この素晴らしい世界に祝福を!【魔を滅する転生祝】 作:月乃杜
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最終決戦――それは後の無い闘い。
最終決戦――それは全てを終わらせる闘い。
最終決戦――それは場合によっては全てが喪われるだろう闘い。
ユート・スプリングフィールドと名乗ってどの程度の時間が経過をしたのか、それは判らないけど然しながら相当な時間を過ごしたのは間違いない。
「やはり、最後はお前さんとの闘いになったか」
『ああ、そうだな』
「ラ・グースに列なる連中や魔神我との決着は?」
『愚問だぜ?』
「そうだな。お前が要るならつまりはそういう事だ」
宇宙の虚無空間に佇むは人間にしか見えない存在、そして恐るべき巨体を持つ機械の化け物。
「フッ、大いなる意志達が云う『機械の化け物』とはお前だと思ってはいたさ――ゲッターエンペラー! 否さ、流 竜馬!」
『俺もだよ……ユート――闇黒の光明神、天魔神皇』
嘗て大いなる意志〝達〟はその存在に敗けた。
故に原始的な生命に全てを懸けて預けたのだ。
『ビッグバンは成功だ! ○○○は崩壊している……ビッグバンは○○○を破壊しながら拡大していく』
『然し○○○は無限だぞ、いずれビッグバンの爆発力も弱まる』
『原始的だが分子構造体を組み合わせ、○○○を攻撃する生物体を作り出す!』
『遺伝子を次々と組み合わせ、進化する戦闘的な種が良い! 我々の様な意識体ではなく、己れら同士が喰い合う種が良い!』
『喰い合う事によって強くなる、破壊せよ、同胞を殺せ、武器を作り上げろ!』
『その中で生き残った種が進化を繰り返し、星々を喰う魔物が生まれても良い』
『兵器を使って、宇宙をも消滅させる機械の化物でも良い!』
『狂気と正気の狭間に狂う魔王が誕生するのも良い』
『先のビッグバンを引き起こす火種として使い潰し、宇宙の闇に消え逝く存在の端末が再び揃い、破滅する力を導くのも良い!』
進化が神化へ進化をし、神化が真化へ導かれる。
だが、それでも足りないと生命は足掻いた。
生命とは純粋になる程に強大な宇宙を求めてゆく、宇宙を喰ってゆくのだ!! と云われている。
文字通りの侵蝕者はその触手を伸ばし始めた。
だから決めよう。
ヤツと闘うのは誰か?
「長々と話す意味も最早、無いだろうな竜馬」
「だな、決めようぜ?」
「僕は僕の敵を全て討ち果たしてきた」
「俺もだ。ラ・グースも、魔神我も全てを討った」
「だから……」
「ああ、だから!」
「「最後はお前だ!」」
二人は……二柱は……
ヤツを討つべく最後の力を解放する言之葉を!
「真・最終融合……超究極讖化! 讖・天魔神皇!」
「チェェェェェェンジ! ゲッタァァァァァーッ! エンペラー・コズミィィィィィィック1ッッ!」
双方の闘いの準備にどれだけ刻が過ぎたか?
