ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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私がなぜアミッドをだいぶ前に登場させたのか、その理由が明かされる p( ̄^ ̄)q エッヘン!! !!


37:復活×銀腕

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27階層の悪夢と呼ばれることになった事件から一週間

 

未だに精神力(マインド)が回復しきらないことに加え怪我も酷いためディアンケヒト・ファミリアの療養所に入院していた

 

ただ、以前と違い今回の俺は意識がしっかりしているため俺は結構暇を持て余していた

 

 

なにせこの世界、スマホもなければ漫画もない

 

本ならあるにはあるが専門書のような小難しいことしか書いていない本がほとんどだ

 

そして、そういった本は既に大抵読んでしまっている

 

(まぁ、『絶』の練習でもしてりゃいいかとも思ったが・・・)

 

《※ちなみに『絶』は気配を消すだけでなく治癒力を高める効果があるので怪我を早く治したい場合には最適な修行でもある》

 

あまりに暇すぎるので『絶』ばかりやっていたが、それにも飽きたので遊び心で『・・・燃え尽きたよ・・・真っ白に』と迫真の演技で「明日のジョー」ごっこをしつつ『絶』をやっていたら

 

「きゃぁあああああああ!?死んでるぅうううーーーー!!??」

 

「え、ちょ・・ちが・・・」

 

昼食をもってきた看護師に死んだと勘違いされて大騒ぎになった

 

「じじじじじ人口!人工呼吸ぅうーーーーーーーーー!!急いで早く!!カイトさん死なないでーーー!!」

 

「いや、生きてる!!生きてるから!?」

 

その際にアミッドが人工呼吸をしようとしてきたのだが、この時はかなり真面目モードで悪意もなく切羽詰ったような表情でやろうとしてきたためこっちの方が戸惑ったくらいだ

 

「二度としないで下さい!!」プンスカ!

 

すぐに事情を説明すると涙ながらに紛らわしいことをするなと怒られた

 

まぁ、普通にこっちが悪いので謝った

 

ただ、その後に

 

「では、念のための人工呼吸を――――アダダダダダ!?」

 

「念のための人工呼吸なんてねーよ!!」ミシミシ

 

・・・これは悪意しかなかったのでアイアンクローで黙らせた

 

 

ちなみにアミッドに関しての奇行はまだある

 

昨日も

 

(左腕がないせいで不便極まりないな、小便一つ済ますのも一苦労だ)

 

そんなことを男子トイレで思っていたら

 

「手伝いましょうか?」

 

とか、アミッドが言ってきた

 

繰り返すが、女人禁制の男子トイレでだ

 

もう一度言おう、ここは聖域である男子トイレだ!

 

「なにしとんじゃぁあああああ!?」

 

「ほほう、この二年間でこっちのサイズのレベルもランクアっぷベシ!?」

 

「くたばれぇえええええその記憶も消えろぉおおぉおおおお!!」

 

「アバババババババ!?」

 

女だろうと容赦なく脳天を連打で殴りつけた

 

 

・・・男女平等って素晴らしい考えだよね!

 

 

 

 

 

話が逸れた・・・っていうかこの話は忘れたい

 

まぁ俺の左腕に関してなんだが

 

一応フィルヴィスが俺の肘から先はきちんと地上まで持ち帰ってくれた

 

だが、

 

肝心の左腕の接合部分である本体の肘から上が闘いの最中にグッチャグチャになったせいでこのままくっ付けたら左右で腕の長さが違う面白人間になってしまう

 

そんなわけで現在、接合のための施術は延長してある

 

ちなみに、切られた腕は腐らないように処置して冷凍保存してあるらしい

 

で、だ

 

今日は俺の腕が治るのか治らないのかの割と真面目なお話があるとのことだ

 

結構大事な話なので関係者が集まっているのだが

 

 

フィンやリヴェリア、ガレスのおっさんにロキ、それにアスフィ、ついでにヘルメス

 

まぁ、この面子がいるのはわかる 

いやヘルメスは超いらん、帰れ

 

問題は何故か、鍛冶の女神ヘファイストスに俺とガレスのおっさんの専属契約鍛冶師の「椿(つばき)」まで居ることだ

 

「・・・椿」

 

「ん、どうした?」

 

「いや・・・お前さん何でいんの?」

 

「なんだ、命の恩人である手前がいては悪いのか?」

 

「いや、悪くねぇけどさ・・・普通に疑問なんだよ、命の恩人っつってもわざわざ来るようなことでもないだろ」

 

