ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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今回は主人公の称号に関してよ(´ω`)


21:神会×称号

オラリオの中心にそびえ建つバベル

 

今から千年前に「暇なので」と言うしょうもない理由で神々が降臨した最初の地でもあり、世界の暗黒期を終わらせた始まりの地でもある

 

その塔の高さは世界最高峰を誇り今でもダンジョンからモンスターが地上に溢れないようにするための蓋という重要な役割を持つ

 

そのバベルでは一定の階層からは神々しか立ち入ることが許されない、そのとある階層のフロアを丸ごとぶち抜き行われるのが神会(デナトゥス)である。

 

開催は基本的に三ヶ月に一度、参加は自由であるがその神会の内容に自分の眷属が関わっていた場合は必ず参加しなければ自分の子供が確実にイタイことになってしまうので要参加となる

 

ちなみに例外的に延期されることもままあるので開催は絶対ではない。

 

 

今宵はその神会が行われていた

 

「最近あいつらウザくねー?」「それよりラキアでまーた何か動きがあるってよ」「闇派閥(イヴィルス)どもめ・・・」「今日はフレイヤ様いないのー?」「イシュタル様もいないじゃん俺帰るー」「私がガネーシャだぁ!!」「はいはい」「ガネーシャガネーシャ」「怠慢ですね」「まっじめ~」

 

だが神会とは言ってもその実は、ただの神々の井戸端会議に近い情報交換会であった

 

これを知らない人の子は神々同士による厳かな会議が開かれていると勝手に思っている。

 

 

そこそこの時間が経ち情報の交換が終わり喧騒が落ち着いてきたところで今回の司会役の神が宣言する

 

「では!情報交換はここまでとする、闇派閥に対してはこれまで通り厳粛に対処するということでいいな!!」

 

「「「「異議なーーーーーーし!!」」」」

 

一旦、司会役の神が周りを見渡し宣言する

 

「では、これより命名式を始める!!」

 

「「「「「ヒャッハァアアーーーーーー!!!」」」」」

 

 

 

命名式

 

ランクアップし、己の器を昇華させた者に神々が贈る称号を決める儀式、もとい遊びである。

 

神々から贈られる称号は様々なものがあるが、そのほとんどが悪ふざけによって付けられた痛恨の名がほとんどであった

 

しかしまだまだ神々のセンスに追いつけない地上の子供たちはその痛恨の二つ名を誇らしげに名乗るのである

 

これが愉快型の神ならば共に笑い転げるであろうが、神格者であれば嘆き悲しみ、己の眷属がその痛恨の二つ名を誇らしげに名乗るたびに胸を引き裂かれそうな苦しみを味わうことになる

 

ただしこの呪縛から逃れる方法は存在する、その方法は三つ

 

一つ目は自らのファミリアをオラリオでも有数のファミリアに育て上げ影響力、要は発言力を得ることだ

 

二つ目は強力なファミリアの傘下として保護してもらえた場合

 

三つ目はその容姿や達成した偉業から神々に好感を得られた場合だ

 

 

 

そしてロキは都市に二つ存在する二大派閥、その片割れ

 

この女神の眷属に面白おかしい称号付ける命知らずの神はいない、故にロキは他の古参の神々と同様に全力で真面目にふざけていた

 

「うっひょーこの子、名前がバルムンクとかめっちゃかっこいいやんけー!よっしゃ二つ名は『漆黒の風(ダーク・ファキナウェイ)』で決定や!!」

 

「「「「いてぇええええええええwwwwww!!!!」」」」

 

「いやぁぁあーーーー!!やめてぇぇええええええ!?」

 

バルムンク、もとい『漆黒の風(ダーク・ファキナウェイ)』の親である女神が顔を覆いつつ絶望の声を上げる

 

 

次々とランクアップした子供達の称号が決まり、その中には泣き崩れる者、安堵する者、泰然としている者と様々であるがロキの眷族の順番となり、そのランクアップした子供の資料に目を通した神々全員の表情が一変する

 

「おいおい、ランクアップの所要期間が8ヶ月って・・・」

「またロキの所かよ」

「つかこれ世界記録(ワールドレコード)じゃん」

「・・・だよな?」

「最年少記録こそ破れないが、最速の世界記録(ワールドレコード)なのは間違いあるまい」

「ロキよ、これ程の逸材をどこで見つけてきたのだ?」

 

その場の神々が親であるロキに問いただすがロキの表情は変わらない、いつものニヤケ面である

 

「ニッヒッヒッヒ、すごいやろ~?つい最近見つけたうちの秘蔵ッ子やねん、将来的にはうちの懐刀になるかもしれん、せやからや・・・なめた称号(もん)付けたらぶち殺す☆」

 

「「「「イエス・マム!!」」」」

 

ロキに脅された神々が手元にある資料と似顔絵を元に比較的真面目に称号を考え始める

 

