メイの早撃ち講座   作:シャケ@シャム猫亭

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北へ南へ

 俺は昔から大型ショッピングモールが好きだ。

 巨大な建物の中に多種多様なお店が入っていて、カッコイイ物も、可愛い物も、見たことの無い物もいっぱいでわくわくした。

 ショッピングモール自体もとっても広くて、親と逸れたら二度と会えないのではないか、そんな思いが俺を未開の地を行く冒険家に変えてくれた。

 大人になった今でもそれは変わらない。入口の自動ドアを潜るこの瞬間、俺はダンジョンに挑む勇者になる。

 もちろんそれは気分だけの話で、外には一切漏らさないが。

 

「やっぱ三連休なだけあって、いつもより混んでるな」

 

 駐車場に入った時から分かっていた。何せいつも使うモールの入口に近い場所が全て埋まっており、少々離れた所に車を駐めることになったからだ。

 見渡して見れば、いつもより家族連れの割合が多い気がする。子供の楽しそうな笑い声が聞こえるし、母親と一緒に買い物カートを押している子もいる。

 

「先に映画のチケットを買って、それから買い物しようか」

「はい」

 

 芽衣(めい)ちゃんは頷いて答える。

 映画館はこのモール二階の一番北側にある。ここは南口なので、ちょうど反対側だ。

 エスカレーターに乗って二階へ上がり、絨毯敷きの通路を歩いていく。

 芽衣ちゃんは興味深そうにきょろきょろしながら俺の後を付いてくる。はぐれてしまわないか少し心配になり、視界に入るよう芽衣ちゃんの横を歩くことにした。

 

「芽衣ちゃんはこういう大型ショッピングモールに来たことある?」

「ない、初めて」

 

 姉さんの家の近くにモールが無かったのか思い出そうとしたが、そもそも一回しか行ったことがない場所なので、周辺地理なんぞ思い出す以前に知りもしなかった。

 まあ、芽衣ちゃんが行ったことないというのだから近場にないのだろう。

 

「ここは大体200店舗くらい集まってたかな。色んな専門店があって、見てるだけでも面白いと思うよ」

 

 三階建てなので、単純に計算してワンフロアに66店舗くらいある。

 店の入れ替わりもあるので、たまに来るだけの俺は何処に何の店があるか把握していない。

 後でショッピングモールのガイドパンフレットを入手することにしよう。

 

 芽衣ちゃんの身長は、クラスで前の方と言っていた通り、年の割に低い。

 当然歩幅も小さく、俺の一歩が芽衣ちゃんにとって二歩にも三歩にもなる。

 手を引いてさっさと進むのも、何か違う気がして、芽衣ちゃんに合わせて俺も歩く速度を緩めた。

 芽衣ちゃんは辺りを興味深そうに見回しながら歩いている。二人の歩く速度は自然とゆっくりとしたものになった。

 おかげで映画館に着くのに普段の倍はかかったが、対して気にならなかったのは何故なのだろうか。

 

「チケット買ってくるから、芽衣ちゃんはここで待ってて」

 

 上映を待っている人のために置かれたソファーのそばで、俺は芽衣ちゃんに言った。

 近くには顔出し看板やら、上映中の映画の広告用紙が置かれている。チケットカウンターの混み具合からいって10分くらい待つだろうし、ここで座って待っていた方が良いだろう。

 芽衣ちゃんが、こくりと頷いてソファーに腰を下ろすのを見てから、俺は列に並んだ。

 

 カウンターでは受付嬢たちが三ヶ所でにこやかな笑顔を浮かべながら、途切れなく客を捌いている。それでも列は一向に短くならないのは、単純に新たに来る客の方が多いからだろう。

 俺もその一人だし。

 ポールとロープで仕切られた列は、四度ほど折り返して最後尾になる。俺の前を並んでいるのは20人ほど。チケットを買うのに一人二分くらいかかっていることから計算すると、俺の番まで13分と少しといったところだ。ぱっと見の予想と計算が大体合ってることに少し嬉しくなる。

