、中身が露になった。出てきたのは一本の長剣。その剣から発せられるオーラは、悪魔が見たら体が震えてしまうだろう。それ程のオーラを解き放っている。これこそ、ゼノヴィアが持つ破壊の聖剣である。
開いている扉に近付き、二人はアイコンタクトを取る。
次の瞬間、二人は一気に中に駆け込んだ。中に入ると、血の臭いが一気に増した。洋館の中は月の光で照らされており、電気が付いていなくてもよく見えた。
視界に映ったのは、死体だ。それもはぐれ悪魔の。はぐれ悪魔の死体からは血が流れて池を作っていた。
その傍らには、神父服を来た一人の男性が佇んでいた。
だが、何よりも彼女達が注目したのは男が持っている剣だった。
「おや?まさか人が来るとは。しかも、その格好から察するに、同業者ですか」
「貴様、ここで何をしている?」
「見れば分かる通り、はぐれ悪魔を討伐していたのですよ。はぐれですが、私も一応エクソシストなのでね。
それと、この剣の試し切りも兼ねていますがね」
「じゃあ、やっぱりその剣は……!」
「えぇ、貴女方がお持ちになっている剣と同じですよ。天閃の聖剣、それがこの剣の名です」
二人の予想通り、男が持っていたのは聖剣だった。それも、コカビエルが強奪した三本の内の一本である。
ゼノヴィアは更に男に問い掛ける。
「その聖剣を持っているということは、貴様はコカビエルの仲間か?」
「その通り。先日、コカビエルさんに声を掛けられましてね。面白そうだったので協力しているんですよ」
「やけに素直に話すはね貴方。そんなに喋ってコカビエルに怒られないの?」
「コカビエルさんは、そんな細かい事は気に留めませんよ。さて、折角ですので貴女方で試させて貰いましょうか。このはぐれ悪魔では、物足りなかったので」
男は天閃の聖剣をイリナとゼノヴィアに向ける。二人も聖剣を構えていつでも対処できる体勢に入る。
「行きますよ!」
「イリナ!行くぞ!」
「勿論よ、ゼノヴィア!」
そして今に至るわけなのだが。
戦闘を開始してから既に数十分が経過しているが、一向に決着が着かない。
そんな中、男が二人に向けて口を開く。
「聖剣の試し切りは充分ですので、私はそろそろ退散させて貰いますね」
「我々が逃がすとでも?」
男は退散しようと目論むが、イリナとゼノヴィアはそれを阻止しようとする。
三人は拮抗した状態に陥り、どうするかと思案する。
そんな時だった。
《チュ・ドーン!》
「「「ッ!?」」」
そんな機械音声が洋館に鳴り響き、三人の足下に紫色の光弾が着弾する。
「誰です!」
男が声を張り上げる。だが、返事は返ってこない。
次の瞬間、再び洋館内に音声が鳴り響く。
《 SHAKARIKI SPORTS! 》
洋館内に緑色の何かが行き渡る。
何が起きているのか分からず、三人が困惑する中、それは現れた。
洋館の窓ガラスをぶち破り、侵入してきたのは黄緑色のマウテンバイク━━スポーツゲーマに乗るゲンムだった。
「なに!?」
「なんだ!?」
「じ、自転車?」
ゲンムはスポーツゲーマを乗りこなし、男に攻撃する。前輪や後輪をぶつけたり、ドリフトの要領で男を転ばせる。
イリナとゼノヴィアはポカーンと口を開けていた。聖剣を持った相手に自転車で挑むというシュールな光景を見れば誰でもそうなるだろう。
しかも、相手を圧倒しているのだから尚更。
「誰なんだ、奴は?」
「凄い。自転車ってあんな使い方があるんだ」
恐らく、世界中を探してもマウテンバイクを攻撃に使ったり、聖剣を持った相手に挑む者などゲンムだけだろう。
「くっ!もしや、貴方がコカビエルさんが言っていた仮面ライダーですか!」
「それがどうした?」
「いえ、コカビエルさんが要注意人物と言っていたので、興味がありましてね」
「そうか、興味ないな。いいから、さっさとその聖剣を置いていけ」