ギルドの救援隊の一人として意識を失った俺を担いで地上まで運んでくれたのがこの椿だ

 

現在はLv.4でLv.5へのランクアップは間近、さらにヘファイストス・ファミリアの次期団長候補筆頭でもある

 

さらに言えば何を隠そう、俺がLv.1の頃に使っていた武器型の籠手は元々はガレスのおっさん用に椿がお試しに打ったものだそうだ

 

だが、ガレスのおっさん的にはあまり合わなかったらしくそのまま武器倉庫にお蔵入り

 

それを偶々、俺が見つけ出してそのまま使っていたというわけだ

 

知らずに使っていた武具の製作者と後に専属契約を結ぶことになるとは

 

いやはや人の縁とはわからないものだ

 

これも俺の妙なアビリティ『奇運』のせいなんかね?

 

そんなことを思っていると

 

 

「ま、疑問に思うのも当然よね、別に口止めもされていないから言うけど、私たちは呼ばれたから来ただけよ、『重要な話があるから』ってね?」

 

 

隻眼の女神、ヘファイストスがあっけらかんと言ってきた

 

「ヘファイストス様も呼ばれた?」

 

「ええ」

 

「ロキに?」

 

「いえ、私と椿を呼んだのは『戦場の聖女(ディア・セイント)』よ」

 

「え・・・アミッドが?」

 

治癒師であるアミッドが鍛冶師を呼ぶ?

 

意味が分からん

 

理由がわからず疑問に思っているとヘルメスが会話に割り込んできた

 

「ちなみに、元々来るつもりではあったんだけど、俺とアスフィも彼女から声を掛けらえた、この日この時刻に必ず来るようにってね」

 

「はぁ、嘘だろ!?」

 

アミッドがアスフィを呼ぶ?

 

ナニソレコワイ

 

どういうことかと、アスフィに目を向けるが何故かアスフィは黙したままだ

 

え、マジでどういうこと?

 

 

 

知る人は知っている

 

先程の話からもわかるようにアミッドはアスフィから俺を奪うために猛烈なアプローチをあの手この手でかけてきている

 

そのせいで二人の仲はとてもではないが良好とはほど遠い

 

 

 

一人のヒロインを巡って争う二人(ガチファイト)

 

やめてぇ!私のために争わないでぇ!という状況だ

 

ただしヒロインは男である俺。

 

 

女の子ってもっとフワフワでポワポワなイメージがあったんだけどなぁ

 

・・・もっと女の子に夢をみていたかったよ

 

 

 

話を戻そう

 

そんなアミッドが俺についての話でわざわざアスフィに声を掛ける?

 

 

 

大事件ですよ奥さん!

 

 

俺史上最大の事件の香りに戦慄していると椿が見かねて口を出してきた

 

 

「まぁ、大したことではないぞ? 手前と『全能者(ペルセウス)』それに『戦場の聖女(ディア・セイント)』の三人でお主が地上に運び込まれた後に少し話し合う機会があってな」

 

「話し合う?」

 

疑問を感じていると椿が俺の左腕を指差してきた

 

 

 

 

 

「―――――――――お主の腕に関してだ」

 

 

 

 

 

場に不思議と沈黙が降り、アスフィが痛々しい表情になっていることに気づく

 

「・・・あぁ、なるほど・・・そっか・・・そういうことか」

 

それで合点がいった

 

その時点で治癒士のアミッドが鍛治氏の椿に加えて魔道具製作者のアスフィと話し合わなければならない事態

 

つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だったってことだ

 

ここに椿が居るのは義腕の制作に関してこいつが関わるからだろう

 

確かに戦闘にも使える義腕を造るとするなら、椿も交えて話さなきゃいけないわな

 

そんな風に俺が一人で納得していると

 

「衰弱している患者の精神状態を気遣うのも治療する際には重要な処置ですので」

 

俺の入院している部屋のドアを開けてペコリと頭を下げてからアミッドが入ってきた

 

「そいつはどーも、でもよー、別にあのとき言ってくれても別にかまわなかったぞ?」

 

「あのときのカイトさんは精神的にも不安定に見えたので・・・あれ以上精神的ショックを与えるのは身体にも影響が出ると判断しました」

 

「そーでも・・・あったな」

 

そういえば確かにフィン達に活を入れられるまでネガティブ思考になってた気がする・・・っていうかなってたわ

 

そのせいでフィンにビンタされたんだった

 

 

 

「・・・皆様との話し合い前に念のため熱と脈を計ります、腕を」

 

「あいよ」

 