 しかし、実際に俺の番になったのは10分かからなかった。カップルや夫婦が二人で並んでいることを見落としていたからだ。予想が外れ、今度は少しだけ悔しく思った。

 

「いらっしゃいませ、どの映画をご希望ですか?」

 

 そんな俺の心境なんぞ受付嬢の仕事には微塵も関係ないわけで、朝からずっと同じであろう営業スマイルで受付嬢は俺に尋ねてきた。

 もちろん俺もそんな下らないことを外に出すはずもなく、芽衣ちゃんが見たいと言った映画と上映時間、それと人数を告げる。

 

「お席はどちらに致しますか?」

 

 カウンターに置かれたモニターが、空席状況を映し出す。公開日から二週間ほど経っていることと、先程本日一回目の上映が始まったからか、ほとんどが空席を示している。

 取り敢えず画面中央の位置というのは言うまでもなく決まっているが、芽衣ちゃんが前の方が好きなのか後ろの方が好きなのか分からない。予め聞いておけば置けば良かった。

 仕方がないので、どっちつかずの真ん中を選ぶ。

 そして料金を支払うのだが、小学生の料金は大人の半額だと知り、随分とお得だと思った。もっとも、小学生のお財布事情からすれば十分高いのかもしれないが。

 

 受け取ったチケットを財布に仕舞い、芽衣ちゃんの元に戻る。

 しかし、別れたソファーの所に芽衣ちゃんの姿はなかった。辺りを見回しても、芽衣ちゃんの姿は見えない。

 

「すみません、ここに座っていた女の子が何処に行ったか知りませんか?」

「ああ、あっちに歩いて行ったよ」

 

 近くに座っていた家族連れのお父さんに芽衣ちゃんのことを知らないか尋ねる。

 礼を言ってから指差して教えてくれた方へ小走りで向かう。

 途中の壁にあった表示から、この先にあるのがお手洗いだと分かった。そしてちょうどお手洗いが見えてくるのと、そこから芽衣ちゃんが出てくるのは同時であった。

 

「……あ」

 

 芽衣ちゃんが俺を見つけた時、少し驚いた顔をした。

 

「チケット買ったし、買い物に行こうか」

「え、あ、はい」

 

 俺は驚いた理由を特に追求せず、芽衣ちゃんを買い物に誘う。

 戸惑いながらも、芽衣ちゃんはそれに同意を返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初に向かったのはアウトレット品を取り扱う靴屋だ。

 種類も豊富で値段もお手頃、普段使いの靴を探すにはちょうど良い。

 俺は芽衣ちゃんを連れ立って店に入った。

 

「欲しい靴とかある?」

「……ない」

 

 芽衣ちゃんは、ちらりとだけ子供用の靴コーナを見て、首を横に振った。

 さっき一緒に歩いた時に分かったのだが、芽衣ちゃんが興味を引かれるときはそれをしっかりと見ている。一瞬だけ見て答えたところを見ると、本当にここの靴には興味がないのだろう。

 興味がない所は、つまらない所。

 俺はささっと二、三足試し履きして、一番履き心地が良かったものを購入した。

 続けて向かった服屋も、サイズだけ確認して購入したからほとんど時間はかからなかった。

 

「さーて、俺の買い物は済んだし、今度は芽衣ちゃんの番だな」

 

 現在時刻は10時半を過ぎたところ。

 お昼ご飯を食べることを考慮しても、十分に時間がある。

 

「芽衣ちゃん、気になるお店とかなかった?」

「気になる店?」

「そう、色々見てたでしょ」

「…………」

 

 顎に人差し指を当てて考え込む芽衣ちゃん。

 その様子は、気になる店が無いのではなく多くて困っているように見えた。

 

「……こっち」

 

 不意に、芽衣ちゃんは俺に背を向けて歩き出した。どうやら目的の店を決めたようだ。

 たった一度そばを通っただけの店を目的地にしているはずなのに、芽衣ちゃんは何度も来たかのように迷いなく歩いていく。その記憶力の良さに感心を覚える。

 後ろを振り返ることなく進む芽衣ちゃんの後を、俺は黙って付いて行く。

 目的地が決まっているお陰か、芽衣ちゃんはよそ見をしなかった。そのため、割と直ぐに芽衣ちゃんの目的の店にたどり着いた。

 

