ベルの兄がチートで何が悪い!!   作:シグナルイエロー

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いやぁ、お待たせしました。


51:師匠✕弟子 中編

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《side:レフィーヤ・ウィリディス》

 

 

 

◇ 11年◯月▽日 天気パーリー ◇

 

 

 

早いもので入団してから一年と少しになります

 

おかげでロキ・ファミリアにも大分慣れてきました

 

そんなアンニュイな時期にリヴェリア様から直接お達しがありました

 

なんでも―――――――――――

 

「カイトから、『そろそろ遠征に参加するだけの最低限の基礎は叩き込んだ』と報告を受けた、レフィーヤ、お前も次の遠征に参加となる、2週間後までにしっかりと準備をしておけ」

 

――――――――とのこと

 

 

 

 

つ、つつつつつつっ・・・ついにっ!

 

初めて大規模の遠征への参加!!

 

長かったっ!本当に長かったですっ!!

 

あぁ…思い出すのはこの一年と少しの地獄の日々

 

 

「おらぁ!足元がお留守だぞ!!」

「アキャァァアア!?」

地面に何度も転ばされ、泥が付かない日は一日としてなく

 

 

「杖術は回転が基本!というわけでバトンの練習を楽しくダンスをしながらー」

 

(あ、少し楽しそう)

 

「-8時間だ!!」

 

ニゲロ!!

 

「あ、こら!どこに行く!?」

 

「イヤァアアアアア離してぇえええええ!?」

 

筋肉痛に悩まない日々もない

 

 

ふ、ふふふ、よく死ななかったなぁ私…

 

いえ、ですがあの地獄の特訓の成果が今まさに「遠征に参加」という実を結んだのです

 

よ、よぉ~~し頑張りますよーーーーーーーーー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ 11年◯+1月▽+14日 天気 暑い ◇

 

 

あれから一月半

 

本日未明、遠征からようやく帰ってきました

 

今回の遠征では色々と反省することばかりでした…はぁ

 

 

 

『遠征メンバーに選ばれた』テッテレー♪

 

そのせいでしょうか、自分でもちょっと調子に乗ってたと思います

 

 

『憧れの方々と肩を並べてダンジョンに潜れる』

 

 

ただそれだけのことで舞い上がっていました

 

 

世界に名高いオラリオ

 

その中でも二大派閥の片割れの遠征がそんなウキウキ気分で済むわけないのに

 

少し想像すれば分かることなのに…はぁ、私のバカ

 

 

 

 

…何か色々疲れました

 

続きは明日書くとしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

◇ 11年◯+1月▽+15日 天気 だる~い ◇

 

 

 

『上層』・『中層』・『下層』を超え

 

初めての『深層』

 

『下層』ですら初めてなのにそれを超えての『深層』

 

完全にサポートに徹していたとはいえ、その道は想像を絶するものでした

 

なにせ深層ではあの師匠が血を流す事態が起きるのです、それも頻繁に。

 

 

 

 

私の中で「憧れ」がアイズさんやリヴェリア様だとしたら

 

「理不尽」の代表は師匠です

 

 

…わかるでしょうか?

 

理解できるでしょうか?

 

 

そんな方々が血まみれになって息も絶え絶えになるのが『深層』なんです

 

理不尽代表の師匠がそれ以上の理不尽で膝を突く姿には自分の眼を疑うほどでした

 

師匠が血を流す所なんて初めて見ました、ダンジョンってすげぇ…いいぞもっと…あ、いえ、ダンジョンの恐ろしさの一端を垣間見た気分です、はい。

 

 

 

でもそれ以上に―――――――

 

「第二部隊は槍を構え!第一が下がると同時に突撃!前線を押し上げろ!」

全員に的確に指示し鼓舞する団長

 

 

「全員、耐えるんじゃ!背中に一匹たりとも魔物を通すでないぞ!!」

前衛の先輩方を率いて数え切れないモンスターを自らも最前線で食い止めるガレスさん

 

 

「第二部隊が下がると同時に撃つ、全員詠唱開始!!」

そのモンスターを魔法で一気に殲滅するために魔法部隊の指揮を執りつつ自らも魔法を行使するリヴェリア様

 

 

「ティオネ!後退する第一部隊の援護にラウル達と行ってくれ、こっちは残り全員で第二が取っ付きやすいように『視野混交(シャッフル)』と同時に突入!中から掻き回す!! 行くぞぉおおおお!!」

 

「「「応ぉおおおお!!」」」

 

