ここまでくるとああとはマジェプリの方も再開させたいと思っています
「雄英体育祭一年生の部。だれが予想しやがることが出来た?いいや誰も出来やしねぇ!
こんな予想外な組み合わせ俺もマジで驚いたぜ!まずは一年A組ヒーロー科!No.2ヒーローの息子!半冷半熱の“個性”を持つ男!轟焦凍!
これまで数々の偉業を成し遂げ勝ち上がってきたにも関わらず、その向上心は止むことのない無限の欲望を持つ男!普通科のホープ!一年C組緑谷出久!」
二人が会場に入ると歓声が沸き上がった。
激しい戦いを繰り広げ勝ち上がってきた出久に対し、氷結の“個性”だけで勝ち上がってきた轟。戦い方が真逆の二人がどう戦うのか観戦に来ている人たちは大きく期待していた。
「校長、こうなることは予想していましたか?」
「いいや、全くだ。それにこうして見るとヒーローの質の低下も見えてしまうのも現実だね。」
校長の隣でマンサムが小声で話していた。
「彼の体の状態は?」
「リカバリーガールからだと無茶をしてでも彼と戦いたいそうだよ。夢のためではなく彼のためにって。」
「なるほど。彼らしいですね。」
その言葉にマンサムは納得していた。
「んじゃまぁ早速!試合を始めようじゃねぇか!」
出久と轟は対峙する。
(轟君の戦いはどれも一瞬で終わらせる戦い方だ。でもそれは目の前の相手を全く見ていないからだ。なら僕がすることは・・・・・・彼に本気を出して戦ってもらうことだ!)
出久はオーズドライバーにメダルをセットする。
「BATTLE!STARRRRRRRRRRRRT!」
プレゼント・マイクの掛け声とともに轟は氷結の個性を掛けて出久を氷で固めようとする。
【クワガタ!ゴリラ!ゾウ!】
出久はクガゴリゾに変身するとクワガタヘッドから放電して氷にヒビを入れゴリラアームで氷を粉砕する。
「やっぱそう簡単にはいかねぇか。」
「そう簡単に負けるつもりはないからね!」
オーズはそう言いながらメダルを交換する。
【サイ!カマキリ!ワニ!】
サキリワニに変身したオーズはサイヘッド、カマキリアーム、ワニレッグを駆使して再び来る氷を壊す。
「はっ!」
オーズは一気に轟に接近し拳を入れよとする。
「ちぃ!」
轟は氷の柱を作りオーズの攻撃を凌ごうとするがワニレッグの蹴りで粉砕されサイヘッドを顔面に叩き込まれようとしていた。
「クソッ!」
轟は右手を突き出し最大限の氷を作り防御するが吹っ飛ばされてしまう。後ろに吹っ飛ばされた轟は場外に出ないように氷を作り壁にする。
「やっぱそのメダルの組み合わせが厄介だな。」
今の轟の意識はオーズに向いていたが、どこか集中できていない節が見られた。
(まだ僕を見ていない・・・・・いい加減にしろよ!)
オーズはメダルを交換し変身する。
【タカ!トラ!チーター!】
オーズはタカトラータに変身すると一気に轟に近づきトラクローで襲い掛かろうとする。
「クソッ!こういう手はあんま使いたくねぇんだがな。」
轟は右腕全体を氷で覆い氷の爪を作る。
「くっ!」
トラクローを受け止める轟。互いにつばぜり合いになる。
「こいつは驚いた!氷をまさか装備武器にするなんて思ってもみなかったぜ!」
「確かに発想はいいかもしれないが人体への負担を考えているかはいささか疑問だな。」
感心するプレゼント・マイクに対し相澤は冷静に分析する。
「緑谷、お前には感謝している。」
「感謝?」
「ああ。お前と戦っているときだけだが、あのくそおやじのことを忘れられたからな。」
「っ!こんのっ!」
オーズは思いっきり腕に力を入れ轟の氷の爪を破壊すると変身を解き、右腕を振りかぶる。
「っ!?」
突然変身を解いたことに轟は驚くがその隙に出久の拳が轟の顔面に入った。
「ふざけるな!」
出久の渾身の拳によって轟は吹っ飛ばされ、地面に倒れた。
「痛ってーな。」
「みんな・・・・・・・・みんな夢のために!自分の将来のために全力で挑んでるんだ!半分の力で勝とうとしている君を見て、ずっとふざけるなって僕は思ってるよ!」
出久は轟に向かい走る。
「変身してれば避けられるのによ。」
轟は左足から氷を張り出久を足止めしようとするが、出久はそれを跳んで回避すると氷を滑り轟の胸ぐらをつかみ持ち上げる。
「うぉらっ!」
出久は轟を思いっきり投げた。
「ぐっ!」
「僕の知っている人で・・・・・・・二十代前半まで生きられない人がいる。その人は、ヒーローになるのが夢なんだ。でも自分の病気が治らないから、その夢をあきらめるしかないって思ってた。」
