ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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漫画版ラウルが出した技「武芸百版全二流」ε=ε=ε=(۶•̀Д•́)۶ ドリャアアア

あれ、めっちゃ好き。


49:妖精✕試験 その3

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《side:ラウル・ノールド》

 

 

(ふぃ~後はカイトと副団長にお任せっすね、さてと案内も終わったしどこかで・・・)

 

ファミリアの規模拡大に伴い新規の団員を募集するための今回の入団試験

 

自分から見てもまだまだ冒険者としてひよっ子以前の者達を試験場まで案内し質問に対する説明をするのが今回の役割だったすけど、それも終わったので一息つこうとするとー

 

「ん?・・・あれは」

 

この会場を見渡せる空中回廊からこちらを見ている意外な組み合わせな人物が二名ほど目に入ったっすよ

 

(珍しい組み合わせっすね・・・う~ん・・・どうせなら、二人と一緒に高みの見物といくっす)

 

少し食堂に寄ってから見知った廊下を急ぎ足で進み、二人の下に向かう

 

(いやぁ~、カイトと長く居ると美味しいお茶の入れ方もわかってくるっすねぇ・・・カイトの入れるお茶には全然敵わないっすけど)

 

なにせ紅茶にはうるさいと言われる副団長ですら舌を巻く美味しさっすからねぇ

 

 

 

 

 

「団長、ベートさん、ご一緒してもいいっすか?」

 

ちなみに自分の手にはお盆とその上にお茶の入った急須にカップが三つ用意してあるっす

 

そんな自分の声に気付いて二人が振り向く

 

 

「もちろんかまわないとも、それと案内ご苦労様」

 

「・・・勝手にしろ」

 

ベートさんは相変わらずっすけど団長が雑用に対する労いの言葉を掛けてくれた、感激っす。

 

 

 

お茶を淹れながら、それにしても珍しい組み合わせっすね、と二人に来てみると

 

 

「ただの暇つぶしだ、兄貴が試験官やるって聞いてなけりゃ暇でも来ねぇがな」

 

「僕の方は少し気になる子がいてね」

 

「「え”!?」」

 

 

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同時刻

 

~ダンジョン23階層~

 

 

「団長に何かガァ起こってるぅううう!?」

 

「ちょ、ティオネいきなりどうしたの!?」

 

「・・・ん?」

 

戦闘中、急に猛りだしたアマゾネスの姉に妹と仲間の女剣士が困惑していた

 

 

「ンガァアアアアアア!!団長ォオオオオオオ!?」

 

 

 

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(ちょちょちょっベートさん!?やばくないっすか!?)

 

(おい、ティオネの奴が周りに居ねぇだろうナ!?)

 

 

団長の爆弾発言に自分だけでなくベートさんもギョっとなったっす、ティオネさんは団長が他の女性と男女として関わる話には敏感で見境無く凶戦士になるっすからね

 

その恐怖は同じファミリアの者なら誰もが知ってる周知の事実っす

 

面倒事に巻き込まれては堪らないと自分とベートさんが周囲をしきりに警戒する

 

いや、もう団長が関わったときのティオネさんはマジで恐いんすよ

 

 

「いや、君たち何か勘違いしているようだけど、気になるっていうのは男女の話じゃないからね?」

 

団長は顔の前で手を振って違う違うと軽く言ってくるっすけど

 

「いやぁ~、それでも・・・」

 

「・・・あの狂戦士(おんな)だったら今のてめぇの言葉だけで暴走すんぞ」

 

「ははは大丈夫さ、ティオネ達は今日は下層付近まで潜るって言ってたから―――――――――――」

 

 

 

 

ダンチョォォォオオオオオオ

 

 

 

 

「あれ、なんすかね、今何か直接頭の中に・・・」

 

「・・・幻聴だろ」

 

「僕も幻聴だと思うよ・・・何故か寒気が止まらないけど」ゾクリ

 

団長、顔が真っ青なんすけど・・・

 

 

 

「えーと、それで何の話だったかな・・・」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って話っすよ」

 

 

ダンチョォォォオオオオオオ

 

 

 

「「「・・・う・・・頭が」」」

 

三人が同時に頭痛に襲われたように頭を押さえたっす

 

 

・・・これ本当に幻聴?

