この素晴らしい世界に祝福を!【魔を滅する転生祝】   作:月乃杜

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 やっと書けました。





第3話:この【閃姫契約】に祝福を!

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 ユートはめぐみんの食事後にジャイアント・トードの棲息地へ赴き、爆裂魔法専門だという彼女の実力を見るべく試験を行う。

 

 居るわ居るわ。

 

 毎度毎度、冒険者の誰かしらが狩っているにも拘わらず減らない巨大蛙共は、ふてぶてしくもゲコゲコと鳴くか、或いはピョンピョンと跳ねていた。

 

「さて、めぐみん」

 

「はい」

 

「ジャイアント・トードは幾らでも居る。取り敢えずは魔法に巻き込まれないだろう距離の奴に、爆裂魔法を撃ち込んで貰おうかな」

 

「任せて下さい。我が爆裂魔法なら蛙が如き、すぐにも粉砕してくれましょう」

 

 自信満々なめぐみんは、自らが持つ長い杖を構えて詠唱を始めた。

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望み給う。覚醒の時来たれり。無謬の境界に落ちし理……無行の歪みとなりて現出せよ! 踊れ踊れ踊れ我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ! これが人類最大の威力の攻撃手段……、これこそ究極の攻撃魔法、エクスプロォォォォォォォージョンッッ!」

 

 力がそれなりの距離に在るジャイアント・トードの頭上に収束され、集まっていた力は飽和状態を越えて破裂した。

 

 チュドォォォォォンッ!

 

 それなりの威力の爆発が起こって、ジャイアント・トードも吹き飛んでいる。

 

「ほう? 中々の威力だ。イオナズンと同レベルか? 或いはそれ以上かもね。じゃあ次にぃ……ってぇ、何を寝ているんだ君は?」

 

 ふと見遣れば、めぐみんが変な格好で俯せとなって寝転んでいた。

 

「いえ、爆裂魔法は随分と魔力を削りまして。一回撃てば立てなくなるくらいに消耗をするので……」

 

「つまり、さっきので魔法は打ち止め……と?」

 

「その通りです……って、何故に持ち上げますか?」

 

 優しく抱き上げる……ではなく、重量挙げのバーベルでも担ぐが如くめぐみんを持ち上げるユート。

 

 小宇宙が異世界では封印されるユートではあるが、そもそも成長の極限までも鍛え上げ、カンピオーネとなって底上げされた肉体のユートは、魔力や闘氣などで強化しなくても高い身体能力を持つが故に、一三歳で小柄なめぐみんを担ぎ上げるくらいは余裕。

 

「そ〜い!」

 

「ひあぁぁぁぁっ!」

 

 そしてユートはめぐみんを天高く放り投げた。

 

「ああああああああああああああああぁぁぁっ!?」

 

 真下には巨大蛙。

 

 蛙はめぐみんを見るや、舌を伸ばして絡み付けるとその舌を戻す。

 

 パクッ!

 

「きゃうっ!?」

 

 あっという間に呑まれてしまうめぐみん。

 

「あの、食べられてしまったのですが……」

 

「さ〜てと、僕は蛙狩りでもするかな」

 

「え、あの……無視しないで欲しいのですが?」

 

 全く知らん顔。

 

「かっえる、かっえる♪」

 

 ユートはジャイアント・トードを相手に、鋼鉄の剣を揮って仕留めていく。

 

「あの〜、そろそろ溶け始めた気がするのですが?」

 

「メラミ!」

 

 巨大な火の玉が飛ぶ。

 

 見た目にはメラゾーマ級の火炎球であり、【始まりの街】たるアクセルの街の周囲のモンスターに使う様な呪文ではない。

 

 ジャイアント・トードが真っ黒焦げとなる。

 

「ありゃ、追加報酬は得られそうにないなぁ」

 

 素でも『これはメラゾーマではない、メラだ!』が可能なユートだけにメラミがメラゾーマ級となっても不思議ではない。

 

 肉として使えないから、ユートの冒険者カードにはジャイアント・トード討伐が記されていて、規定の数を熟せば依頼料が貰えるのだろうが、肉としては売却が出来ないからその分追加報酬が得られない訳だ。

 

「ま、次は気を付けるか」

 

 所詮は【始まりの街】の周辺に居るモンスターで、はっきり云えばレベル1だとはいえ、数値が振り切れているユートにとってみれば脅威足り得ない。

 

 またすぐに次を斃せる。

 

「あ、あの……本当にヤバくなりつつありますけど、助けて貰えませんか?」

 

 自力では抜けられない。

 