そしてアイズさんやベートさんといった突起戦力メンバー全員を率いて独立遊軍のように立ち回る師匠

 

 

かっこよかったなぁ~…

 

 

御伽噺を実際に眼にしたかのような、いえ、あれは間違いなく後世に語られる冒険譚の一幕

 

それを間近で見ることができるという自らの僥倖にわけもわからず感謝したくなりました

 

はぁ~…かっこよかったなぁ~……いやほんとかっこよかったんですよ

 

団長達やアイズさんはもちろんですが、いつも鬼畜な師匠ですらカッコよく感じた程ですから相当なものですよ

 

っていうか師匠や他の方々から話だけで聞いていた師匠の()()()()()を始めて眼にしました

 

代償を伴う代わりにランダムで強力な能力をその身に宿すというギャンブルちっくなリスキースキル

 

何ですかアレ…強すぎでしょう

 

 

 

深層で超大規模なモンスターパーティに巻き込まれた際に一切の躊躇無く発動させた今回の能力は『神々の義眼』という支援系の能力らしく

 

透視、視覚の共有、視覚の簒奪といった視覚に関することは大体できるようです

 

そして、それを利用して団員全員に視覚共有を行い部隊行動を行うという離れ業

 

大規模な戦闘中に急に片目から私が見ている光景とは違う映像が見えるのは慣れていないせいで平衡感覚が少しおかしくなりそうでした

 

ですが、慣れている方々への効果は歴然

 

片目から筆談で即座に団長の指示が伝わり

リアルタイムでの現場状況の把握

ただでさえ集団として強いロキ・ファミリアの動きがまるで一つの生物のようでした

 

 

ただし、確かに師匠の今回の能力は強力なのですが・・・その代償がキツイ

 

代償は『一時的な失明』

 

一時の油断も許されないダンジョン

 

しかもその深層で視覚を奪われるという致命的過ぎる代償

 

・・・普通なら、ですけど

 

 

 

大規模のモンスターパーティを乗り越えた後しばらくしてからのことです

 

通常の行軍中に突如、壁からモンスターの群れが現れるという奇襲を受けました

 

「カイトさん危ない!?」

 

「師匠!?」

 

 

突如現れたモンスターからの奇襲に後方に下がっていた失明状態の師匠がモンスターに囲まれるという事態があったのですが

 

 

焦るこちらとは裏腹に師匠はゆっくりと自身の武器である「刀」その柄に手が触れ

「シッッ!!」

――――た瞬間

 

 

ビシャ

 

 

「「「・・・え!?」」」

 

 

聞こえてくるのは師匠の周囲で血肉が飛び散る凄惨な音

 

「お~い、すまんが一応、魔石の回収を頼む」

 

取り囲むようにして師匠に飛びかかった複数のモンスターが一瞬で細切れになってました

 

「「「え-・・・?」」」

 

「ん?・・・どうしたお前ら?」

 

この程度なんでもないとでも言うかのような師匠の人外っぷりに一部の方々を除きどん引きです

 

師匠、あなた本当に眼は見えてないんですよね?

 

「あぁ、マジで見えてないぞ、まぁこの程度なら音の反響とかで把握できるさ、例えば…そうだな…ここから20メドル先を歩いてるのはリヴェリアだろ?」

 

あ、当たってます、本当に音の反響だけで?

 

「まぁ、音だけじゃないがな、特にリヴェリアは最近俺の作るデザートを食べ過ぎて体重がベェゲェ!?」

 

どこからともなく飛んできた杖が師匠の喉にっ!?

 

「おっと、すまんなカイト、手が滑った」

 

ツカツカと歩いてきて杖を拾うのはリヴェリア様

 

「何すんだリヴェリア、増えたっつってもたったの「ふん!!」ボェ!?」

 

師匠にトドメが・・・

 

「・・・・・・お前達、カイトから何か…キイタカ?」

 

『『『ブンブンブンブン!!』』』

 

全員、首が千切れんばかりに横に振ります、藪を突いてリヴァイアサンを出してはいけません

 

「うむ、賢明なものはダンジョンでは長生きするぞ、ではな・・・行軍には遅れるな、そこで倒れてる荷物も一緒にな」

 

そう言ってリヴェリア様は離れて行かれました

 

・・・色々な意味で危機は去りました、ふぅ

 

 

 

それにしても、どうやら師匠の場合は他の感覚が優れすぎていて普通に過ごせるみたいです、相変わらず化け物みたいな人ですね

 

