ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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長くなったから前編と後編に分けるね☆・・・・・・80箱ナウ(´д`)


様々な出会い編
19:昇格×降格 前編


《side:フィン》

 

今日は10日に一度のロキ・ファミリア幹部会--------と仰々しく言ってはみたけれど、要はただのお互いの情報交換と既知情報の確認といった報告会だ

 

今回のメインの情報は大きく分けて四つ

 

最初は闇派閥(イヴィルス)への討伐作戦の計画に関して、まずはこれがメインだろう

 

二つ目は新人団員及び下級団員の育成状況

 

三つ目は遠征に関してだが、現状では難しいので愚痴や雑談だけで終わるだろう

 

そして

 

最後の四つ目が、カイトに付随して着いてきたイシュタル・ファミリアとヘルメス・ファミリアに関することになるだろう

 

そう思案しつつ、もはや自室と言っても差し支えない団長室に入ると、既にリヴェリアとガレスが待っているところだった

 

「おや、やっぱり僕が最後かな?」

 

「いや、ロキがまだだな」

 

リヴェリアに言われて部屋を見渡すと確かにロキだけが見当たらなかった、けっこうギリギリだったので自分が最後だと思っていたがどうやらロキはまだ来ていないようだ

 

「まぁ、あやつのことじゃその内来るじゃろ」

 

主神抜きで報告会はできないのでしばらく待つこと数分、雑談をしつつ時間をつぶしてはいたものの、姿を見せないロキにリヴェリアが愚痴を流し始めそうになったとき

 

バン!!

 

「いや~!スマン!!遅れてもうたわ、堪忍してや~!」

 

ロキが扉を勢いよく開けつつ駆け込みように入室してきた

 

「・・・遅いぞロキ」

 

リヴェリアが不機嫌そうに言ってくる

 

「いや、ホンマすまんて、カイトに療養所まで呼ばれてステイタスを更新したんやけど・・・そこでちょっとなー?」

 

またか、と 思うのは早計だろうか、それともやはり、と言うべきか

 

ちなみにリヴェリアは前者の様に考えたのかため息を

ガレスは腕を組んだまま面白そうに笑っている

 

「もしかして、()()何かあった?」

 

こと、ここに至る少し前から僕は、カイトを常識や普通といった枠組みに当てはめるのを諦めている、逆に次はどんな面白いことをしたのかと興味深く思うようになった、我ながらそれは団長としてどうなのかと思うがカイトに関しては好奇心の方が勝ったようだ

 

「まぁ、これは会議の最後に話すとするわ」

 

僕の質問に対して楽しそうにニッシッシと笑いながらロキがはぐらかしてきた

 

ふむ、・・・どうやらメインの議題に五つ目が追加されたようだ

 

議題のタイトルは何だろうか 『~今日のカイト~』とかだろうか?

 

いや、彼はそんな可愛い感じは似合わないか・・・

 

「じゃ、はじめよか~」

 

そんなどうでもいい戯れ言を考えつつ会議は始まった。

 

 

 

「―――――――――――では、ヘルメス・ファミリアとは同盟では無く良好な取引相手ということで今後対応していくことでいいな?」

 

「それがええやろな、あいつは癖もんの多い神々の仲でも指折りや、さすがにカイトのためとはいえ同盟を組むのはちょっとなぁ・・・幸いあっちもそれを望んどるようやし、よほどの大問題でも抱えん限り同盟はしとうないなー」

 

同盟というのは言ってしまえば一蓮托生、いくらカイトのためとはいえ、たった一人の団員のために他派閥のファミリアと同盟を結ぶことはできない

 

「・・・ま、そんな所じゃろうな」

 

決定した内容にガレスも賛同する

 

「とりあえず予定通りの議題はこれで大体は話おわったね」

 

闇派閥、団員の育成状況、次回の遠征、そしてイシュタルとヘルメスのファミリアとの今後の付き合い方についての意見も全員の賛同を得てとりあえずではあるがファミリアの行動方針がとりあえず決定した

 

「・・・じゃあロキ、君が先程から話したがっている内容を聞いてもいいかい?」

 

ロキが会議の最中もどこがずっとソワソワしていたのはここにいる全員が気付いていた、他の団員なら気付かないささいな違いだが、付き合いの長い僕たちにはわかりやすすぎる違和感だ。

 

「ありゃ、やっぱばれてもうた?」

 

