兵藤一誠のダークライダー戦記 【凍結】   作:ロボ戦極凌馬

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お待たせしました!遅れて申し訳ない!そして短いです。
今回、授業参観の内容と一誠の精神世界に居る人物達の会話になります。

三勢力会議と戦闘シーンは次回になります!

では、どうぞ!


停止教室の審判者 ━━下される審判━━
第18話 授業参観と備える力


 

 

 

 

 

 

 今日の学校は一段と騒がしい。理由は『授業参観』があるからだ。

 

 

「あ~、遂にこの日が来ちまったな」

 

「松田よ、授業参観なんて後ろで親が見ているか否かの違いだぞ。何が問題なんだ?」

 

「あれだよ元浜。今日は松田の親が来るらしいから、授業中に寝れないんだよ」

 

「そうなんだよ!俺はどうしたらいい!?」

 

「「いや、起きてればいいだろ」」

 

 

 俺達三人も教室で授業参観について話し合っている。教室を見渡せば、クラスメートも授業参観のことを話している。

 

 

 俺は別にどうも思わない。授業中は居眠りしないし、予習復習をちゃんとしてるから授業にも着いていけるから問題はない。

 それに、俺の両親は俺が中学一年の頃に亡くなってる。故に授業参観なんて関係ない。

 

 

「つーか、英語の授業がある日に授業参観なんて運が悪いぜ!英語の先生って出席番号順に当ててくるから、高確率で当たるじゃねえか!」

 

「騒ぐな松田。それは仕方のないことだ。当てられたら頑張って答えろ」

 

 

 元浜の言葉に松田はガックリと項垂れる。そんなこんなで午前の授業が始まった。

 

 

 

 

 

 

 あれから時間が経ち、現在は午後。昼休みに俺は松田と元浜の三人で自販機に飲み物を買いに廊下を歩いている。

 英語の授業では、まさかの粘土で好きな物を作れという全く関係ない内容にだった。

 

 

 先生に言われた通り皆は好きな物を作った。猫や犬等の動物、車や電車、中にはアニメキャラを作った奴までいた。

 ちなみに、俺は『ブラッドオレンジロックシード』を作った。細部まで完璧だぜ。何故それにしたかって?

 

 

 俺の趣味だ、良いだろう?

 

 

 自販機までやって来た俺達はある事に気付く。

 

 

「むっ、何やら向こうが騒がしいな」

 

「ホントだ。結構人が集まってるぜ」

 

 

 元浜と松田はそう言って人だかりの方へ向かって行く。俺は自販機でジュースを買い、遅れて松田達の元へ向かう。

 よく見ると、集まってる人達はカメラを持っていてカシャカシャとフラッシュをたきまくっている。

 

 

 その中心には『魔法少女』の格好をした少し背が低い女性が一人、ノリノリで決めポーズを取っていた。

 俺はその人、いや……その()()を知っている。

 

 

 冥界において、悪魔達を統べる現四大魔王の一体、『セラフォルー・レヴィアタン』だ。

 前にアザぜルさんから現四大魔王の写真を見せて貰ったことがあるから間違いない。

 

 

 だが、何故魔王がここに?

 

 

(そう言えば、生徒会役員も悪魔だったな。その中で生徒会会長である『支取蒼那』先輩のお姉さんだったか……)

 

 

 この学園にはグレモリー先輩の率いるグレモリー眷属以外にも悪魔が存在する。

 生徒会長である支取蒼那先輩、本名は『ソーナ・シトリー』。眷属は全員が生徒会に所属する役員達だ。

 

 

 それにしても、ソーナ・シトリーだから支取蒼那か……中々考えてるなぁ。

 

 

 それにしても……

 

 

(妹である生徒会長を観に来たんだろうが、その格好はどうにかならないのか?)

 

 

 魔法少女のコスプレで授業参観に来るのは正直、常識を疑う。いやまぁ、悪魔だから人間とは価値観が違うのだろうけど幾らなんでもアレはない。

 コスプレという文化は素晴らしいと思うが、時と場所を考えて欲しい。

 

 

 現に写真を撮っている生徒以外の生徒と親御さん達の視線が「有り得ない」と訴えているぞ。その視線にあの魔王は気付いてないようだけど。

 

 

「スゲェな、魔法少女のコスプレだぜ。若いから内の生徒のお姉さんかな?けど……流石にあの格好はどうなんだ?」

 

「同感だな。ここは生徒達の学舎だ、コスプレ会場ではないというのに」

 

