ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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最近はプリコネとかいうゲームにハマってきてます

ん?・・・FGOはどうしたかって?・・・(๑´ºั ₃ºั๑)~♬


34:絶望×切札 後編

     

 

 

「『天譴(てんけん)』!!」

 

開幕は顕現した超大太刀による一撃からだった

 

高速で縦横無尽に跳び回るジャガーノートに対してこの能力は決定打にはならない

 

攻撃は避けられ、ジャガーノートがカイトに向かって攻撃を仕掛けてくる

 

「 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ―――――――――――!!」

 

だが

 

「させん!」

 

「じゃなぁ!!」

 

「はぁああああ!!」

 

刀によって進路を制限されたジャガーノートの足止めに専念するという条件だけならばアストレア・ファミリアのほぼ全ての団員を投入することで可能であった。

 

決定打にはならない『天譴(てんけん)』であったが、牽制方法としては最高の手札だった

 

 

Lv.4 11名

Lv.3  5名

 

対するは『災厄』ジャガーノートのみ

 

もしも自分が居なければアストレア・ファミリアでもこいつの相手は困難だっただろう

 

 

 

(((いける!これならいける!!)))

 

 

 

その時は確かな希望を持って誰もがそう思い闘っていた、

 

闘えていた

 

誰かがそのときのその思いを、判断を、間違いだったと言うだろう

 

だが当人達からすればそれは間違いだったと言われたくはない、その時はそれしか希望がなかったのだ

 

まさか希望に向かうカウントダウンが真逆の絶望へと向かっているなどと一体誰が想像できるのか

 

 

忘れてはいけない

 

ここはダンジョン

 

冒険者を気まぐれと悪意のみで食い殺す

 

怪物どもの坩堝なのだと言うことを。

 

 

 

 

======================================

 

 

 

《 side:『疾風』リオン 》

 

 

 

 

 

(急に何を!?)

 

私と同胞であるフィルヴィス吹き飛ばすという『切札(ジョーカー)』による突然の奇行

 

「けっほっけほ!・・・っ」

 

「無事ですか?」

 

「あぁ、すまない、それよりも一体なに・・・を・・・!?」

 

「これは・・・」

 

その意味を理解したのは、見た事もないモンスターによって後続組みがほぼ殺された後

 

(私たちは彼に助けられたということか・・・)

 

そう言って隣の彼女に目を目向けると、彼の隻腕の状態にかなり狼狽していた。

 

(腕を犠牲にしてまで・・・いや、私は彼女のついでか)

 

隻腕になった『切札(ジョーカー)』が文字通り化け物のような強さのモンスターと対峙しているときだった。

 

 

「カイト!」

 

フィルヴィスの声を開始の合図の様に両者が激突

 

(まずい!?)

 

そう思い参戦しようとした瞬間

 

「何を呆けているのだ馬鹿者!」

 

脇を通り抜ける二つの影

 

 

 

「輝夜!アリーゼ!!」

 

切札(ジョーカー)』の危機を救ったのは輝夜とアリーゼの二人だった

 

そこから迅速に私や他のアストレア・ファミリアの団員がちょうどアリーゼの元に集結したとき

 

 

「 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ーーーーーーーーー!!」

 

 

二人に攻撃されたことで激昂したのかモンスターが大咆吼を上げた。

 

 

 

「サンキュー、フィルヴィス・・・お前は下がってろ、さすがにあれの相手はお前じゃキツい・・・つーかぶっちゃけ俺でもかなりきついからな、あれの相手すんの」

 

「・・・ああ、悔しいがそのようだ」

 

「できれば私たちがあれの相手をしている間にフィルヴィスちゃんはここにいるLv.2以下をまとめあげて逃げてくれるとありがたいわ!」

 

「了解したアリーゼ・・・先に18階層で待っているぞ」

 

そう言ってフィルヴィスが生き残った者達の方へ向かっていく

 

 

(奴は・・・動かないか・・・)

 

私たちの集団から抜けていくフィルヴィスを化け物が狙うことも考え構えていたが、どうやらこの化け物は完全に私たちに照準を合わせているらしい、先程からこちらを凝視して動かない

 

「ちなみに一応聞いておくけど魔剣のストックとかまだあったりする?」

 