ロキが笑いながら舌を出して茶目っ気たっぷりにあっけらかんと答える

 

「バレバレだよ、僕たちに隠し事をするならもっと上手くやらなきゃ・・・それで?」

 

「ニヒヒヒヒ! いやな~カイトが面白すぎてな?・・・言う前に聞いとこか? カイトに関して、めちゃくちゃええ話が1個、そこそこ悪い話も1個、面倒くさそうな話が2個・・・いや、やっぱちょい待って・・・面倒くさそうな話が1個におもろそうな話が1個や、さてどれから聞きたい?」

 

面倒くさいという話が途中で2個から面白い話とやらに分かれたのが気になったが

 

(結局は全部聞くことになるからどれからでも良いかな、他のメンバーの意見に合わせるとしよう)

 

「別にどれでもいいが・・・儂は良い話とやらから聞きたいのう」

 

「・・・僕も良い話からがいいかな」

 

「私はどれからでも・・・いや、やはり他の二人と同じで良い話とやからが良いな、悪い話から聞いた場合その場で私の胃に穴が空きかねん」

 

「あれ、僕の胃の心配は?」

 

「お前は既に奴のすることを[面白い]ですませて、事前の問題解決を諦めているだろう・・・」

 

「あいかわらず心配性だのう」

 

「小言を言う者が一人くらい居らねば、このファミリアはとっくの昔に混沌と化しているぞ・・・」

 

三者三様の反応をロキが確認して口を開く

 

「ほな、決まったな! でな?でな?良い話ってのは・・・カイトのランクアップや!!所要期間半年!最年少とはいかんけどアイズの最速記録を抜いて新たな世界記録保持者の誕生や!!」

 

ロキの発言に全員が絶句する、だが、最初からそれなりに覚悟を決めていたのですぐに我を取り戻して嘆息する

 

「ふぅ・・・さすがは僕が選んだ次期団長候補、とでも言うべきかな?」

 

さすがの僕でも乾いた笑いしか出てこない

 

「信じられん・・・あのアイズでさえ一年、それすら異常すぎる速さだったというのに」

 

リヴェリアに至っては未だ半信半疑のようだ

 

「ガッハハハハハハ、彼奴ほどの男が死の淵に立たされる程の死闘をしたんじゃ、通常の経験とはわけがちがったんじゃろう、むしろ今回のランクアップに儂はむしろ納得じゃぞ!!」

 

カイトを推しているガレスはむしろ自慢げな様子だ、一番期待しているカイトが期待していた以上の成果を出したことが嬉しいのだろう

 

それにしても、確かにこれはビッグニュースだ、限りなく低い可能性の一つとして考えてはいたが本当にランクアップを果たすとは・・・

 

「じゃあ、サクサク次いこか、悪いニュースはカイトのステイタス値がおかしなことになっててなぁ・・・」

 

「・・・例のスキルか?」

 

この場に居る全員が心当たりのある原因を思い出す

 

目が覚めたカイトから後日に聞いていたが、やはりカイトは僕たちが使用を禁じていたスキルを使用していた、だが今回は使わなければ死んでいたであろう状況なのでさすがに不問としていた

 

「本当にスキルの影響でステイタス値が下がるのか・・・ロキ、ステイタスの写しは持っているか?」

 

「あるでー」

 

そういってポケットから折りたたんだ紙をリヴェリアに渡す、それを見たリヴェリアの顔が曇る

 

「なんだ・・・これは・・・さすがに初めてみるぞこんなステイタスは・・・色々な意味で意味がわからん」

 

「儂にも見せてくれ」

 

リヴェリアからガレスに渡ったステイタス紙を横から僕も一緒に見せてもらう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カイト・クラネル Lv.1

 

 

 力:C⇒D 612⇒514 (-98)

耐久:D⇒C 545⇒634(+89)

器用:C⇒C 671⇒660(-11)

俊敏:C⇒C 680⇒658(-22)

魔力:A⇒S 890⇒982(+92)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・・・・ロキ?」

 

ナニコレ

 

上昇しているステイタスの上昇具合も異常だがプラスとマイナスがぐちゃまぜになっていた

 

「やから言うたやろ-?わけがわからんことになっとるってー」

 

カイトのスキルは出た目に従い何らかの能力が発現する、そしてそれをキャンセルするには出た目の数×100のステイタス値が下がるというのは初期の段階でここに居る全員が知っていたが、この紙を見る限り上がっている物もあれば下がっている物もある