 

 

「あの、団長、これってもしかしなくても・・・」

 

「オッホン・・・今回の入団希望者に気になる人物が居る理由はこれさ」

 

あ、聞こえなかったことにするんすね

 

澄まし顔のまま顔色の悪い団長が自分達に一枚の蝋で封がされていたであろう封筒を渡してきたっす

 

 

 

 

「つーかなんで俺に渡すんだよ・・・ラウルに渡せよ、ほれ」

 

ベートさんから渡された封筒には一枚の紙が入ってたっす

 

というかベートさんもさっきの声を聞こえなかったことするんすね・・・っと見た目は普通の封筒っすね?

 

えっと中身は・・・

 

「・・・推薦状? これどこの・・・って『学区』からっすか!?」

 

「『学区』? なんだそりゃあ?」

 

「ベートさん知らないんすか!?」

 

 

『学区』

 

世界中の一定の区域を拠点として数年ごとに移動する教育機関

 

そこではほぼ無償で様々な教育を施してくれるだけでなく、その人の才能に合った職場への紹介もしてくれる

 

そしてその中にはもちろん魔法や冒険者を育成する部門も存在する

 

ただし、人材育成が主題のこの教育機関は評価の誇張を嫌う

 

あくまでも実直な評価をその人物にとっていっそ残酷なほどに下す

 

それはつまり、才能があると言われた者は間違いなくその分野に於いて天才なのだ

 

そしてそんな『学区』が推薦状を書いた上で紹介するのがこのロキ・ファミリア

 

余程の人材が今回の入団試験に紛れ込んでいるということになる

 

 

 

そのことをベートさんに説明すると

 

「あそこにエリート思考の甘ちゃんがいるってだけじゃねぇか・・・使えねぇだろそいつ」

 

くだらない、とでも言うかのような表情で吐き捨てられたっす

 

「いやいやいや入団してくれたら即戦力っすよ!?」

 

「お勉強しかやってこなかったモヤシがダンジョンで通用するかよ」

 

そんな怖い目で睨まないでほしいっす

 

「いや、そう言われるとそうかもしれないんすけど・・・」

 

うぅ、ベートさんの言ってることは多少乱暴っすけど一理あるんすよねぇ、冒険者として実力が伴わないくせに机上の空論ばかり上げる者を自分たちは今まで腐るほど見てきたっす

 

それでも『学区』の推薦というのは別格であるということを踏まえた上でベートさんにどう返答しようかしどろもどろしていると―――――――

 

 

「―――――――――だから、僕が直接見に来たのさ」

 

 

団長が間に入ってきてくれたっす、カッコイイ!!

 

 

「ただの見かけ倒しならぬ、推薦倒れかどうか判断するのなら直接見るのが一番だからね、それに今回の試験官は厳しいことで有名なカイトだ、その人物の器を測るには―――――――――」

 

 

 

        ズ      ン

 

 

 

「「!?」」

「―――――――ちょうどいいだろうしね?」

 

とんでもない威圧感に自分とベートさんがその発生源に目を向ける

 

 

 

(こ、これは・・・っ!?)

 

殺気の発生源は自分達の視線の先にいるカイト

 

その威圧感は離れた自分にまで届く程でもう、うひゃ~って感じっす

 

いや、でもこれ・・・

 

「うわ~・・・ちょ、団長これ、試験にしてもカイトのやりすぎじゃないっすか・・・?」

 

気の弱い者や実力が伴わない者がカイトから発せられる殺気に耐えられずにバッタバッタと昏倒していく

 

「う~ん、今回の試験はカイトに一任してるから僕はノータッチなんだよねぇ・・・ま、大丈夫でしょ」

 

「ハッ、雑魚共が身の程を知るにはちょうどいいじゃねぇか、意識もねぇ腰抜けは入ってくんじゃねぇってことだろ、さすが兄貴だぜ、わかってやがる」

 

団長もベートさんも楽しそうにカイトと入団希望者達を見てるっす・・・鬼かと

 

 

自分達が目を向ける先には試験を受けに来た者達にスキルを使用したカイトが殺気を含ませつつ威圧を放ってるっす、一応手加減はしてるみたいっすけど、下級、もしくはそれ以下じゃ最悪一日中気絶コースで次の試験はおじゃん、上級でもカイトとの実力差を心身ともに刻まれて戦意喪失状態になる者も現れるはずっす・・・あそこに入団当初の自分がいたら間違いなく泡吹いて気絶してるっすねぇ