 爆裂魔法は先程に撃ってしまい精神力が空っ欠で、しかも足りない分はHPを消耗するから体力も無く、そもそも何とか出来る程の腕力が無いアークウィザードのめぐみんだ。

 

 長々と胃に収まっていては胃酸で生きながら溶解、じきに栄養分となってしまうであろう。

 

「中級だか上級魔法を覚えるんならね」

 

「嫌です」

 

 いっそ清々しいまでに、めぐみんは拒絶した。

 

「ほう?」

 

「私は爆裂魔法しか愛せません。他の魔法なんて覚える気は無いのです」

 

「命懸けでも?」

 

「っく、だとしても!」

 

 良い根性ではあるのだろうが、此処でビッキー的な『だとしても』は無いと思ったユート。

 

「ったく、うりゃ!」

 

 剣閃一斬。

 

 下から上へジャイアント・トードの腹を裂くと……

 

 ドシャッ!

 

「あうっ!?」

 

 腹の中からめぐみんが飛び出した。

 

 服がすっかり胃液で消化されたらしく、めぐみんはヌルヌルな粘液漬けで素っ裸になっている。

 

 一三歳だから仕方がないのだろうが、寸胴で平原な体型をしているとはいえ、マッパで粘液塗れは中々にエロティカルだった。

 

「うう、もう少しで身体まで消化されていました……っていうか、私の存在自体を無かった事にする気でしたね? 貴方は!」

 

「無かった事にというか、亡くなった事にしようかと思ったんだが……」

 

 ゾクッ!

 

 本気の目である。

 

 ザバッ!

 

「わぷっ!?」

 

 ヌルヌルが水で洗い流されていく。

 

「高い数値なのに、敢えて冒険者を選んでいるのは聞きましたが、これも教わったスキルですか?」

 

「いや、自前」

 

「……そうですか」

 

 自前って何だと声を大にして言いたいめぐみん。

 

 冒険者はスキルを見て、説明を受ければそれを使える様になる。

 

 勿論、冒険者カードには記載されるだけでポイントは必須となるが……

 

 ユートの窃盗スキル――【スティール】もそうして覚えたもの。

 

 初【スティール】が互いのパンツだったのは笑うしかないが、クリスから得たこのスキルはユートが持つ権能――【この右手が掠め盗る(トリック・オア・トリート)】の下位互換だ。

 

 利点は聖句が要らないという一点のみ。

 

 まあ、女神の前で神殺しで獲た権能も無かろうし、面倒な聖句をいちいち詠むより【スティール】を使う方が建設的か?

 

 必要ならば使うけど。

 

「にしても、胸は無いな。判っちゃいたが」

 

「胸が無いのがそんなに悪いか?」

 

 ドスの利いた声で言う。

 

「別に。無いなら無いで愉しめる方法はあるしな」

 

「た、愉しむって……」

 

 大事な部位が見えない様に確り股を閉じ、胸も無いなりに腕でカバーしながらズリズリと後退っていく。

 

「よ、寄らないで下さい……っっ!」

 

 真っ赤に頬を染めつつ、汗を流すめぐみん。

 

 ススス。

 

「ひうっ!」

 

 ズリズリズリ……

 

 ススス。

 

「ひゃぁっ!?」

 

 ズリズリズリズリ……

 

 ススス。

 

「へ、変質者!」

 

 ズリズリ……

 

 涙目になるめぐみんを、然しユートはちょっとずつ追い込みを掛ける。

 

 一方のめぐみん本人はといえば、素っ裸な所為で動きは緩慢で見せない様にと注意しながらでは、逃げ切れないと泣きが入った。

 

 普段は不敵な態度だが、それは彼女の一族的なものでしかなく、実態は割かし普通の女の子である。

 

「まったく、誰が変質者だというのか? 別に下半身を丸出しだとかマッパで追い掛けてる訳じゃなし」

 

「裸の女の子を追い回してる時点で変質者です!」

 

 御尤もな意見である。

 

「なら、変質者らしく逝こうかな?」

 

「って、何ズボンを脱ぎ始めてんで……ゴクリ!」

 

 言い掛けて喉を鳴らす。

 

 文字通り、臍まで反り返った逸物が凶悪なまでに、そしてグロテスクなくらい自己主張をしていたから。

 

「な、な、何なんですか? その絶対絶対に有り得ないモノは! 父のを昔に見た事がありますが、そんなんじゃありませんでした! スッゴく小さい!」

 

「……取り敢えず親父さんには言ってやるなよ?」

 

 男のプライドをズタズタにする、心に念じた見えない刃になるだろうから。

 

 況してや、娘から分身が『小さい』呼ばわりされた日には、人によっては自決しかねない案件である。

 

