初心者ですので、どうかご容赦のほどなにとぞお願いします。
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よろしくお願いします。
終わりが近づく。
『道行は真っ暗で、未来はどうしようもない。残るものはないし、救われる事もない』
以前出会った占い師の言葉が頭をよぎる。
終わりはわかっていた。
自分の予感が、老婆の言葉が今この状況において動じずに済むだけの、心構えを作っていた。
だがそれ以上に心が動かされない理由があった。
『それでも、貴方の夢は生き続けるわ』
たった一言、彼女たちの幸せが続くことが分かっただけで、胸の内に秘めていた不安はなくなった。
終わりは万物に去来する。
自分はそれが少し早かっただけだ。
もう少し、あの時間が続けばいいとも思ったけれど、彼女たちの未来が続くのならば残るものはあるのだから。
名残惜しいけれど、自分はここで退場だ。
今更言葉は届かないから、心の中で告げるだけにしよう。
(ありがとう、君を殺すことなんてできない)
こうして、殺人という手段でしか人と関われなかった少年の道行は光を失った。
落ちる。
堕ちる。
どこまでも落ちて、やがて境界を越える。
いつの間にか落下していたはずの
彼の意識は戻らない。
本来なら消えるはずだが、形を残したまま「」に留まり続ける。
いくらかの時間が過ぎた。
するとおかしなことが起きた。
彼の意識がぼんやりとだが戻り始めた。
戻ったといっても、思考も視界も霞がかかり、彼が自身を正しく認識することはかなわない。
ただ漠然とした意識の中で、自身の夢を想い続ける。
それから、また少し時間が過ぎる。
すると、認識を拒んでいた霞は晴れ、彼は初めて自身に起きた異常に気が付く。
なぜ、意識がある。
ここはどこだ。
なぜ、自分は死んでいない。
自分は死んだ。
自分を襲った衝撃を、暗転を、その最期を覚えている。
なのに意識が存在している。
なぜだ。
少し考えて、彼は思考を打ち切った。
気づいたらこうなっていた、という他ないのならそれ以上は考えても無駄だ。
周りを見渡す。
そこは『死』だった。
生きてるものは何もない。
意識があるものは自分以外存在しない。
彼にはそれが容易に分かった。
(これが、死)
意識があるものなど存在するはずのない場所に、意識を持った自分がいる。
そんな異常の中で途方もない時間を過ごした。
唐突に目を醒ました。
それからは面倒で実感のない日常が始まった。
親とされる人間の言葉がけは心に響かない。
奇跡と謳う医者の言葉には興味が湧かない。
否、もとより他人に興味を持つことなどなかった彼に他人の言葉など響くはずがなかった。
ただ一人の例外を除いて。
だがその一人はここにはいない。
これからどうすればいいのか。
そんな疑問が彼の頭をよぎり、すぐさま自虐的な笑みを浮かべる。
「これからなんて、考えたこともなかった」
彼はそう呟くと顔を外に向ける。
視線の先には青空と花瓶に生けられた花。
はたから見れば何でもない風景は、彼、織の世界ではおびただしいほどの赤白い線で埋め尽くされていた。