テキパキと慣れた手つきで脈や熱を測っていく

 

俺もこのときばかりは素直にアミッドの言うことに従う

 

「ま、その気遣いには感謝しとくわ・・・つーかさ、できれば普段からそんな感じに粛々とした態度でいてほしいんだが」

 

ちなみに先ほどの話からもわかるように治癒士モードのアミッドは割と真面目モードが多い、こいつとは色々あるが治療という行為に関してだけは真摯に行うのでそこだけは信頼している

 

ただ、そうでない場合は

 

「それは今すぐに獣の様に押し倒され襲われたいということでしょうか?ハァハァ」

 

こんな感じ

 

「ちげぇよ!俺の言葉のどこからそんな意味を読み取れるんだよ!?ちょっ、息を荒げるな!そのワキワキ動かす手つきをヤメロォ!?」

 

真面目モードが終わるのはえーよ・・・もうちょい頑張れよ、ちょとでも見直した俺が馬鹿みたいじゃねーか

 

 

「こほん・・・アミッド、いい加減にしなさい、話を始めますよ」

 

「むぅ・・・わかってますよ」

 

アミッドを止めたのは俺の唯一神にして女神で恋人のアスフィだ

 

だが

 

 

(え・・・なにこれ・・・え、ウソでしょ?アミッドがアスフィの言うことを大人しく聞いた?・・・これ・・・現実か?夢なんじゃ・・・アテテテテ)

 

 

目の前の現実に俺は心の底からビビリ、夢かと思い頬をつねるが普通に痛い・・・つまりは目の前の光景は現実だ

 

「え、なんやこれ?・・・うちらが知らん間に何かあったんか?いつの間に2人とも仲良うなったんや?」

 

あのロキですら口を開けて驚き、椿以外の全員が似たような感じになっている

 

言うことを素直に聞いただけと侮るなかれ、

 

口を利けばお互いに罵詈雑言

目を合わせれば互いに唾を吐き

肩がぶつかれば無制限ファイト

 

そのくらい仲の悪かった二人なのだ

 

犬猿の仲などいう表現すら生ぬるい、そんな関係だったのだ

 

どちらかが相手の言葉に従うとか有り得ないんですけど・・・俺が知らない間に何があったんだ

 

全く把握しきれていない状況が色んな意味で怖くて仕方がない

 

 

そんな風に微妙な沈黙を破ったのはアミッドだった

 

 

「では、いつまでもだらけるのも時間の無駄ですので、僭越ではありますが私の方から説明をさせていただきます・・・既にわかってると思いますが率直に申しましてカイトさん、あなたの腕を接合することは不可能です」

 

フリーズしかけた頭に告げられる話の衝撃で頭が切り替わる

 

まぁ、わかってはいても改めて言われるとちょっとショックだな

 

「一応、細かい理由とか聞いても良いかい?」

 

フィンが口を挟んできた

 

「はい、簡単に言いますと、カイトさんの切り落とされた腕の方は保存状態もよかったので問題ありません、問題はカイトさんの身体の方の腕の接合部分です」

 

「こっちの方?」

 

「そうです、カイトさんの腕に刻まれた傷が酷すぎて万能薬や回復薬を使用してしまうと傷の接合よりも傷口を塞ぐことを優先してしまうというのが理由です、これでは接合などできません。」

 

(あちゃー・・・肉盾として使ったのはやっぱまずかったか)

 

だが、そうしなければ死んでいたので反省はしても後悔はない

 

仕方がないかとあきらめていると

 

「はぁ~・・・万能薬なのに万能じゃないとはこれいかに」

 

椅子の上で器用に胡座をかいたロキがぼやいていた

 

「ロキ、いくら万能といっても薬は薬だ、限界はあるに決まっている」

 

呆れたようにリヴェリアが言う

 

「せやなー・・・でも天界に行けばマジモンの万能薬みたいなリンゴとかはあるんやで?確か・・・デメテルが管理しとったな」

 

(あぁ、あのボインボインか・・・)

 

脳裏に一部の身体的特徴がロキと比べるとかわいそうになってしまうくらいのワールドクラスな女神が思い浮かんだ瞬間

 

(殺気!?)

 

なんかアスフィとアミッドに加えロキからも一瞬だけ殺気が

 

・・・気のせいだよね?