 尚、ユートの分身が有り得ない大きさとか言われるには勿論、確かな理由というものがあった。

 

 ハルケギニア時代の事、未来で結婚までした相手のカトレア、彼女の病を癒すべく地球に連れて行こうとして干渉を受けた。

 

 干渉したのは高町なのは――【純白の天魔王】なる二つ名を持つ女神。

 

 とある平行世界に於いて【朱翼の天陽神】と結ばれて後、神化して下級ながら神を名乗れる身分となる。

 

 そんな彼女が干渉をした結果、謂わば【機神咆哮デモンベイン】な世界に跳ばされてしまう。

 

 エログロが割かし普通だったから、【斬魔大聖デモンベイン】でも可。

 

 その世界で【ブラックロッジ】と闘う事となって、大十字九郎やアル・アジフと友誼を結び、覇道財閥の覇道瑠璃と仲好くなりつつ大きく動いた。

 

 最終的にはアル・アジフな√で大十字九郎は進み、ユートは覇道瑠璃√っぽく進んだ中で【大いなるC】とか【強壮たるC】などと呼ばれる邪神が【夢幻心母】を依代に復活。

 

 ユートも大十字九郎と共にその【ブラックロッジ】本拠地、【夢幻心母】へと突入をした。

 

 だが然し、内部は【C】――クトゥルーによる侵食を受けてそのものとなり、ユートは触手に囚われてしまった上、口から菊門から突っ込まれた挙げ句に分身は分身で触壺に包まれる。

 

 自らの精は触壺に搾り尽くされつつ、逆にクトゥルーの精を菊門や口から注ぎ込まれ、正に無限ループで精が逝ったり来たりを繰り返していた。

 

 だけどユートは太陰体質という、全てを受け容れて吸収する体質があった為、無意識にクトゥルーの神氣を精と共に取り込んだ。

 

 それは結果として神たるクトゥルーの弱体化を招いており、ユートは使えないまでもクトゥルーの神氣を自らのモノとしていた。

 

 無限のエネルギー吸収、この能力は後に手に入れた【白龍皇の光翼】と相性が格段に良く、ヴァーリ・ルシファーではエネルギーを吸収しても、どうしたって限界があるから上限を越えたら破棄せねばならなかったのを、ユートの場合だとそんな必要が無かったり。

 

 とはいえ、クトゥルーの時には目覚めていなかった能力を、高町なのはから聞いて何とか自覚したもの。

 

 その為に汚染は免れなかった事もあり、当時は分身が当社比で三割増しになっていたのである。

 

 日本人よりは比較して大きかったとはいえ、元々が二〇センチが最大であった分身は二六センチという、取り敢えず常識から一歩だけずれた大きさになる。

 

 然しながらめぐみんの前に屹立したソレは、明らかにその大きさすらはみ出たモノであったと云う。

 

 ユートが時空間放浪した際に、『超絶美形主人公』とか名乗る尊大な男と出会ったのだが、ユートがクトゥルーの影響からエロティカルに傾倒するに連れて、徐々にだが確実に大きくなっていた分身は、その頃にはその『超絶美形主人公』や大十字九郎と同じレベルに成っていたものだった。

 

 ユートは基本的に自慰はしないし、余りにも徐々にだった事もあってか気付くのが遅くなった。

 

 三〇センチを越えた辺りで『あれ?』とは思ったのだが、そもそもが行き成り六センチも伸びた分身で、気のせいとしか思わなかったのである。

 

 ハルケギニアでユートとヤっていた女の子連中も、そんなもんだったと慣れていたのが災いした。

 

 異世界の慣れていなかった娘らに指摘され、ようやっと気が付いた時には遅くて既にこうだったから。

 

 対抗措置をその時点で取らなかったら、更に大きくなって取り返しがつかなくなっていただろう。

 

 また、不思議な事にこれに貫かれても殊更に痛みは感じず、寧ろ快楽の方が増すというエロ仕様であり、だからこんなでも一度なり受け容れれば拒絶されず、初めてでもやはりエロ仕様なフェロモンが出るのか、或いはユートが慣れていたからテクニックも上がっていたからか、蕩けた女の子はサイズを気にせず受け容れていたし、痛みは初めての痛みだと感じたらしい。

 

 まあ、実際に初めてを貫かれた痛みしか感じてなかったのかも知れないのは、連続して二度目を始めたら痛みなど忘れ、快楽に酔っていた辺りから明白。

 

 謂わば、ちーとで素敵に無敵な仕様となってしまったのだ。

 