エフェクトの掛かった声でそう言うと、ゲンムはスポーツゲーマから降りて、左腰の『ガシャットホルダー』から既に起動済みのシャカリキスポーツのガシャットを左で持ち、ドライバーのレバーを戻して、ドライバーのもう一つ空いているスロットにガシャットを装填し、レバーを開く。
《ガッチョーン!》
《ガシャット!》
「グレード3」
《ガッチャーン! LEVEL UP!》
音声が鳴ると、スポーツゲーマが変化する。先程よりも小さくなり、色も所々変わっていた。
《マイティジャンプ! マイティキック! マイティーアクショーン! エックス! アガッチャ!》
スポーツゲーマがゲンムの周りをグルグルと走り回る。ゲンムの頭上に飛び上がり、そのまま頭から被さる。
《シャカリキ! シャカリキ! バッド! バッド! シャカッと! リキッと! シャカリキスポーツ!》
頭部にはスポーツヘルメット、胸部にはガードアンプリファーと呼ばれる防御力増幅装甲が装着され、両肩には投擲武器の『トリックフライホイール』が装備される。
【仮面ライダーゲンム スポーツアクションゲーマーレベル3】である。
「なっ!?」
「自転車が!?」
「鎧になった!?」
《ガッシューン!》
《ガシャット!》
《キメワザ!》
ドライバーからシャカリキスポーツガシャットを抜き、左腰の『キメワザスロットホルダー』に装填し、ボタンを押す。
右肩のホイールを外して右手に持つと、ホイールに独特な色を持ったエネルギーが充填され、エネルギーが溜まると再びボタンを押した。
《 SHAKARIKI! CRITICAl STRIKE! 》
膨大なエネルギーを纏い、表面が鋭利な刃に変化したホイールを勢いよく、男に向かって投擲した。
男は、聖剣の腹で攻撃を受け止めようとするが……
「グァアアアアアアアアッ!!!」
《会心の一発!》
男が考えていた範疇を超えたパワーと威力で聖剣では防げず、男は後ろに吹き飛び壁に激突し、聖剣は彼の手から離れてしまった。
だが、ここで予想外の事件が発生した。
「嘘でしょ!?」
「天閃の聖剣が、折れただと!?」
男の手から離れた天閃の聖剣は、ゲンムの攻撃で真ん中から二つにへし折られたのだ。
これには、ゲンム以外の全員が驚愕した。
折った張本人は「なんだ、柔な剣だな」とちょっと落胆していた。
「くっ!」
壁に激突した男が懐から何かを取り出して、三人の居る方に向かって投げる。
瞬間、強烈な光が洋館を包んだ。閃光弾である。
光が晴れると、そこには男の姿はなかった。目眩ましをしている間に逃げたようだ。
「……」
ゲンムは無言でその場を立ち去ろうとするが、ゼノヴィアが声を上げる。
「待て!お前は一体、何者なんだ?」
ゼノヴィアが問い掛けた言葉に、ゲンムは静かな声で返答する。
「仮面ライダー、ゲンム。それが私の名だ」
言い終えたと同時に、いつの間にか右手に装備していた『ビームガンモード』のガシャコンバグヴァイザーをゼノヴィアとイリナの足元に向けて光弾を発射した。
着弾してことで土埃が舞い上がり、晴れるとゲンムの姿はどこにもなかった。
「仮面ライダーゲンム……か。明日、リアス・グレモリーに聞くことが増えたな」
「それよりゼノヴィア、聖剣を回収しないと」
「あぁ、そうだな。折れてしまったが、まさか初日で一本奪還できるとはな」
「まぁ、教会の錬金術師の皆さんは泣くと思うけどね」
ゼノヴィアはゲンムに興味を持つが、それは後回しにして、二人は折れた聖剣を回収し、洋館から出る。今度こそ、宿泊先のホテルに向かうのだった。
いやー、ゲンム登場ですよ。出したかったんですよね!
はい、フリードの代役としてはぐれエクソシストに登場して貰いました。名前は次回に判明するかな?
次回 兵藤一誠のダークライダー戦記
第16話 デンジャラスなヤベー奴!
次回もお楽しみに!予告詐欺にならないように頑張ります!
感想お待ちしてます!