「ここは……ホビーショップか」

 

 プラモデルやトレーディングカード、フィギュアとかが売っている店だ。

 男の子が好きそうな物が多くある店を芽衣ちゃんが目的地としていたことに意外性を感じる。

 だが、どうやら芽衣ちゃんの目当ての物は、先に上げたものではなかったようだ。

 迷いなく進んでいった先にあったのは、ジグゾーパズル。

 芽衣ちゃんは並んでいる品を手に取り、箱の説明を見ては元の場所に戻していく。

 

「ジグゾーパズルが好きなのか?」

「うん」

 

 芽衣ちゃんの声が普段より跳ねていたのは、気のせいではないだろう。

 先程よりずっと楽しそうにしている様子を見て、俺はほっとする。

 ここまで芽衣ちゃんは、年の割に大人しかった。本人の性格というのもあるのだろうが、それよりもやはり緊張のせいというのが大きかった。

 だが、好きなものに触れることで年相応の姿を見せてくれた。

 

「好きなの選びな、プレゼントだ」

「……いいの?」

「もちろん、額縁もセットでね」

 

 言った後で財布の中身を確認する。

 ………うん、諭吉さんが何人かいらっしゃるから大丈夫だ。

 例え彼らがいなかったとしても、クレジットカードがあるから問題はないはずなのだが。

 

「………ねえ、(きよし)叔父さん」

 

 財布を確認していたら、芽衣ちゃんが話しかけてきた。

 もしかして、芽衣ちゃんから俺に話しかけてきたのって初めてじゃないか? あ、いや、自己紹介があったか。後、「誰、ですか」発言も。

 

「どっちが、いい?」

「ええっと、何々………アルフォンス・ミシャの絵と、ラッセンの絵のパズルか」

 

 どちらも幻想的で美しいものだ。

 完成したらインテリアとして飾るのもいいだろう。

 ただ、心配ごとが一つ。

 

 これ、どっちも難易度高くね?

 

 ミシャの絵が2000ピース、ラッセンの絵に至っては3000ピースである。

 ピース数だとイマイチ分かりにくいが、2000ピースを組み立てるのに一ヶ月かかると言えばその難易度が伝わるだろう。3000ピースだと二ヶ月くらいだな。

 

「ホントにこれにするの? かなり難しいよ」

「大丈夫、この前1000ピース出来た」

 

 どうやら適当に選んだわけでなさそうだ。

 1000ピース出来たからその次の難易度と、段階を踏んでいるようなら心配いらないだろう。

 

「それなら、2000ピースのミシャかな。2000ピースが出来たらこっちの3000ピースを買ってあげるよ」

「……わかった」

 

 芽衣ちゃんも納得したようで、ラッセンの方を棚へ戻した。

 手元に残った箱を見て、そのサイズを確認する。どうやらスーパースモールピースというやつらしく、2000ピースなのに38×53センチとかなりコンパクトだ。

 ピースサイズがかなり小さいので、無くしてしまわないか心配になる。

 額縁はミシャの絵に合いそうな装飾が施されているものにした。ぶっちゃけ、パズルよりも額縁の方がずっと高い。

 

「それじゃ買ってくるけど、ここでパズル見てる?」

 

 俺の問にこくりと頷く芽衣ちゃん。

 レジは混んでいるわけではないので、大して待ちはしないだろうが二人で並ぶこともないだろう。

 芽衣ちゃんをパズルコーナーに残し、俺は一人でレジに向かう。

 ちょうど、前の人の会計が終わったところで、そのまま俺の番になった。

 店員は、いらっしゃいませと言って商品を受け取る。

 

「こちら、お包み致しますか?」

 

