ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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早く原作最新刊出ないかなー


14:倍増×倍増 後編

現在フィンはダンジョン上層を自身の持てる限りの速度を持って全力疾走していた

 

(Lv.3、それもLv.4にランクアップ間近の冒険者に襲撃されればカイトやアイズが居てもかなりマズイ)

 

事の起こりは自分がギルドでガレスとリヴェリアと共にギルド員と今後の闇派閥(イヴィルス)の対策について部屋で話し合いをしていたとき

 

ロキから使いとして言づてを頼まれた上級団員が息を切らせてノックも無しに部屋に飛び込んできたことから始まる

 

言づての内容は要約すると、とあるファミリアの第二級冒険者がアイズの襲撃を目論んでいるという内容で、その計画の首謀者である男殺し(アンドロトロノス)が先日から姿を消したという内容だった

 

イシュタル・ファミリアの団長フリュネ・ジャミールと言えば、あまり良い噂を聞かない冒険者の例として挙げられる程度には悪名が轟いていた、そんな者に狙われていると聞いた途端に、常に下の団員に冷静さを説いているリヴェリアが部屋を飛び出し、それに続くように自分とガレスも飛び出した

 

 

アイズには下級団員とパーティを組んでいるときは11階層までの進出を許可している、しかし上層、と一口に言ってもかなり広い、なにせ1階層から12階層までの広さを合わせればおそらくオラリオそのものの広さに匹敵する、それを手がかり無しで即座に探し出すのはいくらLv.6といってもかなり難しい、だが今日に至っては手がかりはゼロでは無かった

 

(確か、今日はパーティメンバーにカイトがいたはず、ならギリギリ許可されている11階層にいる可能性が高い)

 

 

そう目算を付けて、2人に今考えていた内容を話す、

 

「つまり、私達は11階層付近を探せば良いということか」

 

「儂は一応9階層辺りから虱潰しにアイズ達を探してみよう」

 

「頼む、僕は10階層から、リヴェリアは11階層を念入りに探してみてくれ」

 

「「了解(じゃ)」」

 

そこから散会して、それぞれの持ち場の階層をとにかく走り回る

 

 

2人と途中で別れてから数分もしない時にそれは起こった

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

 

(何の音だ!?)

 

 

音源はおそらくこの10階層からだろう、即座に音源に向かって疾走する、なぜならその爆撃音の様な音を聞いた途端に親指がうずき始めた、今まで何かがあるたびに自分に危機を教えてくれたうずきが、何かがあると言っていた、今の状況ならば間違いなく――――――

 

確信に近い思いで音源だった場所を探す

 

(くっ、せめてあと一度音が聞こえれば――――――)

 

そう歯嚙みしているとフワリとフィンの髪を風が撫でていった

 

(風?こんなところで――――――)

 

次の週間に先程の衝撃の倍はあるであろう爆音が辺り一帯に響く

 

「これは――――――」

 

思考する時間も惜しいと、風が吹いた方向に向かって走る、そしてとあるルームに入った途端に今日ダンジョンに潜ってから一番の衝撃が襲ってきた

 

 

「ぐっ!?・・・っな、何だこれは・・・っ!?」

 

 

衝撃により巻き起こる砂塵を堪えて目をなんとか開ける

 

そこで自分の目に飛び込んできたのはアイズが膝を突き、全身を血に染めた満身創痍のカイトが吹き飛んでいるという最悪に近い光景だった。

 

 

 

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 とりあえずお嬢は何とか無事だったらしい、とりあえず三門まで開けてから敵を蹴り飛ばしてみたが思いの外吹っ飛んでいった。多少は効いていてくれないだろうかという願いも空しく、ムクリと敵が起き上がる。

 

「ちなみにお嬢、あいつを倒せるような奥の手とか必殺技とかないか?」

 

「ある」

 

「だよねー、そんな都合良く・・・ってあんの!?マジで!?」

 

 

とりあえず望み薄いよなーといった感じで聞いてみただけなんだがまさかの返答にこっちがビビった

 

「でも、使うには時間がかかる」

 

あーはいはい、元気玉的な感じで撃つのに時間が掛かるタイプの必殺技なんかねー?

