ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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礼装『C.K.T』 が全然ドロップしない・・・


18:羞恥×会合

《side:アイズ》

 

 

 

今日もカイトは目を覚まさなかった。

 

ダンジョン帰りに見舞いに寄ってはみたけど昨日と変わらずその瞳は閉じたままだ

 

私と同じように見舞いに来ていたラウルさんと帰路に着く

 

途中でラウルさんがカイトの部屋に忘れ物をしたらしく取りに戻っていった

 

 

 

 

 

 

その姿を見送ってから十数分後、本拠(ホーム)への距離が半分を切ったところだったと思う

 

「アイズさああああああああん!」

 

大声で私を呼ぶ声が聞こえてきた

 

(ラウルさん?)

 

どうしたのだろうか

 

「カ、カカカカッ・・・カイトが! カイトが目を覚ましたっす!!」

 

「!?」

 

(カイトが目を覚ました!?本当に!?・・・でも)

 

「アイズさん!何してるっすか!? 行くっすよ!!」

 

その事実に呆然となるがラウルさんの声で正気に戻る

 

「・・・うん!!」

 

その後はラウルさんに言われ、足の速い私が先んじてカイトに会いに行った

 

何も考えずに、とにかくカイトの部屋を目指してただ走る

 

しかし、療養所の中に入り、いざカイトの部屋へと向かおうとしたところで足が止まってしまう

 

 

(何を話せばいいんだろう・・・)

 

 

今回の事件で昏睡状態になってしまった原因は自分が未熟だったせいだ

 

本来なら守るべき立場の自分が逆に守られてしまった、そして実は、負い目を感じている理由はそれだけではない

 

そのことを改めて考えてしまい、どのような顔をして会えば良いのか今更になって怖くなってくる

 

(・・・でも)

 

ここで立ち止まっていても仕方が無い、まずは意識の戻ったカイトに会うわなければ何もできない

 

止めていた歩みを再開させ、カイトが居る部屋の近くまで来たとき

 

扉が半開きになっていることに気付く

 

(ラウルさん開けっ放しで来たのかな?)

 

今思い返しても先程までのラウルさんは相当焦っていたように見えたので仕方が無いのかもしれない

 

 

 

だが

 

 

「っ・・・!?」

 

 

 

開いた扉の隙間から見えた光景に息が止まる

 

何者かがカイトに馬乗りになり首を絞めている様に見えた

 

弛緩していた考え、思い、全てが冷め、それが一気に殺意へと切り替わる

 

 

 

 

 

実は、今回の件でアイズが必要以上に罪悪感を感じていたのには理由があった

 

初めて人との本気の殺し合い、それは、まだ幼いアイズに攻撃を躊躇わせるには十分であった、そのためフリュネ・ジャミールに放った最後の必殺の一撃も無意識ではあるが手加減した威力となり、結果としてそれがカイトが今回の昏睡状態に陥ってしまうことに繋がってしまった

 

故に

 

今のアイズは敵と認識すれば手加減という枷が外れていた

 

人であっても敵であれば一切の躊躇をしないと固く誓っていた

 

(もう・・・同じ過ちは犯さないっ!!)

 

 

「カイトから離れてっ!!」

 

相手に防御も反撃の隙も与えない、障害になる扉を切り刻み相手の意表を突いた速攻

 

 

しかし、それでも相手はこちらの攻撃を躱してきた

 

――――――違う。

 

見間違いで無ければカイトが何故か相手を突き飛ばした様に見えた

 

いや、敵の注意がこちらに向いた隙を突いて相手を突き飛ばしたのだろう

 

タイミング悪くこちらとカイトの攻撃が被ってしまったことによる失敗と判断

 

即座に追撃を―――――。 

 

そう思ったところでカイトが何故か敵との間に割り込んできた

 

どうして邪魔するの!?

 

「カイトどいて!そいつ殺せない!!」

 

「お、お嬢、落ち着けぇ! こいつは俺の知り合いだから!! 敵じゃないから!!!」

 

「・・・え?」

 

カイトの発言で一瞬、頭の中が真っ白になる

 

「え・・・でも・・・その人、カイトの首を絞めてた」

 

そう、確かに自分は何者かがカイトの首を絞めているのを見たのだ

 

「誤解!誤解だって!むしろ逆でアスフィは俺のボタンを外そうとしてただけで・・・あ」

 

「ボタン・・・?」

 

言われてみればカイトの入院服であるシャツのボタン部分が中途半端に外れていた

 

わざわざあんな体勢で?