 聞けば、プレゼント用のラッピングを無料で行っているらしい。

 これが芽衣ちゃんへのサプライズプレゼントならお願いしたのだが、本人と一緒に選んだ物なのだし必要ないだろう。

 それを断わってから財布を取り出したところで、突然、わっと歓声が店の外から聞こえてきた。

 声の方を見ても、何もないので首を捻る。

 

「一階のステージで催し物が始まったんですよ」

 

 不思議そうにしているのが店員にも分かったのだろう。歓声の出処を教えてくれた。

 

「そういえば、そんなのもありましたね」

「たしかヒーローショーだと思いますよ。さっき、女の子の着ぐるみ達が歩いて宣伝してましたから」

「ああ、あの女の子二人組が戦うやつか」

「それ古いですよ、今年は六人ですね」

 

 そうなのか……。

 ところで、女の子達が戦うのにヒーローショーでいいのだろうか?

 

「ありがとうございましたー」

 

 買ったものを入れた袋を受け取り、俺は芽衣ちゃんのいるはずのパズルコーナーに戻る。

 しかし、そこに芽衣ちゃんの姿は無かった。

 

「……え、また?」

 

 悪いことに、さっきと違い行き先を知ってそうな人は見当たらない。

 取り敢えず店内をぐるりと回り、店の外でも辺りを見回したが芽衣ちゃんは見つからなかった。

 どうやらマジではぐれてしまったようだ。

 

「……しくったな、芽衣ちゃん携帯持ってるんだから、連絡先交換しておくんだった」

 

 残念ながら、後の祭りだ。

 使えないのならば、別の手を考えなければならない。

 

「目を離したのは数分、そんなに遠くへは行っていないはずだ」

 

 俺は店を出て南側、映画館の方へ駆け出した。

 首を振って視界を広く取り、芽衣ちゃんを探す。だが、モールの端にある映画館についても芽衣ちゃんは見つからなかった。

 背中がじんわりと汗ばむ。嫌な汗だ。

 今度は折り返して、北側へ向かう。だが此方も端まで行っても芽衣ちゃんはいなかった。

 焦燥がどんどんと沸き上がってくる。

 小さな声で落ち着けと自分に言い聞かせ、思考を回す。

 

 二階には居なかった。ということは、一階か三階に行ったのか? 

 モールの外ってことは流石にないだろう。

 なら、どっちを探す……………そうだ、館内放送って手があった!

 確か、サービスカウンターで出来たはず。サービスカウンターは一階だし、そっちを探して見つからなければ放送だな。

 

 俺は近場のエスカレータで一階に降り、芽衣ちゃんを探す。

 途中、ステージの脇を駆け抜けた。

 ステージ上では、女の子の着ぐるみ達が困っている人を助けるシーンを演じていて、俺のことも助けてくれないだろうかなんて考えてしまう。

 一階の端から端まで駆け抜けて、それでも芽衣ちゃんは見当たらなかった。

 もう館内放送しかないと、サービスカウンターに向かう。

 カウンターにはスーツを着込み、首にスカーフを巻いた女性スタッフが立っていた。

 

「こんにちは、どういったご要件でしょうか?」

「えっと、迷子の放送をお願いしたいのですが………」

「迷子ということはお子様ですね。年齢はいくつでしょうか?」

 

 迷子の放送は、対象の年齢によって内容が変わる。

 自分である程度判断出来る歳ならば、「○○様、お連れ様がサービスカウンターでお待ちです」になるし、判断が難しい歳ならば、「○○の格好をした××(ちゃん)を見かけた方は、サービスカウンターまでお連れ願います」になる。芽衣ちゃんの場合は前者だ。

 

「それでは、お客様のお名前と、お子様のお名前をお教えください」

大星 晴(おおほし きよし)です。探しているのは――」

 

 芽衣ちゃんの名前を告げようとしたところで、俺のスマホが着信音を鳴らした。

 このメロディは、姉さんだ。

 俺はスタッフに断りを入れてから、電話に出る。

 

「もしもし!」

『あんたバカでしょ』

 

 開口一番、姉さんは俺を罵倒する。

 