私、あんなすごい人の弟子なんですねぇ・・・地上ではあまり実感しにくいことを改めて痛感させられます……私もいつか師匠達みたいになれるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

◇ 11年◯+1月▽+18日 天気 わけわかめ ◇

 

 

ダンジョンから帰還して早数日

 

幹部クラス、先輩方のステイタス更新もほぼ終わったと聞いたので私自身のステイタスを更新をするためにロキの部屋へ行きました

 

ステイタスを更新するためとはいえ裸になるのは今でもちょっと恥ずかしいです

 

まぁ、未だに恥ずかしいのはロキのせいなんですけど・・・

 

「グヘヘヘヘッヘ、すべすべな肌やで~」

 

うぅ…主神のセクハラが酷いっ

 

「変なことをしたら指を切り落としていいぞ」とリヴェリア様からは言われていますが、そんなことできるはずもないのでため息を尽きつつ耐え忍びます

 

「んぉ?・・・これは・・・んん~~?」

 

あれ?

 

なんでしょうか、いつもより少し更新が長いような・・・

 

 

「レフィーヤ、すまん、ちょっと急いでフィン達を呼んできてくれへん?」

 

え・・・団長達ですか?

 

「せや、最低でもリヴェリアとカイトだけでもちょっと連れてきて欲しいねん」

 

それはいいですけど・・・また急にどうして

 

「せやな~・・・とりあえずなんやけど、レフィーヤ、おめっとさん!!」

 

はい?

 

「最後の三つ目の魔法が発現しとったで~」

 

え、は、?魔法?

 

「それに関してリヴェリアやカイトと相談したいから呼んできて欲しいねん」

 

わ、わかりました!・・・あの、二人を呼ぶ前にどんな魔法が発現したかステイタスの写しを見せてもらっても良いですか?

 

「ええで~ いやぁ~それにしてもカイトのスキルもチートやったけどレフィーヤも大概やなぁ」

 

え、そんなすごい魔法なんですか?

 

「ま~じですごいでこれ・・・ぶっちゃけ、下手したらカイト以上のチートや!ほれ、これがステイタスの写しや」

 

 

ロキから渡されたステイタス紙には確かに今までなかった三つ目の魔法欄に新たな魔法名が刻まれていた

 

 

「なに・・・これ・・・『召喚魔法(サモン・バースト)』?」

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ 11年◯+1月▽+20日 天気 ブリザード ◇

 

 

私に発言した新たな魔法

 

召喚魔法(サモン・バースト)

 

魔法名《エルフ・リング》

 

同族であるエルフの魔法であれば文字通りいくつでも召喚し行使することが出来る

 

ただし、召喚するには使用する魔法の詠唱及び効果の完全把握ができていなければならず魔力の消費も倍になる。

 

ただそれを補って有り余るほどの有用性があるとロキも師匠も言っていた

 

なにせ手数を無限に増やすことが出来る上にそれを自分で選択までできるのだ

 

その程度の条件はむしろ軽い方だと思えと言われたし、私自身そう思う

 

 

 

ロキ曰く

 

「この弟子にして師匠あり・・・いや逆やな、この師匠にしてこの弟子ありやな」

 

師弟揃って、一つのスキルや魔法で複数の能力を行使するという前代未聞の大珍事

 

「レフィーヤがこの魔法を発現したのは間違いなくリヴェリアとカイトの影響やろうからなぁ」

 

本来なら三つしか使えないはずの魔法、その常識を越え九つの魔法を使いこなす『九魔姫(ナイン・ヘル)』リヴェリア様

 

スキルという魔法ではない力で未来・過去・次元すら超えて未知の力を複数使用する『切札(ジョーカー)』師匠

 

 

この二人の共同弟子という偶然が今回のイレギュラーである私の魔法を発現させたとロキは言っていた。

 

 

魔法というのは本人の心の底の願いが現れやすいと云われているのであながち間違いではないのかも知れない

 

 

 

 

とまぁ、そんなこんなで本日は私に発現した新たな魔法の試し打ちということでダンジョンに来ています

 

ちなみに同行者は師匠とリヴァリア様の二名

 

あまりゾロゾロと大人数を引き連れて目立つのを避けるためにも必要最低限ということでこの三人になりました

 

 

そして――――――――

 

「ウィン・フィンブルヴェトル!!」

 

大気中にある水分が凍りつく音と共に広大なルームの一角が絶氷の津波に飲み込まれる

 