 

 

「これはいったい・・・・・・あ」

 

そういうことか

 

「ガレス、ちょっとその紙を貸してくれ」

 

あまりに異質なステイタス紙の内容に当たり前のことを忘れていた

 

「さっすがフィンやで!もう何か気付いたんか?」

 

「ああ、たぶん本当の・・・というか、わかりやく書き直すとこう言うことだと思うよ」

 

気付いたことを、ステイタス紙に訂正して書き込んでいく

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

カイト・クラネル Lv.1

 

 

 力:C⇒D 612⇒514(-200)(+102)

耐久:D⇒C 545⇒634(-100)(+189)

器用:C⇒C 671⇒660(-100)(+89)

俊敏:C⇒C 680⇒658(-100)(+78)

魔力:A⇒S 890⇒982(-100)(+192)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「割り当ては適当だけと、たぶんこういうことだと思うよ」

 

当たり前のこと

 

ランクアップするほどの戦闘をしたのならそれに見合うほどのステイタスの上昇もあって当然のことだ、おそらく最初の数値はカイトの上昇値からスキルの影響で下がったステイタスを合算した数値なのだろう

 

「あ~~~、あかんボケてたわ、確かにステイタスも上昇するわなぁ、スキルにばっか目がいってそんな当たり前のことも忘れてたわ・・・」

 

ロキが灯台もと暗しの様な状態に天を仰ぐ

 

「まぁ、ステイタスが下がるなんて現象は彼奴だけじゃろうからなぁ、ロキ、お主も、物珍しくてはしゃぎすぎたんじゃないか?」

 

確かに、ガレスの言うとおり初見では僕もこのステイタスには面食らってしまい、すぐには意味がわからず混乱してしまったのでロキを馬鹿にはできない、だが これよりもさらに見落としていることがあるのを皆は気付いていない

 

「ここでの問題はステイタスが下がったことよりも、何故下がったのかだ」

 

「・・・どういう意味だ? カイトはスキルをキャンセルしたからこそステイタスが下がったのだろう?」

 

リヴェリアですらこれには気付いていないようだ

 

「いや、カイトからそんな事・・・スキルをキャンセルしたとは聞いていない、というよりそんなことに意識を割く余裕は無かったはずだよ」

 

「確かに、彼奴から聞いた話では最後の技を出してからの記憶が無いと言っておったな」

 

「つまり、自動でスキルがキャンセルされたっちゅーことか?」

 

「たぶんね・・・しかも、だ カイトがあんな状態になってまで放った技を使用してもカイトのスキルはそれでは[使用していない]と判断したということになる」

 

「強力な分、やっかいなスキルじゃのう」

 

まったくだ、[使用した]ということになるのにも何か条件があるのかもしれない・・・明日、もしくは近い内にでもカイトに使用する際での条件に何か心当たりが無いか呼び出してでも聞かねばならないだろう・・・まぁ、今の彼はかなりヒマを持て余しているだろうから、こっちから出向けば喜んで答えてくれるかもしれないが

 

「そういえば、そのカイト自身の容態はどうなのだ? もちろん怪我の方ではないぞ・・・」

 

リヴェリアが眉間にシワを作りながらあきれ声でロキに質問しているが・・・無理もない

 

そもそも、カイトが目覚めてから既に一週間、本来ならとっくに退院している頃合いなのだが、カイトは未だにディアンケヒト・ファミリアの療養所に入院している

 

原因はカイトが目覚めたその日の晩に起こった、あろうことかカイトは絶対安静の身であるにも関わらず夜中に療養所を脱走、着の身着のまま、ロキ・ファミリアがひいきにして飲み会や祝い事での食事会を行う「豊穣の女主人」に突撃、顔見知りで店主でもあるミアを説得しツケで大量の料理を注文し、さらにそれを完食

 

当然のことながらカイトは目覚める10日間は意識不明の昏睡状態、食事は点滴のみであった、そんな状態の人間が起きたその日に大量の食事を取ればどうなるか・・・

 

店主のミア曰く、全てを食べ終わって数秒後、とてつもない笑顔で「ごちそうさま、生き返った気分だぜ!!」と言うと、白目を剥きながら泡を吹いてぶっ倒れたそうだ、ちなみにこのときのカイトの状態は割と本気でヤバかったらしく、現在カイトにはまた脱走しないように24時間体勢でディアンケヒト・ファミリアの団員が監視についている