 

いや、じいちゃんも女の勘は侮れないと常日頃から言っていた

 

今はボインを頭から消し去って話しに集中しよう

 

 

 

----------間。

 

 

 

「地上にないものを言っても仕方ないじゃろ」

 

ロキの話にガレスのおっさんまで呆れていた

 

そんな空気の中、アミッドがとんでもないことを口に出した

 

 

「・・・実を言えば今回の話で皆さんを集めた理由は神ロキが口にしたその、()()について関係があります」

 

 

その台詞にこの場に居る二柱の女神の表情が変わる

 

「へぇ・・・どういうことかしら『戦場の聖女(ディア・セイント)』?」

 

鍛冶の女神は興味を引かれたのかアミッドの言葉に反応した

 

「私は職業柄、数多くの冒険者の怪我を相手にしてきました、ですが・・・欠損だけは治しようがありません、私は常日頃からそれをどうにかできないかと思案していました」

 

それを語るアミッドの表情は己の無力を悔やむ表情だ

 

「そんな時に、ディアンケヒト様から天界でのお話を聞きました、かつて天界で生身と変わらぬ、もしくはそれ以上の義腕を創ったことがある―――――――――と」

 

それを聞いた神ヘファイストスの残った片目が見開き驚愕の表情に変わる、ロキの細目もフルオープンになって瞳孔が開いてる、っていうかロキの目ぇ怖っ!?

 

「それってまさか、()()を地上で再現しようと言うの!?」

 

「・・・まじかいな」

 

「私は本気です・・・そして、それを再現するために神ロキ、神ヘファイストス、そしてカイトさん自身の許可を取らなければならない案件があるのです」

 

「許可?いや、何かわからんけどすげぇ義腕造ってくれるっていうのなら俺は別に全然かまわないし、むしろ有り難いんだが」

 

「・・・使用する素材に問題があります」

 

「素材?」

 

「はい、今回の義腕の素材には生体素材、つまり・・・カイトさん、()()()()()()()()()()()()()を使用します」

 

 

「!?」

 

もちろん驚いているのは俺だけではない

 

他のメンバーも顔を嫌悪や驚愕の入り交じった表情をしている

 

ただ、俺の場合はすぐに冷静になって思い返す

 

(確かに、俺の腕を素材にするっていう考えはなんか、こう、禁忌感はあるけど、どうせくっ付きもしない腕を捨てるくらいなら俺の義腕に再利用するのは全然アリアリだな)

 

リサイクル精神は大事だ

 

さすがに自分の腕をリサイクルは想像もせんかったが、いやまてよ・・・そういえば転生した俺って魂のリサイクルっていう究極のエコ的な存在?

 

そう考えれば腕のリサイクルぐらいどうってことないように思えてきた

 

「・・・俺は別にいいぞ、ロキも・・・って何その顔?」

 

ロキを見ると、そりゃもうすごい顔をしていた

 

具体的に言うと口がへの字

顔中にシワが寄り梅干でも食べたのかと言いたくなる顔だ

さらに、めっちゃ嫌だということが察せられる程に黒いオーラがみょんみょんとにじみ出てきている

 

・・・なんか臭そうだし、ばっちぃ

 

 

「え、ロキ反対なのか・・・何で?」

 

マジでわからん

 

「アホか!自分とこの子の腕を素材にしますー言われてええ顔する親がおるわけないやろ!!」

 

(あー・・・まぁ言われてみればそうだわな)

 

『親の心子知らず』とはまさにこのことか

 

自分のことしか考えていなかったがロキはちゃらんぽらんに見えて身内には激甘だ

 

そんな女神が子供の腕を利用して何かしますと言われて、はいそうですか、となるわけがなかった

 

「でもよー、どうせ治らないなら新しい腕のために使うってのは全然ありなのはわかってるだろ」

 

そう言うとロキの隣のフィンが、やれやれといった風に言ってくる

 

「カイト、ロキも馬鹿じゃない、それはわかっている、でもね・・・頭ではわかってはいても心が納得しないっていうのはこの場合仕方がないんじゃないかな、僕でも君の腕を素材にするって聞いて良い心地はしない」

 

フィンがアミッドに目線を向けるが当の本人は涼しげな表情で飄々としている

 

 

「反感は重々承知の上ですので」

 

「・・・なるほどね、それで椿だけじゃなくて私も呼んだのね」

 

素材の話を聞いてからは沈黙を保っていたヘファイストス様が嘆息しつつ呆れた声で言う

 

まぁ、主神に黙って人を素材にして義腕を造りましたー、と言ってしまうのはかなり問題有だろう

 

「主様よ、手前は了承している、後は主様の許可がもらえれば今すぐにでも打てる」

 