 

ってことは俺は足止めのベジータ役か・・・ボコボコにされそう

 

「・・・カイト1人じゃアレの足止めは無理」

 

俺のスキルを知らないお嬢が心配してくれる

 

「そこら辺は心配しなくていいぞ、ちょっと奥の手使って時間稼ぎくらいならできる、だからお嬢は気兼ねなく奥の手とやらの準備を頼むわ」

 

「本当にできるの?」

 

「まーかせろ!だからいっちょ派手なのを頼む、外すんじゃねーぞ?」

 

「大丈夫、ちゃんと狙う」

 

・・・敵をだよね?こちらを見ながら言われると若干不安になるんだが

 

「・・・一応言っとくけど俺ごとバーンとかは勘弁だぞ」

 

「?・・・当たり前」

 

で、ですよねー、疑ってすまん、素直なお嬢に心の中で謝罪する

 

「う、うっし、じゃあ気合い入れて行きますかね!・・・第四傷門・・・開!・・・ぐっくぅ・・・つ、続いて第五杜門・・・開!!」

 

(無理無理無理無理無理無理無理無理無理かっこつけすぎたぁぁぁぁああああおろろろろろろろ)

 

体中に激痛を通り越した向こう側の何かが全身の筋肉、神経を蹂躙していく、正直三問当たりで許容限界を超えたのか体中から蒸気が吹き出しそうな訳の分からん感覚まで襲ってくる

 

「ぐっ・・・お嬢、何分だ?」

 

「え」

 

「時間を稼ぐっつたろ!何分くらい稼げば良い!?」

 

「2、ううん、1分で良い、それまでに何とか溜めてみせる」

 

「おっけ、じゃあその60秒死ぬ気で行ってみますか!!」

 

 

 

 

「がああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

タイミングよく肉ダルマが突っ込んできた

 

 

「うるせぇぞ雌豚がああああ!!」

 

 

痛みもあって脳内麻薬がドバドバだぜ!!

 

 

 

 

===============================

 

 

 

 

フリュネは怒りを通り越してぶち切れていたが、腐っても第二級冒険者、相手の異常さを感じると次第に冷静さを取り戻していった

 

(下級の雑魚があたしと互角だと!?)

 

普段とは違う装備のせいで動きが制限されているとはいえレベルの差とはその程度で覆されるものではない

 

(・・・いや違う、こいつの動きは後先を考えていない奴の動きだ)

 

こちらの戦闘スタイルは言ってみれば長距離走、対して向こうは超短距離走

 

実際よく見れば攻撃を避けてダメージを受けていないにも関わらず相手は血反吐を吐きながら自分と攻防を繰り返している

 

(何が目的だい!?いや、待て剣姫はどうした!?)

 

自分の拳と相手の蹴りが衝突しお互いが弾くように一旦距離を取ると同時に周囲へ視線を走らせる

 

(見つけた!)

 

だが見つけた瞬間に剣姫の纏っている風とその身に練られていく魔力に対して本能が警報音を特大で鳴らしてきた

 

(この雑魚は時間稼ぎが目的かい!!)

 

そうとわかればフリュネの動きは早かった、勝手に自滅していく雑魚よりも自分が敗北する可能性の高い何かを放とうとしている剣姫を先に打倒するのが正解だと思ったからだ

 

 

「死ねぇえええ剣姫ぃいいい!!」

 

 

この判断は通常であればフリュネの勝ちで終わっていただろう

 

だが

 

例外は何事にも存在する

 

 

「第六『景門』開」

 

 

あと一歩で攻撃が届くと思った所で、またしても先程と同じように邪魔が入り剣姫の前から蹴り飛ばされる

 

「くっそがあああ何なんだ手前はぁ!!」

 

10

 

吹き飛んだこちらを雑魚だと思っていた奴が追撃してくる

 

 

「  朝  孔  雀  !!」

 

 

「チィ!!」

 

 

まるで孔雀が羽を拡げた様な形をした炎とそれを作り出すほどの目にも止まらぬ拳撃が津波のようにフリュネを襲う

 

 

「鬱陶しいんだよ雑魚がぁ!!」

 

 

炎と拳の速度は厄介だがフリュネの耐久値で耐えられない程ではない

 

 

相手の攻撃が自分の耐久力に対して力がが足りていないのが分かる、この技は明らかに時間稼ぎが目的だろう

 

 

(まずいまずいまずいまずい!!)