 

そこで、敵だと思われた人物に目を移す

 

どうやら相手は女性のようだ、薄水色の綺麗な髪に眼鏡をかけたカイトと同じか少し上くらいの女の子だ

 

私と目が合うと、何故か顔を真っ赤にして目をそらされた

 

どうやら本当に敵ではないらしい

 

「・・・でも、何であんな体勢でボタンを?」

 

「うぇ!?・・・あ-・・・それはだな、その、ほら・・・俺ってばさっき意識が戻ったばかりでちょっと寝苦しくてさボタンを外そうと思ったんだけど起きたばかりで身体を動かしにくいなーって思ってるところにちょうどアスフィが見舞いに来てくれたからついでにちょっとボタンを外してもらおうと思ったらアスフィが思いの外不器用でな全然はずせないんだわそれで色々やってる内にあんな体勢になっちまっていやー大変だったよなアスフィ!!」

「え!?・・・ええ!!そうですね!!我ながらマジックメイカーであるというのにこの不器用さには辟易してしまいます、不器用すぎて何故か私のリボンまで外れてしまって本当に困ってしまいますねわたしもちょっとはずせないくらいでムキになってしまってあんな体勢でボタンを外すことになってしまうなんてええもう自分の不器用さにはあきれてしまいます!!」

 

「「はははははははははははははっ!!」」

 

すごい勢いで2人が事情をしゃべりだし、お互い納得し合って何故か笑い出した

 

 

(・・・?? でも、まぁ・・・いいかな)

 

 

「よくわからないけど、・・・カイトが無事でよかった」

 

何故だか分からないけど・・・このとき私は久しぶりに自然に笑えた気がした

 

 

「っっぐ!!」

 

 

カイトが突然、胸を押さえて苦しそうな表情になった

 

「カイト!?どうしたのもしかしてどこか痛むの!?」

 

「・・・いや、大丈夫だ・・・ちょっと良心の呵責に押しつぶされそうになっただけだから」

 

「・・・???」

 

またしてもよく分からないが、とりあえず大事ではないようだ

 

「・・・えっとそれでこっちの人は?」

 

「ん?・・・ああ、すまんすまん紹介が遅れたな、彼女は――――」

 

「こほん!・・・初めまして『剣姫』、私はアスフィ・アル・アンドロメダ、ヘルメス・ファミリア所属の者です、先程は誤解を与えられる様なことになってしまい申し訳ありません。」

 

ヘルメス・ファミリア?

 

いや、疑問に思うのは後だ、まずは先程のことを謝らねばならない

 

「は、初めまして・・・あの、こちらこそ さっきはごめんなさい、勘違いで斬りかかってしまって・・・」

 

「あなたはカイトの身を心配してあのようなことをしたのでしょう? なら私はあなたを怒ることは出来ません・・・もし私が同じ光景を見たら・・・そうですね、私は見間違いなどしませんから・・・自分を抑える自信がありませんねぇ・・・」

 

何やら意味深な感じで最後の方はカイトの方を見ながら言っていた

 

カイトの方は、そんな事しねーよ、と軽くあしらうように手を振っていたがどういう意味なのだろうか?

 

「それにしても、お嬢的には久しぶりって言えばいいのか?」

 

「うん、10日ぶり」

 

「はぁ!?・・・俺そんなに寝てたの!?」

 

「知らなかったのですか?」

 

アスフィさんが呆れたようにため息を着いている

 

「いや、さっきも言ったけどマジで目が覚めたばっかなんだよ、お嬢、この10日間で何か変わったこととかあったら教えてくれないか?」

 

「うん」

 

 

その後に私は、この10日の間に何が起こったのかを、私が知る限り説明していった

 

事件後カイトが瀕死でここに運びこまれたこと

 

首謀者はイシュタル・ファミリアのLv.3、それもランクアップ間近の『男殺し(アンドロトロノス)』ことフリュネ・ジャミールであったこと

 

今のオラリオの状況ではイシュタル・ファミリアに直接的な報復ができないこと

 

現在、ロキがイシュタルに対して報復の代わりの制裁を加えるために神イシュタルと直接話し合いをしているということ

 

そして最後に、ラウルと自分が責任を感じていること

 

 

「・・・ごめんなさい」

 

全てを話し終わった後に改めて私は頭を下げて謝った

 

何故謝る必要があるのかと、カイトに聞かれたので頭を下げたまま答える

 

今回、自分が相手に手加減を加えてしまったせいでこのような事態になってしまったこと等を伝えた。

 

そしたら―――――

 

「お嬢、顔を上げてくれ」

 

そう言われたので顔を上げると

 

ビシ!!