 

「まぁ、カイトなりの手っ取り早い振るい落しだね、やり方は荒っぽいけど、これに生き残れる子は期待が持てるね」

 

「ハッ、あれに耐えて噛み付けるなら米粒程度には認めてやっていいぜ、・・・ま、できればの話だがーー「うそぉ!?」

 

ベートさんが馬鹿にしたかのような口調で言っているとき目を疑うような光景が入ってきたっす

 

「・・・へぇ、もしかして学区から推薦されたのはあの子かな?」

 

団長もその光景を見て少し驚いてたっす

 

 

カイトがスキルで威圧しているにも関わらず一人のエルフの女の子が魔方陣を展開、しかも

 

 

 

ドン

 

 

「撃ちやがった!」

 

 

街中での魔法の使用は原則禁止っすけど今回の入団試験のためギルドには絶対の安全をうちらで約束した上で許可をもらってるっすけれどこれは

 

「やばいっすよ、けっこう威力がでかくないっすか!?」

 

 

「はははは、まぁ大丈夫だよ、カイトなら何とかするはずさ」

 

 

ええええええ!?

 

団長さすがにカイトに色々ぶん投げすぎでは!?

 

めちゃくちゃ焦る自分とは対照的に団長は朗らかっす

 

いくらなんでもカイトでも、カイトでも・・・

 

・・・いや、確かにカイトなら大丈夫っすね

 

思い出すのはここ数年でのとんでもない事件やダンジョンでの出来事

アホみたいな偉業を連続で打ち立てているカイトの心配をする自分がアホらしくなってきたっす

 

あー・・・なんだろこれ、カイト基準で物事を考え始めると大抵のことが普通に・・・いやいやいや!だめっすよ自分!!

カイト達の異常性に慣れちゃダメっす! 自分が常識人枠として踏みとどまらねばっっ!!

 

 

 

あ、今回の合格者は最後に魔法をぶっ放したエルフの女の子のみみたいっす

 

どうやらあの騒動の後に再試験を行ったそうっすけど全員が怯えて試験どころじゃない状態になったそうっす

 

まぁ、カイトのやり過ぎっすね

 

副団長が珍しくカイトに説教してたっす

 

 

 

ちなみに合格したエルフの女の子の名前はレフィーヤ・ウィリディス

 

もちろん学区からの推薦はこの子のことだったっすよ

 

ランクアップ済みであるとうことに加え貴重な後衛の魔導師エルフということで皆で超歓迎したんすけど・・・

 

かわいそうなことに、歓迎会の中盤で()()()()()()()したせいで新人団員であるレフィーヤのこれからの生活が地獄の如きキツいことになることが決定したっす

 

本人は全く何のことか分かってなかったっすけどね

 

まぁ、入団したばかりじゃ分からないのも無理ないっす

 

 

これからのレフィーヤの地獄を容易に想像できるからか

 

「レフィーヤ、このケーキ美味しいわよ」

「え!?」

「レフィーヤおかわりはいるか?」

「え、はい、いただきます」

「レフィーヤこれ効果の高いポーションだ、もらっとけ」

「は、はい!ありがとうございます!」

 

 

と、こんな感じで自分の分のデザートを上げたり、料理を追加してくれたりと、団員のほぼ全員が必要以上にレフィーヤに優しくなってたっすねぇ

 

レフィーヤは

 

「わぁ、なんて優しい先輩方なんだろう!」

 

みたいな感じだったんすけど

 

・・・違うんすよレフィーヤ!

 

そうじゃないんすよレフィーヤっ!!

 

 

それは明日以降地獄を見るであろう君への哀れみなんすよっ!

 

うぅ、でも自分にはどうしようもできないっす

 

ならばせめて――――――――

 

「レフィーヤ、自分はカイトと長年パートナー組んでたことがあるんで何かあったら相談だけならいつでも受けるっす」

「はえ? えっと・・・ありがとうございます?」

 

これが自分にできる精一杯っす

 

生きるっすよレフィーヤ!!

 

諦めたらそこで人生終了っすからね!

 

自分はかつての被害しy・・・いや先輩として全力で応援するっすよ!!

 

 

《side out:ラウル・ノールド》

 

 

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家から出れないこの状況でこそ電子書籍が輝きますね!

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