轟が立ち上がったところに出久は腹に蹴りを入れ吹っ飛ばす。
「ぐふっ!?」
「でも捨てきれなかった!憧れたから、なりたいと思ったからその人は今も自分の運命に抗うように頑張ってる!」
出久の魂の叫びが轟の耳に、胸に入ってきた。
どんな拳よりも重く、どんな蹴りよりも鋭かった。
「それなのに、君は本気を出さない?ふざけるな!」
「うるせぇ・・・・・俺はあのクソオヤジの個性なんか・・・・・・・」
「うぉおおおお!」
出久の拳が轟の腹に入った。
「君の個性だろ!だったら君は君で、戦えよ!」
その時轟の脳裏に母の優しい声が聞こえた。
(いつから忘れてしまったんだろうな・・・・・あれはまだ俺がガキだったころ、お袋に対してクソ親父が暴力を振るっていたころだ。鍛錬だって言ってガキの俺に無茶なことしまくりやがって、いつも弱音をお袋に向かって吐いてた。お袋は俺に言った。)
『でも、ヒーローにはなりたいんでしょ?いいのよ、なりたい自分になったって。』
(忘れていた。昔オールマイトがテレビで言っていたあの時に聞いたあの言葉を・・・・・)
『―――ええ、確かに親から子へ個性は引き継がれます。ですが大事なのは血ではありません、その繋がりなのです。ですから私は自分に言い聞かせるようにいつも言ってます。
―――私が来た!―――
とね。』
その時轟の何かが、縛っていた何かが解放された。左からは炎が徐々に吹き出し、そして一気に爆発するように噴出した。
(よかった・・・・・・・やっと頑固に閉じこもってた殻を破って・・・・・ぐっ!)
出久は咄嗟に口を片手で塞いだ。少しではあるが血を吹いていた。
(・・・・・・・・・・ごめんなさいリカバリーガール。でも、もう少し我儘を聞かせてください。今の彼になら・・・・・全力で戦って負けてもいいと思えるから。)
出久は自然と笑みを浮かべた。
「なに笑ってんだよ?お前バカじゃないのか?敵に塩送りやがって。」
「・・・・・・・・そうだね。でもそれでイイと僕は思ってる。余計なお世話ってのは、ヒーローの特権だからさ。だから・・・・・・・僕も本気を出せるよ。」
出久はそう言うと三枚のメダルを手に取る。
「アンク、アンクのメダル使わせてもらうよ。」
出久はオーズドライバーにメダルをセットする。セットされたメダルは光っていた。
「コンボか・・・・・だがどんなコンボでも勝ってやる。それにお前のコンボはもう知っているしな。」
「いいや、一つだけ知らないよ。変身!」
【タカ!】
その少年が求めたのは、どこまでも見通し、遠くにいる助けを求める人を見つけられる目。
【クジャク!】
その少年が求めたのは、どんなに遠くにいる人の元へと跳んでいける大きな翼。
【コンドル!】
その少年が求めたのは、どんなに立ちふさがる敵をも一掃する蹴りを繰り出す足。
【タ~ジャ~ドル~!】
出久は
オーズ・タジャドルコンボへと姿を変えた。
オーズのタカヘッドが形を変え、赤いバイザーが現れる。
「はぁ~・・・はっ!」
オーズは羽を広げるように両手を広げるとオーズの背中にクジャクフェザーが現れた。
「・・・・・・・・綺麗。」
誰かがそう言った。
「はっ!」
クジャクフェザーはエネルギー弾となり轟に向かって飛ぶ。
「くっ!」
轟は大きめの氷を盾代わりに展開するがその氷はすぐに粉々砕かれてしまう。
「はっ!」
オーズは轟に接近すると抜き手を繰り出す。
「ふっ!はっはっ!はぁあっ!」
「ぐっ!」
来る出される抜き手に対し轟は防戦一方であった。
「はぁっ!」
繰り出された掌底が轟を吹っ飛ばす。
「くっ・・・・・・だったら!」
轟は左手から一気に炎を吹きだした。オーズは左腕を胸の前にかざすとタジャスピナーが装備され、火球を放つ。炎と炎がぶつかり合い、互いに攻撃を相愛する。
「だったら!」
轟は炎を出すのをやめてオーズに向け巨大な氷をぶつけようとする。
「危ない!」
「避け切れませんわ!」
麗日と八百万が声を上げる。左右どちらに逃げ込もうとも大きすぎる氷に誰もが終わりと思った。
「はぁっ!」
しかしその予想は大きく裏切られた。オーズの背中からクジャクウィングが出現し一気に上昇する。
「と、飛んだ!?!?」
会場にいる人もテレビで試合を見ている人も驚きを隠せなかった。
(もうあまり長く持たない。一気に勝負を決めないと!)