「・・・いいでしょう、どちらにせよ鍛冶神の私が子に何かを打つなとは言えないしね、ただし助言はしないわよ、一応私も他のファミリアの子とはいってもそれを素材にするのには良い感情を持ってはいないんだから、それでもいいならかまわないわ」

 

「おお!さすが主様じゃ!話がわかる!」

 

どうやらあっちの方は大丈夫のようだ

 

 

「ディアンケヒト様の方は何て言ってんだ?」

 

「人の怪我を癒やし、営みを守ることに繋がるのであればかまわない、と」

 

「・・・へぇ」

 

本気で感心した

 

(偏屈に見えて結構良いこと言うな、あの老神)

 

さて、残るは

 

「・・・ロキ~」

 

「うぅぅ~・・・・」

 

こっちだけだ

 

まだロキはぐずっていた

 

「はぁ~・・・片腕での冒険は大変だろうなぁ~」

 

「ぐぅ!?や、やったら普通の義腕を・・・」

 

「中途半端な義腕だと死んじゃうかもなぁ~」

 

「ぬぃう!?」

 

ロキのくちがさらに急カーブを描くへの字になっていく

 

 

「・・・神ロキ」

 

そんな風にロキを追い込んでいる最中に割って入ってきたのはアスフィだった

 

「どうか許可を!この命に代えても彼の腕を以前と同じように、いえ、それ以上の物を創ってみせます、ですからどうかっ!!」

 

 

跪き頭を垂れ懇願するようにロキに嘆願していた

 

「私からもどうかお願いいたします、神ロキ」

 

「手前も同じ気持ちだ、これほどの使い手を死なすのは惜しい、ロキよ頼む」

 

そしてそれに並ぶように、アミッドと椿が膝をつき頭を垂れる

 

「~~~~~~っ・・・はぁ~~~~~~・・・・・・わかった・・・・・・許可したるわ」

 

 

ロキもようやく折れてくれた

 

「ただ、そやな、一個だけ教えてくれ、アスフィとアミッド2人とも仲悪いんちゃうん?なんかあったんか?なんやそれが引っかかって不安なんやけど」

 

ロキの疑問はもっともだし、それは俺も若干不安に思っていることだった

 

ただ、それも彼女達の言葉を聞いて杞憂に終わる

 

 

「心配ありません、私たちは」

 

「カイトさんを危機から守るためであれば」

 

 

 

「「一つになれる」」

 

 

「・・・らしいぞロキ?まぁ、手前はここまでではないが近い思いは持っている」

 

 

真摯な目でロキを見つめ返す2人プラスαにようやくロキも納得できたかのような表情になってくれた

 

 

「・・・さよか、なら・・・ええわ、とびきりのもんをこの子にあげたってくれ」

 

「「御意」」

 

「椿もよろしゅう頼むで」

 

「おう、任された!おもしろい素材も手に入ったのでな、大船に乗ったつもりで居るが良い!!」

 

(・・・とりあえず、これで一件落着かな)

 

話がまとまり、部屋に弛緩した空気になる

 

「では、ここに宣言させていただきます、私、ディアンケヒト・ファミリア所属『戦場の聖女(ディア・セイント)』アミッド・テアサナーレ、ヘルメス・ファミリア所属『全能者(ペルセウス)』アスフィ・アル・アンドロメダ、そしてヘファイストス・ファミリア所属の『単眼の巨師(キュクロプス)』椿・コルブランド、以上の三名により義腕――――――――――『銀の腕(アガートラム)』の制作に着工いたします」

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

 

とりあえず、腕の制作は最低でも三ヶ月は掛かるらしいとのことだ

 

 

腕の回路や仕組みについてはアスフィ

 

生体部品についてはアミッド

 

腕そのものの金属関係やギミックについては椿

 

 

オラリオでも名の知れた者達による共同制作になるためかなりのものが出来上がりそうだ

 

完成が楽しみだなー、などと気楽に考えていると

 

「あ、そういえば言い忘れてました、カイト」

 

「んぁ?何だ?」

 

「アミッドと椿をあなたの第二、第三の妻にすることになったのでよろしくお願いしますね」

 

アスフィがふと何かを思い出したかのように、超が付く爆弾発言を放ってきた

 

「・・・・・・・・・は?」

「「え?」」

「んん?」

「はい?」

 

 

 

場が凍った

 

文字通り

 

 

 

 

 

 

 




ちなみにディアンケヒトが創った『銀の腕』って神話や諸説では逆に左腕の方が多いこともあるんだってさー ( ̄ー ̄)!!

PS:椿の嫁化の理由は別の話で明かす予定・・・
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