 

「生き返った気分の瞬間に死ぬとはのう・・・」

 

ガレスが髭を撫でながらシミジミとつぶやく

 

「いや、生きてるから」

 

ちなみに、次の日の昼には驚異的な回復力でカイトは目を覚ました

 

「でも、マジでぶっ倒れた後に心肺停止してたみたいやで~」

 

ケラケラと面白そうに語るロキ

 

「カイトは頭が良い奴だと思っていたのだがなぁ・・・」

 

至極残念そうにため息を吐くリヴェリア

 

 

「・・・とりあえず話を戻そうか、残りは面倒と面白そうな話だったよね?」

 

内容が脱線しかけたので話を戻すように誘導する

 

「ん~、まぁここまできたら順番に話そか・・・面倒ってのはカイトに発現した発展アビリティなんやけど」

 

「ほう、やはり何かを発現させたか、それで? 何が出てきた?」

 

発展アビリティというのは、レベルへのランクアップ時のみに発現する専門職の能力だ

 

例えば鍛治師なら鍛冶に関するアビリティが、魔法使いなら魔法に関するアビリティ等々、それまで本人が何に関わりどのような経験をしてきたかによって発現する特殊な能力、ランクアップするまで本人がどれだけ頑張ったのかという特典ボーナスみたいなものだ

これは複数のアビリティを発現する者もいれば1つも出てこない者もいる上にその種類は千差万別、だが凡庸性の高い人気のアビリティや希少なレアアビリティを発現できれば、それからの冒険者としての活動が飛躍的に楽になるので慎重に決めねばならない、何しろ一定のランクから上がるときにしか手に入らないアビリティも存在するからだ。

 

「とりあえず、3つも出てきててなぁ・・・」

 

3つ、1つも発現できない者からすれば羨ましいことこの上ないだろう

 

「多いな・・・それで?」

 

「1個目は【狩人】や」

 

ロキが指を一本立てつつ話す

 

【狩人】一度でも勝利したモンスターと戦闘する際にステイタスが上昇するというレアの人気アビリティだ、このアビリティは取得条件が判明しているにも関わらず発現させる者は少ない、なぜなら取得条件が〈短期間の内に大量のモンスターを倒す〉という達成するのが困難なものとなっているからだが、カイトは見事にこのアビリティを発現させることに成功したようだ

 

「まぁ、あれだけモンスターの群れに突っ込ませれば当然かな?」

 

「お主、笑顔でえげつないことをするのう・・・」

 

 

間。

 

 

「2個目は【対人】やで」

 

【対人】は文字通り人間を相手にした際、ステイタスに上昇補正がかかるアビリティだ、これも取得条件がわかっており、〈激しく人同士で闘争を行う〉というものだ、ただしこの闘争は生半可なものでなくそれこそ生きるか死ぬかくらいの戦いをほぼ毎日行わなければ発現しない、これを発現する者が一番多いのはコロシアムで闘う剣奴であったりする

 

「ガレス?・・・お前は一体どれだけカイトを・・・」

 

このアビリティを発現したことに対して、カイトの訓練のほぼ全てを担っているガレスにさすがのリヴェリアもドン引きしていた

 

「フツウノクンレンヲシタダケジャ」

 

何でカタコト?

 

「いや、だってこれかなりの殴り合いとかしないと・・・」

 

さすがの僕も一言出てしまう

 

「フツウノクンレンヲシタダケジャ」

 

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 

 

今度からカイトの訓練には僕かリヴェリアも参加(監視)することになった

 

 

「・・・・・・チッ」

 

 

僕は何も聞かなかった、うん

 

 

 

間。

 

 

「最後の三つ目は【奇運】や、ちなみに文字は〈奇妙〉な方の〈奇〉や」

 

 

 

 

「なるほど【奇運】か・・・」

リヴェリアが頷き

 

「【奇運】・・・のう?」

ガレスが髭を撫で

 

「【奇運】かぁ・・・」

僕は天を見上げた

 

 

「「「・・・ナニソレ?」」」

 

()しくも長年の付き合いである三人の口調が消え去り、言葉が重なる貴重な一瞬だった。

 

 




週1~10日くらい間隔での投稿を目指しますねー(・ω・)

PS:それにしてもHP1000万の敵とかやべぇっすねぇ・・・

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