僕のヒーローアカデミア OOO   作:ザルバ

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30 いいお知らせと悪いお知らせ

 雄英高校体育祭から二日開け、出久はいつも通りに電車に乗って通学していた。

 外は雨が降り、窓を濡らしていた。

「ちょっと。雄英高校の緑谷出久君だよね?」

 急に電車の中で声を掛けられる出久。

「テレビで活躍見てたよ。すごいじゃないか。」

 その人は親指を立てる。

「あ、本当だ。」

「あの個性でヒーロー科じゃないってもったいないよね。」

「でもきっとヒーローになるよ。」

「ええ、今活躍しているどのヒーローよりもね。」

『頑張ってね、ヒーロー。』

「あ、ありがとうございます!」

 その車両に乗っている人たち全員からエールを送られて出久は照れ臭そうに返事をした。

 電車から降りた出久は雄英に向かって歩いていた。

「よう、緑谷。」

「おはよう心操君。」

 出久の後ろから心操が声を掛けて来た。

「お前どうだった?通学中。」

「声をたくさんかけられたよ。心操君は?」

「俺も似たようなもんだ。つっても俺の場合すぐに負けちまったけどな。」

「でも心操君は自分の出せる力を出してたじゃないか。その結果だよ。」

 出久にそう言われると心操は微笑んだ。

「お前は本当にすごいな。それよりヒーロー科の飯田って言ったか?あいつの兄が・・・・」

「・・・・・・・・うん、知ってる。」

 二人が話しているのは雄英体育祭開催中に起きた事件である。

 神出鬼没。過去17名のヒーローを殺害し23名ものヒーローを再起不能にしたヴィラン名・ステイン。別名“ヒーロー殺し”とも呼ばれていた。

「・・・・・・・・・大丈夫かな?」

「飯田のことか?」

「うん・・・・・・一番心配なのは自分を見失って復讐に走らないかってことだよ。」

「・・・・・・・・そうだな。俺も同じ境遇だったらきっと復讐に走っちまうな。」

 二人は飯田のことを心配しながら教室へと入った。

「おはよう緑谷!」

「雄英体育祭の活躍見なおしたけどやっぱお前スゲーわ!」

「頑張ってヒーロー科に編入してくれよ!」

「心操も!来年パワーアップして見返してやろうぜ!」

 教室に入ればクラスのみんなから称賛の声を掛けられた。

 そしてホームルームの時間になると担任があることを急に口にした。

「あー、皆にいいお知らせと悪いお知らせがある。どっちから聞きたい?」

『・・・・・・・・』

 一同急に言われて黙ってしまう。

「じゃあ俺が決めるな。まず悪いお知らせは・・・・・・・来学期にこのクラスから一人いなくなってしまう。」

 そのお言葉を聞いてみんなの脳裏によぎったのは自主退学であった。

 雄英高校は入ってからも努力を怠ってはならない名門校。それに付いて行けず自主退学をするものは少なくないのである。

「じゃあ次にいいお知らせだが・・・・・・・・・緑谷、起立。」

「え?・・・・・・・あ!はい!」

 担任に言われて出久は起立する。

「・・・・・・・・・おめでとう。」

「・・・・・・・え?」

 急におめでとうと言われて何のことかは出久にもクラス全員にもわからなかった。

「これは異例中の異例ではあるんだが、来学期からヒーロー科に編入だ。」

「・・・・・・・・・へ?」

 出久は突然のことに間抜けな声を上げてしまう。

「・・・・・・い・・・・・・」

 誰かがそう言うと周りは一斉に声を揃え叫んだ。

『よっしゃぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』

 迷惑この上ないほどの大きな声ではあるが担任も注意はしなかった。

「スゲーぜ緑谷!」

「ああ!まさか俺たちの中で本当に実現するなんてな!」

「俺たちのガチの希望じゃねぇか緑谷!」

「ヤベーよ!鳥肌マジでなってるよ!」

 一同興奮を抑えられなかった。

「あー、思いっきり喜んでるところ悪いが静かにしてくれ。これには多くのヒーローからの署名と緑谷の功績があってこそ実現したんだ。そしてこれから度々ではあるがヒーロー科の方の授業に出ることになる。それは理解しといてくれ。」

『はーい。』

「じゃあさっそくで悪いが緑谷、A組に行って授業を受けてくれ。緑谷だけないってのは困るからな。」

「わ、わかりました・・・・」

 出久は何のことかわからず教室を出る。

「なんの授業を受けるんだろう?」

 理由もわからずA組へ歩いているとミッドナイトと鉢合わせた。

「あら、緑谷君。君は担任に言われてこっちに?」

「はい。でもなんの授業なのかさっぱり・・・・・」

 出久がそう言うとミッドナイトは微笑んだ。

「彼もサプライズ大好きね。じゃあ特別に教えてあげるわね。今回ヒーロー科が受けるのはヒーロー名を決めることなの。」

「ヒーロー名を!」

 出久は突然のことに驚く。

「でもなんでですか?僕たち一年生にはまだ早いんじゃ・・・・・」

「そうね。でも君も関わったUSJの事件や先日の雄英体育祭。これらの要素があってヒーローから指名があったの。で、職場体験してもらおうって話になったわけ。」

「なるほど。」

 出久はその説明で理解した。

「じゃあ私が呼んだら入ってきてね。」

「わかりました。」

 そう言うとミッドナイトは教室に入って行った。A組全員にヒーロー名の重要性について話すとこう続けた。

「そしてもう一つ、今回はゲストとしてこの子に来てもらってるの。さあ、入ってきて。」

 ミッドナイトが手を叩き促す。そして出久はA組へと足を踏み入れた。

 

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