 今現在、ユートの分身を視て騒いでいるめぐみん、だけどこれでヤった後ならきっと文句は言うまい。

 

 とはいえ、ユート的には敵対者を犯るのには別段、何も思わず罪悪感を覚えたりしないのだけど、やはりそうでない相手に対して、合意を得ないのは有り得ないのである。

 

 そしてユートには今一つちーと素敵に無敵エロ仕様が存在し、めぐみんの幼めなれど綺麗な肢体を今すぐに味わう切札(ジョーカー)を手にしていた。

 

 否、場合によってそれは鬼札(ワイルドカード)にもなり得るであろう。

 

「めぐみん、一つ訊く」

 

「な、何ですか?」

 

「爆裂魔法しか愛せない、上級は疎か中級魔法すらも覚えたくないと言ったな」

 

「はい……」

 

「爆裂魔法は一度使ったら倒れるくらい消耗すると、それなら使っただけで仲間――パーティメンバーへと迷惑を掛ける。それでも、めぐみんは爆裂魔法しか使いたくないと?」

 

「だとしてもっっ!」

 

 いっそ清々しいまでに、めぐみんは言い切った。

 

「なら、道は二つに一つ。二者択一となるな」

 

「二者択一?」

 

「パーティメンバー不適切として、この場で切り捨てられるか」

 

「うぐっ!」

 

「そうなると飢え死にか、若しくはそれこそ盗賊化するか娼婦になるか」

 

 職業上のシーフでなく、本当の意味でのバンデットとなるか、或いは女である利点を活かして抱かれるのを職業とするか。

 

「そんな二者択一は絶対に嫌です!」

 

 そりゃ、幾ら何でも嫌過ぎる二者択一だろう。

 

「落ち着け。二者択一というのはこの中から選べって意味じゃないし、何よりも選択肢が三つになっているだろうが」

 

「あう?」

 

「選択肢その一、何が何でも爆裂魔法に拘って捨てられる……だ」

 

「それはそれで嫌です」

 

 当然の答えだ。

 

「第二の選択肢。僕に抱かれろ……だ」

 

「何故そんな結論に!?」

 

「勿論、単に抱かせろとか言ってる訳じゃない」

 

「どういう意味ですか?」

 

 めぐみんが首を傾げる。

 

「因みにだが、僕が今までに何人くらい女の子――とはいえ十代より上もいたから〜子とは限らないが――を抱いたと思う?」

 

「……えっと、十人くらいでしょうか?」

 

 一般的には十人だって多すぎる訳だが……

 

「実は数えていないから、実際の人数まで知らない。だけど、千人は越えるな」

 

 桁違いだったと云う。

 

「せっ!?」

 

 当然ながら驚愕しかないめぐみんだった。

 

 単に抱いただけだったり敵を犯したりもあったが、重要なのはもっと別の用途で抱いた場合である。

 

「僕は二度、生まれ変わっている」

 

「生まれ変わる?」

 

「そう、〝この世界〟にもその生まれ変わりを役目とする女神が居るけどね」

 

「生まれ変わりの女神様」

 

「この世界で一番の宗教のエリス教……女神エリスの事だよ。まあ、今は天使が代行してるみたいだが」

 

「エリス様が!?」

 

 この地のそれを役目としているのがエリスであり、日本とこの世界を繋ぎ若者の魂を此方に送る女神が、アクシズ教の女神アクアであると聞いていた。

 

 まあ、ユートが神転したのは最初の一回目と今回、事故か誰かの意図かは別にしても、疑似転生を除けば二回という事になる。

 

 本来のユートの意図した転生は、ハルケギニア時代からスプリングフィールドへの転生と、今回に於ける最終決戦に敗れて柾木へと転生する二回。

 

 まあ、目論見とは外れてこの世界に居る訳だが……

 

「その三度の人生で数多くの美姫を毒牙に掛けたが、その内の何百人かは僕との契約をしている」

 

「契約……ですか?」

 

「使徒、僕は僕の流儀から閃姫と呼んでいるけどね。だから【閃姫契約】という特殊な契約を結ぶんだ」

 

「その契約を結ぶとして、メリットとデメリットはどうなりますか?」

 

「デメリットは心身共に、僕のモノとなるから僕が抱きたいならその場でさえ、股を開いて貰う」

 

「んな!? だ、誰がそんな契約を結びますか!」

 

「少なくとも、僕が契約を誘った全員が頷いたが?」

 

「まさか……!?」

 

 余りにも余りな内容に、めぐみんは目を見開く。

 

「さて、デメリットは人によりけりで或いはメリットにもなるからこのくらいにして、明らかなメリットを伝えようか」

 

「メリット……」

 

 つまり、閃姫契約によりお得な部分とは?