 

 二人からも酷評である。当然だよな。

 その後、関わるのが面倒なので俺達は自分達の教室に戻って午後の授業を受けた。

 

 

 

 

 

「はぁ、今日はいつもより疲れたな」

 

 

 その日の夜、学校も無事に終わって俺は自宅で寛いでいる。肉体的よりも、精神的に疲れたな。

 

 

 あの後、午後の授業も滞りなく終わった。終わった直後に松田が「やっと終わったぜ!!俺は自由だぁぁああああああああ!!!」と叫び喜んでいた。

 

 

 俺は今、部屋の椅子に座って机の上に置いてある物に目を向けている。

 机の上には、ゲンムの時に使っているガシャコンバグヴァイザーとは色違いの『ガシャコンバグヴァイザーⅡ』と、黒と緑で配色されたガシャット『仮面ライダークロニクルガシャット』の二つがある。

 

 

 俺はクロニクルガシャットを右手で持ち、それを眺める。

 

 

『一誠、何を考えているんだ?』

 

「ん?あぁ、二世か」

 

 

 クロニクルガシャットを眺めていたら俺の横、正確には左肩から低い声がした。肩を見てみると、そこには赤と黒の色をした一匹の蝙蝠『キバットバット二世』だった。

 

 

『ずっとガシャットを眺めているが、何か問題でもあったのか?』

 

「ガシャットに問題はないよ。黎斗神さんが機能追加と同時に整備してくれたからさ」

 

 

 この前、俺がコカビエルを倒した日の夜に精神世界で黎斗神さんに渡された。俺が頼んだ機能を組み込んでくれただけでなく、整備もしてくれたのでいつでも使えるようになっている。本当に黎斗神さんには頭が上がらない。

 

 

『では、何故そんなに眺めている?』

 

「いや、近々コレを使う事になるかもしれなくてさ」

 

『確か、三勢力による会議が行われるんだったか。その時に使うのか?』

 

「あぁ、使う可能性は高いかもしれない。なんか、嫌な予感がするんだよね」

 

 

 昨日、アザゼルさんから近々駒王学園で三勢力のトップ同士が集まって会議を開くという連絡があった。

 内容は、コカビエルが起こした事件の詳細と三勢力のこれからについてらしい。

 

 

 そして、その会議に俺も出席して欲しいとのことだ。

 なんでも、天使勢力と悪魔勢力のトップ達が事件を解決した張本人である俺に御礼を言いたいのと、人間代表として会議に参加して欲しいらしい。

 

 

『三勢力が和平を結ぶと思うか?』

 

「少なくともアザゼルさんにはその気はないと思うよ。三勢力が和平なんて結んだら他の勢力から潰されるかもしれないからね」

 

 

 ただでさえ、三勢力は他の勢力から目を付けられているのだ。和平なんて結んだら大変なことになるし、絶対に三勢力の内部から離反する連中が出てくるだろう。

 特に悪魔勢力が一番狙われるだろう。

 理由は幾つかあるが、中でも悪魔が開発した『悪魔の駒(イービル・ピース)』と呼ばれる物が原因だ。

 悪魔の駒とは、他種族を悪魔に転生させることが出来るアイテムだ。先の三勢力同士の戦争で、種族が減少した悪魔が救済措置として作った物だ。

 

 

 だが、この悪魔の駒はかなりの欠陥品である。転生させる対象の意思に関係なく悪魔に転生させることができ、転生した転生悪魔は元の種族には戻れない。更には力に溺れたりすると醜い化け物になってしまうというクソ仕様である。はぐれ悪魔と呼ばれる悪魔がそれだ。

 

 

 故に珍しい種族や珍しい神器を持った人間を転生させる等、悪魔の駒を悪用する悪魔が多いのだ。主に悪魔上層部や貴族悪魔が多いというのが現状だ。全員という訳ではないが。

 

 

 そして、俺が一番懸念していることは会議中に何かが起きる予感がすることだ。杞憂であって欲しいんだけど。

 

 

 俺が思案していると、二世が話し掛けてくる。

 

 

『もし必要なら、俺も力を貸そう』

 

「ありがとな二世。近い内にお前の力を使う時が来るよ」

 

『ふっ、その時は我々の力を見せ付けてやろう』

 

 

 それから、俺が寝るまで二世と話続けた。

 

 

 

 

△▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

 

 

 一誠の精神世界、そこに存在するとある部屋で三人の男と一台の『ベルト』がデスクを囲んで座っていた。

 