 

「あう」

 

額にデコピンをされた

 

「馬鹿野郎・・・とりあえずお嬢、ちょっとここに正座なー」

 

「・・・」

 

罰か何かだろうか、でもその程度の罰で許されるものではない

 

「いいか? あの時の俺たちはパーティだ、そんでもってLv.1とはいえ一応俺がリーダーだ、その俺の判断でこうなったんなら・・・そりゃ俺の責任だ」

 

「―――――でも!「確かに!・・・お嬢やラウル達が責任を感じる必要は全く無いとは言わない、だが責任の感じすぎはダメだ」

 

「でも私はLv.2で、守らなきゃいけなかったのに」

 

「別にいいだろ、お嬢―――――、俺たちは全員生きてダンジョンから帰れたんだ、それでいいじゃねぇか、でもそうだなそれでも言うべき事があるとしたら」

 

カイトの手が私の頭を優しく撫でてくれる

 

―――――――――お疲れ様。

 

こんくらいのもんだろ? あの時の様にニカッと笑いながらそう言った。

 

 

「――――――あ」

 

それだけで心の闇が晴れ渡っていく

 

事件後からずっと私を縛って苦しめていた何かが霧散していく

 

何故だろう、とてもポカポカするのに目がぼやけるのは

 

何故だろう、とても気分が良いのに涙が流れるのは

 

 

何故だろう、何故だろう、何故だろう

 

幸せだった昔を、父を、母を、皆を思い出すのは

 

不思議な感覚だった、まるで自分に兄が出来たような、そんな変な感じ

 

不思議な感情に困惑している内に、ラウルさんと神ヘルメスが現れ、ラウルさんも私と同じようにカイトと今回の件の話をして説教されていた

 

お疲れさん

 

ラウルさんも私と同じことを言われたようだ

 

心なしかさっきよりもラウルさんの顔が晴れやかになったような気がした。

 

 

 

 

 

《side out:アイズ》

 

 

 

==============================================

 

 

 

アスフィとヘルメスのことをアイズとラウルに簡単に説明した後、ラウルにはロキ達へ俺の意識が戻ったことを伝えに、一旦本拠へとひとっ走りしてもらった

 

そして現在、この病室にロキ、フィン、ガレスのおっさん、リヴェリア、ヘルメス、アスフィ、そして最後にこの部屋の仮初めの主である俺の、総勢7名が雁首を揃えていた。

 

ちなみにお嬢とラウルは、今から行われるであろう話し合いを聞かれないように廊下で人払兼護衛をしている

 

 

「そーれーでーカイト~・・・これはいったいどういうこっちゃねん」

 

こちらの頬をゴムのように引っ張りながら好き放題にしつつロキが聞いてくる

 

「にゃにがだ」

 

扉のことなのか、それともヘルメスのことなのか、アスフィのことなのか、代名詞が指す()()が多くて特定できない

 

っていうか俺の顔で遊ぶのをいい加減止めろ

 

「せやなー、それじゃまずこの胡散臭い神との関係からやな」

 

「別にそんなに大した話じゃない、この胡散臭い馬鹿との出会いは数年前からでな・・・」

 

「ねぇ、ナチュラルに俺をディスるの止めてくんない?」

 

 

無視して俺はヘルメス(バカ)とはオラリオに来る前、住んでいた村の近くにある遺跡の調査とやらで訪れた際に何度か会っていたことを話した

 

そしてその際に同行していたアスフィと何度か会う内にお互い恋仲になり将来を約束した仲であるということもついでに話す。

 

 

話し終わった後で、ほとんどの者が顔を苦渋に染める

 

その中でロキが口を開く

 

「カイト、知っとる思うけどな、異なるファミリアの者が一緒になるいうんはかなり難しいことなんやで? そりゃ例えばファイたんとこの子とかとやったら、うちとファイたんの仲がええから問題ないかもしれんけど、それですらかなり難しいんや」

 

「知ってる」

 

ちなみにファイたんと言うのは世界一の規模と実績を誇るオラリオ最大の鍛冶ファミリアである、ヘファイストス・ファミリアの主神、燃えるような灼髪に右目の眼帯が有名な神ヘファイストスのことだ

 

「やったら、何でうちのとこに入ったんや? その子がヘルメスんとこの眷属なら・・・嫌やけど!めちゃくちゃ嫌やけど!!・・・そのままこいつのファミリアに入った方がよかったんちゃう?」

 