 

 

だが、それが分かったところで身動きを取ることは出来なかった、このまま被弾覚悟で剣姫に辿り着いたとしても、かなりの痛打をそれまでに受ける、一撃一撃は軽くともその量は津波と評する程なのだ、敗色は濃厚となってしまう可能性があった

 

 

故に、フリュネは決心を固め、剣姫の技への妨害を諦める

 

 

(邪魔できねぇってんなら、正面から回避か防ぎ切っちまえばこちらの勝ちだ!!)

 

 

 

 

かつて、アイズがLv.2にランクアップする際に倒したモンスターの名は「ワイヴァーン」適正Lv.2以上、しかもその異常個体であった。(推定ではLv.3ではないかと推測されている)

 

そして今のアイズはLv.2

 

フリュネのレベルはLv.3

 

 

「あああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

溜めに溜めた暴風をアイズが身体と剣に纏わせ一気に爆発させる

 

それは後にアイズ自身が名付ける必殺の技『リル・ラファーガ』、その速度は閃光

 

とてもではないがLv.2では考えられない速度だった。

 

 

「ぎゃああああああああああ!?」

 

 

Lv.1時のアイズでもLv.2以上のモンスターに通じたその技をフリュネが完璧に回避するなど不可能、アイズの持つ剣がフリュネの左肩に深々と突き刺さった

 

 

だが

 

 

アイズにとって誤算だったのはフリュネはモンスターとは違う、多くの戦闘経験を有した人間であったことだろう

 

 

(・・・っ!?こ、この人自分から私の剣に刺さりに・・・違う! まさか、急所をだけを外してあえて私の剣を受けた!?)

 

「っがあああ、ゲゲゲゲゲ捕まえたぞこの雌ガキャアアアアアアアアア」

 

(剣が肩から抜けない!?)

 

「くぅっ!?」

 

戦闘では(特にダンジョンの中では)武器を手放すことは死に直結しかねない、そのため何があっても武器を手放さないようにするという本来なら自身を守るための習性がここにきて仇となった

 

 

「この!クソガキ!がぁ!!あたしにぃぃぃぃぃいいいい傷を付けやがってぇえええええ」

 

「が!く!!うあっ!?」

 

 

フリュネの無慈悲な攻撃がアイズに次々と叩き込まれみるみるうちにボロ雑巾の様になっていく

 

 

「お嬢ーーーーーーーーーーー!!」

 

 

「いい加減しつこいんだよぉぉぉーーーーー!!」

 

 

不意打ちで後ろからカイトがフリュネに迫るがカウンターの様にアイズを投げ飛ばし二人をまとめて吹き飛ばされてしまう

 

ようやく勢いが止まった頃には2人の姿は全身打撲と擦り傷だらけになっていた

 

 

(仕留めきれなかった・・・早く立たなきゃ、早く・・・)

 

 

投げ出されてしまった身体をすぐさま無理矢理動かそうとするも膝立ちするのがアイズには精一杯であった

 

それでも敵はそんなことはお構いなしにこちらに向かってくる

 

 

「グゲゲゲゲゲ死ねぇええええ剣姫ぃいいいいぃぃ」

 

 

一直線に自分に向かってくる敵、いや、今や2人にとっての死そのもの

 

 

しかし、それからアイズを庇うように前に立ちはだかる男が一人

 

 

「『切り札は先に見せるな、見せるなら更に奥の手を持て』」

 

 

「・・・え?」

 

 

「俺の好きな言葉だよ、お前も覚えとけ」

 

 

ポン、と頭に手を乗せてからニカッと笑いながらそう言ったカイトの姿がかつての父の姿と重なる

 

「あ……」

 

「じゃ、ちょっくら行ってくるわ」

 

そう言って自分と同じくらいダメージがあるにも関わらず敵に向かって走り出す

 

 

その光景が今でも夢に見る、悪夢と重なる

 

 

―――――――――ダメ

 

 

またしても届かないと分かっていながら手を伸ばす

 

「第七・驚門」

 

二度とそんな景色を見ないように、起こさないように強くなったのにも関わらずまたしても手だけを伸ばすしかない

 

――――――――――――イッチャダメ

 

「開」

 

 

 

敵はアイズの眼前に立つ男に躊躇無く手に持った凶悪なスパイクを振り下ろす

 

 

そしてそれ以上の躊躇遠慮容赦一切無く、男はたった一つの究極の正拳を突き出す

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――昼虎――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

その時、その瞬間、世界から確かに音が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さっさとベルとかアスフィ出したいのに書きたい話が多くて出せない(´д`)ウゴゴゴゴ

PS:ストック切れたので更新遅くなります。

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