使用された魔法はリヴェリア様の所有する魔法の中でも最大の威力を誇る第一階位の魔法

 

氷による恐像がルームの半分を覆い尽くしている光景が目の前に広がる

 

そして、それを放ったのはリヴェリア様ではなく私

 

「ひ、ひぃぇ~…」

 

自分で自分の放った魔法の威力にドン引きしてしまいました

 

「お~すげぇすげぇ、マジで撃てんのな」

 

「ふむ…戦略の幅がさらに広がるな、フィン達と新たな陣形について練りたい所だ」

 

「だな~、平行詠唱ができない内は当分、遠征中は後衛をメインでいくしかないしなぁ」

 

「そっちの遊撃から何人か護衛を抜けば独立して砲撃手もできるが?」

 

「いいなそれ!・・・って~なると、ラウルかアキ・・・いや念には念を入れてティオナ辺り・・・か?」

 

 

少し後ろでお二人が私の放った魔法を見て品評会の様なコメントをしていました

 

 

「レフィーヤ、この威力の魔法なら何発までなら撃てそうだ?」

 

「はい!? えっと・・・たぶん、ですけど・・・余裕を持って二発、マインドダウン覚悟でも三発目が撃てるかどうか、だと思います」

 

分かってはいましたが魔力の消費が洒落になりません、師匠には「余裕を持って二発」なんて言っちゃいましたけど、たぶん二発撃った時点でかなりヘロヘロで余裕がなくなると思います。

 

 

「カイト、これなら・・・」

 

「あぁ、これで今まで以上にアレもできるし・・・・・・それにこいつが居ればメレン港まで直接行くこともできそうだ、あそこはオラリオへの海の玄関、情報提供できるパイプがあれば後々色んな事で役に立つこともあるだろ」

 

「成る程・・・ニョルズ・ファミリアに貸しを作る、か・・・」

 

「まぁ、そこら辺は交渉次第だな」

 

 

あの・・・何の話をしているのでしょうか・・・私の関知しない話に間違いなく私が組み込まれている会話が聞こえてくるんですけど・・・

 

「とりあえず、今日はこいつにリヴェリアの魔法を全部使えるようになってもらうとするかね」

 

今日で全部!?

 

「今日一日で全ては難しいぞ」

 

さ、さすがリヴェリア様、魔導師としての負担をわかってらっしゃ―――――――

 

「とりあえず攻撃のみは今日中に、回復と防御系は明日以降でいいだろう」

 

――――――おっふ・・・連日で魔法の実地修練ですか・・・キツそうです

 

 

そんな私の悲壮な覚悟を知ってか知らずかお二人の改造計画(私)の話はドンドン進んでいきます

 

誰も止める人がいないのが私の不運・・・うぅ・・・

 

 

「全部で何日かかりそうだ?」

 

「覚えるだけなら三日もあればいけるだろうが・・・使いこなすとなると・・・」

 

「こいつ次第か」

 

「そうなるな、魔法の修練は魔力が回復する時間も考えなくてはならないからな」

 

「魔力の回復も考えると三日に一回が限界ってところか・・・となると・・・余裕を見て、一月で全部の魔法を『とりあえず使うだけはできる』ってレベルまで持って行きたいな」

 

「ふむ、善処してみるとしよう」

 

「となると、俺の方の訓練を――――――――」

 

 

 

 

恐ろしい教育計画が後ろで着々と立てられています

 

拒否権とかないんだろうなぁ・・・いや、ちゃんと頑張りますけどね?

 

詠唱の暗記とこれまで以上の魔力操作練習

 

師匠との訓練よりかはいくらかはマシでしょう・・・うん、そう思えば、いくらか気持ちが楽になりました!

 

頑張ろう!!

 

 

 

・・・っていうかお二人はまだ訓練について話してます

 

 

「マインド・ポーションを多めに用意してぶっ倒れたらそれをガンガン突っ込めば訓練の効率が良くなるんじゃね?」

 

あ、師匠、これ私を殺す気ですね~・・・ほんと死ねば良いのに

 

「馬鹿を言うな」

 

さすがリヴェリア様!リヴェリア様は最後の良心です!!

 

 

「一日5本までにしておけ」

 

 

・・・・・・・・・さ、最後の、良・・・心・・・。

 

 

 

《side out :レフィーヤ・ウィリディス》

 

 

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アニメのプリコネ面白い

ちなみに私はユニちゃんパイセン推し!
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