自分の眷属に、他の派閥のファミリアに入った方が良かったのでは、そう言ったときにロキの顔はとても嫌そうで苦しそうな表情だった

 

そんなことを実は眷属への愛が人一倍強い女神に言わせてしまったことを申し訳なく思う

 

反論するために、ロキが来てから静かにしていたアスフィにアイコンタクトで確認を取る

 

「・・・かまいませんよ」

 

話しても言いという許可が出たので全てを話すことにする、最悪このファミリアを出て行くことになるかもしれないが覚悟の上だ。

 

「入団での面接でも言ったが俺は婚約者、そこにいるアスフィと一緒になり、アスフィの親にも認められたい、そのためには世界に轟くような名声がいる、ここまでは話したよな?」

 

確認を取りつつ話を続ける

 

「ヘルメスのファミリアはダンジョン探索がメインじゃない、色んな商売にも手を出してるから、強くなりたい俺の目的とは微妙に合致しないんだ、そりゃあ、ヘルメスの所でもダンジョンには潜れるには潜れるが、俺が求める名声ってのは中途半端な名声じゃ駄目なんだ・・・何故なら、アスフィの親は、()()()()()()()、つまりアスフィは()()()()()()()()なんだ、ただの村人だった俺が認められるには冗談とか、目標とか、夢じゃない、俺は・・・本当の意味で世界に轟くほどの栄誉が欲しいんだ・・・」

 

俺の話した内容に全ての事情を知らなかったロキ・ファミリアの面々が絶句

 

特にアスフィが王族であるということ、そして俺が夢物語のような()()になりたいという台詞に唖然としている

 

だが、俺は本当にそれを目指しているんだ

 

「・・・ロキ、もしアスフィとの仲が認められないなら、俺は・・・」

 

そこから先は言葉にできない、したくない

 

まだ半年とはいえ家族同然・・・いや、もはや自分にとっての第二の家族と言ってもいい帰るべき場所になっているとこを辞めるなど・・・

 

だが

 

それでも

 

課程のために目的をあきらめるなど本末転倒もいい話だ

 

―――――――――それだけは絶対に出来ない。

 

 

・・・・・・・・・・・。

 

 

部屋に沈黙が続く

 

 

それを破ったのは意外にもヘルメスだった

 

「・・・ロキ、取引と行こう」

 

「・・・なんやねん」

 

「今後、俺たちのファミリアはそっちのファミリアの依頼を優先的に受ける、もし眷属の中に遠く離れた家族に手紙や物を贈りたいといったものもあれば他よりも優先しよう、どうだい? 2人の仲を認めるとはいかなくとも黙認するくらいはしてもらえないか、どうせ今すぐどうこうなるものではないだろう?」

 

「ヘルメス・・・お前・・・」

 

「気にするな俺と君の仲だろう?」

 

感謝の言葉を言おうと思ったがこちらに向かってウインクしてきたので言う気が失せた

 

「・・・なんか気持ち悪」

 

「はははははは!!照れるな照れるな♫」

 

「照れてねーよ!」

 

たとえ照れていてもこいつにだけはそんな事言いたくない

 

そんな風に少し場の雰囲気が弛緩し始めたとき

 

「・・・~~~~っだぁああああああああああ、わかった!うちの負けやぁ!!好きにせぇ!!」

 

ロキが折れてくれた

 

「・・・ロキ」

 

「ただしや!さっき言ったヘルメスの条件は全部飲んでもらうで!うちには森から出てきたエルフの子がぎょーさんおるから覚悟せぇよ!!」

 

ビシィっとヘルメスに指を指して宣言するロキ

 

「わかっているさ、俺はヘルメスだぜ?約束は守るよ」

 

それに対して軽い調子で返答するヘルメス

 

軽く受け流されたロキは不機嫌になり、乱暴に椅子に腰掛ける

 

「・・・ふん、それにしてもお前が眷属のために・・・いやそれ以外の者のためにも動く甲斐性があったとは思えないんやけどなぁ」

 

「なに、偶には子供の機嫌を取ってやらないとね、これでも自分の子を俺なりにではあるが大切に思ってるんだぜ?」

 

まだ、神々の間で確執がありそうだがとりあえず話はまとまったと判断してもいいのだろう

 

(・・・やったなアスフィ)

 

(はい・・・カイトもお疲れ様です)

 

アスフィと無言で目を合わせお互い、喜びをあらわにする

 

 

 

そうやってようやく話が平和にまとまり後は解散かと思われたとき

 