フィルヴィスの介抱が終わった『切札(ジョーカー)』が化け物が沈黙している隙に輝夜とアリーゼに聞いてくる、目線だけは微塵も奴から逸らさずにではあるが

 

「あるわけないだろそんなもん、先の戦いでとっくに使い果たしてるにきまってるだろうが!」

 

「はは・・・ですよねー・・・」

 

おそらく最初から予想はしていたのだろう力のない抜けた笑いをあげる

 

輝夜の言うとおり先程の戦いは今回の全戦力を投じても生き残れるかどうかの戦いだったため、出し惜しみをしている余裕などなかった、魔剣どころか弓矢すらほとんど残っていない

 

「カイトってあれね!片腕なくなってるのに軽いわね!!おかげで緊張感なくなっちゃいそう!!」

 

(それは確かに・・・いや、そんなことよりも・・・)

 

「・・・『切札(ジョーカー)』、魔剣はありませんが私の魔法があります、『九魔姫(ナイン・ヘル)』程の範囲はありませんが一点突破の威力は引けを取らぬ自信があります。」

 

「おお!そいつは結構、なら作戦は―――――――」

 

「私たちはリオンが魔法を放つまで時間を稼ぐ!単純ね!!」

「お、俺の台詞ぅ・・・」

 

アリーゼが『切札(ジョーカー)』の台詞を奪う・・・そのせいなのか『切札(ジョーカー)』が少ししょげている

 

「魔力を込めるために今回は威力を一点突破に絞ります、援護をお願いしますね」

 

「ま、そういうことだな」「まぁよくある作戦だ」「だねー」「じゃあ、いつも通りちゃっちゃと済ませましょう」「やるぜーあたしゃかなりやるぜー!」

 

皆が私を援護するという内容に意気を吐く

 

(相も変わらず頼もしいですね)

 

 

そんな中で一人肩身の狭そうな者が一人

 

「・・・なんか女所帯に男一人で疎外感を感じるんだが」

 

なんか隣に並び立つ輝夜に愚痴を垂れていた

 

「くっくっく、まぁ気にするな・・・・・・それよりも『切札(ジョーカー)』」

 

輝夜の身に纏う雰囲気が一変し周りの者達もそれを皮切り一気に意識を警戒からさらに深く意識を落としていく

 

「貴様のその攻撃が奴と渡り合うための突破口だ、こちらも先程の動きを見るにあれの相手に余裕はない、怪我を気遣ってもらえると思うなよ・・・・・・行くぞ」

 

「へいへい、精々気張らせてもらうとしましょうかねぇ――――――――『堅』!!」

 

「「「!?」」」

 

切札(ジョーカー)』の身に纏う気配が一気に数十倍にまで膨れあがった

 

(っ!?・・・この殺気、彼は本当にLv.3なのでしょうか?)

 

私だけではなく他の団員も彼の発する気に目を見張っている、

その中で最も知覚で彼の殺気を感じ取っている輝夜とアリーゼだけは笑っていた

 

「ふん、中々の気合いだ、やれ!!」

 

「開幕はど派手にいくわよ!!」

 

「任せろ!」

 

 

「『天譴(てんけん)』!!」

 

 

 

そして戦闘が『切札(ジョーカー)』の声で再開された

 

 

 

 

そこからは順調だった

 

 

「 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ―――――――――――!!」

 

「させるかぁ!!」

 

「――――――――――!」

 

切札(ジョーカー)』が顕現する巨大な太刀でモンスターの進路や攻撃を妨害し

 

「はぁ!!」

 

「りゃあああ!!」

 

そこにさらにアリーゼ達による間髪入れぬ攻撃が相手に何もさせない

 

 

「―――――――――――――――!!!!」

 

「いぃいいい!?あっぶない!?」

 

「ライラ!?」

 

「『天譴(てんけん)』!!」

 

たとえ反撃されてもすぐさま『切札(ジョーカー)』の攻撃が妨害だけでなく盾となり相手の思惑を外していく

 

 

「った、助かったぜ!『切札(ジョーカー)』あたしの婿候補にならねぇか!?」

 

「「「言ってないで逃げろーーーー!?」」」

 

 

 

順調

 

―――――――そう、()調()()()()