(ま、一応脅しといたから下手なもんは出てこんやろ・・・最悪でも、うちが考えたもんを押し通してもええしな)

 

 

そう考えつつ話し合っている神々を眺めていると

 

「―――――ロキ」

 

「んぁ? おぉ、ファイたんやないか、どないしたん?」

 

声の掛かった方を見ると灼髪隻眼のヘファイストスが隣まで来ていた

 

「さすがにちょっとロキの子に興味が湧いてね? それにしてもこの子のランクアップの所要期間が8ヶ月って本当なの?」

 

「マジもマジやで~、まぁランクアップの原因は今日はここにおらんアホの子の第二級に襲われたせいなんやけどな~」

 

「もしかして・・・それを倒しちゃった?」

 

「せやで、もちろん一人じゃ無くて複数で相手してやけどなー」

 

「それでもとんでもない逸材ね、巡り合わせの多いロキが少し羨ましいわ」

 

「いくらファイたんでもカイトはやらんで~?」

 

「そんなことしないわよ・・・まぁでもうちの子と専属鍛治氏の契約を結んでくれたりとかは狙ってるかもだけど・・・ね?」

 

「お、それええなぁ、実は最近カイトが刀とか使いたがってるみたいでな? 詳しい子とか紹介してくれると助かるわぁ」

 

「あら、そうなの? じゃあこっちもそれなりの子を紹介しようかしら・・・刀だったら・・・椿がお勧めだけど」

 

「その子、確かガレスと契約結んでたんとちゃうん? あ、ちなみにカイトはガレスの弟子みたいな関係やで」

 

重傑(エルガルム)の弟子? んー・・・師弟そろって椿と契約ってのも面白いかしら?」

 

神友との実りのある話に花を咲かせているところで

 

 

「「「「決まったぁああーーーーーーーーーー!!」」」」

 

 

カイトの称号を考えていた神々から歓声が上がる

 

「じゃあ、この話はまたあとでねロキ」

 

「せやな、詳しい話は後で煮詰めよか」

 

ヘファイストスが空気を読んでロキの隣から退席する

 

一方、ロキの方はズカズカと神々の喧噪の中に入り込んでいき決まったカイトの称号を確認する

 

「おらぁ見せてみぃ、お前らのセンスこのロキが見定めたるわ!」

 

 

「どーよロキ俺たちのこのハイセンス&クオリティの称号!」

「ふぅ・・・難産だったZE!!」

「いや、お前の考えたの全部却下されたけどな」

「ロキーこいつ巫山戯た名前言ってましたー」

「やめてぇチクらないで!?出来心だったんですぅ!!」

 

 

「とりあえず後でそこの奴は締めるとして、いいから決まったのを見せろや」

 

一柱の神が悲鳴を上げる中、ロキの手の中に話し合いで決定した称号の書かれた紙が渡される

 

そこに書かれた称号名に目を通すと、いつもは細く閉じられ気味なロキの目が薄く見開かれる

 

 

 

ゴクリ

 

 

 

それを見た神々が緊張の余り喉を鳴らす

 

最大派閥の片割れ、ロキが本気になればそこら辺のファミリア等、冗談抜きで消される

 

故にロキの反応に短い静寂が生まれたのだが――――――

 

「・・・ほぉ、ええやんけ、見直したでお前ら!!」

 

どうやら予想以上に気に入られたらしく、かなり上機嫌な反応が返ってきた

 

「っしゃぁあああ合格出たぞーー!!」

 

「じゃあこの子の二つ名は―――――――――」

 

 

 

 

 

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「くそっ!?引け!引けー!!」

 

 

屈強そうな男と女性の入り乱れたパーティが脇目も振らずに一目散に逃げ出していた

 

「「「「GRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」」」

 

それを追いかけるのは子牛程の大きさをもつ超大型犬ヘルハウンド 人程度であれば骨まで焼き尽くす炎を口から吐き『放火魔(バスカビル)』とも呼ばれる、中層でもパーティ全滅の原因のトップをひた走る厄介なモンスターである

 

 

 

ここは中層の始まりにして最初の死線(ファーストライン)とも呼ばれる13階層

 

とあるパーティが運悪く怪物の宴(モンスターパーティ)に巻き込まれ、逃げ出している最中である

 

「よりにもよってヘルハウンドの集団かよ・・・って危ねぇ!!」

 

盾持ちの前衛である男がヘルハウンドの吐いた炎を持っている盾で防ぎ仲間を庇う、しかし

 

「どわっちゃーーーー!?」

 

ヘルハウンドの炎が瞬く間に盾を赤熱させ、男に盾を捨てさせる

 

せめてもの抵抗にと、盾をヘルハウンドに向けて投げつけるがあっさりと避けられる

 

「ちくしょう!予備の盾は後何枚ある!?」

 