圧縮空間だから関係など無いが、全ての準備を終わらせて対峙する二つ。
互いに準備が終わったというだけで、銀河を宇宙をも滅ぼせるエネルギーが舞い相殺をされていく。
「ゲッタァァァァァァァァァッッ! ビィィィィィィィィィィィィィムッッ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!」
進化に進化を重ねていき遂には、ゲッターエンペラーも最終形態となる。
真なるゲッターエンペラー・コズミックとでも云えば良いのか、既に銀河すらも越えて巨大化していた。
「ゲッタァァァァァァァーギャラクシィィィッッ!」
そしてまた、相対しているユートも進化を越えて、真化を越えて、神化をも越えていき……讖化に至る。
「超半減に超倍加!」
二つの宇宙が光年を越えて戦って闘って、ユートは手に入れた全ての力を
「アーデルハイト!」
《はい! 腐蝕の月光よ、全てを腐蝕して防げ!》
「真・ギャラクシィィィィィィィィッー・スパァァァァァァァァクッ!」
先のアーデルハイトとてそんな力の一つ、閃姫というユートの愛人であるのと同時に力の源。
【ヴァンパイア十字界】に登場するヴァンパイアの血族、【腐蝕の月光】という二つ名を持つ一族の姫であったが、夫の【赤バラ】――ローズレッド・ストラウスが処刑されるのを見て暴走した力が全てを腐食させる大魔力だった。
暴走して封印されてから千年後、現世に復活をしたアーデルハイトは一族の為に全魔力と生命エネルギーを以て月をテラフォーム、本来なら死ぬ筈であったのをユートが契約に基づき、彼女を生かした。
結果、ローズレッド・ストラウスの妻たるヴァンパイア一族の王妃だった記憶は喪われ、赤ん坊となって謂わばヴァンパイアの侭で転生をした形。
成人後にユートの閃姫となったのである。
【腐触の月光】としての力は保持された侭であり、生前の美しい容姿の少女となったアーデルハイト……育ての母はヴァンパイアにはヴァンパイア、エヴァンジェリンが担当をした。
閃姫もユートの超越光闇体と一体化し、各人で能力を発動させる事が可能だ。
故に、アーデルハイトが【腐蝕の月光】を発動し、エンペラーの【真・ギャラクシースパーク】を防ぐ。
ちょっとした防御結界、生前もビッグ・モーラ戦で似た使い方をしている。
ユートは最終決戦となるゲッター軍団との闘いで、正しく最終形態となる姿をエンペラーの前で晒した。
その上で、ゲッターエンペラー・コズミックとの戦いを続けていき、果たして何千万年が経ったろうか? そして最後にはエンペラーを粉砕。
『ラ・グース、ゲッター、マジンガー、それ以外にも多くの存在を屠ってきた。全ては奴を打ち砕く為に。奴を討つ権利の為に全部を犠牲にした。昔のサンジェルマンをどうこうは言えないよな……僕も』
万の生け贄と犠牲者を出した錬金術師、サンジェルマンとカリオストロとプレラーティを相手にした際に戦った訳だが……
結局は、今回やった事と彼女? らのやった事に違いはあるのだろうか?
だとしても、宇宙を丸ごと喰らう【侵蝕者】と戦うのには必要だった。
銀河をも越える超越光闇体の巨体は、侵蝕する存在――時天空とも呼ばれるそれを討ち滅ぼす為にこそ。
だが、全てに勝って戦ったアレにはやはり勝てず、ユートは敗北を喫した。
判っていた事。
スプリングフィールドで勝てるなら、次代の柾木に転生などしていないのだ。
敗けて死の淵に立たされたユートは、一旦の別れを閃姫達に告げて次の転生を待つ事にする。
死ねば自動的に術が発動をして、ユートは転生する事になるのだから。
「だから眠ろう。今はただ惰眠を貪るかの様にだ……転生をするエネルギーを蓄え……ないと……ね」
丸っきりマスターテリオンの如く、星しか見えない空間に揺蕩うユート。
その心情は如何ばかりか計れないが、今は次に備えて眠るのみな訳だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……さん」
何だか声が聞こえる。
「……トさん」
涼やかな声。
「起きて……さい、ユートさん」
まるで甘やかなメロディにも似た。
「お願いですから起きて下さい、ユートさん!」
ハッ! と目が覚める。
「――あれ?」
空間を漂っていた筈が、いつの間にか椅子に座って寝ていた。
対面の座席にも誰かしら座っている。
「漸く目を覚ましてくれましたか? ユート・スプリングフィールドさん」
長い銀髪にターコイズを思わせる瞳、白い肌に赤い宝石のペンダントが映えて総じて美しい。
美女とは彼女の為に有る言葉ではなかろうか?
ユートも見惚れた。
薄く柔らかな笑顔を浮かべる女性……少女にも見える彼女は口を開く。
その内容は特に驚く事もない内容。
「貴方は死にました」
知っていたのだから。
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