ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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04:剣姫×殺芋

《side:あいず》

 

 

 

〇6年X月つよい日

 

きょうもダンジョンにいってきた

 

だけどまだまだ私は弱い

 

もっと強くならないと、

 

もっと強く

 

もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと

 

 

 

〇6年X月つよ日

 

足りない足りないぜんぜん足りない、はやく!

 

もっとはやくつよく!

 

足りない足りない!

 

もっと敵を、わたしが強くなるための敵をもっと!

 

 

 

 

〇6年X月つ日

 

ロキとフィン達にダンジョンへ行くことを二日も禁止された

 

なんでじゃまをするの?

 

わたしは、わたしはつよくならないといけないのに

 

 

 

 

〇6年X月つよ日

 

訓練も禁止された

 

リヴェリアに何のための休暇だと怒られた

 

わたしのじゃまをしないでほしい

 

ロキに無理矢理連れられて外で食事を取ることになった

 

余計なことをしないでほしいと思ったが、そこで初めてじゃが丸くんという食べ物を食べた

 

 

こ れ は うまい!!

 

 

じゃが丸くんをたくさん食べた!

 

ロキが財布を見ながら泣いていたが、今日は好きなだけおごったるでーとか言っていたので遠慮しない

 

もっとじゃが丸くんをロキにせがんだら財布ごと店主に渡していた

 

初めてロキが偉い神様に見えた。

 

 

 

〇6年X月つよわ日

 

ようやく今日からダンジョンに潜ることができる

 

モンスターを倒してもっと今よりももっと強くなる

 

今日は朝からすごく体の調子がいい休んだおかげだと思う

 

 

 

 

 

 

 

 

〇7年X月つよ日

 

Lv.2になった

 

大変だったけど、色々と大切なことに気付けた

 

私はこれから変われるだろうか

 

 

 

〇7年X月つよわい日

 

Lv.2なってまたダンジョンに潜るようになって三日ほどたった

 

なんだが調子が出ない

 

どうしてだろう。

 

 

 

 

 

 

〇7年X月よわい日

 

原因がわかった

 

じゃが丸くんだった

 

じゃが丸くんを食べてからダンジョンに潜ったら最高に気分がいい状態でしかもいつもより多くのモンスターを倒すことができた

 

さすがじゃが丸くん、なんてすごい食べ物なのだろうか

 

今度からじゃが丸くんを食べるのを私の日課にしよう。

 

 

 

 

〇7年X月■ ■ ■日

 

敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸敵殺じゃが丸

 

 

 

〇7年X月気づいた日

 

ここ最近、体の調子がすごい良い

 

やはりじゃが丸くんはすごい

 

しかも先日、最高にハイなじゃが丸くんを売っている露店を見つけた

 

いくら食べても飽きない

 

ここのじゃが丸くんを食べるために最近は朝日が昇る前からダンジョンに潜り、昼過ぎには探索を終えるようにしている

 

フィン達からは今のような生活サイクルを続けるように言われた

 

早く強くなりたいけど、じゃが丸くんがないと私は弱体化するようになってしまったようだからしかたない、しかたないったらしかたない。

 

 

 

〇7年X月ふぃーばー日

 

ああ、なんてことだろう

 

ここのじゃが丸くんはおいしい

 

だからしかたないのかもしれない

 

でも急いでダンジョンから戻ってきたのに今日の分がぜんぶ売り切れだなんて、神はわたしを見捨てたのかもしれない

 

帰ったらロキをとりあえず絞めよう

 

そう思っていたら、わたしより少し年上でいつも至高のじゃが丸くんを調理している男の子がわざわざ材料を買って作ってくれるとのことだ

 

しかもわたしが買った材料の分だけじゃが丸くんを作ってくれると言ってくれた

 

おお、神はわたしを見捨てたりしてはいなかった

 

ロキに今度すこしやさしくしてあげようと思えた。

 

 

 

 

 

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《side:ロキ》

 

 

 

〇6年X月黒潮日

 

うちは女神ロキ、泣く子も黙る天界の奇術師(トリックスター)や!

 

天界(むこう)はヒマでヒマでしょうがないからあちこちに喧嘩ふっかけて暴れ回ってたんやけど、いやー地上(こっち)は楽しいことも一杯、かわいい子供達も一杯と、まるで果てまで続く豪華料理のフルコースが並ぶかのようで飽きることがなくてもう最高や!

 

でもなー、最近ちょーっと悩み事があんねん

 

うちファミリアの中でも特にお気に入りの子にアイズって子がおるんやけど、

 

この子は自分の限界超えてもダンジョンに潜ってモンスターと闘い続けて、今までも何度も死にかけたりしてるんよ

 

最近は更にひどくなってきてんねん

 

ダンジョンに言って傷だらけになって帰ってきて、風呂と飯食って寝たと思ったら次の日の午前中から夜までダンジョンに潜りっぱなし

 

こんな生活が長く続くはずない、遠くない未来に必ずどこかで折れる

 

巷じゃそんなアイズの姿を見て、「人形姫」や「戦姫」なんて読んでる奴もおるらしい

 

うちのかわいいアイズをそう読んだ奴は絶対にとっちめたるけどな

 

でもそう呼ばれてもしかたないと思えてしまう程に今のアイズは危うい

 

フィンとリヴェリア(ママ)とガレスに相談してどないかせんといかんなー

 

 

 

 

 

 

〇6年X月白波日

 

とりあえずフィン達と相談してダンジョンへの行くことを二日禁止させた、これでちっとは体を休めるやろ

 

朝にアイズを見かけたら庭で剣の素振りをやっとった

 

まぁ、体が鈍らない程度の訓練は冒険者として必要やからええか、と思ってその場は邪魔しないように部屋に戻ったんやけど

 

夕方にまたそこを通ると、アイズが庭におった

 

しかもまた素振りをしとる

 

・・・もしかして一日中そこで剣振ってたんか?