「んなもんとっくに捨てたわ!!」

 

「はぁ!?」

 

「あんな重い物を持ってこの速度を維持できるわけないだろうが!!」

 

「こんな時にケンカをしてる場合か!急げ!!」

 

このパーティのリーダーであろう女性のエルフが叱咤し改めて全力での逃走が再会する

 

ダンジョン内だからこその理不尽に皆が歯噛みしていると前方に人影が見えてきた

 

「しめた!フィルヴィスあいつらに押しつけるぞ!いいな!?」

 

「なっ!? 待てそのようなことっ」

 

「馬鹿野郎!仲間と身知らずの他人!てめぇが優先しなきゃならんのはどっちかわかってんだろうが!」

 

言い合っている間にも、逃げる先に居る冒険者との距離が縮んでいく

 

「っ・・・・・・わかった、皆あの者達には悪いが怪物進呈(パスパレード)を行う!私に続け!」

 

目先にいる冒険者は三人しかも

 

(まだ、少年少女と言ってもいい子供ではないか・・・こんな子供に私は・・・)

 

己の行う行為に嫌悪感を感じつつ二人の横を駆け抜ける

 

「すまないっ・・・!」

 

 

 

このとき通常なら聡明なこのエルフ

 

このパーティのリーダーにしてデュオニソス・ファミリア団長「フィルヴィス・シャリア」は気付いていなかった

 

ここは中層の入り口13階層、

 

そもそも付き添いが居たとしても少年や少女程度では簡単に足を踏み入れることすらできない階層であること

 

そして三人がこちらに気付いているにも関わらずそこから動かず、視線は自分たちではなくヘルハウンドの群れに向けられていることに

 

 

(都合の良い考えかもしれない・・・でもどうか無事でい――――――

 

そんな風にせめて彼らの無事を祈っていると

 

「おっしゃぁぁぁーー!!魔石置いてけ犬っころーーーー!!」

 

「ギャウン!?」「ギャン!?」

 

経験値(エクセリア)置いてけ・・・」

 

「キャイン!?」「ギャウ!?」

 

「アイズさん、またカイトの真似してたらリヴェリアさんに怒られるっすよー?」

 

その有り得ない声とモンスターの悲鳴を聞き、全員が振り返ると10匹以上いたヘルハウンドの群れの半数が頭を砕かれ、もしくは真っ二つにされて息絶えていた

 

こちらが呆然としている間にも年端もいかない少年と少女二人によって瞬く間に血袋の塊にされていくヘルハウンド

 

「あ、あの金髪に金眼、見たことがある、ありゃ『剣姫』だ・・・」

 

パーティメンバーの一人が二人の戦闘に畏怖をもって呟く

 

(あれが例の『人形姫』か・・・凄まじいな)

 

自分と同じLv.2だというのにその実力は明らかに向こうの方が上だとわかる、目にも止まらぬスピードで自分たちを死に追いやりかけたモンスターが次々となます切りされて文字通りバラバラになっていく光景を遙かに年下の少女が作り出していることに驚きを禁じえない

 

(凄まじいのは、こっちも一緒か・・・)

 

そしてそれ以上の苛烈さをもって少年が繰り出す拳と蹴りがヘルハウンドの頭を爆散させ、また吹き飛ばし壁に叩き付け血の芸術(アート)へと変えていく、だが真に驚くべきはこの攻撃を間合いの調整などと言った『剣姫』へのサポートをしながら行っていることだろう、まるでこの場の全てを把握しているかのような立ち振る舞いは既に熟練の冒険者の動きを連想させる

 

「た、助かった・・・で、でもよあれって」

 

「ああ、世界最年少記録の『剣姫』と一緒にいるということは・・・あの少年が最近噂のランクアップの世界最速記録保持者、ロキ・ファミリアの――――」

 

 

切札(ジョーカー)

 

 

大派閥の新人冒険者に付けられたその大それた称号が決して誇張では無いということを、戦闘を目撃した全員が己の眼を持って証明した。

 

 

「っていうか、これヤバくね?」

 

パーティメンバーの内一人が焦り出す

 

「何がだ?」

 

「いや、だって俺たちロキ・ファミリアに怪物進呈(パスパレード)しちゃったんだよね・・・」

 

「「「「「あ」」」」」

 

戦闘の終了した方を見ると『剣姫』は無反応

 

サポーターであろう地味な少年はこちらを哀れむような目で

 

そして『切札(ジョーカー)』の方は何か企んでいそうな笑みを浮かべつつこちらに向かってきていた

 

「わ、私が対応する・・・皆、余計なことは言うな」

 

この時、フィルヴィスは先程の逃走時とはまた別の意味で死を覚悟した

 

 

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ジョーカーはババ抜きじゃハズレ、ポーカーなら何にでもなれる、大富豪なら最強というイメージから付けてみました(^ω^)

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