 

 

 

 

 

 

私の魔法が放たれるまでは。

 

 

 

 

《 side out:『疾風』リオン 》

 

 

 

======================================

 

 

 

 

(あー・・・なーんか嫌な予感がするなぁ・・・)

 

イレギュラーの魔物の相手は順調すぎる程に順調だった

 

そして、だからこそ俺は不安を感じていた

 

 

 

―――――調子に乗った者から死んでいく。

 

 

 

初めてダンジョンに潜ったときから自らに戒めている言葉だ

 

このイレギュラーに対して一切の油断はない

 

それ故にこの格上の魔物相手にどうにかこうにか殺り合えている

 

だというのにこの拭えない気持ち悪さは何なのか

 

警報ボタンは押されてランプはグルングルンと回っているのに音だけが鳴らないようなもどかしさ

 

そんな言葉にできない感覚をこらえて魔物の相手をすること3分といった所だろうか

 

(――――――来たか!)

 

今日、一番の魔力の圧を感じた

 

 

「『切札(ジョーカー)』、アリーゼ!撃てます!!」

 

リオンの詠唱が終わり、いつでも打てる準備が整った

 

後は外れないようにこっちが相手を誘導する必要がある

 

 

「総員、伏せろぉおおお――――――――――!!」

 

 

今あるオーラのほとんどを注ぎ込んで最速最大の太刀を顕現させそれを横凪に振り払う

 

 

「■ ■ ―!?」

 

「ちょ!?」「あっぶな!?」

「ぬぃおお!?」「ひぃいい!?」

「いぃいい!?」

 

リオンを除いたアストレアファミリア全員がその言葉に咄嗟に伏せる

 

だが言葉のわからぬイレギュラーは回避が遅れ、ギリギリで空中に跳ぶことで難を逃れる、咄嗟の事だったためか身体は空中に留まることになる

 

(どんな強者であっても空中は必ず隙が生まれる瞬間―――――今だリオン!!)

 

 

 

 

「【ルミノス・ウィンド】!!」

 

 

大小、30は超える数の光団が相手を逃さぬように四方八方から魔物に襲いかかる

 

その一つ一つにかなりの魔力が込められているのが感じられる

 

 

(これで、終わ――――――――――!?)

 

 

その瞬間に俺は見た

 

(嗤った?)

 

誰が

 

この魔物に決まっている

 

表情など作り様のない顔の構造で口角から無数の牙を覗かせて

 

まるで嘲り嗤うかのように

 

獲物が罠に嵌まったことをほくそ笑む猟師の様に

 

 

何がヤバいのかはわからなかった

 

何をすれば良いのかもわからなかった

 

だが俺の中にあるちっぽけな生存本能なのか

 

 

気づけば俺は

 

 

「『黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)』!!」

 

 

明王を召喚していた

 

(何かわからないがやべぇ!?)

 

その直感を証明するかのように魔物に当たったはずの光弾がこちらに向かって跳ね返ってきた

 

魔法反射(マジックリフレクション)だと!?)

 

先ほど言ったようにリオンの魔法の光弾はその込められた魔力から一発一発が必殺の威力を秘めている

 

その半数がこちらに向かって跳ね返ってきていた

 

「うぉおおおおおおあああぁあああぁぁあ!?」

 

刀で弾けた光弾が壁を抉り周囲の景観を変えていく

 

だが、弾ききれなかった光弾はそのまま俺達を襲ってくる

 

「ぐうううぅううそおおがあああぁあああ!?」

 

「『切札(ジョーカー)』!?」

 

黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)』は俺とリンクしているためか俺と同様に左腕が肘から先がない

 

(せめて反撃のために右は残さねぇとっ・・・!!)

 

明王は巨大だ、その体表面積で盾となるだけでここにいる全員を庇う事が可能だが、んなことをすればさすがに死ぬ、俺は自殺するつもりもない

 

故に、もはや肘から先のない左腕を切り捨てるつもりで文字通り肉盾として使用することで光弾を防ぐ

 

(いっっ痛ううううあだだだだだだ!?)