 

「色々とある。例えば……身体能力の大幅な強化」

 

「!?」

 

 【ドラゴンボール】世界というのが在るが、そんな世界でもインフレ著しい中でも〝普通〟の範疇で強かったビーデルという少女。

 

 未来世界で助けた彼女と閃姫契約をして、ビーデルは明らかに修業以外で身体能力を引き上げていた。

 

 契約の効果は確かだ。

 

「数あるメリットの中で、めぐみんに最も必要となるものがある。それは僕の中に僕には使えないもう一つの精神力、それを閃姫には自由に使う権利が与えられるというものだ」

 

「精神力……ですか?」

 

「そう」

 

 言い換えればMP。

 

 つまりは魔法を使うに辺り消耗する部分である。

 

「契約をすればパスから、ラインを通じて契約をした閃姫が扱える。めぐみんみたいな魔法使い系の閃姫は皆が喜んでいたな」

 

 MPの絶対量は閃姫一人に対して千、閃姫が増えれば増えるだけ絶対量が増していく為、百人も閃姫が居れば十万にも達する。

 

「つまりは契約をしたら」

 

「爆裂魔法を使いたい放題という訳だ」

 

 ニヤリと笑うユートは、まるで錬金術師プレラーティの如くであったと云う。

 

 精神力であるからには、ユートが休めば回復する。

 

 使っても使っても目減りしないMPのプール。

 

 成程、メリットだけでも契約する価値はあった。

 

 このメリットを享受したのは、言った通り魔法使い関連の閃姫達ではあるが、毛色が違ったのが吸血鬼――ヴァンパイアと呼ばれる存在の姫だろうか?

 

 再誕世界に於いて、火星のテラフォーミングをする際に連れてきた【腐蝕の月光】アーデルハイト。

 

 本来、彼女自身の世界の血族の為に月をテラフォームして消滅する予定であったが、火星のテラフォーミングに使える能力と美貌、どちらも惜しんだユートが持ち掛けた契約。

 

 アーデルハイトがテラフォーミングで死んだ後に、消滅する前に彼女を再構成して甦らせ、自分の手元に置きたいというのがユートの提示したもの。

 

 代わりに契約の代価として月のテラフォーミング、これを血族が使い易い様に更なる再構築をする。

 

 本来なら百年越しの計画だったのを、衣食住の全てがすぐに獲られる様に手配をすると契約した。

 

 アーデルハイトは血族の為に頷いたのである。

 

 どの道、夫はまず消滅するであろう。

 

 そうしないと夫が真に愛した嘗ての妻のステラと、その間に生まれる予定であった名も無き娘がいつまでも解放されないから。

 

 また、アーデルハイトが消滅してから再構成するのもそれが理由。

 

 【赤バラ】と【腐蝕の月光】が消滅しないと、術式に括られて黒鳥とされていた二人が解放されない。

 

 一種の転生をした彼女に記憶は無く、赤ん坊となった状態で未来の閃姫予定であった来世の再誕世界に住まうエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルへと託されていた。

 

 エヴァンジェリンは母親の真似事をさせられたが、同じヴァンパイアという事もあって渋々育てたのだ。

 

 記憶を無くしていたし、アーデルハイトは年頃になると所謂、『父様と結婚します』とか言っていたりもするが、実際に血の繋がりが無いからアーデルハイトは閃姫に納まる。

 

 そしていざ、火星のテラフォーミングをするに当たって彼女は、閃姫としてのメリットであるMPタンクを用いて成功させた。

 

 当然、星を丸々一つテラフォーミングするMP消費は爆裂魔法の比ではなく、可成りギリギリまで使ってやり遂げた訳で、それでも成功させたのだから大した精神力であろう。

 

 めぐみんは悩む。

 

 爆裂魔法の使いたい放題は美味しいし、欠点が一つ消えればパーティに入れるなら食いっぱぐれも無い。

 

 どれだけ悩んだか?

 

 真っ赤になっためぐみんだけど、フィッと目線を逸らしながら……

 

「御好きにどうぞ」

 

 ユートに股を開く。

 

 その夜、一回限りの使い捨て魔導具『コテージ』が展開され、外には響かないから誰も気付かないのだが……甘い嬌声がコテージの中で響き渡ったと云う。

 

 

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 今回の話題に上がっていたエピソードは、【ネギま!】でのラスト辺りに出る予定ですが、単純に契約をする噺はその内にっぽい噺で書く予定です。

 次回は……

第4話:そのもう一人の女神連れに祝福を!

 の予定です。


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