オーズはオースキャナーを手に取りメダルをスキャンする。
「はぁああああ!」
オーズはコンドルレッグが変形しプロミネンスドロップが炸裂しようとしていた。
「うぉおおおおおおおおおお!」
轟は氷の筒を形成するとその中に炎を噴射する。
「せいやぁあああああああ!」
「うぉおおおおおおおおお!」
氷が吹き飛び、オーズは轟と対峙するように着地する。轟は何とか氷の壁で難を逃れていた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・さっきのはかなりヤバかったな。だが今ので必殺技は分かった。」
肩で息をしながら轟はオーズにそう言った。
「だれが一つだけって言った?まだ奥の手があるよ!」
タジャスピナーのディスクの蓋を開け、ベルトからコアメダルを取り出すとタジャスピナーにコアメダルをセットする。
「これで最後っ!」
その瞬間オーズの胸にだけでなく全身に激痛が走った。
(ヤバい・・・・・・・マジで死ぬかも・・・・・・)
オーズは自分が死にそうなのにもかかわらず仮面の下で笑っていた。
「ミッドナイト!これ以上は!」
「彼の身が持たない!」
セメントスは二人の間に壁を作りミッドナイトは全身タイツの腕の部分を破く。オーズは一気に急上昇しタジャスピナーにオースキャナーをかざす。
【タカ!クジャク!コンドル!ギ・ギ・ギ!ギガスキャン!】
メダルの力が凝縮し不死鳥の形をしていた。
「はぁああああ!せいやぁああああああああああああああ!」
出久はまさに命を燃やし轟へマグナブレイズを仕掛ける。
轟は一気に左側から熱を放出し左手を前にかざす。
「ありがとな、緑谷。」
セメントスが作った壁をぶち壊し、互いの最大の技がぶつかり一気に爆発と爆風が起きた。
「きゃぁあああああああ!」
「どうなってますの!」
「なにこれぇえええええええ!」
突然起きた爆風にミッドナイトも吹っ飛ばされてしまう。
「なに・・・・・・・・・いまの?」
あまりの衝撃にプレゼント・マイクもひっくり返っていた。
「今まで冷やされた空気が熱せられて一気に蒸発したんだ。」
「それでこの爆発・・・・・・・・・・・どんだけ熱いんだよ!たくなんも見えねぇぞ!勝負はどうなった?」
ミッドナイトが起き上がり周りを確認する。するとそこには地面に尻もちをつき、熱のせいなのか左半身が見えている轟の姿があった。それに対して出久は突っ立っていた。
「まだ立っているのかよ、緑谷。・・・・・・・・・ん?」
轟はゆっくり近づき顔の前で手を振り反応を見る。しかし何の反応も帰ってこなかった。
「・・・・・・・ミッドナイト、確認をお願いします。」
「え、ええ・・・・・・」
ミッドナイトは出久の状態を確認する。
「・・・・・・・・緑谷君気絶。轟君、優勝!」
ミッドナイトの宣言で歓声が・・・・・・・・・・・わかなかった。
その場を支配したのは静寂であった。誰一人として声を上げようとはしない。
パチパチパチ・・・・
その静寂を破ったのは心操であった。ここまで戦った出久と轟に敬意を表し、拍手を送る。
するとまた一人、また一人と拍手を送る。そして会場全体は拍手によって包まれた。
その後出久はセメントスとミッドナイトに肩を担がれて保健室へと運ばれた。