 

 一人目は、全身を黒と紺の服装で包み腕組みをしている我等が神『檀黎斗神』。

 

 

 二人目は、長い黒髪をポニーテールにして前髪に白いメッシュが入り白衣を着た男『戦極凌馬』、又の名を『プロフェッサー凌馬』。

 

 

 三人目は、軽くボサボサした黒髪に無表情の顔で茶色のロングコートを着込んだ男『神崎士郎』。

 

 

 そして、この中で唯一『人』ではなくベルトの存在。メカメカしい銀色のバックルから赤いベルト伸び、バックル中心部のモニターには表情が表されている。

 ベルト『ドライブドライバー』に搭載されたAI『クリム・スタインベルト』、通称『ベルトさん』である。

 

 

 三人と一台は、それぞれ報告をし合っている最中の様だった。

 

 

 《では、各自報告を頼む。まずは檀黎斗神、君からだ》

 

「現在開発中のガシャットを除いたドライバーとガシャットの整備と調整は終わっている。クロニクルガシャットとバグルドライバーⅡも一誠に譲渡済みだ」

 

 

 黎斗神は淡々と報告した。確認したクリムは次の人物に振る。

 

 

 《━━━プロフェッサー凌馬》

 

「私も檀黎斗神とほぼ同じだ。戦極ドライバーとゲネシスドライバーに必要なAランクとSランクのロックシード及び全ロックビークルの整備・調整は終わっているよ。あぁ、それとこれもね」

 

 

 そう言うと、プロフェッサー凌馬は白衣のポケットから1つのロックシードを取り出してデスクの上に置いた。

 そのロックシードは、一誠が普段使っているのよりも大きく、角ばっている。色はブラッドオレンジロックシードと同じで血のように真っ赤で、『K.L.S.-01 』という製造番号が刻まれている。

 

 

「まさか、サガラが造り出したロックシードを私が造ることになるとは……思ってもみなかったよ」

 

 《ふむ、これで武神鎧武は更に強化されたようだね》

 

「それともう一つ、開発中の『鍵』はもう少し掛かりそうだ。データが足りなくてね」

 

 

 報告を終えたプロフェッサーは椅子の背もたれに寄りかかり、デスクに置いてあるコーヒーの入ったカップを取って口に運ぶ。

 

 

 《━━━━神崎士郎》

 

「……戦力強化として、特殊なアドベントカードをリュウガのカードデッキに組み込んだ。

 それと、『疾風』と『烈火』のサバイブが完成した。オーディンの持つ『無限』を含めて3枚のサバイブが揃ったことになる。3枚が揃ったことでオーディンは100%の力を発揮することが可能だ」

 

 《そうか。例のアレはどうなっているかね?》

 

「……問題ない。『4枚目』のサバイブは1週間もあれば完成する」

 

 

 この時も、神崎は表情を一切崩さずに淡々と報告した。

 すると、今度は黎斗神がクリムに尋ねる。

 

 

「クリム、君の方はどうなんだ?」

 

 《私の方も問題ないよ。各種シフトカーとネクストライドロンの整備は終わっている。シフトブレストと私自身もね。

 もう一つ、2機目のハイパーゼクターが完成した。後はダークカブトに接続出来るように調整するだけだ》

 

 

 クリムも他の三人同様に報告する。彼らは今回の様に定期的に会議を開いている。会議内容は様々だが、ライダーシステムや武器の開発状況、一誠のバイタル及び訓練状況の確認だ。

 

 

 今回、彼らが会議を開いたのは一誠から三勢力がトップ同士集まって会議を開くことと、その会議に一誠が参加することを聞いたからだ。

 

 

 《一誠に確認を取ったが、やはり彼の意志は変わらないそうだ》

 

 

 一誠の意志。三勢力には所属せずに人類側に居るということや、もし三勢力が無理矢理に自陣に引き込もうとするなら実力行使に出ること。

 アザゼルは既に一誠の意志を知っているが、改めて三勢力会議で宣言するということ。

 

 

 今回の戦力アップにはそう言ったことが含まれている。

 クリム達がこれからの方針を暫く話し合った後、解散した。

 

 

 

 

 




如何でしたか?最後辺りがグダったような気がしますが。
いや~、一誠君の戦力がどんどんアップしていきますね!


次回 兵藤一誠のダークライダー戦記

第19話 ━━審判の時━━

次回もお楽しみに!感想待ってます!

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