 

致命傷になりそうな光弾は残っている肘から上の部分を肉盾として防いでいくが、これがまためっちゃ痛い

 

とにかく無我夢中で光弾を捌いていく

 

激しい破壊音が止み、土煙が晴れる

 

すると向こうに()()無傷のモンスターの姿があった

 

「くっそ・・・やっぱ無傷・・・ん?」

 

最初に俺の攻撃で亀裂を入れた爪と尻尾の部分のみが抉れていた

 

どうやら魔法を反射するのは表面の装甲のおかげのようだ

 

(つまり、あの表面の装甲を引きはが・・・しさえすれ・・・ば・・あり?)

 

思考にもやがかかり目がかすむ

 

足下を見ればおびただしい量の血が広がっていた

 

(あ・・・やば・・・これ全部俺の血か?)

 

「さすがに・・・血を流しすぎ・・・た・・・」

 

(やば・・・意識が・・・だめだ・・・今は―――――――・・・)

 

 

 

俺は倒れた。

 

 

 

 

炎華(アルヴェリア)!!」

 

身体に直接響き渡る爆発音で意識が戻った

 

「【空 を 渡り】」

 

「・・・ん・・・俺・・・は?」

 

目が覚めて先ほどまでの状況が一気にフラッシュバックする

 

「――――――――――――――!?!?」

 

(気絶してたのか!?この事態に!?いや、それよりもあいつらは―――――――!?)

 

俺のスキルの力でようやく拮抗状態だったのだ、俺が抜けてしまえばどうなってしまうのか、最悪の予想が頭をよぎる

 

そしてそれはすぐに現実として突きつけられた

 

「【荒野を  駆け】」

 

「・・・あ・・・・あああ・・・ああ・・・」

 

目の前が血肉の海だった

 

 

誰かの血肉が辺りに広がっていた

 

 

さらに最悪なのは今まさにこの瞬間

 

アリーゼが奴に身体を貫かれたことだろう

 

明らかに致命傷だ

 

そのアリーゼと目が合った

 

震える唇でこちらに向かって口を動かす

 

読唇術なんて心得はないが、それでも何を言っているのか不思議と伝わった

 

 

 

 

 

 

    リオン  を  お願い  ね

 

 

 

 

 

 

 

 

流した血を涙で流すかのような綺麗で

 

それでいて晴れやかな表情で言ってきた

 

 

 

 

待て

 

待ってくれ

 

 

「【何者 より も 】」

 

 

今、俺の意識が戻ったんだ

 

諦めないでくれ

 

ここから俺がどうにかするから

 

「【疾く 走れ】」

 

 

だから

 

 

頼むから

 

 

リオン

 

「【星屑の光を  宿し】」

 

その詠唱を  止めてくれ

 

「【敵を 討て】」

 

そんな願いもむなしく最後の詩が紡がれる

 

 

――――――――――――【ルミノス  ウィンド】――――――――――

 

 

 

爆発

 

 

閃光

 

 

そして

 

「ああ・・・ああああああ・・・・あああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

慟哭

 

 

俺のではない

 

自らの手で仲間を

 

友を

 

ライバルを

 

家族を手に掛けてしまった

 

妖精の泣き声

 

そこに含まれるのは悲しみと絶望のみ

 

だというのに

 

それだけの代償を払ったにも関わらず

 

 

「なっ!?」

 

 

奴は生きていた

 

 

片腕片足を失った半死半生の様な状態でそしてそのまま奴は

 

 

 

(・・・!?おい!!おいおいおいおいおいおい・・・)

 

「っふっざけんなぁあああーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

奴は、あろうことかこの広間の外へ向かって脱出するために逃走を始めた

 

 

怒りで頭がどうにかなりそうだった

 

 

これだけのことをしでかしておいて逃げる?

 

俺の左腕

 

参加した冒険者

 

そしてアストレア・ファミリアの命

 

そしてリオンの絶望

 

 

何もかもを全部引き起こしておいて 

 

 

ニゲルダト?