『芽衣から電話あったわよ、叔父さんがいないって』

「いや、いなくなったのは芽衣ちゃんの方で……」

『はぐれた時点であんたが悪いのよ。子供は何するか分からないんだから、目を離しちゃダメでしょうが』

「……ごめん」

『大方、焦って探し回ったんでしょうけど、私に連絡した芽衣の方がよっぽど冷静よ』

「………面目ない」

『芽衣の電話番号教えるから、メモ取りなさい。まったく……』

「…………すみませんでした」

 

 俺はスタッフにお願いして筆記用具を借り、言われた番号をメモした。

 迷子放送の必要がなくなり、ご迷惑をおかけしましたとカウンターを後にする。

 

『さっさと芽衣を安心させなさい!』

 

 そう言い残し、姉さんは電話を切った。

 俺は何も言い返せなかった。

 保護者としての自覚が足りなかった、そんな自分を不甲斐なく思う。

 気持ちの切り替えが出来ていないまま、メモにある番号に電話をかける。

 二度目のコール音の途中で、芽衣ちゃんと繋がった。

 

『…はい』

「もしもし、芽衣ちゃん? 大星 晴、叔父です」

『はい』

「今、何処に居るのかな?」

『パズル屋さん。叔父さんが待っててって言った所』

「わかった、すぐ行くよ」

 

 通話を切り、俺は走り出した。

 頭の中は後悔と反省がぐるぐると渦を巻いている。

 でも、お店について芽衣ちゃんを見たときに、それらは安堵によって端に追いやられた。

 

「よかった……」

 

 俺は上がった息を整えながら、胸をなで下ろした。

 

「ごめん、芽衣ちゃん」

 

 膝を付いて目線を同じ高さに合わせてから、しっかりと頭を下げて芽衣ちゃんに謝る。

 それを見て、芽衣ちゃんは驚いた顔をした。

 

「俺がしっかりしていなかったせいで、芽衣ちゃんとはぐれちゃって」

「ち、違う! わたしが、勝手にどっか行ったから」

「それでも、一人にしてごめん」

 

 もう一度、頭を下げる。

 だが、芽衣ちゃんは首を横に振る。

 

「わたしも、ごめんなさい!」

 

 ゴチンッと音がした。

 続いて鈍い痛みが頭頂部にやって来る。

 どうやら、芽衣ちゃんが頭を下げたときに、俺に頭突きを食らわせたようだ。

 両の手で額を抑え、涙目で(うずくま)る芽衣ちゃん。俺の頭もじんじんする。

 

「………二人とも悪かった。そういうことにしようか」

「ううっ……はぃ」

 

 互いに誤った。だから、互いに謝った。

 これでこの件は終わりにしよう。後は、自分で反省点を改善すればいい。

 

 時計を見れば、11時45分。

 食事処が混むことを考えると、もうお昼にしたほうがいいだろう。

 

「お昼ご飯、芽衣ちゃんは何が食べたい?」

「………叔父さんは、何が好き?」

「俺? んー、天ぷらかな」

「じゃあ、それ」

「いいのか?」

 

 答えは頷きで返された。

 モールのパンフレットを見るに、天ぷらを食べられそうなのは蕎麦屋しかなさそうだ。

 さあ、行こうかというところで、一つ思いつく。

 

「手、繋ごうか。今度ははぐれないように」

 

 目を丸くする芽衣ちゃん。

 視線が何度も、俺の顔と差し出された手を行き来する。その様子を見て、嫌なのかと手を戻そうをしたときだった。

 おずおずと、芽衣ちゃんの手が差し出された。

 

「それじゃ、行こうか」

 

 二人は並んで歩き出した。

 

 

 




この間ショッピングモールに行ってエスカレーターに乗ったら、急に肩をポンポンと叩かれました。
振り向いたら、そこにはプリキュアが笑顔で手を振ってきました。
手を振り返しましたが、どうして大人の私のことを気にかけたのか謎です。
ザケンナーとか負のメロディでも付いていたのでしょうか?




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