 

他の団員達にアイズを見かけた時間を聞いてみたらどうやら朝からずっとらしいということがわかった

 

おっふ、アイズたん、堪忍してや~

 

ダンジョン禁止させた意味がないやーん

 

ママーーーー!ヘルプミーーーーー!!

 

って言いながらリヴェリアの部屋に突っ込んだら着替え中やった

 

おっほ、ラッキーすけbぁべし!?

 

リヴェリアに事情を説明する間もなく一時間以上めっちゃ怒られた

 

 

 

〇6年X月黄桜日

 

フィン達との再度の話し合いの結果、うちが無理にでも外に連れ出して気晴らしさせることにした

 

ふひひひひひ、これで大義名分の元アイズたんとイチャイチャデートができるでー

 

さっそく、アイズを連れ出して遊ぶ前に腹ごしらえしよ思て軽くつまめるもんでも食べるかってことで屋台名物のじゃが丸くんを食べたんやけど

 

アイズがこれをめっちゃ気に入ったらしい

 

めずらしくアイズがキラキラした飛びきりの笑顔(妄想)でうちにお願いをしてきた!

 

ここで子の願いを無下にしては女神の名が廃る!

 

そう思ったうちは気づけば財布ごと屋台の店長に投げ出していた

 

あぁ・・・あれでソーマの酒を買おう思てたんやけどなー

 

しかもアイズたんそのまま日が落ちるまでじゃが丸くんを食べ続けて結局デートができんかったorz

 

っていうかあれだけの量のじゃが丸くんがどうやったらこの小さな体に収まるというのか

 

これも子供達の無限に広がる可能性の一つなんやろか

 

いや、これはアイズ限定やろな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇7年X月黒とんぼ日

 

ついにアイズがLv.2になった、世界記録になるほどのランクアップ速度や

 

なにかご褒美でもあげよかなーと思ってたら廊下を歩いてるアイズたんを発見!

 

なんか一人でアイズたんがブツブツ独り言つぶやいとったから話しかけよ思て近づいたら

 

「じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺じゃが殺」

 

逃げました

 

きっと真昼間に見た白昼夢やな

 

かわいいアイズたんがあんなにごりきった目であんなこと言うはずがないわー

 

ありえんわー

 

今日は酒飲んで寝るわー

 

 

〇7年X月黒とんぼ日

 

 

アイズたんふぁLv.2になってしばらくしてから、アイズの生活サイクルに変化が現れた

 

早朝からダンジョンに行くのは相変わらずやけど、帰宅する時間が夕方になる前には帰ってくるようになった

 

いっやほほーい、これもうちやフィン達がアイズたんをどれだけ大事に思っているかわかってもらえたからやで!!

 

抱きつくといつも殴られるけど!

 

ペロペロしようとすると切られそうになるけど!

 

きっと小宇宙(コスモ)的な何かを感じ取ってくれたんよ!!!

 

 

 

 

 

 

〇7年X月赤霧島日

 

今日も今日とて、うちは新たな酒とかわいい子を見つけにあっちまでぇ!!

 

いやー、アイズたんが無茶なダンジョンアタックせんようになったおかげで心配事が一つなくなったわー

 

めっちゃ嬉しいわー

 

だからお酒に財布の中身全部使ってしもうたのもシカタナイワーアヒャヒャヒャヒャ

 

これでアイズたんのかわいい笑顔とか見れた・・・ら?

 

 

 

食堂ですごくうれしそうに何かを食べてるアイズがおった、しかもとびきりの笑顔付きで

 

 

 

うぇえええええええええ!?

 

アイズがめっちゃいい笑顔でじゃが丸くん食べとる!?

 

いや、なんでじゃが丸くんがあないに大量にあるん!?

 

いやいやいやそんなことよりアイズたん萌ええええええ!

 

リスみたいに一心不乱にじゃが丸くんを頬張るアイズたんキャワワ!!

 

うっひょーーー脳内に永久保存やあああああ!!

 

お?坊主ええ所におるなー

 

今、めっちゃ気分ええねん!

 

うちのファミリア入ってみんかー?

 

 

 

 

〇7年X月森以蔵日

 

・・・あったまイタイ、飲みすぎたみたいや

 

なんか昨日の記憶が曖昧なんやけど・・・

 

ん?

 

なんやこれ

 

ステイタスの写しやなこれ、

 

名前は『カイト・クラネル』?

 

んんんんんんん?

 

そんな奴うちのファミリアに―――あー・・・これ昨日うちが酔った勢いとアイズたんのキャワワな笑顔見てテンションがマックスハートになって身近にいた坊主をそのままの勢いで入団させたんやったなー・・・。

 

フィン達に何の相談もなく入れてもうたけど大丈夫かなー・・・

 

・・・・ん!気にしなーい!

 

きっと大丈夫やろ、うちの勘がそう言うとる!

 

 

そんなポジティブに考えてる自分の肩を誰かがガシッとつかんだ

 

 

「ナ ニ ガ ダ イ ジ ョ ウ ブ ナ ン ダ?」

 

 

 

氷点下も真っ青のリヴェリア(ママ)の声が・・・っていでででででで、肩に指が食い込んどる食い込んどる!

 

あかん、無理やてこれ、後ろを振り向けんって、これ逃げ―――

 

「コッチヲミロオオオオオオオオオオ」

 

ぎゃあああああああ堪忍してえええええええええええ

 

 

 

 

 

 


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