 

 

煮えたぎるマグマが頭の中に現出したかのように怒髪に駆られる

 

目の前が紅い

 

耳も何も聞こえない

 

だが、聞こえないはずの声が聞こえた

 

昔、ベルと一緒にじいさんかに抱き上げられながら聞いた

 

今でも俺の中に芯としてある言葉だ

 

 

 

『英雄とは―――――――――――』

 

『何かを成し遂げた者を指すのではない』

 

『己を賭した者こそが英雄なのだ』

 

懐かしい

 

とても懐かしい記憶だ

 

『――――――仲間を守れ』

 

ごめん、じいちゃん、俺、守れなかったよ

 

目の前にいたのに守れなかった

 

『――――――女を救え』

 

 

――――――そうだ

 

まだ救えるかもしれない女が残ってる

 

――――――アストレア・ファミリアはまだ死んじゃいない

 

 

『――――――己を賭けろ』

 

ああ、そうだ、まだ俺は全てを賭けていない

 

まだ()()()はあるんだ

 

なら―――――それを賭けよう

 

 

アストレア・ファミリアは命を賭けてくれた

 

 

自分の死の間際になってまで友を心配する極上に良い女

 

アスフィに出会わなければきっと惚れていたかもしれないくらいのいい女

 

きっと他の団員達もそれに負けないくらいいい女だったのだろう

 

それを殺したこいつを逃す?

 

 

 

 

 

ア   リ   エ   ナ   イ

 

 

 

 

 

ケジメはつけなければならない

 

 

 

 

「逃がすかこのボケがぁあああぁぁぁあああーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

「『黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)』!!」

 

 

瞬時に巨大な鎧武者が顕現する

 

だが奴のスピードをこの明王では捉えることはできない

 

 

だから、本当に最後の奥の手

 

 

 

「『断鎧縄衣(だんがいじょうえ)』!!!!!」

 

 

 

明王の鎧が音を立てて崩れていく

 

 

そして残ったのは身体の中心から黒き縄を生やした禍禍しい一匹の巨大な鬼

 

 

 

 「■ ■ ■ ―――――――――――!?」

 

 

「 ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■―――――!!」

 

 

もはや俺の声なのか奴の声なのか、それとも明王の叫びなのかもわからない

 

 

とにかく斬った

 

「ああああああああああああああああ!!」

 

一閃

 

「がぁあああああああああ!!」

 

 

二閃

 

「ああ亜アーーーーー―――――」

 

三閃

 

「渦ぁああっっっっかああああああ」

 

四閃五閃六閃七閃八閃九閃―――――――――――・・・・

 

「■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■■ ■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■ーーーーー!!!!」

 

 

斬って斬って斬って

斬って斬って斬って

斬って斬って斬って

斬って斬って斬って

斬って斬って斬って

斬って斬って斬って

 

斬りまくった

 

狙いなど適当だ

 

とにかく奴を切り刻まねば気が済まなかった

 

 

いままでの怒りをすべて叩き付けるかのようにとにかく斬りまくった

 

 

そして情けないことなんだが・・・

 

 

俺はそこからの記憶がない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

======================================

 

 

 

No.10←New

 

◇『天譴(てんけん)

 

始解と呼ばれる状態の斬魂刀の1つ

巨大な腕と太刀を数秒間だけ顕現させることができる

その破壊力は言うに及ばず。

 

 

◇『黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)

 

天譴(てんけん)』の第二段階、通称「卍解」

巨大な鎧武者を顕現させる、その力は『天譴(てんけん)』の数倍

身体の大きさをある程度までなら調整できる。

 

 

 

◇『黒縄天譴明王(こくじょうてんげんみょうおう)断鎧縄衣(だんがいじょうえ)

通常卍解の亜種解放とも言える形態

明王が鎧を脱いだ姿、俊敏性だけでなく力も爆発的に上昇する

しかし、その代償としてその身に受ける攻撃全てが致命傷になってしまうほど防御力が下がる

(下がるというかゼロになる)

 

というか、ぶっちゃけ攻撃を受けたら死ぬ

 

元の持ち主は不死身になることでこの弱点を克服したが

カイトはそんなの無理なので普通に一撃受けたらガチで死ぬ

普通に死ぬ

 

ハイリスクロウリターンな形態

 

 

 

□ 解除条件 □

 

短時間内に敵を1000体以上撃破

or

『断鎧縄衣』の解放

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公が気絶している間は原作と同じ事が
だいたいおこったことにしといて下さい


さーて後は後始末を二話くらい書いてさっさと仲間との日常編的なのんびりに突入したい

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