「それはそうとカイト、さっきは聞きそびれてしまったんだが・・・何で扉が細切れになってるんだ?」

 

ヘルメスのバカがとんでもない爆弾を投下してきやがった

 

(くっ、誤魔化せたとおもったんだが・・・)

 

「あー・・・それな、いや、実は俺の部屋に居たアスフィを襲撃に来た敵対派閥の刺客と勘違いしたお嬢が――――――――」

 

仕方が無いので嘘を混ぜず、そうなってしまった原因を話さないようにいい訳をする

 

 

「・・・ふーん、『剣姫』がねぇ?」

 

「アイズたんったら・・・お茶目やなぁ☆」

 

 

ロキ達の後ろでは今の話を聞いたフィン達も苦笑い、リヴェリアは例によって例の如く、頭痛を堪えるように眉間のシワをもんでいる

 

「まぁ、そういうわけで扉がご臨終なさってしまったというわけだ」

 

(ヨッシャ!イケる!このまま誤魔化しきれる!)

 

そう勝利を確信してしまったのがいけなかったのか

 

「ん~?・・・それは本当のことなのかなぁ~」

 

ヘルメスの野郎が何かに気付きやがった

 

(こ、こいつ 余計なことを言うんじゃねぇ!!)

 

 

「カイト~ちょ~っと、質問に答えてくれるかな、一つだけでいいんだよ、うん一つだけ」

 

「な、なんだ、よ」

 

ニヤ~っとでも聞こえてきそうな笑みでこちらを向くヘルメス、嫌な予感しかしない

 

「アスフィと何か『いや~ん♥』 なことでもしてた?」

 

「「ブッ!?」」

 

俺とアスフィが同時に吹いた、まさかここまでド直球な質問が来るとは!?

 

「っ・・・・・・・」

 

それに対する俺の答えは沈黙、

 

地上の子は神々に対して嘘をつくことが出来ない、より正確に言うならば嘘をついてもすぐにそれが嘘とわかってしまう

 

そのためここで、それを拒否してもすぐに嘘だとバレる

 

だが、真っ正直に、「ハイしてました、でも未遂なんで無罪です」

 

―――――なんて言えるわけがない。

 

かといってこのまま沈黙を続けるのは肯定しているのとさほど変わらない

 

(助けてクラピカァ!!得意のクラピカ理論で助けてくれぇ!!)

 

非情なるかな

 

偉大なクラピカ理論の提唱者、クラピカの「沈黙こそが正解」もここでは通じない

 

 

(もう・・・万事休すなのかっ・・・俺に救いの手はないのか!?)

 

そう絶望しかけたとき、俺の肩に優しく触れる手が置かれた

 

「・・・ロキ?」

 

唯一の希望に一縷の望みを懸け、振り向いた先で見たロキの顔は―――――――――

 

「ホッホーウ? それでそれで? カイトー? ウチも続き聞きたいわ~、ほほう?ほほう?」

 

悪戯小僧・百割増しみたいな顔でこちらを煽ってきた

 

「ロキィィィィィィイイ!? 貴様もかぁ!?」

 

まさかのロキの裏切りである。

 

「ほほう?ロキ、君も気になるかい?」

 

「ほほう?何、当たり前のこと言うんねん、自分の子供の貞操やぞ?こんなおもしr・・・大変な案件見逃せるかい!!」

 

最悪のタイミングで最悪な奴らが意気投合しやがった

 

「てめぇ、ロキ! 今確実に面白いって言いやがったな!? てかお前らさっきまで険悪な雰囲気だったじゃねぇか、なに結託してんだボケ共がぁ!!」

 

それから俺の周りをほっほーう、ほっほーうと言いながらウロチョロするアホ共

 

フクロウかてめーらは!?

 

 

ちなみにフィン達は呆れて部屋を出て行った

 

アスフィに至っては部屋の隅で体育座りでうずくまり、耳を塞いで自閉・・・というか現実逃避に走ってるし

 

 

「「ほっほほーうカイトほっほほーう?」」

 

 

「うぜぇええええええええええ!!!」

 

 

 

こうして俺の久々の目覚めは最悪のまま終了し(結局この後、全部がバレた)

 

一連の事件は騒がしいままで終了した。

 

 

 

 




ちなみに主人公カイトのカリスマはMAXです。後半はノリノリで書けたw。

PS:金リンゴ・・・シャクシャク・・・周回周回・・・
  (^o^)<オメデトウゴザイマース 金リンゴ追加でーす
  (0д0∥)イヤァァァアアアアアアア

  リンゴ・・・減らない・・・。


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